JPS6224086Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、被締結物を間に挾んでねじ式締結具
でクランプするコ字形本体に、パイプクランプ等
の他物をボルトで取り付けて成るクランプ装置に
関するものであつて、前記コ字形本体と他物との
取り付け状態を容易にチエツクし得るようにせん
とするものである。

以下本考案の一実施例を添付の例示図に基づい
て説明すると、第１図において１はコ字形本体で
あつて、相対向する一対の脚部２，３と底部４か
ら構成され、第４図及び第５図にも示すように、
コ字形に連続し且つ内側に開口する凹部５と、左
右両側辺からコ字形に連続して連設されたフラン
ジ部６，７とを備え、凹部５の両端、即ち両脚部
２，３の遊端部２ａ，２ｂにおいて、凹部５は閉
塞されている。８はねじ式締結具であつて、一方
の脚部２に、凹部５内に突出するように形成され
た雌ねじ孔付き短筒軸部９に、螺合貫通するねじ
軸１０と、このねじ軸１０の内端に回転自在に装
着した皿ばね使用の押圧盤１１と、ねじ軸１０の
外端に連設した回転操作部１２とから構成されて
いる。１３はパイプクランプであつて、Ｌ字形本
体１４と、この本体１４の突出端に支軸１５によ
り枢着した開閉自在アーム１６と、前記本体１４
の基端に支軸１７により枢着したアーム締結用ね
じ軸１８とナツト１９から構成されている。２０
は、コ字形本体１とパイプクランプ１３のＬ字形
本体１４とを結合するボルトであつて、Ｌ字形本
体１４に設けたボルト挿通孔２１を貫通すると共
に、コ字形本体１の底部４に、凹部５内に突出す
るように形成された雌ねじ孔付き短筒軸部２２
に、螺合貫通する。２３は、第２図にも示すよう
にボルト２０の先端に、軸方向に浅く螺嵌させた
椀形のボルト締め込み状態検出片であつて、その
周辺部はコ字形本体底部４の内面４ａに当接して
いる。

尚、ボルト２０の先端や検出片２３は、凹部５
内に収まつており、コ字形本体１の内側空間内に
突出していない。

上記のように構成されたクランプ装置は、第１
図仮想線で示すように、コ字形本体１を板状の被
締結物２４に嵌合させ、ねじ式締結具８のねじ軸
１０をねじ込んで、押圧盤１１により被締結物２
４を脚部３との間で締結する。そしてパイプクラ
ンプ１３のＬ字形本体１４とアーム１６との間に
パイプ材を挾み込み、ねじ軸１８をアーム１６の
遊端に嵌合させると共にナツト１９をねじ込ん
で、パイプ材を締結する。このようにして、パイ
プ材により仮設足場や安全手摺等を組み立てるの
であるが、ボルト２０が十分にねじ込まれて、Ｌ
字形本体１４がコ字形本体１に強固に取り付けら
れている状態において、検出片２３を、その周辺
部が本体底部４の内面４ａに当接するまで、その
中央雌ねじ孔２３ａ（第２図参照）を利用してボ
ルト２０の先端に１〜２回乃至数回螺嵌させてお
く事により、作業者は、検出片２３の存在を確認
するだけで、パイプクランプ１３の取り付けが完
全であるか否かをチエツクし得るのである。

即ち、検出片２３は、ボルト２０の先端部に、
軸方向に浅く螺嵌しているだけであるから、ボル
ト２０が振動その他の原因で抜き取り方向に回転
して、パイプクランプ１３の取り付けが弛緩した
ときには、検出片２３はボルト２０の先端から外
れ落ちる事になるのである。

本考案は以上のように実施し得るものであつ
て、その特徴は、コ字形本体とねじ式締結具とか
ら成るクランプ装置にパイプクランプ等の他物を
固定するボルトの先端に、該ボルトの軸方向に浅
く嵌係合すると同時に、該ボルトが螺嵌する雌ね
じ孔を有する本体又は他物に周辺部が当接するボ
ルト締め込み状態検出片を設けた点にある。

