JPS6222088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は田植機用条播装置に係るものである。

（従来技術） 田植機に用いる苗は、散播よりも条播の方が生
育は良好である。従来、条播は、直接地面上に種
籾を播く方法で行なわれ、露地栽培と呼ばれてい
る。露地栽培の条播苗は、大きさがまちまちのた
め、取扱いに難点がある。

（考案が解決しようとする問題点） そこで、育苗箱内で条播ができないかというの
が本件考案の課題である。

本件考案は、特殊な播種装置と、特殊構造の育
苗箱を組合わせて、これを可能にしたものであ
る。

（問題を解決するための手段） よつて工夫した本考案は、育苗箱７と、該育苗
箱７を横送させる移送コンベア８と、繰出ロール
４および繰出ホツパー１からなる播種部と、多数
の環状突起を並設した条付輪６とを有し、前記育
苗箱７は移動方向に対する左右両側に左右側縁１
９，１９を、移動方向に対する前後両側に前後側
縁１７，１７をそれぞれ形成し、前記前後側縁１
７，１７は前記左右側縁１９，１９よりも低くし
て条付輪嵌入用水平切欠縁１８，１８を形成し、
前記繰出ロール４の軸２に原調車１４を前記条付
輪６の軸１３に受調車１５を設けて原調車１４と
受調車１５にベルト１６を掛け回し、前記条付輪
６は前記繰出ロール４の回転に応じて回転するよ
うにした田植機用条播装置の構成としたものであ
る。

（実施例） 本考案の一実施例を図面により説明すると、第
５図に示したものが本考案の条播装置に用いる育
苗箱７で、全体は合成樹脂で形成されており、全
体としては長四角形の引出状を呈しており、育苗
箱が移動する方向に対する左右側縁１９，１９の
各高さは、公知の育苗箱の左右側縁１９と同一高
さに形成されているが、移動方向に対する前後側
縁１７，１７には後述する条付輪６が嵌合するよ
うに、全体的に高さを低くした凹凸のない水平面
の水平切欠縁１８，１８を形成する。

育苗箱７に種籾を蒔く播種装置の方の構造につ
き説明すると、８は前記育苗箱７を水平方向に移
動させる移送枠で、該移送コンベア８には、移送
ロール９…を所定の間隔をおいて所望数軸架す
る。該移送ロール９，９は、前記育苗箱７を横送
させる手段であるから、長いベルトを掛け回した
ベルトコンベアとしても同一である。前記移送コ
ンベア８の上方位置には、種籾を収容する繰出ホ
ツパー１が取付けられる。繰出ホツパー１は側方
からみたとき漏斗状を呈し、その下部には左右方
向に長い繰出口３が開口される。該繰出口３に
は、外周面に多数の繰出凹部を形成した繰出ロー
ル４が左右方向の軸２により軸架される。該軸２
には第４図に示した如く条付輪６の支持枠５の一
端が軸止される。該支持枠５は、軸２を中心とし
て上下動する構成であり、軸２より前方（育苗箱
７の供給する側）方向に突き出ている。前記条付
輪６は、多数の環状突起を並設したもので、軸１
３により支持枠５，５の先端の間に軸架される。
前記軸２には、原調車１４が固着され、軸１３に
は、受調車５が固着され、原調車１４と受調車１
５間にベルト１６が巻回される。これらは動力伝
導機構１２を構成する。条付輪６の外周には、ス
クレパー２０が取付けられる。条付輪６はその自
重およびバネ等により常時下方に回動するように
付勢されている。繰出ロール４の軸２には、回転
ハンドル１１が取付けられ、回転ハンドル１１を
回転させると、繰出ロール４が回転するばかりで
なく、育苗箱７も関連して移動するように、繰出
ロール４の軸２と移送ロール９の軸との間にベル
ト１０が掛け回される。

従つて、育苗箱７は繰出ロール４の回転速度と
関連して移動し、また、条付輪６も繰出ロール４
の回転速度と関連して回転する。

前記育苗箱７に形成される前記水平切欠縁１
８，１８は、前記条付輪６が前後側縁１７，１７
を乗り越えることなく転入するためのもので、第
５図に示したように、その左右方向の幅一杯に形
成される。

