JP2503769B2 - すぐれた耐摩耗性と靱性を具備したサ−メット製切削工具およびその製造方法 - Google Patents
すぐれた耐摩耗性と靱性を具備したサ−メット製切削工具およびその製造方法Info
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- JP2503769B2 JP2503769B2 JP61242647A JP24264786A JP2503769B2 JP 2503769 B2 JP2503769 B2 JP 2503769B2 JP 61242647 A JP61242647 A JP 61242647A JP 24264786 A JP24264786 A JP 24264786A JP 2503769 B2 JP2503769 B2 JP 2503769B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、すぐれた耐摩耗性を有し、特に鋼の切削
に用いた場合に、本来サーメツトが具備するすぐれた靱
性と合まつて、すぐれた切削性能を長期に亘つて発揮す
るサーメツト製切削工具およびその製造方法に関するも
のである。
に用いた場合に、本来サーメツトが具備するすぐれた靱
性と合まつて、すぐれた切削性能を長期に亘つて発揮す
るサーメツト製切削工具およびその製造方法に関するも
のである。
従来、例えば鋼の切削に、分散相として、Tiと周期律
表と5aおよび6a族金属のうちの1種または2種以上との
複合金属炭窒化物:60〜80重量%、 を含有し、残りがCoおよびNiのうちの1種または2種を
主成分とする結合相からなる組成を有するサーメツトで
構成された切削工具が広く用いられている。
表と5aおよび6a族金属のうちの1種または2種以上との
複合金属炭窒化物:60〜80重量%、 を含有し、残りがCoおよびNiのうちの1種または2種を
主成分とする結合相からなる組成を有するサーメツトで
構成された切削工具が広く用いられている。
しかし、上記の従来サーメツト製切削工具は、すぐれ
た靱性をもつので、鋼の断続切削ではすぐれた性能を発
揮するものの、窒素含有サーメツトに特有の焼結時の脱
窒現象によるポアの残存、並びに工具表面から5μm程
度の深さに亘つて生じる上記複合金属炭窒化物の存在し
ない軟化層が原因で、十分満足する耐摩耗性を示さない
ものである。
た靱性をもつので、鋼の断続切削ではすぐれた性能を発
揮するものの、窒素含有サーメツトに特有の焼結時の脱
窒現象によるポアの残存、並びに工具表面から5μm程
度の深さに亘つて生じる上記複合金属炭窒化物の存在し
ない軟化層が原因で、十分満足する耐摩耗性を示さない
ものである。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、上記
従来サーメツト製切削工具のもつすぐれた靱性を損うこ
となく、これにすぐれた耐摩耗性を付与すべく研究を行
なつた結果、 上記の分散相として、Tiと、周期律表と5aおよび6a族
金属(以下Mで示す)のうちの1種または2種以上との
複合金属炭窒化物:60〜80重量%、 を含有し、残りがCoおよびNiのうちの1種または2種を
主成分とする結合相からなる組成を有するサーメツトで
構成された切削工具において、 上記分散相を構成する複合金属炭窒化物の組成を特
定、すなわち、これを、 組成式:(Tiα,Mβ)(Cx,Ny)z、 で表わした場合、原子比で、 α+β=1、0.5≦α/β≦8、x+y=1、0.2≦x/y
<1.5、0.8≦z≦1、 を満足しする組成に特定した上で、このサーメツト素材
に、 窒素雰囲気中、温度:1000〜1300℃、圧力:5〜2000気
圧の条件で熱間静水圧プレス(以下HIPという)処理を
施すと、 上記サーメツトの表面部には、複合金属炭窒化物にお
ける窒素含有量がサーメツト内部の複合金属炭窒化物の
窒素含有量に比して相対的に高く、かつサーメツト表面
から内部に向かうにしたがつて連続的に減少する窒素濃
度勾配をもつた窒素富化層が形成されるようになり、こ
の結果のサーメツトにおいては、脱窒による軟化層の形
成が抑制され、しかも前記窒素富化層がきわめて軟質で
