JP2945188B2 - 包装紙類 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００２】

【産業上の利用分野】本発明は、種々の物品の包装、特
に贈答品など包装に使われる高級包装紙類に関する。

【０００３】

【従来の技術】従来より種々の物品の包装、特に贈答品
など包装に使われる高級包装紙類は我が国においては、
日常生活と密着した欠かせないものである。昨今の結婚
披露宴を初め各種祝儀、不祝儀などの催しものは年々華
麗になる傾向があり、誕生日、バレンタインデイ、ホワ
イトデイその他日常の贈答品の包装はもとより、日常に
使用する商品の包装においても他のものとの差別化のた
めに趣向を凝らした包装紙類が目につく様になった。

【０００４】しかしながら、一般には和紙、洋紙、合成
紙などの紙やフイルムに、あるいはフイルムを紙にラミ
ネートした紙類などに通常の染料顔料で着色あるいは印
刷などしたものや、全面に金属蒸着した紙類などが包装
紙類としては多く用いられている。

【０００５】単に着色あるいは印刷などしたものは、消
費者あるいは受取人にさほど大きな感銘を与える程のも
のではなく、また全面に金属蒸着した紙類も出始めた頃
から見ればその目新しさもなくなり、単に着色あるいは
印刷などしたものと同様に消費者あるいは受取人にさほ
ど大きな感銘を与える程のものではなくなってしまっ
た。

【０００６】また通常紙の表面にエンボス模様加工をし
たものもあったが、表面がエンボス加工の凹凸を有する
ために、後からその表面に着色、印刷したり、メッセイ
ジなどをかくには極めて扱いにくいものであった。

【０００７】それにもかかわらず、この程度のことでは
先に述べたように昨今の慶弔儀式の派手好みな世相で
は、贈り主や主催者や施主の気持ちを十分に表現し満足
させることができないという特に視覚的な面からの効果
に欠けていた。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は従来
の包装紙類が、一般には普通の和紙や洋紙に通常の染料
顔料で着色あるいは印刷などしたり、時にはエンボス模
様加工をした紙類が包装紙類としては多く使用されてい
るが、贈り主や主催者や施主の気持ちを十分に表現し満
足させる程の特に視覚的な面からの効果を有する包装紙
類ではなっかたこと。

【０００９】一方、通常紙の表面に無地紗、顕文紗、透
文紗、米紗、金紗等が貼着されたものもあったが、紙と
紗とを貼着するために着色あるいは印刷などした包装紙
類に比べて高価であったこと。

【００１０】また通常紙の表面にエンボス模様加工をし
たものもあったが、表面がエンボス加工の凹凸を有する
ために、後からその表面に着色、印刷したり、メッセイ
ジなどをかくには極めて扱いにくいものであったこと。

【００１１】それにもかかわらず、この程度のことでは
先に述べたように昨今の慶弔儀式の派手好みな世相で
は、贈り主や主催者や施主の気持ちを十分に表現し満足
させる程の特に視覚的な面からの効果を有する包装紙類
ではなっかたこと。

【００１２】本発明はこれら従来の包装紙類の持ってい
た種々の課題を解決しようとするものである。

【００１３】即ち、これら従来の包装紙類はいずれもそ
の使用する紙自体が通常の無地の和紙あるいは洋紙を素
材としていたために、視覚的に単調で現代人の感覚にあ
わないという問題点を解決することが目的である。

【００１４】即ち、本発明は従来の包装紙類が通常の無
地の和紙あるいは洋紙を素材としていたので得られなか
った視覚的に現代人の感覚にあった包装紙類を、その包
装紙類をなす紙の表面に予め転写箔を用いて霜降、千鳥
格子、籠目、滝縞、矢絣、吉原繋、七宝繋、紗綾形、
卍、市松、亀甲、檜垣、寄縞、翁格子、静海波、鮫小
紋、麻葉などの任意模様や家紋が或はその他の部分が転
写皮膜で装飾されている紙を使用することにより、大量
にしかも安価に提供することにある。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明の包装紙類は、種
々の物品の包装、特に贈答品など包装に使われる包装紙
類において、包装紙類をなす紙の表面に予め転写箔を用
いて霜降、千鳥格子、籠目、滝縞、矢絣、吉原繋、七宝
繋、紗綾形、卍、市松、亀甲、檜垣、寄縞、翁格子、静
海波、鮫小紋、麻葉などの任意模様や家紋が或はその他
の部分が転写皮膜で装飾されている紙を採用したことを
特徴とする。

