JPS6225795B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、蒸気で加圧される摩砕装置の中
で、リグノセルローズ含有繊維材料を摩砕し、摩
砕された材料を、摩砕装置からこれの中に存する
蒸気と共にダクト手段を通してサイクロンに送
り、ここにおいて、パルプ材料とこれに伴なう蒸
気を互に分離しかつ摩砕されたパルプ材料を別の
処理部へ送出するようにした、リグノセルローズ
含有繊維材料からパルプを製造する装置に関す
る。

リグノセルローズ含有繊維材料からの、精密器
による機械的なもしくは熱機械的なパルプの製造
において、摩砕装置内で処理される材料には、摩
擦によつて生じる100゜を越える温度の上昇によ
つて、材料に伴なう水分をこれから迅速に蒸発さ
せる程度の大きなエネルギが通常供給される。摩
砕作業中に材料が乾燥して、その結果として材料
が処理に望ましくない過大な温度にさらされるよ
うになることを回避するため、通常は、蒸発によ
つて材料から除去された水の量に対応し従つてこ
の水に置き代るような量の水分が、摩砕作業の際
に添加される。

この方法においては、このような摩砕工程の際
に多量の蒸気が生じ、これは、装置内での材料の
流れの妨害を避けるために、摩砕装置から除去さ
れなければならない。蒸気の含有熱をできるだけ
有効に利用できるようにするためには、この蒸気
の除去は、パルプ製造の本来の工程を邪げるかも
知れない部材を使用することなしに、できるだけ
高い圧力で達成されなければならない。

かくしてこの発明の主な目的は、蒸気ができる
だけ高い圧力で除去され、この際に摩砕装置を通
る材料の流れおよびその他のパルプ製造工程が妨
害を受けることがない、リグノセルローズ含有繊
維材料からパルプを製造する装置を提供すること
にある。

この目的の達成のため、この発明によれば、加
圧された蒸気雰囲気の中で繊維材料を摩砕するた
めの離解装置と、前記離解装置からの、摩砕され
たパルプ材料および蒸気の吐出を制御するブロー
弁と、吐出されるパルプ材料を、これに伴なう蒸
気によつて、パルプ材料と蒸気を互に分離するた
めの蒸気密の受取サイクロンへ推進させるため
の、蒸気密のダクト手段と、蒸気から分離された
パルプ材料を、前記受取サイクロンから吐出し、
受取サイクロンの中の圧溶を維持するためにパル
プを蒸気密なプラグ状に形成する吐出手段と、前
記離解装置と前記受取サイクロンの間に蒸気の推
進力を維持するだけに十分な圧降下を生成させる
ように、受取サイクロンの中の蒸気圧力を制御す
る弁を備えた、パルプ材料から分離された蒸気
を、受取サイクロンから吐出する手段とを有す
る、リグノセルローズ含有繊維材料からパルプを
製造する装置、が提供される。

この発明のその他の目的、特性および利点は、
この発明の実施例を示す図面を参照しつつ記載す
る以下の説明によつて、明らかになるであろう。

図面において、符号１０は、出発物質である、
リグノセルローズ含有繊維材料、例えば砕木チツ
プ、のための貯蔵容器を示す。出発繊維材料は、
モータ１１によつて駆動されるねじフイーダ１２
（これは、砕木チツプをプラグ状に形成する部材
１３を備える）によつて、蒸気加圧の反応容器１
４に供給され、この容器の中で、材料は予熱され
る。材料の予熱のため、蒸気が、蒸気源（図示な
し）から配管１５を通つて容器１４に供給され
る。容器１４の底は、モータ１７によつて駆動さ
れる木質の材料のためのねじコンベア１６を介し
て、蒸気圧力で作動される離解装置、例えば円板
精砕器１８、に直接連結される。円板精砕器１８
は、閉じたケーシング１９を有し、この中に、静
止する摩砕円板２０と、フレーム２２の中の軸２
１に取付けられた回転可能の摩砕円板２３とが配
置される。ねじコンベア１６によつて供給される
出発材料は、相対回転する両円板２０，２３の間
の摩砕間隙２４を通過し、通過の際に、この間隙
の中で離解される。材料の離解の際に摩擦によつ
て生じる熱は、この材料に伴なう水分を蒸発さ
せ、これによつて発生する蒸気は、部分的に、ね
じコンベア１６または独立に配置された蒸気通路
（図示なし）を通つて、反応容器１４の中で後向
きに流れる。この反応容器において、蒸気の含有
熱は、この反応容器１４の中へ送られた材料を所
望の温度に加熱するに利用される。離解装置の中
で生じた蒸気は、また部分的に、摩砕された材料
すなわちパルプ材料と共に、摩砕円板２０，２３
の間の摩砕間隙２４を通つて、これら摩砕円板を
包囲するケーシング１９の中へ外向きに流れる。

ケーシング１９の中に集まつた離解された材料
は、摩砕円板の間の間隙２４から逃げる蒸気によ
つて、このケーシングからブロー弁２５およびダ
クト手段２６例えば管を通つて、繊維と蒸気を互
に分離するための受取サイクロン２７へ送られ
る。サイクロン２７は、その下端で、蒸気に密な
方法で、吐出手段２８に連結され、サイクロン内
で分離されたパルプ材料が、この吐出手段２８に
よつて、サイクロン２７から吐出される。この連
結部における吐出手段２８は、受取サイクロン２
７から蒸気に密な方式でパルプ材料を吐出できる
形式のもので、例えば高密度ポンプ、歯車ポン
プ、圧縮効果をもつねじフイーダまたは隔室フイ
ーダの形状を有し、或いは上述した要求に従う別
の同様の形式の吐出装置からなる。隔室フイーダ
を吐出手段２８として使用すれば、これの出口側
に存する空気をこの場所の蒸気で置換でき、よつ
てサイクロン２７へのこの空気の浸透が阻止でき
る。