あることから、すぐれた耐摩耗性が確保され、またサー
メツト内部は、ポアが残存しないため、すぐれた靱性を
保持した状態になつているので、これを鋼の連続切削や
断続切削に切削工具として用いた場合にすぐれた切削性
能を長期に亘つて発揮するという知見を得たのである。
従来サーメツト製切削工具のもつすぐれた靱性を損うこ
となく、これにすぐれた耐摩耗性を付与すべく研究を行
なつた結果、 上記の分散相として、Tiと、周期律表と5aおよび6a族
金属(以下Mで示す)のうちの1種または2種以上との
複合金属炭窒化物:60〜80重量%、 を含有し、残りがCoおよびNiのうちの1種または2種を
主成分とする結合相からなる組成を有するサーメツトで
構成された切削工具において、 上記分散相を構成する複合金属炭窒化物の組成を特
定、すなわち、これを、 組成式:(Tiα,Mβ)(Cx,Ny)z、 で表わした場合、原子比で、 α+β=1、0.5≦α/β≦8、x+y=1、0.2≦x/y
<1.5、0.8≦z≦1、 を満足しする組成に特定した上で、このサーメツト素材
に、 窒素雰囲気中、温度:1000〜1300℃、圧力:5〜2000気
圧の条件で熱間静水圧プレス(以下HIPという)処理を
施すと、 上記サーメツトの表面部には、複合金属炭窒化物にお
ける窒素含有量がサーメツト内部の複合金属炭窒化物の
窒素含有量に比して相対的に高く、かつサーメツト表面
から内部に向かうにしたがつて連続的に減少する窒素濃
度勾配をもつた窒素富化層が形成されるようになり、こ
の結果のサーメツトにおいては、脱窒による軟化層の形
成が抑制され、しかも前記窒素富化層がきわめて軟質で
あることから、すぐれた耐摩耗性が確保され、またサー
メツト内部は、ポアが残存しないため、すぐれた靱性を
保持した状態になつているので、これを鋼の連続切削や
断続切削に切削工具として用いた場合にすぐれた切削性
能を長期に亘つて発揮するという知見を得たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
つて、 分散相として、Tiと、Mのうちの1種または2種以上
との複合金属炭窒化物:60〜80重量%、 を含有し、この複合金属炭窒化物を、 組成式:(Tiα,Mβ)(Cx,Ny)z、 で表わした場合、原子比で、 α+β=1、0.5≦α/β≦8、x+y=1、0.2≦x/y
<1.5、0.8≦z≦1、 を満足し、残りがCoおよびNiのうちの1種または2種を
主成分とする結合相からなる組成を有するサーメツト素
材に、 窒素雰囲気中、温度:1000〜1300℃、圧力:5〜2000気
圧の条件でHIP処理を施して、 上記サーメツトの表面部に、複合金属炭窒化物におけ
る窒素含有量がサーメツト内部の複合金属炭窒化物の窒
素含有量に比して高く、かつサーメツト表面から内部に
向かうにしたがつて連続的に減少する窒素濃度勾配をも
つた硬質の窒素富化層を形成し、これによつて上記サー
メツトのもつすぐれた靱性を損なうことなく、すぐれた
耐摩耗性を付与するサーメツト製切削工具の製造方法、
およびこの製造方法によつて製造されたサーメツト製切
削工具に特徴を有するものである。
つて、 分散相として、Tiと、Mのうちの1種または2種以上
との複合金属炭窒化物:60〜80重量%、 を含有し、この複合金属炭窒化物を、 組成式:(Tiα,Mβ)(Cx,Ny)z、 で表わした場合、原子比で、 α+β=1、0.5≦α/β≦8、x+y=1、0.2≦x/y
<1.5、0.8≦z≦1、 を満足し、残りがCoおよびNiのうちの1種または2種を
主成分とする結合相からなる組成を有するサーメツト素
材に、 窒素雰囲気中、温度:1000〜1300℃、圧力:5〜2000気
圧の条件でHIP処理を施して、 上記サーメツトの表面部に、複合金属炭窒化物におけ
る窒素含有量がサーメツト内部の複合金属炭窒化物の窒
素含有量に比して高く、かつサーメツト表面から内部に
向かうにしたがつて連続的に減少する窒素濃度勾配をも
つた硬質の窒素富化層を形成し、これによつて上記サー
メツトのもつすぐれた靱性を損なうことなく、すぐれた
耐摩耗性を付与するサーメツト製切削工具の製造方法、
およびこの製造方法によつて製造されたサーメツト製切
