JPS6224586Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車に乗車し、着座したときに足
を乗せるための自動車用フツトレスト装置に関す
る。

従来のフツトレスト装置は、着座時に単に足を
乗せるだけの固定式のものであつたが、本考案
は、このフツトレストに、自動車に設けられたト
ランクリツド、フード、ドア等の開閉体を閉止さ
せる機能を持たせようとするものである。

そのため、本考案においては、自動車の座席前
方における車体の適所に、着座状態で足乗せ可能
なフツトレストを、前向き傾斜状態をなす停止位
置と、それよりさらに起立した作動位置との間を
揺動可能に設けるとともに、該フツトレストと、
自動車に設けられた開閉体とを、開閉体が開くこ
とにより、フツトレストが停止位置から作動位置
に引き起こされ、かつフツトレストを作動位置か
ら停止位置に押し倒すことにより、開閉体が閉じ
るように、連係手段をもつて互いに連係してあ
る。

以下本考案を、添付図面に示す実施例に基づい
て説明する。

第１図及び第２図は、本考案の第１実施例を示
す。

この第１実施例においては、フツトレストの踏
み込みにより、トランクリツドを閉止し得るよう
にしてある。

すなわち、自動車の運転席前方の車体の床面１
に、ボルト２をもつてベースプレート３を固着
し、かつこのベースプレート３の後端に、左右方
向をなす軸４をもつて、フツトレスト５の下端を
枢着し、これにより、フツトレスト５が、第２図
に実線で示すように、ベースプレート３の前端に
固着された後向傾斜するストツパ６の遊端に当接
して、適度の前向傾斜状態をなす停止位置と、第
２図に想像線で示すように、停止位置より若干起
立した作動位置との間を移動できるようにしてあ
る。

７は、比較的弱い引張りコイルばねで、その各
端部は、ベースプレート３の中間部と、フツトレ
スト５の中間部とにそれぞれ止着され、フツトレ
スト５を常時停止位置に向けて付勢している。

８はトランクリツドで、その両側部に固着され
た左右１対のヒンジアーム９（その一方のみを図
示する）の遊端を、車体の後部に固着されたブラ
ケツト１０に、左右方向の軸１１をもつて枢着さ
れることにより、トランクルームの上部開口を開
閉し得るように設けられている。

１２は、軸１１まわりに装着された比較的強い
巻きばねで、その一方の延出端部をブラケツト１
０に、かつ他方の延出端部をヒンジアーム９にそ
れぞれ係止することにより、トランクリツド８が
開く方向に、ヒンジアーム９を常時付勢してい
る。

フツトレスト５の上部側面に突設したピン１３
を、コンソールボツクス１４の側面に切設した弧
状の長孔１５を介して、コンソールボツクス１４
内に突入させ、そのピン１３の遊端と、ヒンジア
ーム９の中間部とを、ワイヤ等の可撓性の索条１
６をもつて互いに連結することにより、フツトレ
スト５とトランクリツド８とを互いに連係してい
る。

索条１６の中間部は、可撓性の索導管１７内に
摺動自在に挿入されている。この索導管１７の一
端は、コンソールボツクス１４内における車体の
適所に、止め金具１８をもつて止着され、かつ同
じく他端は、ヒンジアーム９の前方における車体
の適所に止め金具１９をもつて止着されている。

索導管１７の中間部は、コンソールボツクス１
４より、運転席の下方を横切つて、車体後部に至
るように、車体の床面１上に配設されている。

第１実施例は、上述のような構成としてあるの
で、トランクリツド８が閉じているときには、引
張りコイルばね７の付勢力により、フツトレスト
５は常時停止位置に保持される。この状態では、
従来の固定式のフツトレストと同様に、運転者
は、必要に応じてこのフツトレスト５に足を乗せ
て休むことができる。

トランクリツド８が開くと、索条１６が牽引さ
れ、フツトレスト５は、引張りコイルばね７の付
勢力に抗して、作動位置まで引き起こされる。

この状態で、フツトレスト５を踏み込むと、索
条１６は、上述の場合と逆方向に牽引され、ヒン
ジアーム９が巻きばね１２の付勢力に抗して回動
し、トランクリツド８は閉じる。

