JPS62237431A - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JPS62237431A
JPS62237431A JP8080886A JP8080886A JPS62237431A JP S62237431 A JPS62237431 A JP S62237431A JP 8080886 A JP8080886 A JP 8080886A JP 8080886 A JP8080886 A JP 8080886A JP S62237431 A JPS62237431 A JP S62237431A
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liquid crystal
films
film
molecules
tilt angle
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JP8080886A
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Takeshi Eguchi
健 江口
Kunihiro Sakai
酒井 邦裕
Yoshinori Tomita
佳紀 富田
Hiroshi Matsuda
宏 松田
Kiyoshi Takimoto
瀧本 清
Akira Tsuboyama
明 坪山
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Canon Inc
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、液晶表示素子や液晶−光シャッタ等で用いる
液晶素子、特に強誘電性液晶を用いた液晶素子に関し、
更に詳しくは液晶分子の初期配向状態を改善することに
より、表示特性を改善した液晶素子に関するものである
[従来の技術] 強誘電性液晶分子の屈折率異方性を利用して偏光素子と
の組み合わせにより透過光線を制御する型の表示素子が
クラーク(C1ark)及びラガーウオル(Lager
wall)により提案されている(特開昭56−107
216号公報、米国特許第4367924号明細書等)
。この強誘電性液晶は、一般に特定の温度域において、
カイラルスメクチックC相(Smc″)又はH相(Sm
H”)を有し、この状態において、加えられる電界に応
答して第1の光学的安定状態と第2の光学的安定状態の
いずれかを取り、且つ電界の印加のないときはその状態
を維持する性質、すなわち双安定性を有し、また電界の
変化に対する応答も速やかてあり、高速ならびに記憶型
の表示素子としての広い利用が期待されている。
この双安定性を有する液晶を用いた光学変調素子が所定
の駆動特性を発揮するためには、一対の平行基板間に配
置される液晶が、電界の印加状態とは無関係に、上記2
つの安定状態の間での変換が効果的に起るような分子配
列状態にあることが必要である。たとえば5tsC’″
またはSmH”相を有する強誘電性液晶については、5
txC’″またはSmH”相を有する液晶分子相が基板
面に対して垂直で、したがって液晶分子軸が基板面にほ
ぼ平行に配列した領域(モノドメイン)が形成される必
要がある。
ところで、強誘電性液晶の配向方法としては、一般にラ
ビング処理や斜方蒸着処理などによる一軸性配向処理を
施した配向制御膜を用いる方法か知られている。
この従来からの配向方法は、そのほとんどか双安定性を
示さないらせん構造をもつ強誘電性液晶に対するもので
あった。例えば、特開昭60−230635号公報に開
示された配向方法は、双安定性を示さないらせん構造の
状態下で強誘電性液晶をラビング処理したポリイミド膜
によって配向制御するものであった。
しかしながら、前述した如きの従来の配向制御膜をクラ
ークとラガウオールによって発表された双安定性を示す
非らせん構造の強誘電性液晶に対する配向制御に適用し
た場合には、下述の如き問題点を有していた。
[発明が解決しようとする問題点] すなわち、本発明者らの実験によれば、従来の配向制御
膜によって配向させて得られた非らせん構造の強誘電性
液晶でのチルト角(後述の第3図に示す角度)がらせん
構造をもつ強誘電性液晶でのチルト角■(後述の第2図
に示す五角錐の頂角の1/2に相当する)と較べて小さ
くなっていることが判明した。特に、従来の配向制御膜
によって配向させて得た非らせん構造の強誘電性液晶で
のチルト角θは、一般にlO°程度で、その時の透過率
はせいぜい3〜5%程度であった。
この様に、クラークとラガウオールによれば双安定性を
実現する非らせん構造の強誘電性液晶でのチルト角がら
せん構造をもつ強誘電性液晶でのチルト角と同一の角度
をもつはずであるが、実際には非らせん構造でのチルト
角θの方がらせん構造でのチルト角■より小さくなって
いる。しかも、こ゛の非らせん構造でのチルト角θがら
せん構造てのチルト角■より小さくなる原因が非らせん
構造での液晶分子のねじれ配列に帰因していることか判
明した。つまり、非らせん構造をもつ強誘電性液晶では