削工具に特徴を有するものである。
つぎに、この発明のサーメツト製切削工具およびその
製造方法において、サーメツトの成分組成およびHIP処
理条件を上記の通りに限定した理由を説明する。
製造方法において、サーメツトの成分組成およびHIP処
理条件を上記の通りに限定した理由を説明する。
A.分散相の含有量 分散相の含有量が60重量%未満では、相対的に結合相
の含有量が多くなりすぎて所望の耐摩耗性を確保するこ
とができなくなるばかりでなく、窒素富化層の形成が困
難になり、一方分散相の含有量が80重量%を越えると、
相対的に結合相の含有量が少なくなりすぎて所望の靱性
を確保することができなくなることから、その含有量を
60〜80重量%と定めた。
の含有量が多くなりすぎて所望の耐摩耗性を確保するこ
とができなくなるばかりでなく、窒素富化層の形成が困
難になり、一方分散相の含有量が80重量%を越えると、
相対的に結合相の含有量が少なくなりすぎて所望の靱性
を確保することができなくなることから、その含有量を
60〜80重量%と定めた。
(a)α/β サーメツトの分散相が、α/β値:0.5未満の複合金属
炭窒化物で構成されると、サーメツト表面部に窒素富化
層を形成するのが困難になつて、所定の層厚、望ましく
は約1.5〜2mmの層厚の窒素富化層を形成することができ
ず、さらにサーメツト全体の窒素量の少なくなつて靱性
低下をきたすようになり、一方α/β値が8を越えた組
成の複合金属炭窒化物で構成されると、Tiに対するMの
相対量が少ないことに原因して、焼結時のぬれ性が低下
し、靱性のすぐれたサーメツトを得ることができなくな
ることから、α/β値を原子比で0.5〜8と定めた。
炭窒化物で構成されると、サーメツト表面部に窒素富化
層を形成するのが困難になつて、所定の層厚、望ましく
は約1.5〜2mmの層厚の窒素富化層を形成することができ
ず、さらにサーメツト全体の窒素量の少なくなつて靱性
低下をきたすようになり、一方α/β値が8を越えた組
成の複合金属炭窒化物で構成されると、Tiに対するMの
相対量が少ないことに原因して、焼結時のぬれ性が低下
し、靱性のすぐれたサーメツトを得ることができなくな
ることから、α/β値を原子比で0.5〜8と定めた。
(b)x/y サーメツトの分散相が、x/y値:0.2未満の複合金属炭
窒化物で構成されると、相対的に窒素含有量が多いこと
による多量のTiNの含有が原因でぬれ性が低下したり、
さらに焼結時の脱窒が活発に起るようになつてポアが発
生するようになるばかりでなく、表面部に軟化層が形成
するようになつて、すぐれた耐摩耗性および靱性を確保
することができなくなり、一方、x/y値が1.5以上の組成
の複合金属炭窒化物でサーメツトを構成すると、窒素含
有量が低いことに原因してサーメツトに所望のすぐれた
靱性を確保することができないことから、x/y値を原子
比で0.2〜1.5未満と定めた。
窒化物で構成されると、相対的に窒素含有量が多いこと
による多量のTiNの含有が原因でぬれ性が低下したり、
さらに焼結時の脱窒が活発に起るようになつてポアが発
生するようになるばかりでなく、表面部に軟化層が形成
するようになつて、すぐれた耐摩耗性および靱性を確保
することができなくなり、一方、x/y値が1.5以上の組成
の複合金属炭窒化物でサーメツトを構成すると、窒素含
有量が低いことに原因してサーメツトに所望のすぐれた
靱性を確保することができないことから、x/y値を原子
比で0.2〜1.5未満と定めた。
(c)z z値が0.8未満の複合金属炭窒化物でサーメツトを構
成すると、所望のすぐれた靱性をもつたサーメツトを得
ることができず、一方z値の上限値:1は化学量論組成に
おける最高値であることから、z値を原子比で0.8〜1
と定めた。
成すると、所望のすぐれた靱性をもつたサーメツトを得
ることができず、一方z値の上限値:1は化学量論組成に
おける最高値であることから、z値を原子比で0.8〜1
と定めた。
C.HIP処理 (a)温度 1000℃未満の温度では、サーメツト中に存在するポア
の消滅を十分に行なうことができないばかりでなく、窒
素富化層の形成が遅く、所定の層厚にするのに長時間を
要し、実用的でなく、一方1300℃を越えた温度にする
