JPS6224210Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、浴槽に連結された１対の壁貫通用の
循環パイプと、外置用の風呂釜に固着された１対
の風呂釜用循環パイプとをそれぞれ１対のフレキ
シブル管を介して接続連通せしめるための循環パ
イプ取付装置に関するものである。

第１図は壁１内に設置された浴槽２と、壁１外
に設置する外置用の風呂釜３との接続を説明する
ための１部断面図である。

浴槽２は、浴槽用の循環パイプ装置５を介して
１対の壁貫通用循環パイプ４が取り付けられてい
る。一方、風呂釜３内に収納された熱交換器（図
示せず）に１対の風呂釜用循環パイプ６が取り付
けられている。

壁１の外側に下ブラケツト７，上ブラケツト８
を備えた取付枠１９を固定し、風呂釜３に固着さ
れた下フツク９を上記の下ブラケツト７に掛け、
該風呂釜３を矢印Ａ方向に回動させて上フツク１
０を上ブラケツト８に取り付ける。上記の回動に
伴つて１対の風呂釜用循環パイプ６が矢印ａの如
く回動して壁貫通用の循環パイプ４に接近，対向
する。

第２図は上記の壁貫通用循環パイプ４と風呂釜
用循環パイプ６とを正対せしめて接続した部分の
断面図である。

浴室内に設置した浴槽２と、屋外に取り付けた
風呂釜３とを完全にレベル合わせする事は実用上
困難であるから、壁貫通用循環パイプ４と風呂釜
用循環パイプ６とは、例えばゴム製のベローズ１
１のようにフレキシブルな継手管を介して接続
し、該フレキシブル管の両端部をそれぞれバンド
１２で緊締する。

上記の風呂釜用循環パイプ６は風呂釜３の熱交
換器３ａに固定されている。また壁貫通用の循環
パイプ４は、壁１および該壁１に貼着された防熱
板１ａを貫き、浴槽用の循環パイプ取付装置５を
介して浴槽２に接続されている。本例に示した浴
槽用循環パイプ取付装置５は本出願人が別途出願
して登録されたもの（登録番号1153102号）であ
つて、５ａはベローズ、５ｂは雄ネジを設けた調
節ジヨイント、５ｃ，５ｄはナツト部材５ｅはパ
ツキンである。上記のベローズ５ａは、壁貫通用
循環パイプ４に螺着した循環口管５ｆに外嵌して
締付バンド５ｇで緊締されている。上記の締付バ
ンド５ｇは、浴槽２を所定位置に設置する際に予
め締め付けておくことができる。

しかし、屋外側のベローズ１１の締付バンド１
２は浴槽２及び風呂釜３をそれぞれ所定の位置に
設置した後、該風呂釜３と壁１との間隙Ｌ内に工
具を挿入して締めなければならないので、この締
付操作が非常に困難である。特に、最近の住宅事
情などの関係から前記の間隙Ｌを縮小することの
要望が強いが、従来一般に用いられている締付バ
ンドを使用する限り前記の間隙寸法の縮小は限界
に達している。

本考案は上述の事情に鑑みて為され、外置用の
風呂釜と壁との間隔が狭くても、風呂釜用の循環
パイプと壁貫通用の循環パイプとに外嵌して双方
のパイプを接続しているフレキシブル管の両端部
を容易に緊締することのできる、風呂釜用循環パ
イプ取付装置を提供することを目的とする。

上記の目的を達成するため、本考案の風呂釜用
循環パイプ取付装置は、１対のフレキシブル管そ
れぞれの両端部に外嵌して緊締するための少なく
とも４個のループ部を形成したバンド部材と、上
記バンド部材のループ部の両側をそれぞれ係着し
た１対のバンド支持部材と、上記１対のバンド支
持部材の間に介装されて該１対のバンド支持部材
を離間せしめる方向に作用するトグル機構と、上
記のトグル機構を操作するため前記壁貫通用循環
パイプとほぼ直交せしめて設置した操作用ハンド
ルとを有し、上記操作用ハンドルによりトグル機
構及び１対のバンド支持部材を介してバンド部材
のループ部の両端を引つ張つてフレキシブル管の
外周を緊締できるようにしたることを特徴とす
る。

