JPS622158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本発明はすし折その他の折詰類あるいは料理
皿、鉢等に盛りつけされた料理用添飾品に関す
る。

たとえば昔から関西地区で用いられてきた人造
ばらんや、関東地区で愛用された熊笹の葉の如き
料理用添飾品については近時紙あるいは合成樹脂
製の類似した模造品が多く用いられ、またその量
産性故に安価に提供されている。

上記の添飾品は繰り返しの使用に耐えられるこ
とや洗浄が可能である点に着目し、合成樹脂シー
トを単に着色した程度のものを裁断して使用した
ものにすぎないために、熊笹の葉の如き天然の添
飾材と比較すると一見して模造品であることが識
別できる程度にその触感や色彩上の自然調が不足
していた。

そこで本考案者は種々の研究をした結果、合成
樹脂シートを用いながら自然の色調或いは触感を
具有せしめることに成功したものであつて、具体
的には図柄印刷をし、さらにその上面に白ベタ印
刷を施こした合成樹脂フイルム層を、上記印刷面
を下にして接着剤層を介し、これを透明フイルム
層に重合積層し、さらに表面にヘアーライン加工
或いはエンボス加工のうち少なくとも一方を施こ
したことを特徴とする料理用添飾品を得るように
したものである。

以下において本考案の具体的な内容を図示の実
施例に基いて説明すると、第１図は本考案にかか
る添飾品の一部を断面拡大したものであつて、１
はポリエステルを基材とした合成樹脂フイルム
層、２は合成樹脂フイルム層の一面側に印刷され
た図柄、３は図柄２の表面に積層された白ベタ印
刷層、４は接着剤層、５は透明フイルム層であ
る。

合成樹脂フイルム層１の材質はポリエステルの
ほかポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等
種々のものが選ばれる。

図柄２は熊笹の葉等の色調および模様そのもの
を好ましくは写真印刷等の手段により印刷をす
る。

図柄印刷２を施こした後は、その表面に白ベタ
印刷をして白ベタ印刷塗膜層３を形成し、これに
よりウラシロによる自然調の色彩が顕現される。

尚、この場合において、熊笹模様を施こす場合
の効果的な実施例を示すと、 第一、葉脈版 第二、緑ボカシ版 第三、黄ボカシ版 第四、白裏刷版（共通版） 以上第一乃至第四の版を用いたところ最良の印刷
効果をみることができた。

さらに透明フイルム層５の材質については基本
的には合成樹脂フイルム１と同質のものが選択さ
れやすいが、格別これらのものに限定されるもの
ではない。

さらに上記合成樹脂フイルム層１を、印刷面を
下にして接着剤層４を介して透明フイルム層５上
に一体に重合積層した合成樹脂シートＳに対し、
その少なくとも一側面に対してヘアーライン加工
を施こす。

すなわちヘアーライン加工はシートの表面に対
し、無数の微細な引掻疵を賦形させることによ
り、つや消し状態となり、これによつて一層自然
的色調を具備するに至る。

また模造する添飾品如何によつてはさらに表面
に対して微細なエンボス加工を施こす必要があ
り、より一層の自然調を表現させることができ
る。

本考案は上記したところにより明らかな通り、
第１に、合成樹脂シートの模様印刷がされた上面
全体に白ベタ印刷層を施こしたので天然材におけ
る微妙な彩色（トーン）を十分に顕現させること
ができ、しかも第２に、これを前記印刷面を下に
して接着剤層を介してこれを透明フイルム層に重
合積層したために触感性の点においても天然材と
かわりがなく、特に印刷層が露出しないので食品
衛生上全く無害であるほか、第３に、表面ヘアー
ライン加工を施こしたことによつて自然調が十分
にとり入れられる。

また量産性にも適しているからコストの低減も
はかり得る等種々の有益な効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である料理用添飾品
の一部拡大断面図である。 １……合成樹脂フイルム層、２……印刷層、３
……白ベタ印刷層、４……接着剤層、５……透明
フイルム層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 図柄印刷をし、さらにその上面に白ベタ印刷を
   施こした合成樹脂フイルム層を、上記印刷面を下
   にして接着剤層を介して透明フイルム層に重合積
   層し、さらに表面にヘアーライン加工或いはエン
   ボス加工のうち少なくとも一方を施こしたことを
   特徴とする料理用添飾品。