JPS62212255A - 低粉塵性粉末状歯科用石こう組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本発明は歯科において模型用材料、義歯埋没用材料など
に使用する粉末状の歯科川石ごう組成物に関するもので
ある。

【従来の技術ｌ 従来より歯科分野においては口腔内に装着される各種修
復物を作製する際に、その型材として歯科川石こう組成
物が重要な材料として多岐にわたり使用されている。例
えば作業用模型や顎模型などを作製するための模型用材
料、レジン床を作製するための蝋義歯埋没用材料として
使用されている。 之等の歯科川石こう組成物は通常、α半水石こう（硬質
石こう）及び／またはβ半水石こう（焼石こう）を主成
分とし之に調節剤を加えて成るもので、粉末状の形態で
提供されているものである。 術者は使用時に所定団の粉末状歯科川石こう組成物と水
とをゴム製小型ボールに採り石ごうベラを用いて練和し
石こうスラリーとした後、模型用材料として使用する場
合には口腔内を印象した陰型内に注入して硬化させ作業
用模型や顎模型を作製するし、義歯埋没用材料として使
用する場合にはレジン重合用フラスコ内に注入して硬化
させ蝋義歯を埋没する。斯かる粉末状歯科川石こう組成
物は乾燥状態にあり水の浸透・湿潤に時間が掛かるため
ゴム製小型ボールの中で水と練和して石こうスラリーと
する際に石こうベラの撹拌によって粉塵が発生する。発
生した粉塵は刺激性があるし人体に有害でもあり環境衛
生上問題があり、粉末状歯科用孔口う組成物の欠点とし
て指摘されて来た。 この欠点を解決する方法として特公昭５９−１７０６５
号では半水石こうに水を含まない湿潤性物質を添加する
ことによって粉末状歯科川石こう組成物の低粉塵化を図
っている。この特公昭５９−１７０６５号で用いられて
いる水を含まない湿潤性物質としてはエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン、エチルセロソ
ルブなどの多価アルコール類が例示されている。 【発明が解決しようとする問題点】 しかしながら、この特公昭５９−１７０６５号に開示さ
れている水を含まない湿潤性物質は容易に且つ急速に湿
潤する物質であるため、粉末状歯科川石こう組成物の吸
水性を増加させる傾向があり、品質の劣化を速め、貯蔵
期間及び使用期間が著しく短縮され保存安定性に問題を
生ずる原因となるばかりでなく、凝結体のぬれ圧縮強さ
を著しく低下させる原因となるなどの重大な欠点を有し
ている。 そのため、一般には未だ粉塵の発生が認められる従来の
粉末状歯科川石こう組成物が広く使用されている。

【問題点を解決するための手段】

そこで本発明者等は使用の際に粉塵の発生が無く、貯蔵
中に品質の劣化が無くて保存安定性に優れ且つ凝結体の
ぬれ圧縮強度の低下の無い粉末状歯科川石こう組成物を
開発することを目的として鋭意検討の結果、半水石こう
と調節剤とから成る粉末状歯科川石こう組成物に湿潤剤
とアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩から
成る群より選ばれた１種または２種以上の陰イオン界面
活性剤とを共存せしめることにより目的を達成出来るこ
とを究明し本発明を完成した。 即ち本発明の低粉塵性粉末状歯科用石こう組成物はα半
水石こう及び／′またはβ半水石こうと調節剤との公知
成分から成る粉末状歯科川石こう組成物に湿潤剤として
２０℃における蒸気圧が３．１５ＩＩＩＩＩＨ（Ｊ以下
で疎水性を示す液体炭化水素、液体脂肪酸エステル、及
び液体脂肪酸から成る群より選ばれた１種または２種以
上と、特定の界面活性剤としてアルキル硫酸塩、アルキ
ルベンゼンスルフォン酸塩から選ばれた陰イオン界面活
性剤の１種または２種以上とを共存せしめて成るもので
あり、低粉塵性、保存安定性に優れている。 半水石こうは低粉塵性粉末状歯科用石こう組成物におい
て主成分となるものであり、凝結体の圧縮強度は温水比
によって著しい影響を受け、混水比が低い程高い圧縮強
度が得られる。模型用材料として使用する場合などの強
度が必要とされる際にはα半水石こうの低混水比のもの
であり、義歯埋没用材料として使用する場合などの適度
な強度と破砕し易さが必要とされる際にはα半水石こう
とβ半水石こうの混合物、またはβ半水石こうの高混水