【００１６】本発明は上記構成、即ち種々の物品の包
装、特に贈答品など包装に使われる包装紙類において、
包装紙類をなす紙の表面に予め転写箔を用いて霜降、千
鳥格子、籠目、滝縞、矢絣、吉原繋、七宝繋、紗綾形、
卍、市松、亀甲、檜垣、寄縞、翁格子、静海波、鮫小
紋、麻葉などの任意模様や家紋が或はその他の部分が転
写皮膜で装飾されている紙を採用したことにより視覚的
に現代人の感覚にあった包装紙類を安価にしかも大量に
提供することを可能としたものである。

【００１７】包装紙類をなす紙の表面に転写箔を用いて
霜降、千鳥格子、籠目、滝縞、矢絣、吉原繋、七宝繋、
紗綾形、卍、市松、亀甲、檜垣、寄縞、翁格子、静海
波、鮫小紋、麻葉などの任意模様や家紋を予め転写皮膜
で装飾されている紙を採用したことにより視覚的に現代
人の感覚にあった包装紙類を大量生産できるという利点
がある。

【００１８】また、紙に採用した転写皮膜で装飾されて
いる任意模様や家紋が同一であってもその模様表面は通
常紙の表面に無地紗、顕文紗、透文紗、米紗、金紗等と
を貼着したり、また、紙の表面に鶴亀、蓮などのエンボ
ス加工をしてボリウム感をだしたものとは異なり、表面
がほぼ平滑であり（極端な凹凸がない）、後からその表
面に着色、印刷したり、メッセイジなどをかくには極め
て扱いやすく、さらには紗等を貼着したり、また、紙の
表面に所望のエンボス模様加工を施すことも容易であ
り、これらをを適宜選択組み合わせることによって、ほ
ぼ無制限に個人の好みにあった包装紙類にアレンジする
ことができる。

【００１９】次ぎに実施例をあげて本発明を説明する。

【００２０】

【実施例】本発明の包装紙類において用いる紙として
は、特に制限はなく、充分な自己保持性を有する通常の
包装紙類に用いられるものであればいずれも用いられ
る。たとえば洋紙、和紙などの通常の紙の他、合成紙、
セロハン紙、合成樹脂フイルムなど（以下単に紙とい
う）があげられる。紙の厚さも特に制限はない。また紙
は予め着色されたいろ紙や部分的に或は全面に印刷され
たものであってもよい。更に表面、裏面の一方或は両面
に樹脂膜が形成されたものであってもよい。

【００２１】なお、紙と紗とを貼着したものは高価であ
るが、本発明においてもこの使用を妨げるものではな
い。

【００２２】また紙の表面に鶴亀、蓮などのエンボス加
工をしてボリウム感をだしたものも表面がエンボス加工
の凹凸を有するために、後からその表面に着色、印刷し
たり、メッセイジなどをかくには極めて扱いにくいもの
であるが、本発明においてもこの使用を妨げるものでは
ない。

【００２３】本発明の包装紙類において用いる転写箔と
しては、特に制限はなく、金属蒸着転写箔、金属粉顔料
転写箔、顔料転写箔、虹彩転写箔、クリヤー転写箔、柄
転写箔など公知のあらゆる転写箔が使用できる。なかで
も金属蒸着転写箔、金属粉顔料転写箔、虹彩転写箔、柄
転写箔などが装飾効果の点で好ましく用いられる。

【００２４】本発明の模様紙類において、転写箔を用い
て紙の表面に任意模様や家紋を転写皮膜で装飾する転写
方法には特に制限はなく、通常の紙、シートなどへの転
写に用いられるホットスタンピング方法がいずれも用い
られる。

【００２５】たとえば刻印押し法、ラバー押し法、ロー
ル押し法、シリンダー押し法などが適宜選択採用され
る。

【００２６】前記転写箔を用いて任意模様や家紋などを
表現した紙の表面には透明な樹脂皮膜を形成したり通常
の印刷インキ等で任意模様の印刷を施すこともできる。

【００２７】以下に実施例をあげて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。

【００２８】実施例１ 坪量１００ｇ／ｍ² の和紙上に、剥離処理したポリエチ
レンテレフタレートフイルムの処理面上に繊維素系樹脂
塗膜を形成、その面上に金を蒸着形成し、次いでエチレ
ン−酢酸ビニル系接着剤を塗膜を形成した金色金属蒸着
転写箔を重ねて上から静海波模様の彫刻された刻印で加
熱加圧して金色の静海波模様を転写して包装紙類を得
た。

