JPH09300108A - 耐摩耗性のすぐれた炭窒化物系サーメット製切削工具 - Google Patents
耐摩耗性のすぐれた炭窒化物系サーメット製切削工具Info
- Publication number
- JPH09300108A JPH09300108A JP12563196A JP12563196A JPH09300108A JP H09300108 A JPH09300108 A JP H09300108A JP 12563196 A JP12563196 A JP 12563196A JP 12563196 A JP12563196 A JP 12563196A JP H09300108 A JPH09300108 A JP H09300108A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cermet
- carbonic
- phase
- cutting tool
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性のすぐれた炭窒化物系サーメット製
切削工具を提供する。 【解決手段】 炭窒化物系サーメット製切削工具が、分
散相を形成する単一相構造の炭窒化チタン：２〜２０
％、連続結合相を形成するＣｏ−Ｎｉ系合金：５〜２０
％、分散相を形成する単一相構造のＴｉとＷとＭ（ただ
しＭはＺｒ、Ｖ、Ｎｂ、およびＴａのうちの１種以上を
示す）の複合炭窒化物固溶体および不可避不純物：残
り、からなる組成（以上、容量％）、並びに前記複合炭
窒化物固溶体の焼結時における成長過程で前記複合炭窒
化物固溶体内に相対的に微粒の前記炭窒化チタンの一部
が取り込まれた組織を有する炭窒化物系サーメットで構
成する。
切削工具を提供する。 【解決手段】 炭窒化物系サーメット製切削工具が、分
散相を形成する単一相構造の炭窒化チタン：２〜２０
％、連続結合相を形成するＣｏ−Ｎｉ系合金：５〜２０
％、分散相を形成する単一相構造のＴｉとＷとＭ（ただ
しＭはＺｒ、Ｖ、Ｎｂ、およびＴａのうちの１種以上を
示す）の複合炭窒化物固溶体および不可避不純物：残
り、からなる組成（以上、容量％）、並びに前記複合炭
窒化物固溶体の焼結時における成長過程で前記複合炭窒
化物固溶体内に相対的に微粒の前記炭窒化チタンの一部
が取り込まれた組織を有する炭窒化物系サーメットで構
成する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、すぐれた耐摩耗
性を有し、例えば鋼などの切削ですぐれた切削性能を長
期に亘って発揮する炭窒化物系サーメット製切削工具
（以下、サーメット工具という）に関するものである。
性を有し、例えば鋼などの切削ですぐれた切削性能を長
期に亘って発揮する炭窒化物系サーメット製切削工具
（以下、サーメット工具という）に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、例えば、特開平２−１９０４３８
号公報に記載されるように、鋼などの切削加工に用いら
れるサーメット工具として、容量％（以下、％は容量％
を示す）で、分散相を形成する単一相構造の炭窒化チタ
ン（以下、ＴｉＣＮで示す）：２〜２０％、連続結合相
を形成するＣｏ−Ｎｉ系合金：５〜３０％、分散相を形
成する単一相構造のＴｉと、Ｗと、Ｍ（ただしＭはＺ
ｒ、Ｖ、Ｎｂ、およびＴａのうちの１種以上を示す）の
複合炭窒化物固溶体［以下、（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮで示
す］および不可避不純物：残り、からなる組成、並びに
図２に組織模式図で例示される通り、上記Ｃｏ−Ｎｉ系
合金３が連続結合相を形成し、上記（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）Ｃ
Ｎ１、および相対的に微粒のＴｉＣＮ２が分散相を形成
する組織を有する炭窒化物系サーメット（以下、サーメ
ットと云う）で構成されたサーメット工具が知られてい
る。
号公報に記載されるように、鋼などの切削加工に用いら
れるサーメット工具として、容量％（以下、％は容量％
を示す）で、分散相を形成する単一相構造の炭窒化チタ
ン（以下、ＴｉＣＮで示す）：２〜２０％、連続結合相