比のものが用いられる。 以上の如く粉末状歯科川石こう組成物は歯科においては
多くの用途があり、使用目的によって各々に適した操作
性即ち凝結時間、稠度、圧縮強度を得るために粉末の重
置と水の容思を正確に重旦することが最も重要であり、
保存中に稠度が増大すれ−７ば凝結体の適切な圧縮強度
が得られない。 調節剤は低粉塵性粉末状歯科用石こう組成物に使用目的
に適した操作性及び物理的性質を与えるものであって、
凝結促進剤としてＮａω、　Ｋ、　Ｓ　Ｏ４などの無機
酸塩、微粉：水石こうなどの公知の凝結促進剤が使用さ
れ、また凝結遅延剤としてクエン酸塩、ホウ酸塩、カル
ボン酸塩、酢酸塩、デン粉。 アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン
などの水溶性高分子から成る公知の凝結遅延剤が使用さ
れ、更に凝結膨張抑制剤として硫酸カリウム、塩化カリ
ウム、酒石酸カリウムなどの可溶性カリウム塩から成る
公知の凝結膨張抑制剤が使用される。又、公知の着色剤
、軽同化材を含有していてもよい。 湿潤剤として使用する２０℃における蒸気圧が３．１５
ｍｍＨｇ以下で疎水性を示す液体炭化水素、液体脂肪酸
エステル、及び液体脂肪酸から成る群より選ばれた１種
または２種以上の混合物は粉末状歯科川石こう組成物に
低粉塵性を与えると共に保存安定性を維持するものであ
るが、疎水性であるため油性感が認められ練和操作性を
悪化させることがあるため特定の界面活性剤と共存させ
る必要がある。 粉末粒子を湿潤させるのに用いられる物質の具体例を示
すと［１削成分は２０℃において蒸気圧が３、１５ｍｍ
Ｈｇ以下の液体炭化水素、液体脂肪酸エステル、液体脂
肪酸から選ばれる。 液体炭化水素としてはα−オレフィンオリゴマー、スク
ワラン、プリスタン、流動パラフィン。 ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカンな
どが使用され得る。 液体脂肪酸エステルとしてはパルミチン酸イソプロピル
、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、イ
ソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、リ
ノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オリーブオ
レイン酸エチル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸
へキシルデシル、ステアリン酸へキシルデシル、パルミ
チン酸イソステアリル、イソステアリン酸へキシルデシ
ル、ネオデカン酸オクチルドデシル、セバシン酸ジエチ
ル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロ
ピルなどが使用され得る。 液体脂肪酸としてはイソステアリン酸、オレイン酸、リ
ルイン酸、リノール酸、２−エチルペンタン酸、２−エ
チルヘキサン酸などが使用され得る。 陰イオン界面活性剤は上記湿潤剤の油性感を除去し練和
操作性を向上させる有効な成分であり、湿潤剤と共存さ
せる必要がある。 陰イオン界面活性剤としてはアルキル硫酸塩及び／また
はアルキルベンゼンスルフォン酸塩から選ばれた隘イオ
ン界面活性剤の１種または２種以上が使用される。非イ
オン系界面活性剤は油性感を除去するために多量の添加
伍を必要とし石こう凝結体の圧縮強度を低下する傾向に
あり、高い圧縮強度を必要とする歯科用途にはイオン性
の陰イオン界面活性剤であるアルキル硫酸塩及びアルキ
ルベンゼンスルフォン酸塩が非イオン界面活性剤に比べ
て少旦で液体炭化水素、液体脂肪酸エステル、液体脂肪
酸の油性感を除去することが出来、ぬれ圧縮強度の低下
も認められないので特に好ましい。 陰イオン界面活性剤のアルキル硫酸塩としてはラウリル
硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナリウム。 ミリスチル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ス
テアリル硫酸ナトリウムなどが使用され、アルキルベン
ゼンスルフォン酸塩としてはドデシルベンゼンスルフォ
