JPS6221508Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動二輪車におけるリヤキヤリヤ取
付け構造に関するものである。

従来のリヤキヤリヤは、車体フレームに対して
数箇所に亘つて螺着固定されるのが普通である。

したがつて、リヤキヤリヤの形状，取付け位
置，取付け構造（ないし強度）に一定の制約があ
つた。

本考案は、斯かる事情に鑑みて、リヤキヤリヤ
の取付け構造を改良したものであり、その目的と
する処は、取付けが極めて簡単で、強度が大き
く、かつ車体フレームの一部を構成するリヤキヤ
リヤを提供する点にある。

以下、第１図ないし第６図に示された本考案の
一実施例について説明する。

自動二輪車１のヘツドパイプ２に、左右一対の
上メインフレーム３、および左右一対のパイプ状
下メインフレーム４（メインフレーム４上には、
座席２０が載置されている）が固着され、前記上
下メインフレーム３，４は、車体後方で相互に連
結されている。

また、前記下メインフレーム４、および上メイ
ンフレーム３に亘つて固着された補強部材５に、
ボルト７によつて、リヤクツシヨン６が枢着され
ている。

さらに、座席２０よりも車体後方へ延出された
左右一対の上メインフレーム３の後端部３ａおよ
び前記ボルト７部に亘つて、リヤキヤリヤ１０が
固定されている。

前記リヤキヤリヤ１０は、ほぼコ字状の主枠１
１と、主枠１１の両開放端部に固着された左右一
対の固定用ブラケツト１２と、主枠１１に突設さ
れた左右一対の平行状縦枠パイプ１４と、パイプ
１４，１４の端部１４ａ内に内嵌溶着されたガイ
ドパイプ１５と、一対のガイドパイプ１５に外接
溶着されるとともに、主枠１１の両側辺に固着さ
れた断面チヤンネル状の横枠１３とより構成され
ている。縦枠パイプ１４の外径は、上メインフレ
ーム３のそれと等しくなされ、また縦枠１４，１
４および両者の基端部を相互に連結する形態の主
枠１１の一部をＵ字状体として把握することがで
きる。

なお、ガイドパイプ１５の先端部には、螺合用
プラグ１５ａが内嵌接合され、ガイドパイプ１５
本体から螺合用プラグ１５ａに亘つて螺子孔が形
成されている。

前記形状のリヤキヤリヤ１０は、ガイドパイプ
１５と上メインフレーム３との内嵌結合、および
リヤクツシヨン６取付け部に対する固定用ブラケ
ツト１２の固定によつて車体側に取付けられてい
る。

しかして、リヤキヤリヤ１０が車体に取付けら
れた状態では、横枠１３は上メインフレーム３の
後端縁と縦枠パイプ１４の先端縁との間で挾持さ
れるようになつている。

本実施例は、前記のように構成されており、リ
ヤキヤリヤ１０の取付けに際しては、ガイドパイ
プ１５を、上メインフレーム３の後端部３ａ内に
嵌挿し、上メインフレーム３、およびガイドパイ
プ１５（ないし螺合用プラグ１５ａ）に形成され
た螺子孔部において、ボルト１６によつて、両部
材１５，３を固定する。

さらに、主枠１１に付設された固定用ブラケツ
ト１２部を、リヤクツシヨン６固定用ボルト７に
よつて、リヤクツシヨン６と共に補強部材５に固
定せしめる。

このように、車体フレームに対するリヤキヤリ
ヤ１０の取付けは、上メインフレーム３に対する
ガイドパイプ１５の嵌合，同部の螺着，およびリ
ヤクツシヨン６取付け部における固定だけで良い
から、取付けが極めて簡単で、しかも取付け用の
部品は、上メインフレーム３とガイドパイプ１５
との結合用ボルト１６二本だけであるから、部品
点数も少く、製作経費が低減化される。

また、上メインフレーム３に対してガイドパイ
プ１５を内嵌接合することにより、リヤキヤリヤ
１０自体に車体フレームの一部を構成させてお
り、従来のリヤキヤリヤに比して強度が大であ
る。また逆に、左右の上メインフレーム３をリヤ
キヤリヤの一部として使用することができ、リヤ
キヤリヤ１０の大きさに比して大きな荷物を搭載
することができる。