を形成するＣｏ−Ｎｉ系合金：５〜３０％、分散相を形
成する単一相構造のＴｉと、Ｗと、Ｍ（ただしＭはＺ
ｒ、Ｖ、Ｎｂ、およびＴａのうちの１種以上を示す）の
複合炭窒化物固溶体［以下、（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮで示
す］および不可避不純物：残り、からなる組成、並びに
図２に組織模式図で例示される通り、上記Ｃｏ−Ｎｉ系
合金３が連続結合相を形成し、上記（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）Ｃ
Ｎ１、および相対的に微粒のＴｉＣＮ２が分散相を形成
する組織を有する炭窒化物系サーメット（以下、サーメ
ットと云う）で構成されたサーメット工具が知られてい
る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削装置
のＦＡ化はめざましく、かつ省力化に対する要求も強
く、これに伴い、切削工具にはより一層の長寿命化が求
められているが、上記の従来サーメットは、これを例え
ば鋼の切削に用いた場合、十分満足な耐摩耗性を具備す
るものでないため、摩耗進行が速く、比較的短時間で使
用寿命に至るのが現状である。
のＦＡ化はめざましく、かつ省力化に対する要求も強
く、これに伴い、切削工具にはより一層の長寿命化が求
められているが、上記の従来サーメットは、これを例え
ば鋼の切削に用いた場合、十分満足な耐摩耗性を具備す
るものでないため、摩耗進行が速く、比較的短時間で使
用寿命に至るのが現状である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述ような観点から、上記の従来サーメット工具に着目
し、これの耐摩耗性向上をはかるべく研究をおこなった
結果、上記の従来サーメット工具の製造に際しては、圧
粉体の焼結が、通常の条件、すなわち、（ａ） 室温か
ら（液相出現温度−２０℃）の温度までを、０．１〜
０．５Ｔｏｏｒの真空雰囲気中で昇温し、（ｂ） 昇温
後、５〜１５Ｔｏｏｒの窒素雰囲気にかえて１４００〜
１５２０℃の範囲内の所定の焼結温度迄昇温し、（ｃ）
引続いて同じ窒素雰囲気中で前記焼結温度に所定時間
保持後炉冷、の条件で行われるが、この焼結を、（１）
室温から１２００℃までを０．１〜０．５Ｔｏｒｒの
真空雰囲気中で昇温し、（２） 昇温後、雰囲気を、１
０〜２０Ｔｏｒｒの窒素雰囲気にかえて１２００〜１４
００℃の範囲内の所定の温度まで昇温し、（３） 引続
いて再び０．１〜０．５Ｔｏｒｒの真空雰囲気にして１
４２０〜１５６０℃の範囲内の所定の焼結温度迄昇温
し、（４） ついで、雰囲気を、１〜２０Ｔｏｒｒの水
素とメタンの混合ガス（メタン含有割合：１〜１５％）
に変えて、上記焼結温度に所定時間保持後炉冷、以上
（１）〜（４）の条件で行うと、特に上記焼結温度への
上記（２）の昇温過程、すなわち、上記窒素雰囲気での
昇温と、前記混合ガス雰囲気での焼結温度に所定時間保
持によって（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮに成長が起こり、この
成長過程で相対的に微粒のＴｉＣＮが前記（Ｔｉ，Ｗ，
Ｍ）ＣＮ内に取り込まれ、このように前記ＴｉＣＮを内
部に取り込んで成長した前記（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮには
内部歪みが残留するようになり、この場合所望の内部歪
みを残留させるためには、前記焼結条件を調整すること
によって前記ＴｉＣＮに占める割合で１０％以上のＴｉ
ＣＮが取り込まれるのが望ましく、さらに望ましくはＴ
ｉＣＮの３０％以上が取り込まれるのがよく、この結果
焼結後のサーメットは、図１に組織模式図で例示される
ように、（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮの焼結時における成長過
程で前記（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮ１内に相対的に微粒のＴ
ｉＣＮ２の一部が取り込まれた組織をもつようになるこ
とから、このサーメットで構成されたサーメット工具
は、これを例えば鋼の切削に用いた場合、内部歪みが残