、液晶分子か第4図に示す様に基板の法線に対して上基
板に隣接する液晶分子の軸42より下基板に隣接する液
晶分子の軸43(ねじれ配列の方向44)へ連続的にね
しれ角δてねじれて配列しており、このことが非らせん
構造てのチルト角θがらせん構造でのチルト角■より小
さくなる原因となっている。
尚、図中41は上下基板に形成したラビング処理や斜方
蒸着処理によって得られた一軸性配向軸を表わしている
ところで、液晶の複屈折を利用した液晶素子の場合、直
交ニコル下での透過率は、 で表わされる。前述の非らせん構造におけるチルトθは
第1と第2の配向状態でのねじれ配列した液晶分子の平
均分子軸方向の角度として現われることになる。上式に
よれば、かかるチルトθが22、5”の角度の時最大の
透過率となるが、双安定性を実現する非らせん構造での
チルト角θは大きくて10°程度の角度であり、従って
表示装置としての適用を考慮した時にはその透過率は3
〜5%程度で十分なものとはならない問題がある。
従って、本発明の目的は、前述の問題点を解決すること
、すなわち少なくとも2つの安定状態、特に双安定性を
実現する非らせん構造の強誘電性液晶でのチルト角を増
大し、これによって画素シャッタ開口時の透過率を向上
させた液晶素子を提供することにある。
本発明の別の目的は、強誘電性液晶のモノドメイン形成
に適した配向制御膜を用いた液晶素子を提供することに
ある。
c問題点を解決するための手段]及び[作 用]すなわ
ち、本発明は一対の平行基板と、該一対の平行基板の面
に対して垂直又は略垂直な複数の層を形成している分子
の配列をもつ強誘電性液晶とを有する液晶素子において
、前記一対の平行基板のうち少なくとも一方の基板が前
記複数の層を一方向に優先して配向させる有機被膜を有
し、しかも該有機被膜が同一分子内に親木性部分と疎水
性部分を併有して単分子膜又は単分子累積膜として成膜
された単量体を重合しパターニングすることにより形成
されていることを特徴とする液晶素子である。
以下、本発明の詳細な説明する。
第1図は、本発明の液晶素子の一実施態様を示す断面図
である。第1図に示す液晶素子は、一対の平行配置した
上基板11a及び下基板11bと、それぞれの基板に配
線した透明電極12aと12bを備えている。上基板1
1aと下基板11bとの間には強誘電性液晶、好ましく
は少なくとも2つの安定状態を示す非らせん構造の強誘
電性液晶13が配置されている。
前述した透明電極r2aと12bは、強誘電性液晶13
をフルチプレクシング駆動するために、それぞれストラ
イプ形状で配線され、且つそのストライプ形状か互いに
交差させて配置されていることが好ましい。
本発明の液晶素子は、基板11aと11bにそれぞれ重
合性単分子膜あるいは単分子累積膜で形成されパターニ
ングした有機被膜からなる配向制御膜14aと14bが
配置されている。
本発明における単分子膜又は単分子累積膜を構成する分
子は、その分子内に重合性部を有し、さらに疎水性部分
及び親水性部分を併宥する分子であれば使用可能である
このような分子の重合性部位の構成要素として代表的な
ものは、ビニレン、ビニリデン、アセチレン基等を少な
くとも1個もつ不飽和炭化水素基であって、直鎖状のも
のも分枝状のものも使用しつる。
これらの重合性部位は疎水性を示すが、他の疎水性部分
を構成する基としては、例えばフェニル、ナフチル、ア
ントラニル等の如き縮合多環フェニル基、ビフェニル、
ターフェニル等の鎖状多環フェニル基等の疎水基等が挙
げられる。これらは各々単独又はその複数が組み合され
て上記分子の疎水性部分を構成する。一方、親水性部分
の構成要素として最も代表的なものは、例えばカルボキ
シル基及びその金属塩並びにアミン塩、スルホン酸基及
びその金属塩並びにアミン塩、スルホンアミド基、アミ
ド基、アミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基、4級アミ
ノ基、オキシアミノ基、オキシイミノ基、ジアゾニウム
基、グアニジン基、ヒドラジン基、リン酸基、ケイ酸基
、アルミン酸基等の親水性基等が挙げられる。これらも
各々単独又はその複数が組み合わされて上記分子の親木
性部分を構成する。
ここで、分子内に親水性部分及び疎水性部分を有すると
は、例えば分子が上記のような親水基及び疎水基の両者
を分子内に1つずつ有するか、又は分子内に1つ以上の
親水基及び疎水基を有する場合には、分子全体の構成に
おいである部分が他の部分との関係において親水性であ
り、一方後者の部分は前者の部分との関係において疎水
性の関係を有することをいう。
本発明における単分子膜又は単分子累積膜を構成する上
記の如き分子の具体例としては、例えば下記の如き一般
式(I)、(II)で示される分子が挙げられる。
■Rt+CH2←X−R2−−−−−−(r )(式中
、X=C0O,C0NH,0CO1R1=C)+3−、
 CH2−CH−1R2=H,−CH=CH1,−C(
Cfl:+)=CH2,−CH=CH=CHt、IO≦
n≦25を示す) ■ H+ CH2−f CM C−CN C+ CI!