さらに、その後端にて主枠１１で相互に連結さ
れた縦枠パイプ１４，１４は、上メインフレーム
３と外径が等しく、かつ縦枠パイプ１４の先端小
径部であるガイドパイプ１５，１５が横枠１３で
連結されているため、従来のリヤキヤリヤに比し
て強度，剛性が大きく、大重量の積荷に良く耐え
得る。

また、縦枠パイプ１４の外径が上メインフレー
ム３のそれと一致しているため、リヤキヤリヤ１
０が上メインフレーム３の延長部分であるかの如
き印象が与えられ、その一体観により外観性が向
上する。

さらに、斯かる取付け構造によれば、レイアウ
ト上の無理が無く、形状が簡単で、外観も優れて
いる。

なお、前記実施例では、上メインフレーム３と
してパイプ状体を使用したが、リヤキヤリヤ取付
け部において、開口部を有しているならば、その
他の中実体を使用しても良く、またリヤキヤリヤ
１０の縦枠パイプ１４，およびガイドパイプ１５
についても、中実体を使用することが可能であ
り、両部材１４，１５は一体成形物であつても良
い。

なおまた、前記実施例においては、主枠１１に
固定用ブラケツト１２を設け、この固定用ブラケ
ツト１２をリヤクツシヨン６取付け部に固定した
が、この取付け構造は必要に応じて省略すること
も可能である。

以上の説明から明らかな様に、車体前後方向に
伸長する左右一対の車体フレーム部材を座席より
も車体後方へ延出させ、該車体フレーム部材の後
端開口部に、その外径が車体フレーム部材の外径
と等しくなされるとともに、後端にて主枠で相互
に連結され、車体前後方向に指向する左右一対の
縦枠の両先端小径部を嵌挿係止させて成り、該
左，右の先端小径部相互が横枠で連結せしめられ
ていることを特徴とする自動二輪車のリヤキヤリ
ヤが提案された。

斯かる構成によれば、下記の作用，効果を得る
ことができる。

座席の後方へ延出された左，右の車体フレー
ム部材をリヤキヤリヤの一部として使用するこ
とができ、リヤキヤリヤ本体の大きさに比して
大きな荷物を搭載することが可能である。

後端にて主枠で相互に連結された左右一対の
縦枠は、車体フレーム部材と外径が等しく、か
つ該左，右の縦枠の先端小径部相互が横枠で連
結されているため、従来のリヤキヤリヤに比し
て強度，剛性が大きく、大重量の積荷に良く耐
え得る。

縦枠の外径を車体フレーム部材のそれと等し
くなし、先端小径部を車体フレーム部材の後端
開口部に嵌挿し、もつてリヤキヤリヤを車体フ
レーム部材に取付けた構造では、該取着部を含
めたリヤキヤリヤの曲げモーメントが大きく、
リヤキヤリヤの後端部を別途支持部材（支柱）
で支えずとも十分大きな積荷荷重に耐えること
ができる。

縦枠の外径が車体フレーム部材のそれと一致
しているため、リヤキヤリヤが車体フレーム部
材の延長部分であるかの如き印象が与えられ、
その一体観により外観性が向上する。また、
左，右の車体フレーム部材は、強度，剛性の大
きなリヤキヤリヤによつて相互に連結されるた
め、通常その後端に付される横連結部材を省略
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るリヤキヤリヤ
を備えた自動二輪車の右側面図、第２図は同要部
平面図、第３図は第２図における−線断面
図、第４図は第３図における−線断面図、第
５図は第２図における−線断面図、第６図は
前記リヤキヤリヤの斜視図である。 １……自動二輪車、２……ヘツドパイプ、３…
…上メインフレーム、３ａ……後端部、４……下
メインフレーム、５……補強部材、６……リヤク
ツシヨン、７……ボルト、１０……リヤキヤリ
ヤ、１１……主枠、１２……固定用ブラケツト、
１３……横枠、１４……縦枠パイプ、１４ａ……
端部、１５……ガイドパイプ、１５ａ……螺合用
プラグ、１６……ボルト、２０……座席。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体前後方向に伸長する左右一対の車体フレー
   ム部材を座席よりも車体後方へ延出させ、該車体
   フレーム部材の後端開口部に、その外径が車体フ
   レーム部材の外径と等しくなされるとともに、後
   端にて主枠で相互に連結され、車体前後方向に指
   向する左右一対の縦枠の両先端小径部を嵌挿係止
   させて成り、該左，右の先端小径部相互が横枠で
   連結せしめられていることを特徴とする自動二輪
   車のリヤキヤリヤ。