JPS6219819Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ガラス障子を反転窓させてその上下
又は左右を入れ換えることのできる反転窓に関す
る。

一般に、高層ビルにおける窓ガラス屋外面の清
掃は危険を伴なうたいへんな作業となつている。

従来より屋内にいながらにして窓ガラス屋外面
の清掃ができることを狙いとして、横軸回転窓や
竪軸回転窓などの回転窓が使用されているが、こ
の種の窓はガラス障子の回転時に屋内側に突出す
るため、屋内側にブラインドやカーテン類を設置
できない不都合があり、逆に、ブラインドやカー
テン類を設置すると、ガラス障子の開閉に支障を
来たす欠点があつた。

本考案は、このような従来の回転窓の持つ問題
点に鑑み、屋内側にいながらにしてガラス障子の
窓外面の清掃ができるとともに、ガラス障子の回
転時に屋内側に突出することのない反転可能な窓
を提供することを目的として、その構造に独自の
工夫を凝らしたものである。

即ち、本考案に係る反転窓は、ガラス障子の一
端側コーナー部に取付けられたガラス障子用ガイ
ド体を、サツシ枠対向面の長手方向に形成された
第１ガイドに移動自在に係合するとともに、ガラ
ス障子を枠組みする框の第１ガイドとの対向面中
央部に設けたガラス障子回転用支持軸に、一対の
同長突き出しアームの端部を回転自在に連結し、
各突き出しアームの他端に一対の支持アームの端
部を夫々回転自在に連結するとともに、各支持ア
ームを夫々サツシ枠の長手方向に延ばして交差す
るように重合し、その交差重合した中心部を回転
自在に連結して、一方の支持アームの他端をサツ
シ枠の端部に軸着するとともに、他方の支持アー
ムの他端を前記第１ガイドの室外側長手方向に形
成された第２ガイドに移動自在に係合し、前記ガ
ラス障子回転用支持軸を中心にしてガラス障子の
裏表を入れ換え可能にして成ることを特徴とする
ものである。

以下、本考案を図示した実施例に従つて説明す
る。図示した反転窓はガラス障子Ａを縦方向に開
閉できるようにしたもので、サツシ枠Ｓを形成す
る竪枠１，１の相対向面長手方向には、２条の突
片２，３を突設することにより、その間に凹溝状
の第１ガイド４が形成されるとともに、室外側の
突片３とサツシ竪枠１の室外端支片５との間に同
じく凹溝状の第２ガイド６が形成される。

ガラス障子Ａの竪框８，８には第４図に示され
るように、その枠対向面イ，イの上端のコーナー
部に側方へ張出するガラス障子用ガイド体として
のローラー７，７が設けられ、このローラー７，
７は第３図に示すように、上記第１ガイド４の凹
溝部内へ摺動自在に係合して、第１ガイド４に沿
つて竪枠１の長手方向に上下することができるの
であり、これによつてガラス障子Ａは下端ロを外
方へ突き出すようにしてサツシ枠Ｓ内で上下動す
ることができるのであるが、この上下動するガラ
ス障子Ａを支持するとともに反転を可能にするた
めに、パンタグラフ式のアームによつてガラス障
子Ａをサツシ枠Ｓに軸着連結している。

すなわち、パンタグラフ式のアームは、一対の
突き出しアーム９，１０と一対の支持アーム１
１，１２とから成るものであり、その連結方法に
工夫がされている。

一対の同じ長さを有する突き出しアーム９，１
０は第５図及び第６図に示されているように、支
持アーム１１，１２よりも短寸に形成されその端
部をガラス障子竪框８の枠対向面イにおける上下
方向の中央部、すなわち重心を通る水平線と交差
する位置に設けたガラス障子回転用支持軸１３に
連結されるとともに、ガラス障子Ａの閉鎖状態に
おいて上下方向に直線状となるようになつてい
る。

この状態における下方の突き出しアーム１０の
下端に、サツシ竪枠１の上方へ向つて延びる上向
き支持アーム１１がピン１４によつて回転自在に
連結されるものであるが、当該上向きの支持アー
ム１１は、上方の突き出しアーム９と干渉しない
ように、全体的に略くの字状を成すように形成さ
れ、又、下端部に鉤状突片部１５を設けている。
この上向き支持アーム１１の上端部は前記ローラ
ー７の取付け位置よりも室外側に位置する所、即
ち第２ガイド６の上端に設けた固定軸１６に回転
自在に軸着されている。

一方、上方の突き出しアーム９の上端には、サ
ツシ竪枠１の下部に向つて伸びる下向き支持アー
ム１２がピン１９によつて回転自在に連結される
が、前記上向き支持アーム１１と同様に該下向き
支持アーム１２も略くの字状に形成され、その上
端部に鉤状突片部１７が連結されている。この支
持アーム１２の下端には該下向き支持アーム１２
を移動自在にする支持アーム用ガイドローラー２
０が取付けられ、凹溝状の第２ガイド６内に係合
し、当該第２ガイド６に沿つてサツシ縦枠１の長
手方向に上下動できるようになつている。

又、上記の支持アーム１２はガラス障子Ａの閉
鎖状態において、直線状となつた突き出しアーム
９，１０の室内側で交差状に重合し、当該交差重
合した中心部は回転軸１８によつて回転自在に連
結されている。