と、窒素富化層中の窒素濃度勾配が失なわれるようにな
り、耐摩耗性のすぐれた窒素富化層の形成は困難となる
ことから、その温度を1000〜1300℃と定めた。
の消滅を十分に行なうことができないばかりでなく、窒
素富化層の形成が遅く、所定の層厚にするのに長時間を
要し、実用的でなく、一方1300℃を越えた温度にする
と、窒素富化層中の窒素濃度勾配が失なわれるようにな
り、耐摩耗性のすぐれた窒素富化層の形成は困難となる
ことから、その温度を1000〜1300℃と定めた。
(b)圧力 5気圧未満の圧力では、窒素富化層の形成速度が遅
く、かつ窒素濃度勾配も小さく、所望の耐摩耗性をもつ
た窒素富化層を形成することができず、一方2000気圧を
越えた圧力にすると、遊離炭素が形成されるようになつ
て、耐欠損性の低下をまねくようになることから、その
圧力を5〜2000気圧と定めた。
く、かつ窒素濃度勾配も小さく、所望の耐摩耗性をもつ
た窒素富化層を形成することができず、一方2000気圧を
越えた圧力にすると、遊離炭素が形成されるようになつ
て、耐欠損性の低下をまねくようになることから、その
圧力を5〜2000気圧と定めた。
なお、この発明の方法で用いられるサーメツトは、い
ずれも原料粉末として用意したTi0.2N0.8粉末あるいはT
iN1-x粉末と、周期律表の5aおよび6a族金属の炭化物で
あるVC、NbC、TaC、Cr3C2、Mo2C、およびWCのうちの1
種または2種以上の粉末と、Ni粉末およびCo粉末のうち
の1種または2種とを用い、これら原料粉末を所定の配
合組成に配合し、湿式で粉砕混合した後、圧粉体にプレ
ス形成し、この圧粉体を、減圧窒素雰囲気中、1300〜15
00℃の温度で焼結することによつて製造することができ
る。
ずれも原料粉末として用意したTi0.2N0.8粉末あるいはT
iN1-x粉末と、周期律表の5aおよび6a族金属の炭化物で
あるVC、NbC、TaC、Cr3C2、Mo2C、およびWCのうちの1
種または2種以上の粉末と、Ni粉末およびCo粉末のうち
の1種または2種とを用い、これら原料粉末を所定の配
合組成に配合し、湿式で粉砕混合した後、圧粉体にプレ
ス形成し、この圧粉体を、減圧窒素雰囲気中、1300〜15
00℃の温度で焼結することによつて製造することができ
る。
つぎに、この発明のサーメツト製切削工具およびその
製造方法を実施例により具体的に説明する。
製造方法を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、平均粒径:1.5μmを有するTi0.2N
0.8粉末、粗粒TiN分散を10-2〜10-3torrの真空中で温
度:1600℃に1時間保持して脱窒処理したものをボール
ミルで粉砕することによ り調整した平均粒径:1.5μmを有するTiN1-x粉末、同1.
0μmのVC粉末、同1.0μmのNbC粉末、同1.1μmのTaC
粉末、同1.0μmのCr3C2粉末、同1.0μmのMo2C粉末、
同0.8μmのWC粉末、同2.2μmのNi粉末、および同1.2
μmのCo粉末を用意し、これら原料粉末を、それぞれ第
1表に示される配合組成に配合し、ボールミルにて72時
間湿式混合し、乾燥した後、15Kg/mm2の圧力にてプレス
成形して圧粉体とし、これら圧粉体を、常温から1330℃
までの加熱過程および1330℃から常温までの冷却過程を
真空とし、1330℃から1430℃までの加熱過程、1430℃に
1時間保持、および1430℃から1330℃までの冷却過程を
3torrの減圧窒素雰囲気とした条件で焼結して、それぞ
れ第2表に示される組成をもつたサーメツト素材1〜18
を製造し、ついで、これらサーメツト素材に、窒素雰囲
気中、第3表に示される条件でHIP処理を施し、その表
面部に同じく第3表に示される層圧の窒素富化層を形成
することによつて本発明法a〜rを実施 し、本発明サーメツト製切削工具a〜rをそれぞれ製造
した。
0.8粉末、粗粒TiN分散を10-2〜10-3torrの真空中で温
度:1600℃に1時間保持して脱窒処理したものをボール
ミルで粉砕することによ り調整した平均粒径:1.5μmを有するTiN1-x粉末、同1.
