JPS6219740Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、流し台に供給された水道水等を、簡
便且つ確実に貯排水することができる排水口用の
止水・排水具に関する。

近時の流し台は、給水された水道水等を、必要
に応じ、任意に貯水・排水できるようにするため
に、排水口を開閉するための蓋体を備えている。
この種の排水口開閉手段として、従来、第１図乃
至第３図に示す如きものがあつた。

第１図のものは、流し台の容器１の排水口Ａに
多孔性のゴミ収納筒２を設けると共に、排水口Ａ
の開口部に凹部１′を設けて、この凹部１′に蓋３
が嵌脱自在に嵌め込まれるようになつている。ま
た、第２図のものは、容器１の排水口Ａ内にスト
レーナドレン４を設け、その上方に形成した凹部
１′には、蓋３が嵌脱自在に嵌め込まれるように
なつている。第１図、第２図に示すいずれの場合
においても、凹部１′に蓋３を嵌脱することによ
り、排水口Ａの開口部を開閉して、止水・排水す
るものである。しかし、排水する際に、排水口Ａ
から外した蓋３の置き場所を確保するのに困るこ
とがあるほか、その外した蓋３を紛失することも
あつた。また、排水口Ａ内には、ゴミがたまつて
いるのであるが、蓋３を外したときには、このゴ
ミがまともに見えて、排水口Ａだけでなく流し台
全体の見ばえを損うことにもなつていた。これら
諸問題を改善するものとして、第３図に示すポツ
プアツプ方式の機構によるものがある。同図にお
いて、容器１の底部に設けられている排水口Ａの
開口部に、弁５が上下動自在に嵌入され、弁棒
５′の支点５″と作動桿６の支点６′とが、支点
７′を有するレバー７を介して連結されている。
作動桿６の一端に設けられている押え部８を、図
示矢印方向に、押し下げたり、引き上げたりする
ことによつて、止水・排水を行なう。しかし、こ
のホツプアツプ方式の機構は、弁棒５′、作動桿
６およびレバー７が、夫々の支点５″，６′，７′
によつて持されて、これら部材が連結されている
ので、機構的に複雑で、故障しやすく、殊に多湿
という場所がら、錆やすいため、支点に生じた錆
により作動しずらくなり、止水・排水が困難とな
る不都合があつた。

本考案は、上述の如き問題点や不都合に鑑みな
されたものであつて、その目的は、より簡単に止
水・排水が行なえると共に、機構簡単で故障少な
く、さらに排水口の見ばえも良い排水口用の止水
蓋を提供することである。

本考案の特徴とするところは、通水穴を穿設し
た蓋体の片面の適宜部位に軸を立設し、この軸
に、軸穴を有しかつ前記蓋体の通水穴を閉塞可能
な大きさの止水板を遊嵌すると共に、前記軸に抜
け落ち防止具を付属させたことにある。

以下に本考案を、その実施例を示す第４図乃至
第６図に従つて説明すると、次のとおりである。

図において、本考案に係る排水口用の止水具
（以下、本案止水具と略称する）Ｂは、次のよう
に構成されている。すなわち、蓋体９に通水穴
９′を穿設し、この蓋体９の片面の適宜部位に軸
１０を立設する。この軸１０に、軸穴１１′突を
有しかつ前記蓋体９の通水穴９′の閉塞を可能と
する大きさの止水板１１を遊嵌する。さらに、こ
の止水板１１の抜け落ちを防ぐため、前記軸１０
の適宜の抜け落ち防止具１４を付属させる。こよ
うな構成において、蓋体９は、例えばステンレス
製の円板状となつていて、この蓋体９に通水穴
９′を穿設する。この通水穴９′の穿設位置は、蓋
体９に立設されている軸１０に止水板１１を遊嵌
した場合に、この止水板１１により通水穴９′を
閉塞しうるところである。次に、軸１０は、例え
ばステンレス製の円柱体をなすものであるが、こ
れに限るものではない。このような軸１０が、蓋
体９の片面の適宜部位に立設されているのである
が、図示実施例においては、その立設部位は、蓋
体９の片面における中央部分になつている。そし
て、軸１０に遊嵌される止水板１１は、その中心
に軸１０を遊嵌しうる程度の例えば円形の軸穴１
１′を穿設してある。この止水板１１は、その自
重によつて通水穴９′を密閉しうる程度の重量を
有するものであり、例えば、ゴム製パツキン１２
に鉄板１３を貼り合わせたものである。そして、
この止水板１１の大きさは、通水穴９′を閉塞可
能な程度である。次に、軸１０の、蓋体９と反対
側の端部に付属する抜け落ち防止具１４は、例え
ばステンレス製の円板等からなるものであるが、
軸１０に遊嵌されている止水板１１の抜け落ちを
防ぐことができさえすれば、どのような形状のも
のであつてもよいことは勿論である。抜け落ち防
止具１４は、軸１０の端部それ自体を加工変形す
ることによつて形成してもよい。蓋体９と抜け落
ち防止具１４との間隔は、止水板１１が上下に充
分変移できる程度にする。なお、蓋体９には、こ
れをつまみ上げ易くするために、この蓋体９の、
軸１０が立設している面と反対面に、つまみ部１
５を設けておくことが望ましい。

このようにして構成された本案止水具Ｂを排水
口Ａの開口部に形成された凹部１′に、嵌脱自在
に嵌め込む。止水する場合であれば、蓋体９に対
して、止水板１１が上側となるように、止水具Ｂ
を嵌め込む。このとき、止水板１１は、その自重
によつて、下降して通水穴９′を閉塞し、排水口
Ａに流れ込んできた水等を止水する。このことに
より、流し台には水が貯められる。排水する場合
は、止水具Ｂを持上げ反転させるなどして、蓋体
９に対して、止水板１１が下側となるように、前
記凹部１′のに止水具Ｂを嵌め込む。このとき、
止水板１１は、この自重によつて下降し、下方の
抜け落ち防止具１４で支持され、通水穴９′は止
水板１１によつて閉塞されることなく、開放され
ているので、排水口Ａに流れ込んできた水等は通
水穴９′を通過して排水される。以下、同様に、
止水具Ｂを反転させることによつて、止水・排水
が行なわれる。なお、止水又は排水いずれの場合
であつても、排水口の内部は止水板１１によつて
遮られているので、汚れ等により見苦しい排水口
内は直視できない。

以上説明したように、本考案によれば、簡単に
止水・排水が行なえ、機構が簡単なので、スムー
ズに作動し、耐久性に富み、さらに、排水口の見
ばえを良くする効果が得られる。

なお、第５図、第６図は本考案の別態様の実施
例を示し、反転し易くするために、つまみ部１５
を大きくしてあるものである。第５図は止水時、
第６図は排水時を示す。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は蓋による従来例を示す概略側
断面図、第３図はポツプアツプ方式による従来例
を示す概略側断面図、第４図は本考案の実施例を
示す斜視図、第５図、第６図は本考案の別態様の
実施例を示す側断面図である。 ９……蓋体、９′……通水穴、１０……軸、１
１……止水板、１１′……軸穴、１４……抜け落
ち防止具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 通水穴を穿設した蓋体の片面の適宜部位に軸を
   立設し、この軸に、軸穴を有しかつ前記蓋体の通
   水穴を閉塞可能な大きさの止水板を遊嵌すると共
   に、前記軸に抜け落ち防止具を付属させたことを
   特徴とする排水口用の止水蓋。