JPH0529347Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は滑り開き扉の開閉装置に関するもの
で、更に詳細には、入隅部を構成すべく直角状に
交叉する２つの壁面に沿つて敷設された運動軌道
に沿つて移動されて、壁面に形成された入口を開
閉する滑り開き扉の開閉装置の改良に係るもので
ある。

［従来の技術］ 一般に、浴室等の室内に向けて内開きする扉に
は、一側縁を扉枠にヒンジした片開き扉が使用さ
れている。しかしこの種の扉では、扉の回転によ
つて占められる室内のデツドスペースができ、た
だでさえ狭い室内の有効スペースがさらに狭くな
るという不都合がある。そこでこの問題を解決す
る手段として、滑り開き扉が使用されている。こ
の滑り開き扉とは、前記片開き扉とは異なり、丁
番を用いずに、入隅部を構成する直角状の２つの
壁面に沿つて所定の間隔をおいて平行に敷設した
上下の運動軌道に沿つて移動して、壁面に形成さ
れた入口を開閉する扉をいい、その構造は第５図
及び第６図に示すように、直角状の壁面１，２に
敷設されて直角状に相対する２組の運動軌道３，
４に沿つて転動する上部及び下部戸車５，６を有
する滑り開き扉７と、その一端が運動軌道３，４
の接合点に、他端が滑り開き扉７の上下端面中央
にそれぞれ回転自在に支持される折畳み可能な連
結アーム８，９とで構成されている。

［考案が解決しようとする課題］ この考案は上記滑り開き扉において、扉の始動
時及び開閉摺動時における扉の傾き（第７図参
照）を防止すると共に、正規の状態で円滑に開閉
できるような開閉装置を提供しようとするもので
ある。

［課題を解決するための手段］ すなわちこの考案は、入隅部を構成すべく直角
状に交叉する２つの壁面の一方に入口を形成し、
この入口を滑り開き扉で開閉する装置において、
この入口の上方の壁面に断面門形のレールを水平
方向に装着し、このレール内に設けた軌道上を転
動する吊り戸車を、前記滑り開き扉の上部一側に
回転自在に装着される吊り棒に装着し、前記レー
ル内の上下に平行に形成したラツクにそれぞれ噛
み合うピニオンを、前記吊り棒に支承させ、かつ
この滑り開き扉の上部中央に一端を枢支した折り
畳み可能な連結アームの他端を、前記入口が形成
されない側の壁面に枢支してなる、滑り開き扉の
開閉装置を提案するものである。

［作用］ 上記構成からなるこの考案の装置において、滑
り開き扉は吊り戸車によつてその重量を支えられ
つつ、上下２段に構成されるラツク・ピニオン機
構によつて傾きなく開閉動作されるものである。

［実施例］ 以下添付図面に基づいてこの考案を説明する。

第１図はこの考案の開閉装置の一実施例を示す
縦断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ断面図、第３
図はこの考案の開閉装置を施こしてなる滑り開き
扉の平面図、第４図は全体構成の略図で、図中１
０は入隅部を構成すべく直角状に交叉する壁面１
１，１１′（第４図参照）の一方の壁面１１に形
成される入口を示しており、入口１０にはその外
縁部を囲むようにパツキング１２が貼着される。
前記入口１０の上部の壁面には、アルミニウム型
材等で形成される断面門形のレール１３がほぼ水
平方向に装着される。このレール１３内に設けた
軌道１３′上を水平方向に転動される吊り戸車１
４を具備するケーシング１５に、吊り棒１６を介
して滑り開き扉１７が吊持される。またこの滑り
開き扉１７の下端は自由端とされ、この扉１７は
前記パツキング１２に密着されて入口１０を閉鎖
可能とされる。更に前記滑り開き扉１７の上端中
央部にはピン１８を介して折り畳み可能な連結ア
ーム１９の一端が枢支され、この連結アーム１９
の他端はピン２０を介して他方の壁面１１′に枢
支される。

前記吊り棒１６は滑り開き扉１７の上部一部に
回転自在に装着されると共に、吊り棒１６は前記
ケーシング１５の上方に延長され、この吊り棒１
６の延長された上部には、互に上下に一定間隔を
有する一対のピニオン２１，２２が止めねじ２
３，２４によつて固着される。これらのピニオン
２１，２２は前記レール１３内の上方に沿設され
かつ互に上下に一定間隔を有して平行に形成した
一対のラツク２５，２６に常時噛み合わされると
共に、ラツク２５，２６にそれぞれ対峙してレー
ル１３の上方に沿設されかつコ字形断面の溝２
７，２８を備えるガイド２９，３０の溝２７，２
８に摺動ガイドされている。

上記構成において、吊り戸車１４は滑り開き扉
１７の重量を支えて、この扉１７を滑動させ、ラ
ツク・ピニオン機構を上下２組備えたことによつ
て、滑り開き扉１７は傾くことなく安定して滑動
できるものである。また連結アーム１９は滑り開
き扉１７の自由端側の重量の一部を支えると共
に、この扉１７の倒れを防止するものである。

［考案の効果］ この考案による開閉装置は以上に述べたようで
あるから、滑り開き扉１７を開閉する場合、常に
ピニオン２１，２２とラツク２５，２６が噛み合
つているため、始動時はもちろんのこと、開閉摺
動時においても、滑り開き扉１７は傾くことな
く、円滑開閉動作をすることができる。またこの
扉１７が傾かないため開閉機構に無理な力がかか
らず、開閉機構の損傷を防止することができると
共に、この開閉機構を含めて全体を軽量にするこ
とができる。更に扉の上方のみにピニオン２１，
２２及びラツク２５，２６等を配設し、滑り開き
扉１７の下端は自由端とされるため、この滑り開
き扉１７及び入口１０の下方を極めてシンプルな
構成とすることができ、入口１０からの出入に際
し支障となる凹凸を、より少なくすることができ
る等の優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はこの考案による装置の縦断
面図及びＡ−Ａ断面図、第３図はこの装置を施こ
してなる扉の平面図、第４図は全体構成の略図、
第５図は従来の滑り開き扉の開閉状態を示す概略
斜視図、第６図は従来の開閉装置の縦断面図で、
第７図は従来の滑り開き扉の始動時を示す概略正
面図である。 図において、１０……入口、１３……レール、
１４……吊り戸車、１５……ケーシング、１６…
…吊り棒、１７……滑り開き扉、１９……連結ア
ーム、２１，２２……ピニオン、２５，２６……
ラツク、２７，２８……溝、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入隅部を構成すべく直角状に交叉する２つの壁
   面の一方に入口を形成し、この入口を滑り開き扉
   で開閉する装置において、この入口の上方の壁面
   に断面を構成する門形のレールを水平方向に装着
   し、このレール内に設けた軌道上を転動する吊り
   戸車を、前記滑り開き扉の上部一側に回転自在に
   装着される吊り棒に装着し、前記レール内の上下
   に平行に形成したラツクにそれぞれ噛み合うピニ
   オンを、前記吊り棒に支承させ、かつこの滑り開
   き扉の上部中央に一端を枢支した折り畳み可能な
   連結アームの他端を、前記入口が形成されない側
   の壁面に枢支してなる、滑り開き扉の開閉装置。