ン酸すＩ〜リウムなどが使用され得る。 上記ｍ潤剤と隘イオン界面活性剤が石こう粉末の飛散を
減少し、歯科川石こうとして好適に使用されるには、石
こう粉末の粒度、界面活性剤の種類によっても変化する
が、液体炭化水素、液体脂肪酸エステル、液体脂肪酸か
ら選ばれた少なくとも１種または２種以上の湿潤剤を０
．５〜５．０重ａ％、陰イオン界面活性剤を０．０１〜
０．５重量％、調節剤を０．０５〜５．０重量％加えら
れていることが好ましい。湿潤剤が０．５重量％未満で
は石こう粉末の飛散防止の効果が無（，５，０重量％を
超えて含有すると石こうの水和反応が阻害され、ぬれ圧
縮強度が低下する。また一方、陰イオン界面活性剤が０
．０１重斑気未満では湿潤剤の油性感を除去することが
不可能であり、０．５重量％を超えて含有すると練和時
の脱泡性、保存安定性、ぬれ圧縮強度が低下する。更に
調節剤が０．０５重量％未満では歯科用として適切な凝
結時間、凝結膨張が得られず、５．０装置％を超えて含
有すると石こうの水和反応が阻害され歯科川石こうとし
゛での特性が著しく低下する。 本発明の実施において好適に使用し得る液体の中で最も
高い蒸気圧を示した３、１５ｎｎｎＨｇは２０℃におけ
るノナンの蒸気圧であり、之より高い蒸気圧を示す液体
の使用は貯蔵期間中に揮発して徐々に倉出を減少する不
都合を生ずるため、本発明では蒸気圧を３．１５ｍｍＨ
ｇ以下と規定した。 本発明による歯科川石こう組成物は使用に当って貯蔵容
器へ移し換え、計量及び練和の際に殆んど粉塵の発生が
無いので環境を汚染すること無く、使用者は快適に操作
することが出来る。更に保存安定性が著しく改善され、
貯蔵後も安定した操作性及び物性が得られた。 以下に実施例により本発明を更に具体的に説明する。尚
斯かる実施例は単なる例示に過ぎず、本発明を実施する
のは採用される１ｆｆｌ剤及び陰イオン界面活性剤を限
定するものではない。

【実施例１ 各実施例及び各比較例において低粉塵性歯科川石こう組
成物は、α及び／またはβ半水石こうに調節剤として凝
結促進剤、凝結遅延剤、凝結膨張抑制剤の１種または２
種以上を加えて成る半水石こう粉末の規定」をブレンダ
ーに入れ１５分間混合した後、更にブレンダーの混合を
続け２０℃に於ける蒸気圧が３．１５＋ｓｍＨＯ以下の
液体炭化水素、液体脂肪酸エステル、液体脂肪酸から成
る群から選ばれた少なくとも１種または２種以上の湿潤
剤と陰イオン界面活性剤の規定量をブレンダーの中に滴
下した後、更に２０分間混合を続け６０メツシユの篩を
通過した細粉を使用した。 この試料作成時の混水澄は、ＩＴＳ　Ｔ６６０５　「歯
利用硬質石こう」の試験法に準じ１００ｇの試料を通常
歯科で石こう練和用として用いられる混和ボールと石こ
うスパチュラとを用いて１分間１００回転の速度で６０
秒間練和し、直径２０ＩＩＩＩｌｌのガラス管で１０ｍ
　ｌを計量した後にガラス板上に静かに押し出し、練和
開始２分後に之に合計質ｆｉ１２０１Ｊのガラス板及び
錘りを載せ、拡延した試料の平行線間の最大部及び最小
部の寸法を測定し、その平均値が３９〜４１　ｍｍにな
った時の水の伍を標準稠度の混水伍とした。 口の試験は１５〜２０℃の室温で行なった。 凝結時間は、ＩＴＳ　Ｔ６６０５　ｒ歯科用硬質石こう
」の凝結時間試験に準じて内径２０ｎｍ＋　、高さ３０
ｍｍの円筒金属型の中に標準稠度に練和した試料を満た
し、質５Ｉ３００（ｌのビーカー針（針の直径２ｓ）の
試料中への刺入を繰り返して、水で練和し始めた時から
刺入深さが１ｍｍで止まるまでの時間で計測した。 また、ぬれ圧縮強度試験も、ｊＴＳ　丁６６０５のぬれ
圧縮強度試験に準じて内径２０閤、高さ３０＋ｓの円筒
金属型の中に標準稠度に練和した試料を満たし、凝結後
に凝結物を型より取り出して室温に放置し、水で練和し
始めた時から３時間後に圧縮試験機を用いて圧縮速度１
１ＩＩｌ／分で測定した。 保存安定性はポリエチレン袋に入れた石こう粉末を室温
３７°Ｃ１湿度１００％の恒温恒湿器に６０日間保存す
る強制劣化法により、強制劣化侵の凝結時間及び稠度を
測定して、予め同方法で測定しておいた最初の凝結時間
及び稠度を差し引いた遅延時間（分）及び増大した稠度
（Ｓ）で示した。 粉塵のｌｆｆ１濃度は試料２００ｇを金＃１製円筒缶（
φ１５０ｘ１６０ｍｍ）に採り毎秒１往復で上下に５回
振どう後、直ちに蓋を外し、デジタル粉塵計Ｐ−３型（