【００２９】実施例２ 坪量１３０ｇ／ｍ² のグレー染色和紙上に、剥離処理し
たポリエチレンテレフタレートフイルムの処理面に繊維
素系樹脂塗膜を形成、その面上にアルミニウムを蒸着形
成し、次いでエチレン酢酸ビニル系接着剤を塗膜を形成
した銀色金属蒸着転写箔を重ねて上から鮫小紋模様の彫
刻された刻印で加熱加圧して銀色の鮫小紋模様を転写し
て包装紙類を得た。

【００３０】比較例１ 坪量１００ｇ／ｍ² の和紙をそのまま用いた。

【００３１】比較例２ 坪量１３０ｇ／ｍ² のグレー染色和紙をそのまま用い
た。

【００３２】比較試験 実施例１、２で得られた静海波模様又は鮫小紋模様を予
め表現した紙を所定の寸法に裁断して包装紙とした。そ
の表面には通常の毛筆やフエルトペンなどで任意の文字
や絵画などをかくことができた。それは静海波模様ある
いは鮫小紋模様とあいまって極めて趣のあるものとなっ
た。また実施例１、２の静海波模様のものも、鮫小紋模
様のものも共に趣のある包装紙であってそのままでも充
分視覚的に現代人の感覚を満足させ実用性を有するもの
であった。

【００３３】比較例１、２の紙を所定の寸法裁断して包
装紙とした。その表面には通常の毛筆やフエルトペンな
どで任意の文字や絵画などをかくことができたが、実施
例１や２で金色をした静海波模様や銀色をした鮫小紋模
様を表現した紙を用いたものに比べて、何となく趣に欠
けたものとなった。また比較例１、２のものはそのまま
では通常の包装紙類の域を出ないものであった。

【００３４】実施例１、２および比較例１、２で得られ
た包装紙類を用いて贈答品の包装をした結果、実施例１
の紙を用いたものは、金色をした静海波模様背景に持ち
極めて美麗で豪華絢爛とした贈答品に相応しい包装がで
きた。実施例２の紙を用いたものは、銀色をした鮫小紋
模様が奥ゆかしさを秘めた答礼品に相応しい包装ができ
た。

【００３５】一方、比較例１及び２の紙を用いたもの
は、何の特徴もない平凡な包装となった。

【００３６】以上、主に和紙を例に説明したがたとえ
ば、洋紙、合成紙などの紙やフイルムに、あるいはフイ
ルムを紙にラミネートした紙類などにも幅広く応用でき
るものである。

【００３７】

【発明の効果】本発明による包装紙類は、包装紙類をな
す紙の表面に予め転写箔を用いて霜降、千鳥格子、籠
目、滝縞、矢絣、吉原繋、七宝繋、紗綾形、卍、市松、
亀甲、檜垣、寄縞、翁格子、静海波、鮫小紋、麻葉など
の任意模様や家紋が或はその他の部分が転写皮膜で装飾
されている紙を採用したことにより視覚的に現代人の感
覚にあった包装紙類を安価にかつ大量生産できるという
効果を発揮できる。

【００３８】また、紙に採用した転写箔による任意模様
や家紋が同一であってもその模様表面は通常紙の表面に
無地紗、顕文紗、透文紗、米紗、金紗等とを貼着した
り、また紙の表面に鶴亀、蓮などのエンボス加工をして
ボリウム感をだしたものとは異なり、表面がほぼ平滑で
あり（極端な凹凸がない）、後からその表面に着色、印
刷したり、メッセイジなどをかくには極めて扱いやす
く、さらには紗等を貼着したり、また、紙の表面に所望
のエンボス模様加工を施すことの容易であり、これらを
を適宜選択組み合わせることによって、ほぼ無制限に個
人の好みにあった包装紙類にアレンジすることができる
効果を発揮できる。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】種々の物品の包装、特に贈答品など包装に
   使われる高級包装紙類において、包装紙類をなす紙の表
   面に予め転写箔を用いて霜降、千鳥格子、籠目、滝縞、
   矢絣、吉原繋、七宝繋、紗綾形、卍、市松、亀甲、檜
   垣、寄縞、翁格子、静海波、鮫小紋、麻葉などの任意模
   様や家紋が或はその他の部分が、基材上に少なくとも樹
   脂塗膜層、金属蒸着層、接着剤層を形成した転写箔の転
   写によって形成された転写皮膜で装飾されていることを
   特徴とする包装紙類。 【０００１】