したがつて、フツトレスト５の踏み込みによ
り、トランクリツド８を遠隔操作し得るととも
に、万一トランクリツド８を閉じ忘れたり、走行
中にそのことに気づいた場合、あるいは、誤つて
トランクオープナーを操作し、トランクリツドを
開けてしまつた場合には、一旦停車することな
く、フツトレスト５を踏み込むだけで、簡単にト
ランクリツド８を閉じることができるという利点
がある。

また、トランクリツド８が開いている場合に
は、フツトレスト５が作動位置にあるので、トラ
ンクリツド８が開いていることを気づきやすいと
いう利点もある。

第３図及び第４図は、本考案の第２実施例を示
す。

第２実施例においては、フツトレストの踏み込
みにより、ドアを閉止し得るようにしてある。

すなわち、自動車の補助席前方の車体の床面２
０に、ベースプレート２１を適宜固着し、このベ
ースプレート２１の後端に、左右方向の軸２２を
もつて、フツトレスト２３の下端を枢着すること
により、フツトレスト２３が、第４図に想像線で
示すように、ベースプレート２１の前端に折曲形
成された後向傾斜するストツパ２４の遊端に当接
して、適度の前向傾斜状態をなす停止位置と、第
４図に実線で示すように、停止位置より若干起立
した作動位置との間を移動できるようにしてあ
る。

一方、ドアヒンジ２５をもつて車体に枢着され
た補助座席側のドア２６におけるドアヒンジ２５
寄りの車内側側面の下部には、車内側に向けて延
出するアーム２７が固着され、そのアーム２７の
遊端には、上下方向の軸２８をもつて、前後方向
をなす連結杆２９の後端が枢着されている。

連結杆２９の前端近傍部は、車体に固着された
支持金具３０をもつて、前後方向に摺動可能に支
持されている。

連結杆２９の前端には、垂下片２９ａが連設さ
れ、この垂下片２９ａには、上下方向の長孔３１
が穿設されている。この長孔３１には、フツトレ
スト２３の側面上部に突設されたピン３２が、上
下方向に摺動可能に係合している。

第２実施例は上述のような構成としてあるの
で、ドア２６が閉じているときは、フツトレスト
２３は停止位置に保持される。この状態では、従
来の固定式のフツトレストと同様に、補助席の乗
者は、このフツトレスト２３に足を乗せて休むこ
とができる。

ドア２６が開くと、アーム２７はドア２６とと
もに回動し、連結杆２９が後方に引かれて、ピン
３２が長孔３１内を上方に移動しながら、フツト
レスト２３は作動位置へと引き起こされる。

この状態で、フツトレスト２３を踏み込むと、
今度は逆の作動で、連結杆２９が前方に引かれ
て、ドア２６は閉じる。

したがつて、乗車後、手を使うことなく、足だ
けで、ドア２６を閉じることができるので、特に
手に荷物をもつて乗車するような場合や、開き過
ぎて手がドアに届かない場合等に、頗る便利であ
る。

第５図は、本考案の第３実施例を示す。なお、
第３図と同一の部材については、同一の符号を付
して、説明を省略する。

第３実施例においては、第２実施例と同一の構
成に、次のような構成を付加してある。

すなわち、補助席の後方の後部座席側の床面２
０上にも、フツトレスト２３と同様なフツトレス
ト３３を枢着し、このフツトレスト３３の側面中
位部と、前方のフツトレスト２３の側面中位部と
を、前後方向の連結杆３４をもつて互いに連結す
ることにより、両フツトレスト３３，２３が連動
するようにしてある。