q X−R2(■)(式中、X−COO,C0NH,0
CO1R2−H,−CH=CH1゜−C((:83)−
CH2,−cutco−cut、0 ≦m、n、10≦
Il+n≦25を示す) 本発明における単分子膜又は単分子累積膜の作成方法の
概要につき、一般に広く知られているクーン(Kuhm
)の研究グループが考案したラングミュア・プロジェッ
ト法の成膜装置を使用する場合を例として説明する。尚
、本例では単分子膜を展開する液体を水として説明を行
う。
まず、前述の分子を成膜分子とし、これをベンゼン、ク
ロロホルム等の揮発性溶媒に溶解する。
この溶液を入れた槽(トラフ)にスポイト等で滴下し、
水相上に該成膜分子の単分子膜を展開す2 る。次に、
単分子膜が水相上を自由に拡散して拡がりすぎないよう
にするために設けられている浮子(または仕切板)を動
かし、単分子膜の展開面積を縮小して単分子膜が二次元
固体膜の状態になるまで、単分子膜に表面圧をかける。
この表面圧を維持しながら、基板を水面に垂直に且つこ
れを横切るように静かに上下させることにより、単分子
膜を基板上に移し取る。単分子膜は以上で製造されるが
、単分子累積膜は、前記の上下の操作を繰り返すことに
より所望の累積度の単分子累積膜が形成される。
以上、クーン(Kuhm)の成・膜装置によりて単分子
膜又は単分子累積膜を作成する場合を示したが1本発明
における単分子膜又は単分子累積膜を作成するための装
置は上記例に限定されるものではなく、その他水平付着
方法や円筒回転法等のラングミュア・プロジェット法の
原理に基く成膜装置を広く使用することが可能である。
このようにして、基板上に形成される単分子膜又は単分
子累積膜は高密度で高度な秩序性を有しているので、パ
ターニングして、例えば一定間隔のピッチでラインとス
ペースを設けたストライブ形状に好適な方法、例えば紫
外線あるいはX線等を照射して単量体を重合することに
より、薄く均質な高分子物質の被膜を形成することがで
きる。
これらの高分子物質の被膜は絶縁膜としても機能をもた
せることが可能で、通常100A〜1ル程度、好ましく
は200A〜100OAの範囲の膜厚で形成される。
次に1本発明の液晶素子に用いられる一対の平行基板の
面に対して垂直な複数の暦を形成している分子の配列を
もつ強誘電性液晶について説明する。
第2図は、らせん構造を用いた強誘電性液晶セルの例を
模式的に描いたものである。21aと21bは、rn*
03 、5n02やITO(Indium Tin 0
xide)等の透明電極がコートされた基板(ガラス板
)であり、その間に複数の液晶分子層22がガラス基板
面に対して垂直な層となるよう配向した5ffic” 
(カイクルスメクチックC相)の液晶が封入されている
。太線で示した線23が液晶分子を表わしており、この
液晶分子23は、その分子に直交した方向に双極子モー
メント(P工)24を有している。この時の三角錐の頂
角をなす角度がかかるらせん構造のカイラルスメクチッ
ク相でのチルト角■を表わしている。基板21aと21
b上の電極間に一定の閾値以上の電圧を印加すると、液
晶分子23のらせん構造がほどけ、双極子モーメント(
P工)24はすべて電界方向に向くよう、液晶分子23
の配向方向を変えることができる。
しかし、このらせん構造を用いた強誘電性液晶は、電界
無印加時には、もとのらせん構造に復帰するもので、下
達する双安定性を示さない。
本発明の好ましい具体例では、少なくとも2つの安定状
態、特に双安定状態をもつ第3図に示す強誘電性液晶素
子を用いることができる。すなわち、液晶セルの厚さを
充分に薄くした場合(例えば1ル)には、第3図に示す
ように電界を印加していない状態でも液晶分子のらせん
構造はほどけ、非らせん構造となり、その双極子モーメ
ントPa又はpbは上向き(34a)又は下向き(34
b)のどちらかの状態をとり、双安定状態が形成される
。このようなセルに第3図に示す如く一定の閾値以上の
極性の異なる電界EaまたはEbを付与すると、双極子
モーメント電界Ea又はEbは電界ベクトルに対応して
上向き34a又は、下向き34bと向きを変え、それに
応じて液晶分子は第1の安定状7133aかあるいは第
2の安定状態33bの何れか一方に配向する。この時の
第1と第2の安定状態のなす角度の172がチルト角θ
に相当している。