留する上記（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮの作用によってすぐれ
た耐摩耗性を長期に亘って発揮するようになるという研
究結果を得たのである。
上述ような観点から、上記の従来サーメット工具に着目
し、これの耐摩耗性向上をはかるべく研究をおこなった
結果、上記の従来サーメット工具の製造に際しては、圧
粉体の焼結が、通常の条件、すなわち、（ａ） 室温か
ら（液相出現温度−２０℃）の温度までを、０．１〜
０．５Ｔｏｏｒの真空雰囲気中で昇温し、（ｂ） 昇温
後、５〜１５Ｔｏｏｒの窒素雰囲気にかえて１４００〜
１５２０℃の範囲内の所定の焼結温度迄昇温し、（ｃ）
引続いて同じ窒素雰囲気中で前記焼結温度に所定時間
保持後炉冷、の条件で行われるが、この焼結を、（１）
室温から１２００℃までを０．１〜０．５Ｔｏｒｒの
真空雰囲気中で昇温し、（２） 昇温後、雰囲気を、１
０〜２０Ｔｏｒｒの窒素雰囲気にかえて１２００〜１４
００℃の範囲内の所定の温度まで昇温し、（３） 引続
いて再び０．１〜０．５Ｔｏｒｒの真空雰囲気にして１
４２０〜１５６０℃の範囲内の所定の焼結温度迄昇温
し、（４） ついで、雰囲気を、１〜２０Ｔｏｒｒの水
素とメタンの混合ガス（メタン含有割合：１〜１５％）
に変えて、上記焼結温度に所定時間保持後炉冷、以上
（１）〜（４）の条件で行うと、特に上記焼結温度への
上記（２）の昇温過程、すなわち、上記窒素雰囲気での
昇温と、前記混合ガス雰囲気での焼結温度に所定時間保
持によって（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮに成長が起こり、この
成長過程で相対的に微粒のＴｉＣＮが前記（Ｔｉ，Ｗ，
Ｍ）ＣＮ内に取り込まれ、このように前記ＴｉＣＮを内
部に取り込んで成長した前記（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮには
内部歪みが残留するようになり、この場合所望の内部歪
みを残留させるためには、前記焼結条件を調整すること
によって前記ＴｉＣＮに占める割合で１０％以上のＴｉ
ＣＮが取り込まれるのが望ましく、さらに望ましくはＴ
ｉＣＮの３０％以上が取り込まれるのがよく、この結果
焼結後のサーメットは、図１に組織模式図で例示される
ように、（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮの焼結時における成長過
程で前記（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮ１内に相対的に微粒のＴ
ｉＣＮ２の一部が取り込まれた組織をもつようになるこ
とから、このサーメットで構成されたサーメット工具
は、これを例えば鋼の切削に用いた場合、内部歪みが残
留する上記（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮの作用によってすぐれ
た耐摩耗性を長期に亘って発揮するようになるという研
究結果を得たのである。
【０００５】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、分散相を形成する単一相構造の
ＴｉＣＮ：２〜２０％、連続結合相を形成するＣｏ−Ｎ
ｉ系合金：５〜２０％、分散相を形成する単一相構造の
（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮおよび不可避不純物：残り、から
なる組成、並びに上記（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮの焼結時に
おける成長過程で前記（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮ内に相対的
に微粒の上記ＴｉＣＮの一部が取り込まれた組織を有す
るサーメットで構成されたサーメット工具に特徴を有す
るものである。
なされたものであって、分散相を形成する単一相構造の
ＴｉＣＮ：２〜２０％、連続結合相を形成するＣｏ−Ｎ
ｉ系合金：５〜２０％、分散相を形成する単一相構造の
（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮおよび不可避不純物：残り、から
