JPH078946Y2 - 配管接続装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、フランジ部を有する配管接続用樹脂製継手に
関し、ポンプ装置の配管接続部等に用いて好適のもので
ある。

〔従来の技術及び考案が解決しようとする課題〕

従来、ポンプ装置等に設けられた樹脂製継手のフランジ
部は、その樹脂の強度上、フランジ部背面より補強板を
当ててから、ナットを介してフランジを取付ける手段が
とられていた。

ところが、諸々の機器が小スペースに納められていて作
業空間が狭いポンプ装置では、上記従来例におけるよう
に、樹脂の強度上、フランジ部背面より補強板を当てて
からナットを介してフランジを取付けるようにしたもの
では、補強板とナットをフランジ部背面（裏面）に保持
しながらフランジを取付ける作業が困難であるという問
題点があった。

本考案は、フランジナットを保持することなく、フラン
ジ取付作業を可能にして、作業性を向上させるようにし
た配管接続装置を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、本考案は、相フランジと
接合し且つ締付ボルトの通し穴を有する接合面と底面と
を直角に形成した樹脂製継手のフランジ部の裏側に、締
付ボルトの通し穴を有するフランジナットを半径方向及
び軸方向に位置決めする突起を、一体に設け、該フラン
ジナットに穿設された上記締付ボルトの通し穴の裏面に
ナットを固定し、上記フランジ部と相フランジとを、パ
ッキングを介して締付ボルトによって一体に締結するよ
うにしたことを特徴としている。

上記フランジ部の裏側に一体に設けられる突起に、垂直
面と水平面とからなる係止段部を設けるのが望ましい。

〔作用〕

本考案は、上記のように構成されているので、フランジ
部を有する樹脂製継手の該フランジ部と相フランジと
を、締付ボルトで締結するに際し、該フランジ部の裏面
（背面）に一体に設けられた係止段部を有する突起にフ
ランジナットを係止させることにより、該フランジナッ
トは、半径方向と軸方向に位置決めされるので、該フラ
ンジ部のボルト通し穴とフランジナットのボルト穴の位
置が、特別の保持操作なしに容易に整合される。

次に、この状態において、該フランジ部の表面にパッキ
ングを介して、配管端部に取付けられた相フランジを当
接させ、該相フランジ、パッキングのボルト通し穴を前
記フランジ部のボルト通し穴に整合させたあと、これら
の通し穴に締付ボルトを貫通してフランジナット裏面の
ナットに螺合させ、両フランジを締結して配管を接続す
る。

上記のように締付ボルトをフランジナット裏面のナット
に螺合して締付ける際、該ナットは、フランジ部裏面に
一体に設けられた突起の係止突起によって半径方向及び
軸方向に位置決めされ、動きを規制されているので、該
ナットはフランジナットと一体となって適正位置を保ち
且つ締付ボルトを締付ける際に締付方向に逃げないよう
に位置される。従って、該フランジナットを別の手段に
よって保持する必要がないので、フランジ取付作業が容
易になり、作業性が向上する。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面と共に説明する。

図は、本考案の一実施例を示す配管接続装置の各部材を
分解して示した斜視図である。

図において、配管１の端部に一体に取付けられた樹脂製
継手のフランジ部２は、接合面2aを垂直に、底面（据付
面）2bを水平に互いに直角に形成され、接合面2aと底面
2bのそれぞれにボルトの通し穴3,3aが形成されている。

また、該フランジ部２の裏面（背面）には、フランジナ
ット４を半径方向及び軸方向に位置決めするために、垂
直面5aと水平面5bからなる係止段部を有する突起物５
が、配管１の両側に当接するようにして一体に取付けら
れており、上記フランジナット４の半径方向内側には、
該フランジナット４とフランジ部２の両通し穴が互いに
整合するように、突起物５の係止段部とを係合する段部
4aが形成されている。また、配管１の上部にも垂直面6a
のみを有する突起６が設けられている。