このような強誘電性液晶を光学変調素子として用いるこ
との利点は2つある。第1に、応答速度が極めて速いこ
と、第2に液晶分子の配向が双安定性を有することであ
る。第2の点を、例えば第3図によって説明すると、電
界Eaを印加すると液晶分子は第1の安定状態33aに
配向するが、この状態は電界を切っても安定である。又
、逆向きの電界Ebを印加すると、液晶分子は第2の安
定状態33bに配向して、その分子の向きを変えるが、
やはり電界を切ってもこの状態に留っている。このよう
な応答速度の速さと、双安定性によるメモリー効果が有
効に実現されるには、セルとしては出来るだけ薄い方が
好ましく、一般的には、0.5ル〜20ル、特に1p〜
5終が適している。この種の強誘電性液晶を用いたマト
リクス電極構造を有する液晶−電気光学装置は、例えば
クラークとラガバルにより、米国特許第4367924
号明細書で提案されている。
本発明の液晶素子で用いることができる強誘電性液晶と
しては、例えばp−デシロキシベンジリデン−p′−ア
ミノ−2−メチルブチルシンナメート(DOBAMBG
) 、 P−へキシロキシベンジリデン−p′−アミノ
−2−クロルプロピルシンナメート(HOBACPC)
、p−デシロキシベンジリデン−p’ −アミノ−2−
メチルブチル−α−シアノシンナメート(DOBAMB
CC)、p−テトラデシロキシベンジリデン−p′−ア
ミノ−2−メチルブチル−α−シアノシンナメート(T
DOBAMBCG) 、 P−才クチルオキシベンジリ
デン−p′−アミノ−2−メチルブチル−α−クロロシ
ンナメート(OOBAMBCC)、p−オクチルオキシ
ベンジリデン−p′−アミノ−2−メチルブチル−α−
メチルシンナメート、4,4′−アゾキシシンナミック
アシッド−ビス(2−メチルブチル)エステル、4−o
−(2−メチル)プチルレゾシリデンー4′−オクチル
アニリン、4−(2’−メチルブチル)フェニル−4′
−オクチルオキシビフェニル−4−カルボキシレート、
4−へキシルオキシフェニル−4=(2″−メチルブチ
ル)ビフェニル−4′−カルボキシレート、4−オクチ
ルオキシフェニル−4−(2″−メチルブチル)ビフェ
ニル−4′−カルボキシレート、4−へブチルフェニル
−4−(4”−メチルヘキシル)ビフェニル−4′−カ
ルボキシレート、4− (2”−メチルブチル)フェニ
ル−4−(4’−メチルヘキシル)ビフェニル−4′−
カルボキシレートなどを挙げることかでき、これらは単
独又は2種以上組合せて用いることができ、又強誘電性
を示す範囲で他のコレステリック液晶やスメクチック液
晶を含有させることかできる。
又、本発明では強誘電性液晶としてカイラルスメクチッ
ク相を用いることができ、具体的には、カイラルスメク
チックC相(Sac”) 、 H相(SmH”) 、 
I相(Sml”) 、 K相(SmK”)やG相(Sm
G” )を用いることができる。
次に、本発明の液晶素子においては、前述した配向制御
膜14aと14bは、前述の単分子膜又は単分子累積膜
をパターニングして、例えばストライプ形状に重合せし
めて、−軸性配向処理を施すことによって得ることがで
きる。この際、本発明では一軸性配向軸を互いに平行又
は交差させることができる。
特に、本発明では、第5図に示す様に一軸性配向軸を交
差させることが好ましい。すなわち。
第5図に示す様に、上基板と下基板に形成する一軸性配
向処理面では、無電界時にそれぞれの一軸性配向軸51
と52が第4図に示すねじれ配列の方向44とは反対方
向55の角度で交差している。この様な一軸性配向処理
面の存在下にカイラルスメクチック相を該相より高温側
の相よりの降温で配向させた時に、上下基板に隣接する
液晶分子の軸53は互いに平行となる。このカイラルス
メクチック相では降温下で一軸性配向軸51と52の中
間の角度をもって配向したスメクチックA相(S+sA
)での液晶分子の軸54からチルト角θ(又は−〇)を
もって液晶分子が配向し、第1と第2の安定状態(チル
ト角θのとき第1の安定状態、チルト−〇の時第2の安
定状態)を形成することができる。
この液晶素子では、直交ニコルの一方の偏光軸56を第
1の安定状態における分子軸方向に対応する液晶分子の
軸53と平行として、他方の偏光軸57を偏光軸56と
直交させた時に最大コントラストを得ることができる。
本発明の好ましい具体例では、交流印加前処理により前