このような本考案の構成によれば、前記検出片
がボルト先端に装着されているか否かによつて、
クランプ装置本体に他物を取り付けている前記ボ
ルトの締め込みが充分であるか又は弛緩している
かを判断し得るので、作業者がボルトにスパナ掛
けをして締め込み状態をチエツクする必要がなく
なり、極めて簡単容易且つ迅速に、ボルトの締め
直しの必要なクランプ装置を選り分けることが出
来る。

尚、ボルトが弛緩して前記検出片がボルトから
脱落するのではなく、ボルトに対して前記検出片
が振動等で抜き取り方向に移動して外れる可能性
もあるが、仮にこのような原因で検出片が脱落し
たとしても、ボルトが弛緩しているにも拘わらず
前記検出片が脱落しないでボルト先端に装着され
たままになつていることはないので、検出片が脱
落しているクランプ装置のみに対してボルトの締
め込み状態をチエツクすれば所期の目的は達成し
得る。即ち、前記検出片を持たない従来の一般的
なクランプ装置では全てのクランプ装置のボルト
の締め込み状態をチエツクする必要があるのに対
し、上記のような検出片を備えた本考案のクラン
プ装置では、少なくとも検出片が脱落しているク
ランプ装置のみを選択してボルトの締め込み状態
をチエツクすれば良いので、当該作業を極めて能
率良く行うことが出来るのである。

尚、第３図に示すように検出片２３を薄い金属
板やプラステイツク板から成形するときは、雌ね
じ孔２３ａに代えて、ボルト２０のねじ部外径よ
り若干小径の貫通孔２３ｂを設けておき、ボルト
２０の先端に貫通孔２３ｂを押圧嵌合させる事に
より、検出片２３をボルト２０の先端に嵌係止す
る事も可能である。

又、第４図に示すように検出片２３の外形は、
凹部５内においてボルト２０と共回いできないよ
うな非真円形に構成しても良いし、真円形に構成
してボルト２０に対し、あとから螺嵌し得るよう
にしても良い。この場合、周部に回転操作用の凹
部を設ける事ができる。さらに、全周縁が本体底
部４の内面４ａに当接し得る椀形の検出片２３を
示したが、第５図に示すように、ブリツジ形の検
出片２５であつても良く、その他、周方向の複数
箇所で当接し得る如何なる形状（例えば星形）で
あつても良い。

雌ねじ孔付き短筒軸部２２は、本体底部４に溶
接したナツトであつても良い。さらに、パイプク
ランプ１３側に、この雌ねじ孔付き短筒軸部２２
を形成し、検出片２３がパイプクランプ１３側に
取り付けられるように実施する事も可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部切欠き側面図、第２図及び第３図
はボルトと検出片とを示す縦断面図、第４図及び
第５図は夫々変形例を示す断面図である。 １……コ字形本体、２，３……一対の脚部、４
……底部、５……凹部、８……ねじ式締結具、１
３……パイプクランプ、２０……ボルト、２２…
…雌ねじ孔付き短筒軸部、２３……ボルト締め込
み状態検出具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コ字形本体の相対向する一対の脚部の内、一方
   の脚部に、他方の脚部との間で被締結物をクラン
   プするねじ式締結具を設け、前記他方の脚部と本
   体底部との内少なくとも一方に、パイプクランプ
   等の他物を、前記本体と他物との内一方に設けた
   雌ねじ孔と、これに螺合するボルトとによつて、
   取り付けて成るクランプ装置であつて、前記雌ね
   じ孔から突出する前記ボルトの先端に、該ボルト
   の軸方向に浅く嵌係合すると同時に、周辺部にお
   いて前記雌ねじ孔を有する本体又は他物に当接す
   るボルト締め込み状態検出片を設けて成るクラン
   プ装置。