JPS6226265Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 開示技術は自動車等の車輛のリクライニングシ
ートをテーブル兼用にする技術分野に属する。

而して、この考案は該自動車等の車輛内に装設
されているリクライニングシートのクツシヨンシ
ートにリクライニングヒンジを介してバツクシー
トがそのリクライニングヒンジアームにより傾倒
角を設定自在にされているシート構造に関する考
案であり、特に、バツクシートの側面にアームブ
ラケツトを固設しその長手方向のスライド溝をし
てリクライニングヒンジアームに設けたガイドピ
ンに係合させてバツクシートをリクライニングヒ
ンジアームに沿つて伸縮させ姿勢変位自在にする
と共にリクライニングヒンジアームに設けたシー
トストツパとテーブルストツパに選択的に係合可
能にし、前者に対しバツクシート姿勢を、後者に
対してテーブル面を上面にしてテーブル姿勢を維
持することが出来るようにした車輛のシート構造
に係る考案である。

〈従来技術〉 周知の如く、所謂マルチユーストバン型ワゴン
自動車等の車輛にはフロントシートの他にリヤNo.
１シート、リヤNo.２シートとしてセンターシー
ト、リヤシート等の複数シートが設けられてお
り、そのセツト態様も固定式、スライド式、又、
リクライニングタイプ、しかも、フルバツクでベ
ツドに兼用出来るフルフラツト形式等多機能的に
されているものがある。

〈考案が解決しようとする問題点〉 さりながら、これらのシートは本来座席として
のフル使用に供されることを前提として多機能的
に設計されており、したがつて、潜在的には満席
座着に応えるシート機能を有するものでなければ
ならないが、数席が未使用状態の場合の多機能的
なフル使用において未開発の部分があり、その１
つのテーブル機能があつて、レジヤードライブ時
の軽食や娯楽、地図読み、メモ書き等の機会に則
応出来るものが求められていた。

これに対処するに、所謂愛車セツト式に簡易テ
ーブルをトランク内に格納しておき、バツクシー
トに取外し可能に取り付けるタイプのものも案出
されてはいるが、取付け、取外しが極めて煩瑣で
ある難点があり、スペース的に大きくとれない欠
点があり、又、走行中トランクから取り出せない
不具合があつた。

この考案の目的は上述従来技術に基づく車輛内
セツテーブルのニーズの問題点を解決すべき技術
的課題とし、別設タイプのテーブルと異なり、リ
クライニングシートの何ら使用されていないバツ
クシートを広いテーブル面として生かし、該バツ
クシートを上伸反転させてそのままテーブルとし
て使用すことが出来るようにして交通産業におけ
る装備品利用技術分野に益する優れた車輛のシー
ト構造を提供せんとするものである。

〈問題点を解決するための手段・作用〉 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を
要旨とするこの考案の構成は前述問題点を解決す
るために、リクライニングシートの通常使用時は
バツクシートをリクライニングヒンジを介し所定
角度に傾倒して本来のシートとして適宜使用に供
し、而して、テーブルとして使用する時にはバツ
クシートをしてリクライニングヒンジアームに沿
つて引上げ、設定位置でガイドピンを介して旋回
反転させ、その背面のテーブル面を上面にしてス
トツパピンにより位置姿勢固定を図り、テーブル
として機能させ得るようにした技術的手段を溝じ
たものである。

〈実施例〉 次に、この考案の１実施例を図面に基づいて説
明すれば以下の通りである。

第１図に示す態様において、１は車輛としての
周知の所謂マルチユーストバン型タイプのワゴン
車であり、車内にはフロントシート２、センター
シート３、リヤシート４が設けられており、この
考案では該センターシート３がリクライニングシ
ートであつて実線のシート使用状態から点線のテ
ーブル使用状態に姿勢変更自在にされている。

而して、シート構造は第２，３図の態様に示す
様に、シート３のクツシヨンシート５の側部に設
けたリクライニングアジヤスタ６を有するリクラ
イニングヒンジ７のヒンジピン８に図示しない周
知のリクライニング装置を介してリクライニング
ヒンジアーム９が横断面コの字型であり外方凸出
状にされて旋回自在に枢支されており、その内面
下部にはシートストツパとしてのピン１０が、
又、上部にはガイドピン１１が植設固定され、更
に、該ガイドピン１１のやや下位前方にはリクラ
イニングヒンジアーム９に直交して弾圧バネ１２
を介して進退するテーブルストツパとしてのピン
１３が外側に設けたロツクレバー１４に固定され
て設けられている。

尚、ピン１０、１１の内向き高さはリクライニ
ングヒンジアーム９のフランジ１５の高さよりや
や高くされている。

１６はバツクシートであり、リクライニングシ
ンジアーム９に沿つて設けられその側面には長片
のアームブラケツト１７が固設され、該アームブ
ラケツト１７にはガイドピン１１が相対スライド
する長孔状のスライド溝１８が穿設され、又、一
方の先端にはフオーク状のロツク溝１９が形成さ
れ、シートストツパとしてのピン１０に係止して
ロツク作用をするようにされている。

