JPS62193731A - 耐摩耗性のすぐれたサ−メツト製切削工具の製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、すぐれた耐摩耗性を有し、特に鋼の切削に
用いた場合に、本来サーメットが具備するすぐれた靭性
と含まって、すぐれた切削性能を長期に亘って発揮する
サーメット製切削工具の製造法に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、例えば鋼の切削に、分散相として、Ｔｉと、周期
律表の５ａおよび６ａ族金属のうちの１種または２種以
上との複合金属炭窒化物：４５〜８０重量％を含有し、
残りがｃｏおよびＮ１のうちの１種または２種を主成分
とする結合相からなる組成を有するサーメットで構成さ
れた切削工具が広く用いられている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、上記の従来サーメット製切削工具は、すぐれた
靭性をもつので、鋼の断続切削ではすぐれた性能を発揮
するものの、硬さが十分でないために、鋼の連続切削で
は比較的低い耐摩耗性しか示さず、使用寿命の短かいも
のであった。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで、本発明者等は、上述のような観点から。

上記従来サーメット製切削工具のもつすぐれた靭性を損
なうことなく、これにすぐれた耐摩耗性を付与すべく研
究を行なった結果、 上記の分散相として、Ｔｉと、周期律表の５ａおよび６
ａ族金属（以下Ｍで示す）のうちの１種または２種以上
との複合金属炭窒化物：４５〜８０重量％を含有し、残
りがＣｏおよびＮ１のうちの１種または２種を主成分と
する結合相からなる組成を有するサーメットで構成され
た切削工具において、上記分散相を構成する複合金属炭
窒化物の組成を特定、すなわち、これを、 組成式：（Ｔ　１ａ、　Ｍβ）（Ｃｘ、Ｎｙ）７、で表
わした場合、原子比で、 α十β−１，２，５≦α／β≦３０、ｘ＋ｙ＝１．１．
５≦ｘ／ｙ≦５．０８≦ｚ≦１、 を満足する組成に特定した上で、このサーメットに、窒
素雰囲気中、温度：　１０００〜１３００℃、圧力＝５
〜２０００気圧の条件で熱間静水圧プレス（以下ＨＩＰ
という）処理を施すと、前記サーメットの表面部には、
複合金属炭窒化物における窒素含有量が、サーメット内
部の複合金属炭窒化物の窒素含有量に比して相対的に高
く、かつサーメット内部に向うにしたがって連続的に減
少する窒素濃度勾配をもった窒素富化層が形成されるよ
うになシ、この結果のサーメットにおいては、前記窒素
富化層がきわめて硬質であることから、すぐれた耐摩耗
性が確保され、またサーメット内部はすぐれた靭性を保
持した状態になっているので、これを鋼の連続切削や断
続切削に切削工具として用いた場合にすぐれた切削性能
を長期に亘って発揮するという知見を得たのである。

この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであっ
て、 分散相として、Ｔｉと、Ｍのうちの１種または２種以上
との複合金属炭窒化物＝４５〜８０４５〜８０重量％こ
の複合金属炭窒化物は、これを、組成式：（Ｔｌａ、　
Ｍβ）（Ｃｘ、Ｎｙ）、、、で表わした場合、原子比で
、 α＋β＝１、２．５≦α／β≦３０、ｘ　＋　ｙ　＝　
１．１．５≦ｘ／ｙ≦５．０，８≦ｚ≦１１を満足し、 残シがｃｏおよびＮ１のうちの１種または２種を主成分
とする結合相からなる組成を有するサーメットに、 窒素雰囲気中、温度：１０００〜１３００℃、圧カニ５
〜２０００気圧の条件でＨＩＰ処理を施して、上記サー
メットの表面部に、複合金属炭窒化物における窒素含有
量が、サーメット内部の複合金属炭窒化物の窒素含有量
に比して相対的に高く、かつサーメット内部に向うにし
たがって連続的に減少する窒素濃度勾配をもった硬質の
窒素富化層を形成することによって、耐摩耗性および靭
性のすぐれたサーメット製切削工具を製造する方法に特
徴を有するものである。

つぎに、この発明の方法において、サーメットの成分組
成および分散相を構成する複合金属炭窒化物の組成、さ
らにＨＩＰ処理条件を上記の通シに限定した理由を説明
する。