0μmのVC粉末、同1.0μmのNbC粉末、同1.1μmのTaC
粉末、同1.0μmのCr3C2粉末、同1.0μmのMo2C粉末、
同0.8μmのWC粉末、同2.2μmのNi粉末、および同1.2
μmのCo粉末を用意し、これら原料粉末を、それぞれ第
1表に示される配合組成に配合し、ボールミルにて72時
間湿式混合し、乾燥した後、15Kg/mm2の圧力にてプレス
成形して圧粉体とし、これら圧粉体を、常温から1330℃
までの加熱過程および1330℃から常温までの冷却過程を
真空とし、1330℃から1430℃までの加熱過程、1430℃に
1時間保持、および1430℃から1330℃までの冷却過程を
3torrの減圧窒素雰囲気とした条件で焼結して、それぞ
れ第2表に示される組成をもつたサーメツト素材1〜18
を製造し、ついで、これらサーメツト素材に、窒素雰囲
気中、第3表に示される条件でHIP処理を施し、その表
面部に同じく第3表に示される層圧の窒素富化層を形成
することによつて本発明法a〜rを実施 し、本発明サーメツト製切削工具a〜rをそれぞれ製造
した。
ついで、この結果得られた本発明サーメツト製切削工
具a〜rおよび上記の窒素富化層の形成がないサーメツ
ト素材1〜18からなる切削工具(以下従来サーメツト製
切削工具1〜18という)について、耐摩耗性を評価する
目的で、表面および中心部のロツクウエル硬さ(Aスケ
ール)、並びに靱性を評価する目的で抗折力を測定し、
さらに、 被削材:SNCM439(硬さ:HB260)の丸棒、 切削速度:180m/min、 送り:0.3mm/rev.、 切込み:1.5mm、 切削時間:15min、 の条件での鋼の連続切削試験、並びに、 被削材:SNCM439(硬さ:HB280)の角材、 切削速度:140m/min、 送り:0.3mm/rev.、 切込み:2mm、 切削時間:3min、 の条件での鋼の断続切削試験を行ない、前者の連続切削
試験では切刃のすくい面摩耗深さと逃げ面摩耗幅を測定
し、また後者の断続切削試験では10個の試験切刃数のう
ちの欠損発生刃数を測定した。これらの結果を第4表に
示した。
具a〜rおよび上記の窒素富化層の形成がないサーメツ
ト素材1〜18からなる切削工具(以下従来サーメツト製
切削工具1〜18という)について、耐摩耗性を評価する
目的で、表面および中心部のロツクウエル硬さ(Aスケ
ール)、並びに靱性を評価する目的で抗折力を測定し、
さらに、 被削材:SNCM439(硬さ:HB260)の丸棒、 切削速度:180m/min、 送り:0.3mm/rev.、 切込み:1.5mm、 切削時間:15min、 の条件での鋼の連続切削試験、並びに、 被削材:SNCM439(硬さ:HB280)の角材、 切削速度:140m/min、 送り:0.3mm/rev.、 切込み:2mm、 切削時間:3min、 の条件での鋼の断続切削試験を行ない、前者の連続切削
試験では切刃のすくい面摩耗深さと逃げ面摩耗幅を測定
し、また後者の断続切削試験では10個の試験切刃数のう
ちの欠損発生刃数を測定した。これらの結果を第4表に
示した。
第4表に示される結果から、本発明サーメツト製切削
工具a〜rは、いずれも窒素富化層の形成がない従来サ
ーメツト製切削工具1〜18と同等の内部硬さと抗折力を
示し、すぐれた靱性をもつほか、従来サーメツト製切削
工具1〜18に比して高い表面硬さを示し、このことは、
本発明サーメツト製切削工具a〜rが、鋼の連続切削で
は従来サーメツト製切削工具1〜18に比して一段とすぐ
れた耐摩耗性を示し、かつ断続切削ではすぐれた耐欠損
性を示すことが明らかである。
工具a〜rは、いずれも窒素富化層の形成がない従来サ
ーメツト製切削工具1〜18と同等の内部硬さと抗折力を
示し、すぐれた靱性をもつほか、従来サーメツト製切削
工具1〜18に比して高い表面硬さを示し、このことは、
本発明サーメツト製切削工具a〜rが、鋼の連続切削で
は従来サーメツト製切削工具1〜18に比して一段とすぐ
れた耐摩耗性を示し、かつ断続切削ではすぐれた耐欠損
性を示すことが明らかである。
上述のように、この発明の方法によれば、すぐれた耐
摩耗性と靱性とを具備し、特に鋼の連続切削および断続
切削ですぐれた切削性能を長期に亘つて発揮するサーメ
ツト製切削工具を製造することができるのである。
摩耗性と靱性とを具備し、特に鋼の連続切削および断続
切削ですぐれた切削性能を長期に亘つて発揮するサーメ
ツト製切削工具を製造することができるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−120434(JP,A) 特開 昭56−69370(JP,A) 特開 昭53−127513(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】分散相として、Tiと周期律表と5aおよび6a
族金属(以下Mで示す)のうちの1種または2種以上と