上記フランジナット４は、左右２個所に設けられたボル
ト通し穴の裏面にナット７が固着されており、該ナット
７は、該フランジナット４が上記突起物５に係止された
状態で両者の通し穴が整合される位置に取付けられてい
る。

８はパッキングで、中央に流体通路が、また左右２個所
にボルトの通し穴3,3がそれぞれ穿設されている。また
９は、他方の配管11の端部に取付けられた相（あい）フ
ランジで、左右２個所に締付ボルト10の通し穴3,3が穿
設されている。

次に、配管接続の態様（作用）について説明すると、２
個の配管１と11とを接続するために、先ずフランジナッ
ト４を矢印イのように、配管１のフランジ部２の裏面に
接するようにして下方に挿入し、フランジナット４の段
部4aを、突起物５の係止段部5a,5bに係止させ、次い
で、上記フランジ部２の表面の垂直の接合面2aに、パッ
キング８を介して他方の配管11の相フランジ９を、通し
穴３が整合するようにして当接させ、該２個の通し穴３
に、それぞれ締付ボルト10を挿通してフランジナット４
裏面のナット７に螺合させ、締め付ける。

この際、上記ナット７は、フランジナット４の段部4aを
突起物５の垂直面5a及び水平面5bに係合させることによ
つて、軸方向及び半径方向の動きが規制されているの
で、フランジナット４は、フランジ部２に設けられた締
付ボルト10の通し穴３と常に適正位置を保ち、且つ締付
ボルト10を締付ける際に締付方向に逃げないように位置
決めされる。

従って、フランジ取付作業時には、フランジナット４の
保持が不要となるので、該フランジ取付作業の作業性が
向上する。

上記した実施例において、フランジ部裏側に体に設けら
れる突起物の係止段部を、垂直面5aと水平面5bによって
形成した構造について説明したが、垂直面5aを下方程狭
くした案内面を兼ねた傾斜面状に形成することも可能で
ある。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、相フランジと接
合し且つ締付ボルトの通し穴を有する接合面と底面とを
直角に形成した樹脂製継手のフランジ部の裏面に、締付
ボルトの通し穴を有するフランジナツトを半径方向及び
軸方向に位置決めする突起を、一体に設け、該フランジ
ナツトに穿設された上記締付ボルトの通し穴の裏面にナ
ツトを固定し、上記フランジ部と相フランジとを、パッ
キングを介して締付ボルトによって一体に締結するよう
にしたことにより、該フランジナットは、フランジ部に
設けられた締付ボルト通し穴と常に適正位置を保ち、且
つ締付ボルトを締付ける際に締付方向に逃げないように
位置決めされるので、フランジ取付作業時にはフランジ
ナットの保持が不要となり、作業性が向上する。

また、フランジ部裏面に一体に設けられる突起物の係止
段部を、垂直面と水平面とにより形成することにより、
簡単な構造によりフランジナットを容易に半径方向と軸
方向に位置決めすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す配管接続装置を分解して
示した斜視図である。 1,11…配管、２…フランジ部、３…通し穴、４…フラン
ジナット、4a…段部、５…突起物、5a…垂直面、5b…水
平面、７…ナット、８…パッキング、９…相フランジ、
10…締付ボルト。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フランジ部を有する配管接続用樹脂製継手
   において、上記フランジ部を、相フランジと接合し且つ
   締付ボルトの通し穴を有する接合面と底面とを直角に形
   成して構成し、該フランジ部の裏側に、締付ボルトの通
   し穴を有するフランジナツトを半径方向及び軸方向に位
   置決めする突起を、一体に設け、該フランジナツトに穿
   設された上記締付ボルトの通し穴の裏面にナツトを固定
   し、上記フランジ部と相フランジとを、パツキングを介
   して締付ボルトによつて一体に締結するようにしたこと
   を特徴とする配管接続装置。
2. 【請求項２】フランジ部の裏側に一体に設けられる突起
   に、垂直面と水平面からなる係止段部な設けたことを特
   徴とする請求項１記載の配管接続装置。