JPS6211220Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は変速機のコントロールレバーセレクト
位置を運転者に確実に知らせるためのセレクト位
置感知装置に関する。

大型トラツク車両等では、変速機と変速機操作
用のコントロールレバーとが離れているため、両
者を長いリンケージによつて連結する構造になつ
ている。ところで、例えば第１図に示すシフトパ
ターンに従つてコントロールレバーを操作する場
合、レバーをセレクト方向（矢印Ａ）に動かして
からシフト方向（矢印Ｂ）に動かしシフトする。
しかし、運転者がレバー操作する場合には、シフ
トしたレバー位置を確認しながら運転することは
ほとんどなく、また確認しながら行なつたのでは
運転時に危険を伴なうことになる。従つて、所定
のシフト位置に対応するセレクト位置を運転者が
レバーを見なくともチエツクできるようにするこ
とが望ましい。

このため、従来では第２図に示すようなコント
ロールレバーのセレクト位置感知機構が設けられ
ており、これを簡単に説明する。第２図Ａはコン
トロールレバー部の正面図で、図中、１はコント
ロールレバーで、その下端部１Ａにシフト用のリ
ンケージ（図示せず）が連結されている。２はセ
レクト軸であり、このセレクト軸２にヨーク３が
回動自由に軸支され、該ヨーク３にセレクト用の
リンケージ４が連結されている。このリンケージ
４は第２図Ｂの如く車両後方側端部が変速機５の
変速レバー６に連結されている。そして、この変
速レバー６にセレクト位置感知機構８が連結され
ている。即ち、コントロールレバー１をセレクト
方向（第２図Ａ中矢印方向）に動かすと、リンケ
ージ４を介して変速レバー６が支軸７を中心にど
ちらかに回動する。すると、変速レバー６に係合
する摺動棒９が移動し、スプリング１０によつて
弾性付勢されたボール１１に摺動棒９の所定の係
合溝９ａが係合する。この時の係合感覚をリンケ
ージ４及びコントロールレバー１を介して当該レ
バー１を把んでいる運転者の手に伝えることによ
り、セレクト位置がチエツクできるようにしたも
のである。

ところが、コントロールレバー１の操作性を考
慮して摺動棒９とボール１１との係合力はあまり
強くすることはできない。このため、従来のこの
ような感知機構ではリンケージが長いこともあ
り、運転者に両者の係合感覚を十分に伝えること
ができず節度感が不足しているという問題があつ
た。

本考案は上記の実情に鑑みてなされたもので、
コントロールレバーのセレクト方向への動きに追
従して回動するヨークに、このヨークの回動軸線
に対して直角方向に突出するプレート部材を設
け、このプレート部材の上下面にスプリングをコ
ントロールレバーの中立位置と対応する状態に装
着し、コントロールレバーを中立位置に保持する
よう構成すると共に、これらをブラケツトで覆う
ことにより、従来の問題点を解消することを目的
とする。

以下、本考案の実施例を第３図及び第４図に基
づいて詳細に説明する。

第３図及び第４図は本実施例のセレクト位置感
知装置をそれぞれ車両の正面及び側面から見た図
である。図において、コントロールレバー２１は
支持部２２に回転軸２３を介してシフト方向（第
４図中矢印方向）に回動自由に軸支されている。
前記支持部２２は、ヨーク２４に固定されてお
り、該ヨーク２４は車体に固定されたセレクト軸
２５に軸支されている。従つて、コントロールレ
バー２１をセレクト方向（第３図中矢印方向）に
動かすと、支持部２２を介してヨーク２４がコン
トロールレバー２１に追従して回動し、ヨーク２
４に連結されたセレクト用のリンケージ２６が操
作される。２７はシフト用リンケージ（図示せ
ず）が連結されるヨークロツドである。

