JPS6226825Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ビデオテープレコーダ等におけるテ
ープ駆動制御装置に関し、特に高速走行中のテー
プを停止せしめるための停止手段に改良を施した
テープ駆動制御装置に関するものである。

一般に、ビデオテープレコーダ等におけるテー
プ駆動制御装置では、走行中のテープを停止させ
るのに、該テープを巻装したリールが装着されて
いるリール台の回転を機械的なブレーキ機構によ
り停止せしめるようにした停止手段が用いられて
いる。このように機械的なブレーキ機構による停
止手段を用いてテープの走行停止を行う場合、特
にテープ走行路の長いビデオテープレコーダにお
いて早送りや送戻し等の高速走行状態のテープを
停止させると、この停止動作のさいに極めて高い
ピークテンシヨンがテープにかかつて、該テープ
に損傷を与える虞れがある。また、機械的なブレ
ーキ機構によるブレーキ力には、大きなバラツキ
があるので停止動作に要する時間が一定にならな
い。さらに、高速走行中のテープを停止させた場
合に、停止状態におけるテープテンシヨンを一定
にすることができない。従来、停止状態における
テープテンシヨンを一定値にするために、高速走
行中のテープを停止させた場合には、停止後に該
テープを所定時間に低速走行せしめてから再び停
止させるようにしているので、この低速走行操作
を行うために高速走行のテープを停止させるため
の動作に必要な実質的な時間が長くなつてしまう
という問題点がある。

そこで、本考案は、上述の如き問題点に鑑み、
高速走行中のテープを円滑に且つ迅速に停止せし
めるとともに、停止状態のテープテンシヨンを最
適な値に制御可能な新規な構成のテープ駆動制御
装置を提供するものである。

以下、本考案について、一実施例を示す図面に
従い詳細に説明する。

第１図はビデオテープレコーダにおけるテープ
走行系の構成を模式的に示しており、それぞれ直
流モータにて構成した各リールモータ１，２によ
つて独立に且つ直接に回転される各テープリール
３，４に巻装した磁気テープ５が、回転磁気ヘツ
ド６を配設した回転ドラム７に摺接して走行する
ように各ガイドピン８にて案内されている。上記
各リールモータ１，２は、その回転数が周波数発
生器９，１０によつてそれぞれ検出され、各検出
周波数信号に基いて記録・再生操作モード時に周
波数帰還型のサーボ制御により各回転速度が制御
されるようになつている。また、早送り操作モー
ドでは、磁気テープ５を順方向に高速走行させる
ように、巻取り側のリールモータ２が図中に矢印
Ａにて示す方向（以下、矢印Ａ方向を巻取り側リ
ールモータ２の正転方向とする。）に高速回転駆
動される。このとき、供給側のリールモータ１
は、上記巻取り側リールモータ２により磁気テー
プ５を介して逆回転させられ、この回転に抗して
正転方向（図中矢印Ｂにて示す方向）のブレーキ
トルクを発生することにより、所定のバツクテン
シヨンを得るようにブレーキ電圧が印加される。
さらに、巻取り操作モードでは、磁気テープ５を
逆方向走行させるように供給側のリールモータ１
が図中矢印Ｂにて示す正転方向に高速回転駆動さ
れる。このとき、巻取り側リールモータ２は、上
記供給側リールモータ１の正転駆動により磁気テ
ープ５を介して逆回転させられ、この回転に抗し
て正転方向のブレーキトルクを発生して所定のバ
ツクテンシヨンを得るようにブレーキ電圧が印加
される。

第２図は上記テープ走行系の早送り操作用のテ
ープ駆動制御装置の構成を示すブロツク図であ
る。第２図において、テープ走行速度設定信号と
して定電圧Ｖ_STの信号が入力端子１２Ａよりモー
タ駆動回路１２に供給され、上記モータ駆動回路
１２を介して巻取り側リールモータ２が定電圧駆
動されている。そして、定電圧駆動されている巻
取り側リールモータ２の回転数を周波数発生器１
０にて検出して得られる検出周波数信号が周波
数・電圧変換回路１３を介して電圧検出信号に変
換して電圧比較器１４の一入力端子１４Ａに供給
されている。この電圧比較器１４の他入力端子１
４Ｂには、供給側リールモータ１によるバツクテ
ンシヨンを定める所定の基準電圧信号が印加され
ている。そして、上記基準電圧信号と電圧検出信
号との差電圧をブレーキ電圧として上記電圧比較
器１４よりモータ駆動回路１１を介して供給側リ
ールモータ１１に供給するようになつている。