蒸気送出管２９は、サイクロン２７の頂部から
延長する。この管２９は、サイクロン２７の中の
蒸気圧力を制御するための制御手段例えば弁３０
を装着する。弁３０によつてサイクロン２７の中
の蒸気圧力は、精砕器１８からサイクロン２７へ
材料を運搬するに必要な圧力降下だけ、実質的に
精砕器１８内に維持される蒸気圧力より小さくな
るように、維持される。弁３０は、導線３１を介
して、圧力差調整器３２によつて制御される。こ
の調整器は、導線３３および３４によつて、精砕
器１８およびサイクロン２７にそれぞれ接続さ
れ、かつこの精砕器およびサイクロン内の蒸気圧
力によつて、連続的に作動される。送出管２９か
らの蒸気は、例えば付加の浄化サイクロン３５に
供給され、このサイクロンの中で、蒸気に伴なう
繊維が分離される。この繊維は、モータ３７で駆
動されるねじフイーダ３６を通つて、サイクロン
２７へ戻され、或いは破線３９で示されるよう
に、吐出手段２８からの送出管３８へ戻される。
浄化サイクロン３５からの余剰蒸気は、弁４１お
よび圧力調整器４２をもつ送出管４０を通つて、
過圧蒸気を使用する或る装置または工程に送られ
る。圧力調整器４２は、導線４３を介して、弁４
１を制御し、弁４１の前方の管４０の中の圧力に
よつて、並びに外部の操作源によつて、導線４
４，４５を介して作動される。サイクロン２７の
中へ送られる以前のパルプ材料、もしくはこのサ
イクロンの中のパルプ材料には、化学薬品を添加
してまたは添加しないで材料をさらに加工または
処理するために必要な稀釈液が、弁４７，４８を
持つ管４６，４９を通して供給される。

パルプ材料は、モータ５０によつて駆動される
ねじフイーダ５１によつて、高密度ポンプなどの
吐出手段２８の送出管３８から、例えば直接連結
の円板精砕器５２などのような第２の離解装置の
中へ送ることができる。この第２の円板精砕器５
２は、前述の第１の精砕器１８と同様に、閉じた
ケーシング５３を有し、これの中に、静止の摩砕
円板５４と、フレーム５６の中の軸５５に取付け
られた回転可能の摩砕円板５７とが収容される。
第２の精砕器からのパルプ材料は、弁５９によつ
て制御される送出管５８を通つて、付加の作業段
階および別の処理部へ送出される。

精砕器５２におけるパルプ材料の第２回の精砕
処理は、明らかに、或る場合に別の処理に置き代
えできる。この場合には、高密度ポンプなどの吐
出手段２８の背後に、パルプ材料を別の処理部へ
送るための、ねじフイーダなどのフイーダ（図示
なし）が挿入される。上述した説明から明らかな
ように、この発明の方法および装置によれば、蒸
気の除去は、この蒸気除去すなわち蒸気分離がパ
ルプ製造の本来の工程を妨害しないような、でき
るだけ高い圧力で確保される。このことに関し
て、第１精砕器１８と受取サイクロン２７の間の
圧力差が適当に調節されて、サイクロンの中の蒸
気圧力が、ダクト手段２６内のパルプ材料の輸送
に必要な圧力降下だけ、精砕器１８内に維持され
る蒸気圧力よりも低くされる。この方法によれ
ば、対応する高い圧力の分離された蒸気が、この
高圧の蒸気の使用を必要とするまたはこれを使用
できる別の処理部へ、さらに送ることができるか
ら、作業におけるかなりの熱節約が達成される。

明らかに、この発明は、図示した実施例に限定
されるものではなく、発明の基本的構想の範囲内
で変えることができる。かくして、上述したよう
に、パルプ材料は、受取サイクロン２７から吐出
手段２８によつて、パルプのその後の利用に依存
する任意の処理部に供給できる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この発明の装置の実施例を表わす線図
的側面図である。 図面において、１８は離解装置、２５はブロー
弁、２６はダクト手段、２７は受取サイクロン、
２８は吐出手段、３０は制御手段を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 加圧された蒸気雰囲気の中で繊維材料を摩砕
   するための離解装置１８と、前記離解装置から
   の、摩砕されたパルプ材料および蒸気の吐出を制
   御するブロー弁２５と、吐出されるパルプ材料
   を、これに伴なう蒸気によつて、パルプ材料と蒸
   気を互に分離するための蒸気密の受取サイクロン
   ２７へ推進させるための、蒸気密のダクト手段２
   ６と、蒸気から分離されたパルプ材料を、前記受
   取サイクロンから吐出し、受取サイクロンの中の
   圧力を維持するためにパルプを蒸気密なプラグ状
   に形成する吐出手段２８と、前記離解装置と前記
   受取サイクロンの間に蒸気の推進力を維持するだ
   けに十分な圧力降下を生成させるように、受取サ
   イクロンの中の蒸気圧力を制御する弁３０を備え
   た、パルプ材料から分離された蒸気を、受取サイ
   クロンから吐出する手段とを有する、リグノセル
   ローズ含有繊維材料からパルプを製造する装置。 ２ 稀釈剤および化学薬品またはそのいずれか
   を、前記受取サイクロンに導入するための手段４
   ６，４８，４７．４９をさらに有する、特許請求
   の範囲第１項に記載の装置。