JPS6226646Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はボイラを保護する装置に係り、特に
ボイラ天井管の保護に好適な装置に関する。

発電所等の大型ボイラはボイラ外部に設置した
鉄骨により懸吊支持され、かつ断熱材の保持およ
び保護のためケーシングが設けられている。第１
図はボイラの懸吊およびケーシングの設置状態、
さらにボイラ天井管の保持状態を示す。ボイラは
通常以下に示す部材により構成されている。つま
り、ペントハウスケーシング２、ペントハウスケ
ーシング２の天井面を形成する天井ケーシング２
ａ、蒸発管３、炉頂部に設置した蒸発管である天
井管３ａ、過熱器６および６ａ節炭器７、バーナ
９、バーナ９に対する空気を供給するウインドボ
ツクス８、管寄せ１０および蒸気管３を保持する
ためのバツクステー５等である。以上の如く構成
されたボイラは、ボイラ周囲に立設した鉄柱１、
この鉄柱１の間にさし渡した大梁１ａ、さらにこ
の大梁１ａに直交するようさし渡した小梁１ｂに
より吊りボルト４を介して懸吊支持されている。
なお、符号４′で示すものは天井管３ａを懸吊支
持する吊りボルトである。ここで近時、ボイラの
炉内圧力は高くなる傾向にあり、前記天井管３ａ
が炉内圧力により膨出し、ペントハウスケーシン
グ側に曲折する虞れが生じている。第２図および
第３図は従来の天井管曲折防止の手段を示す。先
ず第２図において、天井管３ａの膨出力はタイバ
１２スタンレオフ１３を介してバツクステー５ａ
に伝達され、さらにシヤーラグ１１を経てバツク
ステー５ａの両端に位置する管寄せ１０で支持
し、天井管３ａの曲折を防止している。第３図は
管寄せ１０がバツクステー５ａの中央部にも存在
する場合の支持方法を示す。第２図および第３図
のいずれの場合も管寄せは２本もしくは３本と少
数であり、このためバツクステー５ａは天井管３
ａの膨出に伴う大きな曲げモーメントに耐えるた
め大型かつ大重量のものを使用せざるを得ない。
さらに天井管３ａの膨出力により管寄せ自体も曲
折する虞れがある。

この考案は天井管支持の位置および支持個数が
自由に設定でき、しかもバツクステーの小型、軽
量化も図ることができるボイラ保護装置を提供す
ることにある。

要するにこの考案は天井管支持用のバツクステ
ーと天井ケーシング支持用梁の間、および天井ケ
ーシングと小梁もしくは大梁の間に各々支持体を
配置し、天井管の膨出曲折を天井ケーシング支持
用梁および小梁もしくは大梁によつて二段階に支
持するよう構成したものである。

以下この考案の実施例を第４図および第５図に
より説明する。第４図は天井管支持装置の全体図
を、第５図は第４図の部分拡大図である。先ず第
５図において、天井管３ａに対してはタイバ１
２、スタンドオフ１３を介してバツクステー５ａ
が配置してある。一方天井ケーシング２ａを支持
する支持梁１４に対しては下部支持体２１ｂが溶
接等の強固な固着手段により接続している。下部
支持体２１ｂの他端は当て板１６ａが設けてあ
り、この当て板１６ａと前記バツクステー５ａの
間には僅かな間隙e′を形成するかもしくは両者が
軽く接触するようにしておく。次に支持体２１ｂ
を設けた位置において、天井ケーシングの上面に
は支持台１７が設置してある。この支持台１７の
直上部に位置する小梁１ｂに対しては前記と同様
の上部支持体１５が溶接等により固着してある。
上部支持体１５の他端には当て板１６が設けてあ
り、この当て板１６と支持台１７の間は僅かな間
隙ｅを形成するか、もしくは両者を軽く接触させ
ておく。なお、支持台１７とケーシング外板２ｃ
との間にはケーシング外板２ｃの熱膨張を吸収す
るための空間Ｓを形成し、かつこの空間Ｓから雨
水等が侵入するのを防止するため、空間Ｓを覆う
ように雨仕舞カバー１８を配置しておく。１９は
保温材である。

以上の構成において、天井管３ａに膨出力が加
わると、先ず、バツクステー５ａおよび下部支持
体２１ｂを介して天井ケーシング支持用梁１４で
支持し、さらに支持用梁１４が撓むと支持台１７
および上部支持体１５を介して小梁１ｂで支持
し、天井管３ａの曲折を防止する。

以上の如く構成した支持装置は、小梁１ｂのみ
でなく、大梁１ａの下部にも複数基配置してあ
る。（第４図参照）すなわち下部支持体２１ａ，
２１ｂ，２１ｃおよび２１ｄの上部には天井ケー
シング支持用梁１４および支持台１７を介して上
部支持体１５が、大梁１ａもしくは小梁１ｂと前
記支持台１７の間に介在配置してある。

この考案によれば、天井管の膨出を下部支持体
および上部支持体を介して、天井ケーシング支持
用梁および大梁または小梁で二段で支持するので
天井管の膨出をほぼ完全に防止できる。

また支持すべき位置および支持個数を自由に設
定できるので、バツクステーの小型、軽量化が図
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図はボイラの懸吊方法を示すボイラの側断
面図、第２図は第１図のＡ部横断面詳細図、第３
図は第２図の変形態様を示す横断面図、第４図は
この発明に係る天井管保護装置の設置状態を示す
ボイラ天井部の側断面詳細図、第５図は第４図の
拡大部分図である。 １ａ……大梁、１ｂ……小梁、２ａ……天井ケ
ーシング、３ａ……天井管、５ａ……バツクステ
ー、１４……天井ケーシング支持用梁、１５……
上部支持体、１７……支持台、２１ａ，２１ｂ，
２１ｃ，２１ｄ……下部支持体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天井管の膨出をバツクステー５ａで防止しボイ
   ラを保護するものにおいて、天井ケーシング支持
   梁１４より垂下しその下端が前記バツクステー５
   ａに近接位置する複数の下部支持体２１ａ〜ｄを
   設け、更にボイラ支持鉄骨の一部の大梁１ａ及び
   小梁１ｂより垂下し下端が天井ケーシングの支持
   台１７に近接して位置する複数の上部支持体１５
   を設けたことを特徴とするボイラ保護装置。