Ａ０分散相の含有量 分散相の含有量が４５チ未満では、相対的に結合相の含
有量が多くな多すぎて所望の耐摩耗性を確保することが
できなく力るばかシでなく、窒素富化層の形成が困難に
なり、一方分散相の含有量が８０％を越えると、相対的
に結合相の含有量が少なくなシすぎて所望の靭性を確保
することができなくなることから、その含有量を４５〜
８０チー　６　＝ と定めた。

Ｂ、複合金属炭窒化物の組成 （ａ）　　α／β サーメットの分散相が、α／β値：２．５未満の複合金
属炭窒化物で構成されると、サーメット表面部に窒素富
化層を形成するのが困難になって、所定の層厚、望まし
くは約１５〜２間の層厚の窒素富化層を形成することが
できず、一方、α／β値が３０を越えた組成の複合金属
炭窒化物で構成されると、Ｔｉに対するＭの相対量が少
ないことに原因して、焼結時のぬれ性が劣化し、靭性の
すぐれたサーメットを得ることができなくなることから
、α／β値を、原子比で２．５〜３０と定めた。

（ｂ）　　ｘ／ｙ サーメットの分散相が、ｘ／ｙ値：１．５未満の複合金
属炭窒化物で構成されると、相対的に炭素含有量が不足
し、一方窒素含有量が多くなシすぎて、サーメット表面
部に窒素富化層を形成するのが困難になり、一方、ｘ／
ｙ値が５を越えた組成の複合金属炭窒化物でサーメット
が構成されると、サーメットに所望のすぐれた靭性を確
保することができないことから、ｘ／ｙ値を、原子比で
１．５〜５と定めた。

（Ｃ）ｚ Ｚ値が０８未満の複合金属炭窒化物でサーメットを構成
すると、所望のすぐれた靭性をもったサーメットを得る
ことができないので、複合金属炭窒化物における２値を
原子比で０８以上にする必要がある。々お２値の上限値
：１は化学量論組成における最高値である。

なお、この発明の方法で用いられるサーメットは、いず
れも原料粉末として用意した、ＴｌＣＮ粉末（ただしＣ
／Ｎ　：　９／１〜’７／３）と、周期律表の５ａおよ
び６ａ族金属の炭化物であるＶＣ，ＮｂＣ１ＴａＣ、Ｃ
ｒ５Ｃｚ、Ｍｏ２Ｃ，およびＷＣのうちの１種または２
種以上の粉末と、Ｎ１粉末およびＣｏ粉末のうちの１種
または２種とを用い、これら原料粉末を所定の配合組成
に配合し、湿式で粉砕混合した後、圧粉体にプレス成形
し、との圧粉体を、減圧窒素雰囲気中、１３００〜１５
００℃の温度で焼結するととによって製造される。

Ｃ，ＨＩＰ処理 （ａ）温度 １０００℃未満の温度では、サーメット中に存在するボ
アの消滅を十分に行なうことができないばかシでなく、
窒素富化層の形成が遅く、所定の層厚にするのに長時間
を要し、実用的でなく、一方１３００℃を越えた温度に
すると、窒素富化層中の濃度勾配が失なわれるようにな
り、耐摩耗性の向上効果が低下するようになることから
、その温度を１０００〜１３００℃と定めた。

（ｂ）　　圧力 ５気圧未満の圧力では、窒素富化層の形成速度が遅く、
かつ窒素濃度勾配も小さく、所望の耐摩耗性を確保する
ことができず、一方２０００気圧を越えた圧力にすると
、遊離炭素が形成されるようになり、これが反応にあず
かって窒素富化層中に炭窒化物が形成されるようになシ
、耐欠損性の低下をまねくようになることから、その圧
力を５〜２０００気圧と定めた。