３５は、フツトレスト３３と連結杆３４とを連
結するピン、３６は、フツトレスト２３と連結杆
３４とを連結するピンである。

３７はベースプレート、３８は軸、３９はスト
ツパで、これらの構成は、前方のフツトレスト２
３に関するものと同一の構成である。

この第３実施例においては、後部座席の着座者
が、フツトレスト３３を踏み込むことにより、前
方のフツトレスト２３と連動して、ドア２６を閉
じることができる。

したがつて、２ドア型の自動車において、前部
補助席の背もたれを倒して後部座席に乗り込んだ
乗者が、ドア２６を閉じたい場合に頗る便利であ
る。

すなわち、従来の２ドア型自動車においては、
このような場合、後部の乗者は身を乗り出すよう
にして、ドアを閉じなければならず、その操作が
きわめて煩わしかつたのを、この第３実施例にお
いては、その煩わしさを解消することができる。

なお、第３実施例は、後部座席側に設けたフツ
トレストを、前部の補助席側に設けたフツトレス
トと連動させて、後部座席側からも、補助席側の
ドアを閉止し得るようにしてある。

しかし、運転席側に設けたフツトレストを、補
助席側のフツトレストと同期連動させて、運転席
側からも、補助席側のドアを閉止し得るようにし
てもよい。

開閉体を自動車のフードとし、このフードの閉
止動作を、フツトレストの踏み込みにより行なわ
せるようにしてもよい。

以上から明らかなように、本考案によると、従
来は単に足を乗せるだけであつたフツトレスト
に、開閉体の遠隔操作の機能を持たせることがで
き、実用上の便益が大である。

また、本考案によると、開閉体が開くことによ
り、フツトレストが、前向き傾斜状態の停止位置
から、それよりさらに起立した作動位置に移動さ
せられ、かつフツトレストを作動位置から停止位
置に踏み込むことにより、開閉体を閉じるように
したことにより、次のような特有の効果を奏する
ことができる。

(a) 開閉体の開状態を、開閉体を視認することな
く確認できる。

すなわち、座席に着座したとき、フツトレス
トが起立した作動位置にあると、足乗せに不自
然であるので、即座に開閉体が開いていること
がわかる。

したがつて、開閉体の閉め忘れを防止でき、
特に開閉体が座席の後方にあつて、閉め忘れや
車内のオープナハンドルにより誤つて開いてし
まうことのあるトランクリツドやバツクドア等
に適用して効果が大である。

(b) 操作性がよい。

すなわち、着座状態で、フツトレストを作動
位置から停止位置まで自然な動作で踏み込むこ
とにより、重量のあるドアやトランクリツド等
の開閉体を強い力で閉じることができる。

(c) 開閉体が閉じているときは、フツトレストは
足乗せに最適な前向き傾斜状態の停止位置に位
置しているので、自動車走行時等においては、
フツトレストが起立して着座者の邪魔になるこ
とはなく、使い勝手がよい。

(d) 万一、自動車走行中に、開閉体が誤つて開い
たような場合、自動車を停止することなく、フ
ツトレストを踏み込むだけで、開閉体を閉じる
ことができる。

(e) フツトレストを踏み込むと開閉体が閉じる構
造としたので、誤つてフツトレストを踏み込ん
でも支障はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の第１実施例を備える自動車
の一部切欠斜視図、第２図は、同じく要部の縦断
側面図、第３図は、本考案の第２実施例を備える
自動車の要部の斜視図、第４図は、同じく要部の
縦断側面図、第５図は、本考案の第３実施例を備
える自動車の要部の斜視図である。 ３，２１，３７……ベースプレート、５，２
３，３３……フツトレスト、６，２４，３９……
ストツパ、７……引張りコイルばね、８……トラ
ンクリツド、９……ヒンジアーム、１６……索
条、１７……索導管、２６……ドア、２７……ア
ーム、２９，３４……連結杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車の座席前方における車体の適所に、着座
   状態で足乗せ可能なフツトレストを、前向き傾斜
   状態をなす停止位置と、それよりさらに起立した
   作動位置との間を揺動可能に設けるとともに、該
   フツトレストと、自動車に設けられた開閉体と
   を、開閉体が開くことにより、フツトレストが停
   止位置から作動位置に引き起こされ、かつフツト
   レストを作動位置から停止位置に押し倒すことに
   より、開閉体が閉じるように、連係手段をもつて
   互いに連係したことを特徴とする自動車用フツト
   レスト装置。