柴田化学社製）を用いて表面から放出する３分後の粉塵
を測定し重！Ｉ濃度を求めた。 その結果を次表に示す。 以下余白 【発明の゛効果】 表から明らかな如く、液体炭化水素、液体脂肪酸エステ
ル、液体脂肪酸から成る群から選ばれた少なくとも１種
または２種以上の湿潤材と特定界面活性剤の添加されて
いない場合（比較例１０．１１゜１２）には粉塵の重量
’ｓ度は何れもｅ、３２ｍｇ／　ｍ’　ＩＪ、上で、石
こう粉末練和時の粉塵による環境汚染が懸念される恐れ
があるのに対し、添加されている場合（実施例１．２．
３．４．５．７．８．９）における粉靭の重！濃度は何
れも２．０３１１（］／１３以下に減少していることが
判る。 更に保存安定性（最初の凝結時間と強制劣化後の試料の
凝結時間の差、最初の稠度と強制劣化後の試料の稠度の
差）については湿潤剤と特定の界面活性剤の添加されて
いない比較例１０．１１．１２゜１３、１４の凝結時間
が夫々６分１５秒、６分４５秒、６分００秒、　１０分
３０秒、１１分３０秒の遅延が認められたのに対し、湿
潤材と界面活性剤を特定割合添加した実施例の１．２，
３．’１．５．６．７．８．９に於いては夫々２分以内
の遅延である。稠度に於いても湿潤剤と界面活性剤が添
加されていない比較例１０．１１．１２．１３．１４が
夫々１０．７閣、　１０．４ｍｍ。 １２．２ｍｍ＋、　１５．０ｍｍ、　１５．３ｍｍ増大
しているのに対し、湿潤剤と界面活性剤の特定割合添加
した実施例の１．２．３．４．５．６．７．８．９にお
いては夫々２．０ＩＩＩＩＩ１以内の増大であり保存安
定性が極めて改良されている口とが確認出来た。 また、ぬれ圧縮強度に於いてはα型半水石こうを主成分
とし、湿潤剤及び界面活性剤が添加されていない比較例
１０の４８５ｋｇｆ＃ａ’に対し、同じ主成分でありａ
ＩＩ剤及び界面活性剤を特定割合添加した実施例１．２
．３．４．５は夫々５０３ｋｇｆ／ＣＩ？、　５１２ｋ
ｇｆ／ｃＩ２．５０８ｋｑｆ／ｃ１１２．５２５ｋｑｆ
／ｃ１２．４８７ｋｑｆ／ｃ１２であり、β型半水石こ
うを主成分とし湿潤剤及び界面活性剤の添加されていな
い比較例１１０９３ｋｑｆ／＋１’に対し同じ主成分で
あり湿潤剤及び界面活性剤が特定割合添加されている実
施例６，７は夫々１０５ｋｑｆ／ａ！、　１０７ｋｇｆ
／ｃ１２ｒあり、α型半水石こうとβ型半水石こうとの
混合品を主成分とし湿潤材及び界面活性剤の添加されて
いない比較例１２の１８０ｋｇｆ／ＣＩ２に対し同じ主
成分であり湿潤剤及び界面活性剤が特定割合添加されて
いる実施例の８．９は夫々１８７ｋｑｆ／ｒＪ２．１９
５ｋｇｆ／ａｌｔであり同じ主成分に於いては湿潤剤及
び界面活性剤の添加されていない比較例よりも全て優れ
た値を示し歯科川石こうとして相応ねしいものである。 以上詳述した如く、特定１潤剤及び特定界面活性剤の添
加されていない比較例に示した粉末状歯科川石こうは粉
塵濃度による環境汚染の懸念及び強制劣化後の凝結時間
の遅延、稠度の増大が認められるのに対し、本発明によ
る低粉塵性歯科川石こうは粉塵の発生出を極めて少なく
、保存安定性に優れ、ぬれ圧縮強度も低下することが無
く、歯科川石ごう組成物の性能を一段と向上させ得るこ
とが判った。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　次に示す（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）の４成分
   より成る組成から成ることを特徴とする低粉塵性粉末状
   歯科用石こう組成物。 （ａ）半水石こう、 （ｂ）凝結促進剤、凝結遅延剤、凝結膨張抑制剤の１種
   または２種以上から成る調節剤、 （ｃ）２０℃における蒸気圧が３．１５ｍｍＨｇ以下で
   疎水性を示す液体炭化水素、液体脂肪酸エス テル、液体脂肪酸から成る群より選ばれた １種または２種以上の湿潤剤、 （ｄ）アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩
   から成る群より選ばれた１種また は２種以上の陰イオン界面活性剤、 ２　調節剤が０．０５〜５．０重量％、湿潤剤が０．５
   〜５．０重量％、陰イオン界面活性剤が０．０１〜０．
   ５重量％含有されている特許請求の範囲第１項に記載の
   低粉塵性粉末状歯科用石こう組成物。