〔実施例〕

つぎに、この発明の方法を実施例により具体的に説明す
る。

まず、原料粉末として、平均粒径：１．２μｍを有する
ＴｉＣｏ、ＢＮｏ、２粉末、同１．０μｍのＶＣ粉末、
同１．０μｍのＮｂＣ粉末、同１．１μｍのＴａＣ粉末
、同ＬＯｐｍのＣｒ３Ｃ２粉末、同１．０７１　ｍのＭ
Ｏ２Ｃ粉末、同０．ＢｐｍのＷＣ粉末、同２．２ｐｍの
Ｎ１粉末、および同１．２μｍのＣｏ粉末を用意し、こ
れら原料粉末を、それぞれ第１表に示される配合組成に
配合し、ボールミルにて７２時時間式混合し、乾燥した
後、１５　ｋｇ／ｍｙｎ２の圧力にてプレス成形して圧
粉体とし、これら圧粉体を、常温から１３３０ｔ：まで
の加熱過程および１３３０℃から常温までの冷却過程を
真空とし、１３３０℃から１４３０℃までの加熱過程、
１４３０℃に１時間保持、および１４３０℃から１３３
０℃までの冷却過程を３　ｔｏｒｒの減圧窒素雰囲気と
した条件で焼結して、それぞれ第２表に示される組成を
もったサーメット１〜１８を製造し、ついで、これらサ
ーメットに、窒累算囲気中、第３表に示される条件でＨ
ＩＰ処理を施し、その表面部に同じく第３表に示される
層厚の窒素富化層を形成することによって本発明法ａ−
ｒを実施し、本発明サーメットａ〜ｒをそれぞれ製造し
た。

ついで、この結果得られた本発明サーメットａ〜ｒ、並
びに上記の窒素富化層の形成を行なわないサーｊット１
〜１日について、耐摩耗性を評価する目的で、表面およ
び中心部のロックウェル硬さくＡスケール）、並びに靭
性を評価する目的で抗折力を測定し、さらに、 被削材：　ＳＮ０Ｍ４３９（硬さ：ＨＢ２６０）の丸棒
、切削速度：１８０ｍｍ／隠、 送シ：０．３朋／　ｒｅｖ、、 切込み：１．５ｗｎ。

切削時間：１５分、 の条件での鋼の連続切削試験、並びに、被削材：　ＳＮ
０Ｍ４３９（硬さ：ＨＢ２８０）の角材、切削速度＝１
４０ｍ／阪、 送り：　０．３　ｖａｎ　／　ｒｅｖ、、第　　　３　
　　表 切込み：２間、 切削時間＝３分、 の条件での銅の断続切削試験を行ない、前者の連続切削
試験では切刃のすくい面摩耗深さと逃げ面摩耗幅を測定
し、また後者の断続切削試験では１０個の試験切刃数の
うちの欠損発生切刃数を測定した。これらの結果を第４
表に示した。

〔発明の効果〕

第４表に示される結果から、本発明サーメットａ−ｒは
、いずれも窒素富化層の形成がないサーメツ）１−１８
と同等の内部硬さと抗折力を示し、すぐれた靭性をもつ
ほか、サーメット１〜１８に比して高い表面硬さをもち
、このことは、本発明サーメツ）　ａ　−ｒが、鋼の連
続切削試験ではサーメツ）１〜１８のそれぞれに比して
一段とすぐれた耐摩耗性を示し、かつ断続切削試験では
すぐれた耐欠損性を示すことが明らかである。

上述のように、この発明の方法によれば、すぐれた耐摩
耗性と靭性とを具備し、切削工具として用いた場合、特
に鋼の連続切削および断続切削ですぐれた切削性能を長
期に亘って発揮するサーメットを製造することができる
のである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 分散相として、Ｔｉと、周期律表の５ａおよび６ａ族金
   属（以下Ｍで示す）のうちの１種または２種以上との複
   合金属炭窒化物：４５〜８０重量％を含有し、この複合
   金属炭窒化物は、これを、組成式：（Ｔｉ＿α、Ｍ＿β
   ）（Ｃ＿ｘ、Ｎ＿ｙ）＿ｚ、で表わした場合、原子比で
   、 α＋β＝１、２．５≦α／β≦３０、ｘ＋ｙ＝１、１．
   ５≦ｘ／ｙ≦５、０．８≦ｚ≦１、 を満足し、 残りがＣｏおよびＮｉのうちの１種または２種を主成分
   とする結合相からなる組成を有するサーメットに、 窒素雰囲気中、温度：１０００〜１３００℃、圧力：５
   〜２０００気圧の条件で熱間静水圧プレス処理を施して
   、 上記サーメットの表面部に、複合金属炭窒化物における
   窒素含有量が、サーメット内部の複合金属炭窒化物にお
   ける窒素含有量に比して相対的に高く、かつサーメット
   内部に向うにしたがって連続的に減少する窒素濃度勾配
   をもった硬質窒素富化層を形成することを特徴とする耐
   摩耗性のすぐれたサーメット製切削工具の製造法。