そして、スライド溝１８の側部に穿設したロツ
ク孔２０にはテーブルストツパとしてのピン１３
が出没自在にされている。

尚、バツクシート１６の背面には化粧板パネル
のテーブル面２１が設けられている。

上述構成において、第３図実線状態の通常使用
にはリクライニングアジヤスタ６を介してバツク
シート１６をリクライニングヒンジアーム９と共
に所望角度に傾倒して座着に供する。

この場合、アームブラケツト１７のロツク溝１
９は、ピン１０に係止してリクライニングヒンジ
アーム９にアームブラケツト１７を介してバツク
シート１６を一体固定している。

而して、該バツクシート１６をしてテーブルと
して作用させる場合には第４図に示す様にリクラ
イニングアジヤスタ６をａ方向に作動し、バツク
シート１６をリクライニングヒンジアーム９ごと
ｂ方向に設定角前倒させ、傾倒姿勢を固定させ
る。

次いで、第５図に示す様にリクライニングヒン
ジアーム９に沿つてバツクシート１６をＣ方向に
伸張させると、アームブラケツト１７のロツク溝
１９がリクライニングヒンジアーム９のシートス
トツパのピン１０から外れ、ガイドピン１１がス
ライド溝１８の上端から離れて相対スライドし、
第６図に示す様ガイドピン１１がスライド溝１８
の底部に当接する。

そこで、バツクシート１６を第６図ｄ方向に押
すとガイドピン１１を中心にバツクシート１６は
反転するようにされ、その時ロツクレバー１４を
引いておいてテーブルストツパのピン１３がロツ
ク孔２０に一致するように芯出しし、そこでロツ
クレバー１４を放すと、弾圧バネ１２によりピン
１３はロツク孔２０に挿入されアームブラケツト
１７はロツクされ、バツクシート１６は第７図に
示す様に水平姿勢に固定され、テーブル面２１が
上面に呈示される。

そこで、該テーブル面２１上に食物を置いた
り、そこで書物をしたりする。

而して、テーブル使用からバツクシートにする
場合には上述操作を逆に行えば良い。

尚、この考案の実施態様は上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、例えば、テーブルス
トツパピンに対するロツク孔を複数にしてテーブ
ル面にセツト高さを自在にする等種々の態様が採
用可能である。

〈考案の効果〉 以上、この考案によれば、自動車等の車輛に設
けられたリクライニングシートのバツクシート背
面をテーブル面とし、リクライニングヒンジアー
ムのガイドピンに対してバツクシート側面に固定
したアームブラケツトのスライド溝を係止させる
ようにすると共に該アームブラケツトがリクライ
ニングヒンジアームのシートストツパのピンとテ
ーブルストツパのピンに選択的に係合自在にする
ようにしたことにより、基本的に通常のリクライ
ニングシートとして使用することは何ら阻害され
ず、テーブルとしても所望に使用出来、しかも、
該リクライニングシートのバツクシートの広い背
面をテーブル面として使用することが出来、その
弾力的使用が得られるという優れた効果が奏され
る。

又、操作もリクライニングヒンジアームに対し
てバツクシートを固定アームブラケツトを介して
伸縮スライドさせ、半転させるだけでテーブル
化、リクライニングシート化がワンタツチ裡に出
来るので容易、且つ、スムーズに切換が行えると
いう効果もある。

更に、リクライニングシートを用いているため
設計上広い面積のテーブル面の高さ、姿勢を自在
にすることが出来る自由度がある効果もある。

そして、シートストツパ、テーブルストツパに
より両姿勢の維持固定が出来、安定して用いられ
るメリツトがある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の１実施例の説明図であり、第
１図は全体概略透視図、第２図は部分拡大斜視
図、第３図は構造概略斜視図、第４、５、６、７
図はテーブル姿勢化プロセスの側面図である。 １……車輛、３……リクライニングシート、１
６……バツクシート、５……クツシヨンシート、
７……リクライニングヒンジ、９……リクライニ
ングヒンジアーム、２１……テーブル面、１８…
…スライド溝、１７……アームブラケツト、１１
……ガイドピン、１０……シートストツパ、１３
……テーブルストツパ、１２……バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輛に設けられたリクライニングシートのバツ
   クシートがクツシヨンシート側部のリクライニン
   グヒンジに対して該バツクシート側部のリクライ
   ニングヒンジアームを介して姿勢変位自在にされ
   ているシート構造において、上記バツクシートの
   背面がテーブル面に形成されると共にその側面に
   長手方向に沿うスライド溝を有するアームブラケ
   ツトを長手方向に固設し上記リクライニングヒン
   ジアーム上部内側のガイドピンに上記スライド溝
   が係合自在にされ、而して上記アームブラケツト
   がリクライニングヒンジアームの下部内側のシー
   トストツパと上部内側のバネを介したテーブルス
   トツパに選択的に係合自在にされていることを特
   徴とする車輛のシート構造。