前記ヨーク２４のセレクト軸２５に対してリン
ケージ連結部とは反対側のヨーク２４両端部近傍
には、セレクト軸２５の軸線に対して直角方向に
突設しかつ並設されて支柱２８が設けられてい
る。これら両支柱２８間に、コントロールレバー
２１が中立位置にある時に水平となるようプレー
ト部材２９が固定されている。そして、このプレ
ート部材２９の一端側上面とキヤブフロア３０下
面との間に第１スプリング３１がリテーナ３２，
３３を介して装着されている。また、プレート部
材２９の他端側下面とヨーク２４を内装するヨー
クブラケツト３４内面との間に第２スプリング３
５がリテーナ３６を介して装着されており、両ス
プリング３１，３５はコントロールレバー２１の
中立位置と対応する状態までリテーナ３２，３６
により圧縮装着されている。コントロールレバー
２１はスプリング３１，３５により、ヨーク２４
を介して中立位置に保持される。尚、３７はブー
ツである。

かかる構成において、例えば第１図のシフトパ
ターンで、コントロールレバー２１を中立位置
（Ｎ位置）から１速又は２速へシフトする場合、
コントロールレバー２１を第３図で右方向へセレ
クト操作する。この時、レバー２１に追従してヨ
ーク２４及び支柱２８も同じ方向に回動するた
め、プレート部材２９を介して下側の第２スプリ
ング３５が圧縮される。この圧縮された第２スプ
リング３５の反力がコントロールレバー２１を握
る運転者の手に伝わり、コントロールレバー２１
が１速又は２速側のセレクト方向に操作されたこ
とを運転者は確実に感じることができる。そし
て、１速へシフト操作すればよい。

一方、５速又はＲ（後退）側にセレクト操作す
る場合には、逆に上側の第１スプリング３１が圧
縮され同様にして運転者が５速又はＲ側にセレク
ト操作されたことを確実に感じることができる。
そして、このセレクト位置感知機構がヨークブラ
ケツト３４によつて覆われているため、泥、雪等
を被ることはない。

尚、使用される頻度の高い１速及び２速側への
セレクト操作が行ない易いように第２スプリング
側のばね定数を運転者が感じる範囲内で第１スプ
リングより小さくしてもよい。

第５図は本考案の他の実施例を示す。図におい
てプレート部材２９には段部４０が設けてあり、
プレート部のスプリング３１の設けられた部分は
ヨークブラケツト３４側に、スプリング３５の設
けられた部分はキヤブフロア３０側にそれぞれオ
フセツトしている。この構造によりキヤブフロア
３０とヨークブラケツト３４の距離を小さくして
もスプリング３１および３５の長さを十分に取る
ことができ、性能を悪化させることなく、全体を
コンパクトに構成できる。

以上述べたように本考案によれば、コントロー
ルレバーのセレクト操作に伴なつて圧縮されるス
プリングの圧縮反力を運転者に感じさせるよう構
成したので、運転者に対してコントロールレバー
のセレクト位置を従来よりも確実に感知させるこ
とができその節度感を向上できる。また、セレク
ト位置感知機構部分をカバーで覆つているため、
泥、雪等の付着を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はシフトパターンの１例を示す図、第２
図は従来例を示すもので、Ａはコントロールレバ
ー部の正面図、Ｂは同上レバーに連結するリンケ
ージの側面図、第３図は本考案の１実施例を示す
正面図、第４図は第３図の側面図、第５図は別の
実施例を示す正面図である。 ２１……コントロールレバー、２４……ヨー
ク、２５……セレクト軸、２８……支柱、２９…
…プレート部材、３０……キヤブフロア、３１…
…第１スプリング、３４……ヨークブラケツト、
３５……第２スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 変速機操作用のコントロールレバーのセレクト
   方向への動きに追従して回動するヨークと、該ヨ
   ークの回動軸線に対して直角方向に突設され前記
   レバーの中立位置で水平となるプレート部材と、
   を設け、該プレート部材上面とキヤブフロア下面
   の間及びプレート部材下面と前記ヨークを内装す
   るヨークブラケツト内面の間に第１及び第２スプ
   リングを装着し、両スプリングの釣り合い位置で
   コントロールレバーを中立位置に保持するよう構
   成したことを特徴とする変速機のコントロールレ
   バーセレクト位置感知装置。