JPS6222671Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、耕作用機械その他の機械に取付け
て使用する電磁スプリングクラツチに関するもの
である。

電磁スプリングクラツチは、入力ロータのボス
部と出力ハブとを巻締用コイルスプリングで巻締
めて、両者間のトルク伝達を図るクラツチであ
り、コイルスプリングは、通常、入力ロータの端
面に磁気吸着自在とした環状のアーマチユアに一
端を掛止し、他端を出力ハブに掛止しているが、
さらに、出力ハブ側に固定したスプリングカバー
で外周面を囲つている。

ところで、前記アーマチユアは、単にコイルス
プリングの一端を掛止しただけでは不安定である
ため、スプリングカバーの端部に形成した段部内
等に軸線方向可動に収納している。

このような構造ではスプリングカバーの外径が
大きくなつてしまい、小形化を図る上で不利であ
る上に、がたつきによる騒音が生じることがあ
る。

この考案は、上述の観点に基き、スプリングカ
バーの外径を大きくすることなくアーマチユアを
安定支持でき、騒音発生のおくれもなく、さら
に、スプリングカバー用材を薄肉にして軽量化を
図ることができる電磁スプリングクラツチを提供
するもので、同一軸線上配置とした入力ロータ及
び出力ハブと、前記入力ロータの端面への磁気吸
着を自在とした同一軸線上配置の環状のアーマチ
ユアと、互いに隣在する前記入力ロータのボス部
と出力ハブの外周面にコイル内周面を臨ませ、か
つ、一端を前記アーマチユアに、また、他端を前
記出力ハブにそれぞれ掛止した巻締用コイルスプ
リングとを有し、前記コイルスプリングを囲むス
プリングカバーの端部の複数箇所に、軸線と直交
で外向きとした折曲部を切起し形成し、これら折
曲部形成部分の残余部分を、アーマチユア内周面
が摺接自在のアーマチユア案内部とし、さらに、
前記アーマチユアには、前記折曲部に臨む部分に
永久磁石を設けてなる点に特徴がある。

ついで、この考案の電磁スプリングクラツチを
実施例により図面を参照しながら説明する。

第１図にはこの考案の電磁スプリングクラツチ
の実施例を上半部縦断の側面図で示してある。図
面に示したように、入力ロータ１はベアリング
２，２を介して出力ハブ３を同一軸線上配置で支
持する一方、出力ハブ支持側と反対の側における
ボス部１Ａを、環状のフイールドコア４の中心孔
５内にベアリング６を介して支持してある。

フイールドコア４は取付板７に固定してあり、
電磁コイル８を内蔵している。

入力ロータはボス部１Ａと、このボス部に複数
のビス９により固定したフランジ部１Ｂとを有
し、フランジ部１Ｂは前記フイールドコア４に謹
かな空隙を介して臨んでいる。

前記ボス部１Ａの外周面１ａと、出力ハブ３の
外周面３ａは同一径の面とするか、あるいは出力
ハブ３の外周面３ａを謹かに小径に形成してあつ
て、両外周面には巻締用コイルスプリング１０の
コイル内周面１０ａを臨ませてある。

コイルスプリング１０は一端を外向きに折曲げ
た折曲部１０Ａに形成し、他端を内向きに折曲げ
た折曲部１０Ｂに形成してある。

折曲部１０は前記入力ロータ１のフランジ部１
Ｂへの磁気吸着を自在とした環状のアーマチユア
１１の切欠１２に掛止してあり、折曲部１０Ｂは
出力ハブ３に形成した切欠１３に掛止してある。

一方、第２図に正面図で示し、第３図に縦断側
面図で示したコイルスプリング１０を囲む円筒形
のスプリングカバー１４は、磁性材製とし、端部
１４Ａにおける、円周方向３等角度分割位置にお
いて、軸線と直交で外向きとした折曲部１５を切
起し形成してある。

折曲部１５の外径は前記アーマチユア１１の外
径よりも謹かに小寸とし、また、アーマチユア１
１は前記折曲部１５形成部分の残余部分であるス
プリングカバー１４の端部１４Ａの外周面１４ａ
に内周面を摺接し、この部分を案内部として支持
されている。

さらに、第４図に背面図で示してあるように前
記アーマチユア１１の前記各折曲部１５に臨む部
分には永久磁石１６を埋込んであり、スプリング
カバー１４の端部にはコイルスプリング１０の折
曲部１０Ａが臨む所定角度の切欠１７を設けてあ
る。

上述の構成からなるこの考案の電磁スプリング
クラツチは、電磁コイル８に永久磁石１６の磁束
を打消す方向の磁束が生じるように電圧を印加す
ると、アーマチユア１１が励磁して入力ロータ１
のフランジ部１Ｂに磁気吸着する。

アーマチユア１１が入力ロータ１に磁気吸着す
れば、アーマチユア１１は入力ロータ１と一体に
回動し、コイルスプリング１０が巻締められて入
力ロータ１から出力ハブ３にトルクが伝達され
る。

つぎに、電磁コイル８への電圧印加をしや断す
ると、アーマチユア１１は再び永久磁石１６が折
曲部１５に磁気吸着するので、入力ロータ１のフ
ランジ部１Ｂから離れ、トルク伝達しや断の状態
となる。

この間、アーマチユア１１は折曲部１５を形成
した部分の残余部分であるスプリングカバー１４
の端部１４Ａの外周面１４ａに支持されている。

したがつて、この考案の電磁スプリングクラツ
チは、アーマチユアを安定支持することができ、
また、トルク伝達しや断状態においては、アーマ
チユアを永久磁石により確実に固定していて、妄
動させないから、トルク伝達しや断状態にあると
き騒音発生皆無となり静粛であり、さらに、スプ
リングカバーを薄肉材として軽量化できるなど優
れた利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の電磁スプリングクラツチの
実施例の縦断側面図、第２図はスプリングカバー
の正面図、第３図は同じくスプリングカバーの縦
断側面図、第４図はアーマチユアの背面図であ
る。 図面において、１……入力ロータ、１Ａ……ボ
ス部、１Ｂ……フランジ部、１ａ……外周面、３
……出力ハブ、３ａ……外周面、４……フイール
ドコア、８……電磁コイル、１０……コイルスプ
リング、１０ａ……コイル内周面、１１……アー
マチユア、１２，１３……切欠、１４……スプリ
ングカバー、１４Ａ……端部、１４ａ……外周
面、１５……折曲部、１６……永久磁石、１７…
…切欠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 同一軸線上配置とした入力ロータ及び出力ハブ
   と、前記入力ロータの端面への磁気吸着を自在と
   した同一軸線上配置の環状のアーマチユアと、互
   いに隣在する前記入力ロータのボス部と出力ハブ
   の外周面にコイル内周面を臨ませ、かつ、一端を
   前記アーマチユアに、また、他端を前記出力ハブ
   にそれぞれ掛止した巻締用コイルスプリングとを
   有し、前記コイルスプリングを囲むスプリングカ
   バーの端部の複数箇所に、軸線と直交で外向きと
   した折曲部を切起し形成し、これら折曲部形成部
   分の残余部分を、アーマチユア内周面が摺接自在
   のアーマチユア案内部とし、さらに、前記アーマ
   チユアには、前記折曲部に臨む部分に永久磁石を
   設けてなる電磁スプリングクラツチ。