の複合金属炭窒化物:60〜80重量%、 を含有し、この複合金属炭窒化物を、 組成式:(Tiα,Mβ)(Cx,Ny)z、 で表わした場合、原子比で、 α+β=1、0.5≦α/β≦8、x+y=1、0.2≦x/y
<1.5、0.8≦z≦1、 を満足し、残りがCoおよびNiのうちの1種または2種を
主成分とする結合相からなる組成をもつたサーメツトで
構成され、しかもこのサーメツトの表面部には、複合金
属炭窒化物の窒素含有量がサーメツト内部の複合金属炭
窒化物の窒素含有量に比して相対的に高く、かつサーメ
ツト表面から内部に向かうにしたがつて連続的に減少す
る窒素濃度勾配をもつた窒素富化層を有することを特徴
とするすぐれた耐摩耗性と靱性を具備したサーメツト製
切削工具。 - 【請求項2】分散相として、Tiと周期律表の5aおよび6a
族金属(以下Mで示す)のうちの1種または2種以上と
の複合金属炭窒化物:60〜80重量%、 を含有し、この複合金属炭窒化物を、 組成式:(Tiα,Mβ)(Cx,Ny)z、 で表わした場合、原子比で、 α+β=1、0.5≦α/β≦8、x+y=1、0.2≦x/y
<1.5、0.8≦z≦1、 を満足し、残りがCoおよびNiのうちの1種または2種を
主成分とする結合相からなる組成をもつたサーメツト素
材に、 窒素雰囲気中、温度:1000〜1300℃、圧力:5〜2000気圧
の条件で熱間静水圧プレス処理を施して、 上記サーメツトの表面部に、複合金属炭窒化物における
窒素含有量がサーメツト内部の複合金属炭窒化物の窒素
含有量に比して高く、かつサーメツト表面から内部に向
かうにしたがつて連続的に減少する窒素濃度勾配をもつ
た窒素富化層を形成することを特徴とするすぐれた耐摩
耗性と靱性を具備したサーメツト製切削工具の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61242647A JP2503769B2 (ja) | 1986-10-13 | 1986-10-13 | すぐれた耐摩耗性と靱性を具備したサ−メット製切削工具およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61242647A JP2503769B2 (ja) | 1986-10-13 | 1986-10-13 | すぐれた耐摩耗性と靱性を具備したサ−メット製切削工具およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6399103A JPS6399103A (ja) | 1988-04-30 |
JP2503769B2 true JP2503769B2 (ja) | 1996-06-05 |
Family
ID=17092155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61242647A Expired - Fee Related JP2503769B2 (ja) | 1986-10-13 | 1986-10-13 | すぐれた耐摩耗性と靱性を具備したサ−メット製切削工具およびその製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2503769B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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RU215430U1 (ru) * | 2022-09-19 | 2022-12-13 | Публичное акционерное общество "КАМАЗ" | Разжимное самоцентрирующее устройство |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH02131803A (ja) * | 1988-11-11 | 1990-05-21 | Mitsubishi Metal Corp | 耐欠損性のすぐれた耐摩耗性サーメット製切削工具 |
-
1986
- 1986-10-13 JP JP61242647A patent/JP2503769B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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RU215430U1 (ru) * | 2022-09-19 | 2022-12-13 | Публичное акционерное общество "КАМАЗ" | Разжимное самоцентрирующее устройство |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS6399103A (ja) | 1988-04-30 |
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