述したチルトθをらせん構造でのチルト0と等しいか、
あるいは同程度の角度まで増大させることができる。こ
の時のチルト角をθ′とする。この際に用いる交流とし
ては、電圧20〜500ボルト、好ましくは30〜15
0ボルトで周波数lO〜500Hz 、好ましくは10
〜200Hzを用いることができ、その印加時間を数秒
〜IO分間程度で交流印加前処理を施すことができる。
又、かかる交流印加前処理は、液晶素子を例えば映像信
号や情報信号に応じて書込みを行う前の段階で行なわれ
、好ましくはかかる液晶素子を装置に組込み、かかる装
置を操作する時のウェイトタイムで前述の交流印加前処
理を行なうか、あるいはかかる液晶素子の製造時でも交
流印加前処理を施すことができる。
かかる交流印加前処理は、本発明者らが行なった実験、
すなわち第4図又は第5図に示す双安定状態をもつ強誘
電性液晶素子に交流電場を印加すると、印加前のチルト
角θがらせん構造でのチルト■と同程度にまで増大させ
たチルト角θ′とすることができ、しかも第5図に示す
状態の場合ではかかる交流印加を除去した後であっても
その増大されたチルト角θ′を維持することができる。
又、かかる交流印加前処理は、自発分極の大きい強誘電
性液晶(例えば25℃で5 nc/cm”以上、好まし
くは10nc/cm2〜300nc/c+e” ; n
cはナノクーロンを示す単位である)に対して有効であ
る。この自発分極は100.セルで三角波印加法8によ
り測定することができる。
8ジヤパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド1フイ
ジツクス (Japanese Journal of
 AppliedPhysics) 22 (10)号
、661〜663頁(1983年)に掲載されたケー・
ミャサト(K、 Miyasato)らの共著の“ダイ
レックト・メソッド・クイズ・ドライアングラ−・ウエ
ーブズ・フォー・メジャーリング・スボンタナス・ボー
ラリゼーション・イン・フェロエレクトリック・リキッ
ド・クリスタル”(“Direct Method w
ith Triangular Wavesfor M
easuring 5pontaneous Po1a
rization 1nFerroelectric 
Liquid Crystal”)による。
本発明では、前述した配向制御膜14aと14bのうち
、一方の配向制御膜の使用を省略することができる。又
、本発明の別の具体例では、前述した配向制御膜14a
と14bのうち、一方の配向制御膜を別の配向制御膜と
することも可能である。この他の配向制御膜を形成する
被膜としては、例えばポリビニルアルコール、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポ
リエステルイミドなどの被膜を挙げることができる。又
他の配向制御膜としてSiOやSiO□なとの無機物質
を斜方蒸着によって形成したものも使用可能である。
[実施例] 以下、本発明を実施例及び比較例を示し、さらに具体例
を挙げて説明する。
実施例1 2枚の0.7■厚のガラス板を用意し、それぞれのガラ
ス板の上に100OAのITO膜を形成した。
次に、ω−トリコセン酸をクロロホルムに溶解(濃度1
 tag/l1il ) L/た後、KHCO−xでp
H6,8に調整されたCdCR2水溶液(濃度4 X 
to−’mol/I!、水温20℃)上に展開した。
溶媒のクロロホルムを蒸着除去した後、表面圧を30d
yn/cmまで高め単分子膜を形成した。表面圧を一定
に保ちながら、上記ITO基板を水面を横切る方向に上
下速度20mm/分で静かに上下して10層に累積した
このようにして重合性単分子累積膜を形成した基板をX
線リソグラフィー用のX線照射装置(Rh  Lα線、
線源−基板間圧#: 10c+s、入射X線=20II
J/Cm2・ll1in)に入れ1分間露光してIHの
ピッチをもつラインとスペースの重合パターンを形成し
た。そして、それぞれの配向制御膜の重合パターンの方
向が互いに平行となる様に2枚のガラス基板をセル組み
した。
セル厚(上下基板の間隔)は下基板に予め形成しておい
たフォトレジストスペーサーで保持した。
この液晶セル(これを1.8Bセルという)に下達の混
合液晶を等吉相下で真空注入してから、等吉相から0.