（作用） 次に作用を述べる。

本考案は上述の構成であるから、移送コンベア
８の上部に、本考案の育苗箱７の前後側縁１７，
１７のいずれかが前になる向きに合わせて載置
し、回転ハンドル１１を回転させると、原調車１
４、受調車１５、ベルト１６を介して条付輪６を
回転させ、同時にベルト１０を介して移送ロール
９を回転させるから、育苗箱７は後方方向に移動
を開始する。そして、育苗箱７の前端の前後側縁
１７が条付輪６の下方に差しかかると、条付輪６
を持ち上げてその下側に入り込むが、本考案の育
苗箱７の前後側縁１７，１７は高さを低くした凹
凸のない水平切欠縁１８，１８としてあるため、
条付輪６の下側に入り込む動作も円滑であるばか
りでなく、水平切欠縁１８があるため、該水平切
欠縁１８より僅かに高くもつた土に条付輪６が作
用して、隅から隅まで同じ深さの条を付けること
ができる。すなわち、育苗箱７に土を入れる場
合、水平切欠縁１８より僅かに高くなる迄充填し
ておくと、条付輪６は、最初から最後迄同じ深さ
の条を付けることができるものである。この場
合、本考案の条付輪６は、育苗箱７の床土に接触
して、その摩擦により回転する、いわゆる自由回
転式のものではなく、原調車１４、ベルト１６、
受調車１５を介して回転する強制駆動回転である
から、育苗箱７を上下で挾んで強制的に移行する
ようになり、条付作用は極めて円滑に行なわれ
る。

（効果） 田植機に用いる苗は、散播よりも条播の方が生
育は良好である。従来、条播は、直接地面上に種
籾を播く方法で行なわれ、露地栽培と呼ばれてい
る。露地栽培の条播苗は、大きさがまちまちのた
め、取扱いに難点がある。そこで、育苗箱内で条
播ができないかというのが本件考案の課題であ
る。

しかるに、本考案は、育苗箱７と、該育苗箱７
を横送させる移送コンベア８と、繰出ロール４お
よび繰出ホツパー１からなる播種部と、多数の環
状突起を並設した条付輪６とを有し、前記育苗箱
７は移動方向に対する左右両側に左右側縁１９，
１９を、移動方向に対する前後両側に前後側縁１
７，１７をそれぞれ形成し、前記前後側縁１７，
１７は前記左右側縁１９，１９よりも低くして条
付輪嵌入用水平切欠縁１８，１８を形成したか
ら、条付輪６は前記前後側縁１７，１７を乗り越
えず嵌入用水平切欠縁１８，１８より簡単に嵌合
し、前記繰出ロール４の軸２に原調車１４を前記
条付輪６の軸１３に受調車１５を設けて原調車１
４と受調車１５にベルト１６を掛け回し、前記条
付輪６は前記繰出ロール４の回転に応じて回転す
るようにしたから、育苗箱７を上方から押付け
て、正確美麗なすじを形成し、正確な条播ができ
る効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体右側面図、第２図は縦断左側面
図、第３図は要部右側面断面図、第４図は要部斜
視図、第５図は育苗箱斜視図、第６図は条付輪正
面図である。 符号の説明、１……繰出ホツパー、２……軸、
３……繰出口、４……繰出ロール、５……支持
枠、６……条付輪、７……育苗箱、８……移送コ
ンベアー、９……移送ロール、１０……ベルト、
１１……回転ハンドル、１２……動力伝導機構、
１３……軸、１４……原調車、１５……受調車、
１６……ベルト、１７……前後側縁、１８……水
平切欠縁、１９……左右側縁、２０……スクレパ
ー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 育苗箱７と、該育苗箱７を横送させる移送コン
   ベア８と、繰出ロール４および繰出ホツパー１か
   らなる播種部と、多数の環状突起を並設した条付
   輪６とを有し、前記育苗箱７は移動方向に対する
   左右両側に左右側縁１９，１９を、移動方向に対
   する前後両側に前後側縁１７，１７をそれぞれ形
   成し、前記前後側縁１７，１７は前記左右側縁１
   ９，１９よりも低くして条付輪嵌入用水平切欠縁
   １８，１８を形成し、前記繰出ロール４の軸２に
   原調車１４を前記条付輪６の軸１３に受調車１５
   を設けて原調車１４と受調車１５にベルト１６を
   掛け回し、前記条付輪６は前記繰出ロール４の回
   転に応じて回転するようにした田植機用条播装
   置。