そして、第１図及び第７図に示す閉鎖状態のガ
ラス障子Ａを開放すれば、ガラス障子用ガイド体
としてのローラー７が第１ガイドＡに摺動自在に
係合しているとともに、下向き支持アーム１２の
下端に取付けられている支持アーム用ガイドロー
ラー２０が第２ガイド６に沿つて上昇するので、
ガラス障子Ａの上端が第１ガイド４に沿つて下降
するとともに、支持アーム１１，１２及び突き出
しアーム９，１０が室外側に向つて伸びていき、
このときのガラス障子回転用支持軸１３は、上下
に揺動することなく水平に室外方向に移動してい
く。このため、ガラス障子Ａは突き出しアーム
９，１０によつて下方向に作用する荷重を支持さ
れながら縦断面において当該ガラス障子Ａの支持
軸１３を中心にして回動することができ、下端ロ
は第８図及び第９図のように室外側へ飛び出して
いくことができる。

そして、ガラス障子Ａが水平状態になつた後、
更にその上端部ハをサツシ竪枠１の下方へ下げて
いくと、支持アーム用ガイドローラ２０が第２ガ
イド６に沿つて下降するので、伸びていたパンタ
グラフ式アーム９，１９，１１，１２が今度は縮
み始め、ガラス障子回転用支持軸１３も水平に室
内方向に移動していき、ガラス障子Ａの下端部ロ
が第１０図に示すようにサツシ枠Ｓに向つて突き
出しアーム９，１０に支持されながら接近し、遂
には第１１図に示すように上下ハ，ロにガラス障
子Ａの裏表が入れ換わつた状態で閉鎖するのであ
る。

このように、上下を入れ換えるガラス障子Ａ
は、パンタグラフ式アーム９，１０，１１，１２
によつてガラス障子回転用支持軸１３が室内外方
向に水平に移動するため、ガラス障子Ａの重心が
上下に揺動することなく、該支持軸１３を中心に
して円滑且つ軽快に反転させることができる。な
お、上下ハ，ロが入れ換わつた状態で枠パツキン
グＰにガラス障子Ａが密着することができるよう
に、ガラス障子Ａの框の室外側に同一平面を成す
パツキング当り面を形成することができる。さら
に、この上下入れ換わつた状態で施錠できるよう
にしても良い。

また、上記実施例はガラス障子を上下に移動し
て反転させるようにしたものであるが、これを左
右方向に移動して反転させることもできることは
もちろんである。

以上のように本考案はパンタグラフ式アームを
巧みに利用するものであつて、ガラス障子のガラ
ス障子用ガイド体と第１ガイドとが移動自在に係
合しているため、ガラス障子の反転時に当該ガラ
ス障子が室内側に侵入せずに反転させることがで
き、このため室内設計への制約がなく、室内側に
例えばカーテンやブラインド類を設置した状態で
ガラス障子の反転操作を行うことができる。ま
た、ガラス障子の反転時にガラス障子のガラス障
子用ガイド体が第１ガイド内を移動するととも
に、他方の支持アームの他端が第２ガイド内を移
動してガラス障子回転用支持軸が両ガイドに対し
て直交状態で直線的に室内外方面に移動するた
め、ガラス障子の重心を揺動させずに反転するこ
とができ、特にガラス障子を上下に反転する場合
には、重心が上下に揺動せずに円滑且つ軽快に反
転することができる。したがつて、ガラス障子の
室内面と室外面を簡単に入れ換えることができる
ものであるから、室外面の清掃はもちろんその他
必要な補修を室内側にいながらにして安全確実に
行うことのできる効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例に係る反転窓の縦断面図、第
２図及び第３図は要部を示す横断面図、第４図は
ガラス障子の外観正面図、第５図は同じく側面
図、第６図はパンダグラフ式アームの突出状態を
示す斜視図、第７図乃至第１１図は反転作動状態
を示す概略図である。 Ａ……ガラス障子、Ｓ……サツシ枠、１……サ
ツシ竪枠、４……第１ガイド、６……第２ガイ
ド、７……ローラー（ガラス障子用ガイド体）、
８……竪框、９，１０……突き出しアーム、１
１，１２……支持アーム、１３……ガラス障子回
転用支持軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガラス障子の一端側コーナー部に取付けたガラ
   ス障子用ガイド体を、サツシ枠対向面の長手方向
   に形成された第１ガイドに移動自在に係合すると
   ともに、ガラス障子を枠組みする框の第１ガイド
   との対向面中央部に設けたガラス障子回転用支持
   軸に、一対の同長突き出しアームの端部を回転自
   在に連結し、各突き出しアームの他端に一対の支
   持アームの端部を夫々回転自在に連結するととも
   に、各支持アームを夫々サツシ枠の長手方向に伸
   ばして交差するように重合し、その交差重合した
   中心部を回転自在に連結して、一方の支持アーム
   の他端をサツシ枠の端部に軸着するとともに、他
   方の支持アームの他端を前記第１ガイドの室外側
   長手方向に形成された第２ガイドに移動自在に係
   合し、前記ガラス障子回転用支持軸を中心にして
   ガラス障子の裏表を入れ換え可能にして成ること
   を特徴とする反転窓。