5℃/hで30℃まで徐冷することにより配向させるこ
とができた。以後の実験は30℃で行った。
混合液晶 (重量比) H3 H3 l3 (S鳳c”の温度範囲;3〜35℃) 直交ニコル下でこのセルを観察すると、一様で欠陥のな
い非らせん構造のカイラルスメクチックC相を形成した
モノドメインが得られていた。
この液晶セルにパルス電界(20V 、 500g5e
c )を印加することにより、一方の安定状態に液晶分
子方向をそろえ、直交ニコル下で、液晶セルを回転させ
ながら透過光量が最も低くなる最暗状態となる位置を見
つけ、次に、前のパルスと逆極性のパルス電界(−20
V 、 500終sec )を印加することによって、
もう一方の安定分子配列状態に転移させて明状態とした
後、再び液晶セルを回転させて最暗状態となる角度を見
つけた。以上2つの最暗状態の位置は、液晶の安定な平
均的分子軸を検出していることに対応し、これら2つの
状態の間の角度がチルト角2θに相当している。
こうして前述の液晶セルのチルト角を測定したところ、
14@であった。すなわち、本例の液晶セルは、双安定
性カイラルスメクチック相で実現したメモリー状態下で
、そのチルト角が従来のものにはない大きなチルト角を
示していた。又、この液晶セルにおける最明状態での透
過光量を測定したところ、12%であった。この時の透
過光量の測定は、フォトマルによって行なった。
次に、本発明者らは、前述の液晶セルにおける基板の法
線方向に対する液晶分子のねじれ配列角度とその方向を
測定した。この測定のために、前述の液晶セルで用いた
1、8μ層のフォトレジストスペーサに代えて、3.0
JL11のアルミナビーズをスペーサとして用いたほか
は、全く同様の方法で液晶セル(3,0Hセルという)
を作成した。
液晶分子のねじれ配列角度の測定は、直交ニコル下での
最暗状態時の交差角から、一方の検光子を回転させて、
その交差角を変化させ、さらに暗い状態となる位置を見
つけ、直交時から一方の検光子を回転させた角度を測定
した。この角度は、前述のねじれ角δに相当している。
従って、前述の:1.o=■セルに関して、観察者から
見て、時計まわりを正(+)とし1反時計まわり。
を負(−)とすると、検光子を直交ニコルから負方向に
4〜5@回転し、次いで液晶セルを回転して暗状態を捜
すことかできた。また、偏光子を直交ニコルから正方向
に4〜5″回転しても同様に暗状態が得られた。従って
、この素子での液晶分子は、正方向にねじれ配列を形成
しており、上下基板の隣接面にある液晶分子の長軸が4
〜5°のねじれ角δをもってねじれていることが判った
実施例2 実施例1で用いた上下配向膜の重合パターン方向が互に
平行な1.8ILI11セルに代えて、負方向(−)に
45°及び20″の角度で交差した重合パターン軸を用
いたほかは、実施例1と全く同様の方法で液晶セルを作
成した。
この液晶セルのチルト角を測定したところ、何れも14
6であった。これら2つの液晶セルは、何れもSmC”
の高温側にSmAが存在しているが、SmAの光軸は交
差したラビング軸のなす角度の二等分線上に存在してい
ることが判った。
次いで、上述した2種の液晶セルにそれぞれ電圧70ボ
ルトで周波数70Hzの高電界交流を約5分間印加した
(交流印加前処理)。この時のチルト角θ′を測定した
。この結果を下記の表1に示す。
表   1 この2種の液晶セルについて、前述の3μ■セルの液晶
素子でのねじれ角δを測定した時の方法と同様の方法て
第4図に示すねじれ角δを測定したところ、交差角−4
5°と一20°の交差ラビング軸を用いた液晶素子では
、上下基板の法線に対する液晶分子のねじれ角δは観察
されず、上下基板に隣接する液晶分子軸は互いに平行で
あることが判った。しかも交差角−45″と一20@の
交差ラビング軸を用いた液晶素子では+20ボルトと一