上述の如き構成のテープ駆動制御装置では、テ
ープ走行路中に生じた負荷変動を定電圧駆動され
ている巻取り側リールモータ２の回転数の変化と
して検出して供給側リールモータ１によるバツク
テンシヨンを制御して、該巻取り側リールモータ
２の負荷を一定にするようなクローズドループの
制御によつて、巻取り側リールモータ２による磁
気テープ５の定トルク巻取りすなわち安定したテ
ープテンシヨンにて磁気テープ５の早送りを行う
ことができる。しかも、上述の実施例では、一般
的なビデオテープレコーダ等のテープ走行系にお
いて常設されている周波数発生器を利用してテン
シヨン制御を行うので、スペースフアクタの向上
並びにローコスト化および低消費電力化を図るこ
とができる。

第３図は、早送りあるいは巻戻し操作モードに
おいて高速走行中の磁気テープ５を停止せしめる
ための停止制御用のテープ駆動装置の構成を示す
ブロツク図である。この実施例において、各リー
ルモータ１，２をそれぞれ駆動する各駆動回路１
１，１２は、テープ走行の停止が指令されると図
示しないシステムコントローラによつて各速度指
定用の信号入力端子１１Ａ，１２ＡにOVの速度
指定信号が印加され各リールモータ１，２の駆動
を停止する。通常速度のテープ走行状態では、上
記走行停止の指令と同時に図示しない機械的なブ
レーキ手段を作動せしめることにより、磁気テー
プ５を所定のテープテンシヨン状態で停止させる
ことができる。しかし、高速走行状態の磁気テー
プ５の走行を上記機械的なブレーキ手段によつて
直ちに停止せしめるようにすると、各リールモー
タ１，２の大きな慣性力によつてテープテンシヨ
ンが異常に上昇するので、この実施例では、高速
走行中の磁気テープ５の停止が指令された場合に
停止制御回路１７を作動せしめて各リールモータ
１，２の駆動回路１１，１２にブレーキ電圧を供
給し、各リールモータ１，２の回転を電気的ブレ
ーキ手段にて減速せしめ、各リールモータ１，２
の回転が十分に低くなつてから機械的なブレーキ
手段を作動せしめるようにしている。すなわち、
停止制御回路１７は、高速走行中の磁気テープ５
の停止が指令された場合に図示しないシステムコ
ントローラからの制御信号により各リールモータ
１，２を正転（第１図中矢印Ａ、矢印Ｂ）方向に
回転駆動せしめるような第１の所定ブレーキ電圧
V₁を各駆動回路１１，１２のブレーキ信号入力
端子１１Ｂ，１２Ｂに印加する。上記ブレーキ電
圧V₁によつて各リールモータ１，２が正転方向
に回転駆動されることにより、例えば早送り操作
モード状態の場合では、供給側リールモータ１が
慣性力による回転に抗する電気的なブレーキ力に
て減速される。なお、上記ブレーキ電圧V₁は、
テープテンシヨンの許容値およびテープを停止さ
せるに要する時間に基いて任意に設定することが
できる。この電気的なブレーキ操作によつて減速
されたリールモータ１の回転数を周波数発生器９
にて検出し、その周波数検出信号を周波数・電圧
変換器１５にて変換した電圧検出信号について、
所定の基準電圧と電圧比較器１６により電圧比較
することによつて、該リールモータ１の回転数が
所定回転数以下になつたことを検出する。そし
て、上記電圧比較器１６からの検出力信号に応じ
て、上記停止制御回路１７は、第２の所定ブレー
キ電圧V₂を各電圧駆動回路１１，１２のブレー
キ信号入力端子１１Ｂ，１２Ｂに所定時間（例え
ば200ms程度）供給し、さらにテープ走行速度を
減速させる。上記第２の所定ブレーキ電圧V₂
は、停止状態のテープテンシヨンに応じて任意に
設定される。このように、第１および第２の所定
ブレーキ電圧V₁，V₂により設定される電気的な
ブレーキ力により減速した後に、機械的なブレー
キ手段を作動させて、磁気テープ５の走行を停止
することによつて、停止状態のテープテンシヨン
は所定値に制御される。なお、上記所定のブレー
キ電圧にて電気的なブレーキ力を各リールモータ
１，２に正転方向の回転力として与えて、早送り
操作モードの磁気テープ５の走行停止を行う場合
の各リールモータ１，２の回転数と負荷トルクと
の関係を第４図に示してある。