次に、本考案の１実施例を第３図乃至第５図に
ついて説明する。第３図は本考案の循環パイプ取
付装置の斜視図である。

前述の如く、循環用パイプを接続するフレキシ
ブル管は１対必要であり、それぞれの両端部を緊
定するために少なくとも４個のバンド部材が必要
である。

第３図においては１個のベローズ１１を装着し
たところを描き、もう１個のベローズの装着位置
を仮想線１１′で示してある。

上記のベローズ１１，１１′の両端部に外嵌し
て緊締するため４個のループ部１２ａ，１２ｂ，
１２a′，１２b′を設ける。

本実施例においては２本のピアノ線で２個のバ
ンド部材１２，１２′を構成し、それぞれの両端
に上記のループ部１２ａ，１２ｂ，１２a′，１２
b′を形成してある。

１２ｃ，１２c′は２個のループの連結部であ
る。この連結部をフツク状に折り曲げると共に、
４個のループ部それぞれの自由端１２_a-1，１２_b
−１，１２_a-1′，１２_b-1′をそれぞれフツク状に折
り曲げる。

上記の如く各ループ部の両側に形成したフツク
部を係着するための１対のバンド支持部材１３，
１４を構成する。

上記のバンド支持部材１３には、前記４個のル
ープ部のフツク状に折り曲げた自由端１２_a-1，
１２_b-1，１２_a-1′，１２_b-1′をそれぞれ引ツ掛け
るための４個の係合孔１３ａ，１３ｂ，１３a′，
１３b′を設ける。また、バンド支持部材１４には
フツク状に形成した連結部１２ｃ，１２c′を引ツ
掛けるための２個の係合溝孔１４ａ，１４a′を設
ける。

これにより、１対のバンド支持部材１３，１４
の間隔Ｗを広げる方向力を加えると、これらのバ
ンド支持部材１３，１４が４個のループ１２ａ，
１２ｂ，１２a′，１２b′それぞれの両側を引つ張
つてループの径を縮小せしめるように作用する。

上記１対のバンド支持部材１３，１４を相互に
離間せしめる方向に作用するトグル機構を設ける
とともに、このトグル機構をサイドから操作でき
る操作ハンドルを設ける。ここに、サイドから操
作するとは、第２図に示した風呂釜３と壁１とが
対向している狭い空間の外側から操作する意であ
る。このため、上記の操作用ハンドルは循環パイ
プに対してほぼ直角方向に離れた所から操作でき
なければならない。

本実施例のトグル機構及び操作ハンドルは次の
ように構成してある。

１対のリンク１５を構成し、それぞれの１端を
軸１６により回動自在に軸着する。

上記１対のリンク１５の先端を、それぞれバン
ド支持部材１３，１４に設けた透孔１３ｃ，１４
ｃに挿通する。この挿通部には段部１５ａを設け
て上記の挿入寸法を制限するストツパとして作用
せしめる。

前記の軸１６に、軸心と直交する雌ネジ孔を設
け、操作ハンドル１７の先端に設けた雄ネジ１７
ａを螺合して貫通し、その先端を突出させる。

１４ｄ，１４ｅはバンド支持部材１４に一体連
設したブラケツトで、上記のブラケツト１４ｄは
透孔１４_d-1により操作ハンドル１７を摺動自在
に支承している。また、ブラケツト１４ｅは、溝
１４_e-1によつてバンド部材１２を支承してい
る。

第４図及び第５図は前記のように構成したトグ
ル装置の作動説明図である。

操作ハンドル１７を上方に引き上げると、第４
図に示すように軸１６で軸着された１対のリンク
１５が上方へ凸に折れ曲がり、該リンクの自由端
付近に設けた段部１５ａがバンド支承部材１３，
１４から離間して別段の力を及ぼさない。このた
め、上記バンド支承部材１３，１４に対してそれ
ぞれ両側を係合された４個のループ部１２ａ，１
２ｂ，１２a′，１２b′はフリーな状態となり、ベ
ローズ１１，１１′を締め付けない。

操作ハンドル１７を下方に押し下げると、１対
のリンク１５は下方に凸なる形状に折れ曲がろう
とするが、２個のリンク１５が一直線に並んだ状
態（中立姿勢）を若干過ぎると操作ハンドル１７
の下端がブラケツト１４ｅに当接して屈曲を阻止
される。このため１対のリンク１５は中立姿勢よ
りも僅かに下方に凸に屈曲して第５図に示したと
なる。この状態では１対のリンク１５がほぼ１直
線状に並んでいるので、それぞれの自由端付近に
設けた段部１５ａが透孔１３ｃ，１４ｃの入口に
当接して透孔内への進入を阻止され、この段部１
５ａは１対のバンド支持部材１３，１４を相互に
押し広げるように作用する。

バンド支持部材１３，１４の間隔Ｗが増加する
と、これらの間に係着介装された４個のループ部
１２ａ，１２ｂ，１２a′，１２b′はそれぞれ両端
を引つ張られてその径を縮小せしめようとし、ベ
ローズ１１，１１′の両端部の外周を締めつけ
る。

