JPS6337284B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はボイラケーシングを保護する装置の
構造に関する。

発電所用等の大型ボイラはボイラ外部に設置し
た鉄骨により懸吊支持され、断熱材の保持と保護
のためケーシングが設けられている。第１図はボ
イラの懸吊およびケーシングの設置状態を示し、
ボイラは、ボイラ頂部に設けたペントハウスケー
シング２、およびこのペントハウスケーシング２
の天井面を形成する天井ケーシング２ａ、蒸発管
３、炉頂部に配置した蒸発管である天井管３ａ、
過熱器６および６ａ、節炭器７、バーナ９および
バーナ９に対する空気を供給するウインドボツク
ス８、管寄１０等から構成されている。以上の部
材で構成されるボイラはこのボイラ周囲に立設し
た鉄柱１、この鉄柱１の間にさし渡した大梁１
ａ、さらにこの大梁１ａに直交するようさし渡し
た小梁１ｂにより吊りボルト４を介して懸吊支持
されている。また4′は天井管３ａを懸吊支持する
吊りボルトである。このボイラ装置において重量
の大半を支持する吊りボルト４に対しては多くの
荷重が加わり、天井管３ａのみを支持する吊りボ
ルト４′についての吊り荷重は軽くなる。このよ
うな状態において、ペントハウスケーシング２お
よび天井ケーシング２ａに対しては運転時内部圧
力が加わるが、この内部圧力が天井ケーシング２
ａの自重よりも大となるため、天井ケーシング２
ａに押し上げ膨出の方向の力を受ける。このた
め、天井ケーシング２ａが曲折する虞れがある。
第２図は第１図のＡ部詳細図であつて、前記天井
ケーシング２ａの曲折および吊りボルト４′の座
屈を防止する保護装置の構造を示す。つまり、天
井ケーシング２ａと小梁１ｂの間には筒体の支柱
であるストツパ１１を介在させ、このストツパ１
１内を吊りボルト４′を配置して、吊りボルト
４′および天井ケーシング２ａの上方向への移動
をストツパ１１を介して小梁１ｂで支持すること
により前記曲折、座屈を防止するようにしたもの
である。しかしこのような装置では、ストツパ１
１の内部に吊りボルトを配置するため設置位置お
よび設置個数が限定され、かつ小梁下面とストツ
パの設定寸法の確認が困難で、設置位置が高所で
あることも加わつて作業性が悪いという欠点があ
つた。またストツパの内部に設置した吊りボルト
のため、ストツパと天井ケーシングの相対的移動
が不可能となり、ボイラケーシングの熱応力を有
効に吸収することができなかつた。

この発明の目的は以上の欠点を除去し、設置位
置および設置個数が自由で、しかも現場据え付け
が容易なボイラケーシング支持装置を提供するこ
とにある。

要するにこの発明は、天井ケーシング、好適に
は天井ケーシング支持用梁に設置した支持台と、
この支持台の上部に位置する小梁の間に、吊りボ
ルトとは無関係にストツパを介在させて天井ケー
シングの上向きの力を支持し、かつストツパの小
梁側端部のみをこの小梁と固着させることにより
天井ケーシングの熱応力を吸収するように構成し
たものである。

以下この発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。

第３図において天井ケーシング２ａを支持する
梁１５に対して後記するストツパを支持する支持
台１６が載置固定されている。この支持台１６は
図示の如き方形に限らず、天井ケーシング２ａの
押圧力を支持し得る強度を有していればその形状
は問わない。保温材１２を介して天井ケーシング
２ａの外部に設置した天井外部ケーシング１３と
前記支持台１６の間には熱応力吸収用に一定の間
隙Ｓが形成されているが、この間隙Ｓから雨水が
浸入するのを防止するため、間隙Ｓを覆うように
レインカバー１３ｃを支持台１６に取り付ける。
一方支持台１６の直上に位置する小梁１ｂに対し
てはストツパ１１ａが溶接２０等の手段により固
着してある。このストツパ１１ａの他方の端部に
対しては当て板１７が固着されており、平時つま
り天井ケーシング２ａが上方に押圧されていない
場合にはこの天井ケーシング２ａと当て板１７の
間に僅かの間隙ｅが形成されるか、もしくは軽く
接触するよう構成しておく。

以上の構成において、天井ケーシング２ａが上
側に押圧された場合には支持台１６、ストツパ１
１ａを介して小梁１ｂでこの押圧力を支持し保護
する。また天井ケーシング２ａに生じた熱応力は
当て板１７と支持台１６の間の摺動により吸収す
る。

第４図は上記した装置を別のケーシングに応用
したものであつて、このケーシングの場合には、
天井ケーシング２ａおよびこれに載置した保温材
１２と一定の空間を介してデツキプレート１４が
設けてある。この場合はこのデツキプレート１４
を挿通してストツパ１１ａを配置し、デツキプレ
ート１４とストツパ１１ａの間から雨水が浸入す
るのを防止するためレインカバー１４ｃを取り付
ける。

この発明によれば吊りボルトの機能を阻害する
ことなくケーシングの膨出を防止するストツパの
設置ができるので、ケーシングの亀裂等によるガ
ス洩れを防止することができる。

またストツパと天井ケーシグは固着していない
ため、天井ケーシングに生じた熱応力を良好に吸
収することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はボイラの懸吊方法を示すボイラ側面概
略図、第２図は第１図のＡ部詳細図であつて従来
型ストツパ装置の側面図、第３図はこの発明に係
るストツパをもつ保護装置の側面図、第４図は別
の応用例を示すストツパをもつ保護装置の側面図
である。 １ｂ……小梁、２ａ……天井ケーシング、１
１，１１ａ……ストツパ、１５……天井ケーシン
グ支持用梁、１６……支持台、１７……当て板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 吊り下げ型ボイラの天井ケーシングを保護す
   るものにおいて、ボイラ鉄骨天井部の平行する複
   数の大梁間を接続する複数本の小梁１ｂを天井ケ
   ーシング２ａ用の梁１５に対応して設け、梁１５
   に複数個の支持台１６を接続し、下端に当て板１
   ７を有する管材のストツパ１１ａをその下端を支
   持台１６と隙間ｅを持ち対向させ、上端は小梁１
   ｂに接続して設けたことを特徴とするボイラケー
   シング保護装置。 ２ 前記支持台１６の上端近傍にはレインカバー
   １３ｃを設けたことを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載のボイラケーシング保護装置。 ３ ストツパ１１ａがボイラケーシング２ａの外
   側に設けたデツキプレートを挿通するときは、そ
   の挿通部にレインカバー１４ｃを接続することを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載のボイラケ
   ーシング保護装置。