20ボルトの駆動用矩形パルスを1 m5ecで交互に
印加し続けても表1のチルト角θ′を維持することがで
きた。これは、実際に映像信号や情報信号に応じて、こ
の液晶素子に例えば特開昭59−193426号公報や
特開昭59−19347号公報に記載された様な時分割
駆動法を適用した場合であっても、最大チルト角θ′を
維持することができる点に対応したものである。又、こ
の時の透過率を測定したところ、何れも約17%であっ
た。
ねじれ角δをもつねじれ配列状態の方向は、基板とその
界面付近の液晶との相互作用により決まる。つまり、界
面付近の液晶分子の分極方向が基板に対して内向きか、
外向きかか、基板の性質により決められ、上下基板とも
同一の配向制御膜を用いた場合、基板間の液晶は強制的
にねじれ配列をもって配向させられる。
基板の法線に沿ったねじれ配列の方向と一軸性配向軸の
ずらし方向が同一方向の場合、基板の界面付近の分子は
各基板の配向軸方向に配列するため、ねじれ配列状態が
より安定化され、前述の交流印加前処理の後のチルト角
θ′の状態では準安定の・配向状態となる。
前述の交流印加前処理の後のチルト角θ′の状態では界
面付近の分子の分極が、一方の基板では内向きで、他の
基板では外向きの配列をとる必要がある。
液晶のねじれ配列方向と反対方向に一軸性配向軸をずら
した場合、すなわち、ねじれ配列方向と反対方向の角度
で一軸性配向軸を交差した場合、分子分極と界面との相
互作用による安定化エネルギーよりも、−軸配向性軸に
よる強制的なアンカリングによる安定化エネルギーの方
が大きく、従って安定なチルト角θ′をもつ状態が実現
できる。
従って、透過率が高い強誘電性液晶素子を実現するため
には、ねじれ配列状態を解消し、しかも交流印加前処理
によって付加された理想的な配列状態を安定化する方向
に一軸性配向軸に互いにずらすことが必要である。その
方向とは、液晶と基板界面によって決められるねじれ角
δをもつ液晶のねじれ配列方向の反対方向である。
比較例1 実施例1の1.81Lmセルを作成した時に用いた配向
制御膜として、3.3’、4.4’−ジフェニルテトラ
カルボン酸無水物とp−フ二二レンジアミンとをl=1
のモル比で脱水縮合反応させて得たポリアミック酸の3
.5重量%N−メチル−2−ピロリドン液による塗布膜
を脱水閉環させて形成したポリイミド膜にラビング処理
したものに代えて使用したほかは、全く同様の方法で液
晶セルを作成した。
この液晶セルにおけるチルト角θと透過率を実施例1と
同様の方法で測定したところ、チルト角θは6°〜8″
で、その時の透過率は3〜5%程度であった。すなわち
、本比較セルは、双安定性カイラルスメクチック相で実
現したメモリー状態下でのチルト角が小さく、又その透
過率は表示装置に適用するには全く不十分である。
比較例2 実施例1の1.8gmセルを作成した時に用いた配向制
御膜として、3.3’、4.4’−ジフェニルテトラカ
ルボン酸無水物と4,4′−ジアミノジフェニルとをl
:lのモル比で脱水縮合反応させて得たポリアミック酸
の3.5重量%N−メチル−2−ピロリドン液による塗
布膜を脱水閉環させて形成したポリイミド膜にラビング
処理したものに代えて使用したほかは、全く同様の方法
で液晶セルを作成した。
この液晶セルにおけるチルト角θと透過率を実施例1と
同様の方法で測定したところ、チルト角θは6@〜7″
で、その時の透過率は3〜4%程度であった。
比較例3 実施例1の1.8μmセルを作成した時に用いた配向制
御膜として、3.3’、4.4’−ジフェニルテトラカ
ルボン酸無水物と4,4′−ジアミノターフェニルとを
l:lのモル比で脱水縮合反応させて得たポリアミック
酸の3,5重量%N−メチル−2−ピロリドン液による
塗布膜を脱水閉環させて形成したポリイミド膜にラビン
