JPS6223632Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車，建設機械等（以下単に自動車
等という）のトランスミツシヨン（以下単にミツ
シヨンという）をコントロールケーブルを介して
操作するのに用いられる新規なチエンジレバー装
置（以下単にレバー装置という）に関する。

一例をあげて更に詳しく説明すると、FF（前
部エンジン・前輪駆動）形式の自動車等にあつて
は構造上等の有利なことから通常エンジンのクラ
ンク軸方向は車の前進方向に対し横向きに取付け
られている。レバー装置は勿論運転席の操作しや
すい位置に取付ける必要があり、かつエンジンが
横向きに取付けられているので、レバー装置の操
作をミツシヨンに伝えるのに従来の直結，または
リンク構造のものとなしても種々の不便があり、
更にミツシヨン側の振動がチエンジレバー（以下
単にレバーという）に直接伝わり、不快であるば
かりでなく、騒音を発する等、種々の欠点があつ
た。

本考案の主たる目的は、上述の如き従来の欠点
を解消した新規なレバー装置を提供するにある。

本考案の一実施例を図面によつて説明すると、
第１図において、レバー１には球部２が設けら
れ、該球部から更に延びる先端部１′が設けられ
てその端末にミツシヨン（図示省略）と連結して
いるシフト用のコントロールケーブル１１（以下
単にシフト用ケーブルという）の一端を連結する
為の連結部３が設けてある。

前記球部２は球関節の軸受４によつて、レバー
１が前後（Ａ，Ｂ方向）、左右（Ｃ，Ｄ方向）に
傾斜しうる如く枢支されている。

レバー１の先端部１′の中間部は略Ｌ形の従動
板５の一端側に穿たれた略蝶形の異形孔６の略中
央を貫通させてある。該従動板５は孔７を貫通す
る抜け止めピン８によつて取付部材９に枢着さ
れ、従動板は第１図に示されている中立位置Ｎに
あるレバー１に対し略直交する方向（Ｅ，Ｆ方
向）にピン８を中心に回転する如くなされてい
る。かつ従動板５の折れ曲げられた他端側の先端
には、ミツシヨン（図示省略）と連結されている
セレクト用のコントロールケーブル１２（以下単
にセレクト用ケーブルという）の一端を連結する
為の連結部１３が設けられている。

前記軸受４，および取付部材９はそれぞれケー
シング１０に固定してある。

本考案の作用と効果を説明すると、レバー１を
中立位置ＮからＡ（又はＢ）方向に操作すると先
端部１′は第２図に示されている如くA′（又は
B′）方向に作動するのでＮ位置からＲ（又はＳ）
位置に作動し、連結部３に連結されているシフト
用ケーブル１１はA″（又はB″）方向に作動して
ミツシヨンのシフト操作が完了する。次にレバー
１を中立位置ＮからＣ方向に操作すると、先端部
１′は第２図においてC′方向に作動し、連結部３
に連結されているシフト用ケーブル１１はその長
手方向には作動せず、一方、第２図に示されてい
る如く従動板５の異形孔６は先端部１′によつて
C′方向に押されるので、従動板はピン８を中心
にＥ方向に回転し、連結部１３はＧ方向に作動す
るのでセレクト用ケーブル１２はＩ方向に引かれ
てミツシヨンのセレクト操作がなされる。

上述の如く、レバー１をＣ方向に操作してから
更にＡ（又はＢ）方向に操作すると、先端部１′
は第３図に示されている如く従動板５の異形孔６
をC′方向に押してからA′（又はＢ）方向に作動
するので、先端部１′は中立位置ＮからＭ位置
（又はＯ位置）に作動し、従動板５をＥ方向に回
転させた状態で先端部１′の連結部３に連結して
いるシフト用ケーブル１１によつてミツシヨンの
シフト操作も完了する。

同様に、レバー１を中立位置ＮからＤ方向に操
作してから更にＡ（又はＢ）方向に操作すると、
第４図に示されている如くレバー１の先端部１′
はD′方向に続いてA′（又はB′）方向に作動する
のでセレクト用ケーブル１２はＪ方向に作動して
からシフト用ケーブル１１はA″（又はB″）方向
に操作される。このようにしてミツシヨンの操作
は６操作（１速，２速，３速，４速，５速，リバ
ース）することができる。

上述の如く作用するので、本考案のレバー装置
Ｌは、各種産業機器の遠隔操作に用いられる可撓
性のコントロールケーブルを介してミツシヨン操
作ができ、ケーブル１１，１２は彎曲させて配設
できるから、レバー装置Ｌとミツシヨン装置がど
の様な相対位置にあつても連結ができるので従来
になく便利であり、かつ彎曲して配設したケーブ
ルはミツシヨン側の振動を吸収するからレバー１
側に伝わることがなく、レバー操作のフイーリン
グが従来になく良好となり、加えてレバー装置Ｌ
から騒音を発することもない顕著な効果を有す
る。

なお、従動板５の異形孔６は略蝶形のものを図
示説明したが、レバー操作が６操作を必要としな
い場合は蝶形の一部を欠いた異形孔であつてもよ
く、また、可撓性のケーブルによつてその作動方
向は如何ようにでも変え得るから、従動板５の形
状も単なる直線状等の形状であつてもよいことは
いうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の一部切欠側面図、
第２図は第１図の従動板５および取付部材９を主
たる部分とする拡大平面図、第３図，第４図は第
２図の作動状態を示す拡大平面図である。 １：レバー、１′：先端部、２：球部、４：球
関節の軸受、５：従動板、６：異形孔、８：ピ
ン、９：取付部材、１０：ケーシング、１１：シ
フト用ケーブル、１２：セレクト用ケーブル、
Ｌ：レバー装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コントロールケーブルを介して自動車などの変
   速ギヤーのチエンジを遠隔操作するための装置で
   あつて、ケーシングに固定された球関節の軸受
   け、及び取付部材と、前記軸受けに球部で枢支さ
   れ、かつ一方のコントロールケーブルの端部が連
   結されたレバーと、前記取付部材に一端がピンに
   よつて前記レバーの先端部の長手方向に対し略直
   行する方向に回転しうる如く枢支され、他端に他
   方のコントロールケーブルの端部が連結された従
   動板を有し、該従動板の一端側には略蝶形（又は
   蝶形の一部）の異形孔が穿たれ、前記レバーの先
   端部が常態において前記異形孔の略中央を貫通す
   る如く成されていることを特徴とする自動車のチ
   エンジレバー装置。