上記締付力の反力は１対のバンド支持部材１
３，１４を接近せしめようとし、この力は１対の
リンク１５の両端に圧縮力を与える。しかし、１
対のリンク１５が中立姿勢よりも下方に凸となつ
ているので上記の反力は操作ハンドル１７の先端
をブラケツト１４ｅに押しつける。この押しつけ
力により１対のリンク１５はこの姿勢を安定に維
持する。従つて２個のベローズ１１，１２の両端
部は安定した力で緊締される。上に述べた本実施
例のトグル機構は簡単な構成で操作が容易であ
り、しかもループ部の締付力が安定して維持され
るので好都合である。

この場合の緊締力の大小は、操作ハンドル１７
の雄ネジ１７ａを軸１６の雌ネジに対して捻じ込
み、捻じ戻すことによつて調節できる。図示の如
く操作ハンドル１７の上端を折り曲げておくと上
記の調節が容易にできる。

１８ａはネジリコイルバネで、第４図のように
ループ部を弛めたとき、４個のループ１２ａ，１
２a′，１２ｂ，１２b′相互の支持ピツチが狂わな
いようにバンド支持部材１３，１４の平行姿勢を
保たせると共に、リンク１５の先端が孔１４ｃか
ら脱出しないように、該リンク１５の屈折角度を
弾性的に制限している。

以上のように構成した循環パイプ取付装置を使
用するには、第６図に示すように１対の壁貫通用
循環パイプ４の屋外側の端にベローズ１１，１
１′を外嵌する。このとき、操作ハンドル１７を
押し下げて４個のループ部１２ａ，１２ｂ，１２
a′，１２b′を弛めておく。バンド支持部材１３は
取付ネジ１３ｄ（第３図）により風呂釜３の取付
枠１９に取りつけておく。

風呂釜３を矢印Ａ方向に回動させて１対の風呂
釜用循環パイプ６をそれぞれベローズ１１，１
１′の屋外側の端に挿入した後に操作ハンドル１
７を押し下げ、４個のループ部１２ａ，１２ｂ，
１２a′，１２b′によつてベローズ１１，１２の両
端を緊締する。

以上詳述したように、本考案のパイプ取付装置
によれば、外置用の風呂釜と壁との間隔が狭くて
も、風呂釜用の循環パイプと壁貫通用の循環パイ
プとに外嵌して双方のパイプを接続しているフレ
キシブル管の両端部を容易に緊締することがで
き、また容易に弛めることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は外置用の風呂釜の設置作業の説明図、
第２図は従来の循環パイプ取付構造の１例を示す
断面図である。第３図乃至第６図は本考案の１実
施例を示し、第３図は斜視図、第４図，第５図は
作用説明図、第６図は使用方法の説明図である。 １……壁、１ａ……防熱板、２……浴槽、３…
…風呂釜、３ａ……熱交換器、４……壁貫通用循
環パイプ、５……浴槽用循環パイプ、６……風呂
釜用循環パイプ、７……下ブラケツト、８……上
ブラケツト、９……下フツク、１０……上フツ
ク、１１，１１′……ベローズ、１２，１２′……
バンド部材、１２ａ，１２a′，１２ｂ，１２b′…
…ループ部、１２ｃ，１２c′……連結部、１３…
…バンド支持部材、１３ａ，１３a′……係合孔、
１３ｂ，１３b′……係合孔、１３ｃ……透孔、１
３ｄ……取付ネジ、１４……バンド支持部材、１
４ａ，１４a′……係合溝孔、１４ｃ……透孔、１
４ｄ，１４ｅ……ブラケツト、１５……リンク、
１５ａ……段部、１６……軸、１７……操作ハン
ドル、１７ａ……雄ネジ、１８……ネジリコイル
バネ、１９……取付枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽に連結された１対の壁貫通用循環パイプと
   風呂釜の熱交換器に固着された１対の風呂釜用循
   環パイプとをそれぞれ１対のフレキシブル管を介
   して接続するパイプ取付装置において、上記１対
   のフレキシブル管それぞれの両端部に外嵌して緊
   締するための少なくとも４個のループ部を形成し
   たバンド部材と、上記バンド部材のループ部の両
   側をそれぞれ係着した１対のバンド支持部材と、
   上記１対のバンド支持部材の間に介装されて該１
   対のバンド支持部材を離間せしめる方向に作用す
   るトグル機構と、上記のトグル機構を操作するた
   め前記壁貫通用循環パイプとほぼ直交せしめて設
   置した操作用ハンドルとを有し、上記操作用ハン
   ドルによりトグル機構及び１対のバンド支持部材
   を介してバンド部材のループ部の両端を引つ張つ
   てフレキシブル管の外周を緊締し得べく為したる
   ことを特徴とする風呂釜用循環パイプ取付装置。