グ処理したものに代えて使用したほかは、全く同様の方
法で液晶セルを作成した。
この液晶セルにおけるチルト角θと透過率を実施例1と
同様の方法で測定したところ、チルト角θは5@〜7″
で、その時の透過率は3〜4%程度であった。
実施例3 実施例1の1.8 gtaセルで用いた配向制御膜のI
ILIピッチ重合パターンを21LO+ピツチに代えて
使用したほかは、実施例1と全く同様の方法で液晶セル
を作成してから、同様の方法で液晶セルにおけるチルト
角θと透過率を測定したところ、チルト角θは12@で
、その時の透過率は10〜11%程度であった。
実施例4〜7 実施例1の1.8μ履セルで用いた配向制御膜を下記の
表2に挙げた被膜をパターン重合処理したものに代えて
使用したほかは、実施例1と全く同様の方法で液晶セル
を作成してから、同様の方法で液晶セルにおけるチルト
角θと、その時の透過率を測定した。その結果を表2に
示す。
[発明の効果] 本発明の液晶素子による配向制御によれば、強誘電性液
晶、特に非らせん構造によって得られる少なくとも2つ
の安定状態をもつ強誘電性液晶のモノドメインを得るこ
とができる点に第1の効果を有し、さらに強誘電性液晶
の非らせん構造によって発現する少なくとも2つの安定
状態下、特に双安定状態下、(すなわち、メモリー状態
下)でのチルト角θを増大させることができる点に第2
の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の液晶素子の1つの実施態様を表わす断
面図、第2図はらせん構造の強誘電性液晶を用いた液晶
素子を模式的に表わす斜視図、第3図は非らせん構造の
強誘電性液晶を用いた液晶素子を模式的に表わす斜視図
、第4図は基板の一軸性配向軸と非らせん構造の強誘電
性液晶分子の軸との関係を表わす説明図、第5図は本発
明の液晶素子で用いた一軸性配向軸と液晶分子の軸との
関係を表わす説明図である。 11a・・・上基板     11b・・・下基板12
a、12b・・・透明電極  13・・・強誘電性液晶
14a、14b・・・配向制御膜 21・・・基板22
・・・液晶分子層    23・・・液晶分子24・・
・双極子モーメント 33a・・・第1の安定状態33
b・・・第2の安定状態 34a・・・上向き双極子モーメント 34b・・・下向き双極子モーメント ■・・・らせん構造でのチルト角 θ・・・非らせん構造でのチルト角 Ea、Eb −・・電界

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)一対の平行基板と、該一対の平行基板の面に対し
    て垂直又は略垂直な複数の層を形成している分子の配列
    をもつ強誘電性液晶とを有する液晶素子において、前記
    一対の平行基板のうち少なくとも一方の基板が前記複数
    の層を一方向に優先して配向させる有機被膜を有し、し
    かも該有機被膜が同一分子内に親水性部分と疎水性部分
    を併有して単分子膜又は単分子累積膜として成膜された
    単量体を重合しパターニングすることにより形成されて
    いることを特徴とする液晶素子。
  2. (2)前記強誘電性液晶が少なくとも2つの安定状態を
    もつ液晶である特許請求の範囲第1項記載の液晶素子。
  3. (3)前記強誘電性液晶が双安定性をもつ液晶である特
    許請求の範囲第1項記載の液晶素子。
  4. (4)前記強誘電性液晶がカイラルスメクチック液晶で
    ある特許請求の範囲第1項記載の液晶素子。
  5. (5)前記強誘電性液晶が非らせん構造のカイラルスメ
    クチック液晶である特許請求の範囲第1項記載の液晶素
    子。
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