このように、各リールモータ１，２を正転方向
に回転駆動するような電気的ブレーキによつてテ
ープ走行速度を減速せしめてから機械的なブレー
キ手段によりテープ走行を完全に停止せしめるよ
うにした上述の実施例では、高速走行中のテープ
を停止させる場合に、停止までに要する時間およ
びピークテンシヨンならびに停止時のテープテン
シヨンをブレーキ電圧にて任意に制御することが
でき、機械的なブレーキ手段を特殊な構造にしな
くても高速走行状態のテープを円滑に且つ確実に
停止せしめることができる。

上述の実施例の説明から明らかなように、本考
案によれば、一対のリールモータにより直接回転
駆動されるテープリール間でテープを走行せしめ
るテープ駆動制御装置において、各リールモータ
に正転方向への回転駆動力を与える電気的ブレー
キ手段と、各リールモータの回転を機械的に停止
させる機械的ブレーキ手段と、各リールモータの
回転数が所定の回転数以下になつたことを検出す
る検出手段と、上記電気的ブレーキ手段の動作を
制御する制御手段とを設け、高速走行中のテープ
を停止させるにあたり、上記制御手段により、第
１のブレーキ電圧を上記電気的ブレーキ手段に供
給して上記リールモータを減速させ、上記リール
モータの回転数が所定の回転数以下になつたこと
を上記検出手段が検出したらさらに第２のブレー
キ電圧を上記電気的ブレーキ手段に供給してテー
プ走行速度を所定速度以下に減速せしめ、その後
に上記機械的ブレーキ手段により上記リールモー
タの回転を停止せしめるようにしたことによつ
て、テープを停止させるまでに要する時間および
ピークテンシヨン並びに停止時のテープテンシヨ
ンを電気的ブレーキ手段に与えるブレーキ電圧に
より任意に制御して、高速走行中のテープを円滑
に且つ確実に機械的ブレーキ手段にて停止せしめ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の適用されるビデオテープレコ
ーダのテープ走行系の構成を模式的に示す平面図
である。第２図は上記テープ走行系における早送
り操作用のテープ駆動制御装置の構成例を示すブ
ロツク図である。第３図は本考案に係るテープ駆
動制御回路の一実施例の構成を示すブロツク図で
ある。第４図は上記実施例における各リールモー
タの回転数と負荷トルクとの関係を示す特性線図
である。 １，２……リールモータ、３，４……テープリ
ール、５……磁気テープ、９，１０……周波数発
生器、１１，１２……モータ駆動回路、１３，１
５……周波数・電圧変換器、１６……電圧比較
器、１７……停止制御回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一対のリールモータにより直接回転駆動される
   テープリール間でテープを走行せしめるテープ駆
   動制御装置において、 各リールモータに正転方向への回転駆動力を与
   える電気的ブレーキ手段と、各リールモータの回
   転を機械的に停止させる機械的ブレーキ手段と、
   各リールモータの回転数が所定の回転数以下にな
   つたことを検出する検出手段と、上記電気的ブレ
   ーキ手段の動作を制御する制御手段とを設け、 高速走行中のテープを停止させるにあたり、上
   記制御手段により、第１のブレーキ電圧を上記電
   気的ブレーキ手段に供給して上記リールモータを
   減速させ、上記リールモータの回転数が所定の回
   転数以下になつたことを上記検出手段が検出した
   らさらに第２のブレーキ電圧を上記電気的ブレー
   キ手段に供給してテープ走行速度を所定速度以下
   に減速せしめ、その後に上記機械的ブレーキ手段
   により上記リールモータの回転を停止せしめるよ
   うにしたことを特徴とするテープ駆動制御装置。