なる組成、並びに上記（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮの焼結時に
おける成長過程で前記（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮ内に相対的
に微粒の上記ＴｉＣＮの一部が取り込まれた組織を有す
るサーメットで構成されたサーメット工具に特徴を有す
るものである。
【０００６】なお、この発明のサーメット工具を構成す
るサーメットの構成成分である（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮ
は、これの金属成分であるＴｉとＷとＭの含有割合が、
これら金属成分に占める割合（原子％）で、 Ｗ：５〜２５％、 Ｍ：６〜３０％、 Ｔｉ：残り、 を満足した場合に、焼結時の成長が促進され、相対的に
微粒のＴｉＣＮの取り込みが活発に行われることから、
内部歪みの残留が大きなものとなる。
るサーメットの構成成分である（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮ
は、これの金属成分であるＴｉとＷとＭの含有割合が、
これら金属成分に占める割合（原子％）で、 Ｗ：５〜２５％、 Ｍ：６〜３０％、 Ｔｉ：残り、 を満足した場合に、焼結時の成長が促進され、相対的に
微粒のＴｉＣＮの取り込みが活発に行われることから、
内部歪みの残留が大きなものとなる。
【０００７】また、この発明のサーメット工具を構成す
るサーメットにおいて、ＴｉＣＮは、工具の耐塑性変形
性を向上させる作用をもつが、その割合が２％未満では
所望の耐塑性変形性向上効果が得られず、一方その割合
が２０％を超えると靭性が低下し、切刃に欠損やチッピ
ングが発生し易くなることから、その含有割合を２〜２
０％、望ましくは２〜１２％と定めたものであり、さら
にＣｏ−Ｎｉ系合金は、焼結性を向上させ、もって工具
の強度および靭性を向上させる作用をもつが、その割合
が５％未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方
その割合が２０％を超えると、（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮの
成長が抑制され、残留する内部歪みが不十分となって所
望の耐摩耗性向上効果が得られなくなることから、その
含有割合を５〜２０％、望ましくは７〜１２％としたの
である。
るサーメットにおいて、ＴｉＣＮは、工具の耐塑性変形
性を向上させる作用をもつが、その割合が２％未満では
所望の耐塑性変形性向上効果が得られず、一方その割合
が２０％を超えると靭性が低下し、切刃に欠損やチッピ
ングが発生し易くなることから、その含有割合を２〜２
０％、望ましくは２〜１２％と定めたものであり、さら
にＣｏ−Ｎｉ系合金は、焼結性を向上させ、もって工具
の強度および靭性を向上させる作用をもつが、その割合
が５％未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方
その割合が２０％を超えると、（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮの
成長が抑制され、残留する内部歪みが不十分となって所
望の耐摩耗性向上効果が得られなくなることから、その
含有割合を５〜２０％、望ましくは７〜１２％としたの
である。
【０００８】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明のサーメット工具
を実施例により具体的に説明する。原料粉末として、い
ずれも０．５〜２μｍの範囲内の所定の平均粒径を有
し、かつ重量比で（以下、同じ）、ＴｉＣ／ＴｉＮ／Ｗ
Ｃ／ＮｂＣ＝３２．５／３２．５／２０／１５の組成を
有する（Ｔｉ，Ｗ，Ｎｂ）ＣＮ粉末（以下、固溶体Ａ粉
末という）、ＴｉＣ／ＴｉＮ／ＴａＣ／ＷＣ＝２９／２
９／２４／１８の組成を有する（Ｔｉ，Ｔａ，Ｗ）ＣＮ
粉末（以下、固溶体Ｂ粉末と云う）、ＴｉＣ／ＴｉＮ／
ＷＣ／ＶＣ＝３５／３５／２１／９の組成を有する（Ｔ
ｉ，Ｗ，Ｖ）ＣＮ粉末（以下、固溶体Ｃ粉末という）、
ＴｉＣ／ＴｉＮ／ＷＣ／ＺｒＣ＝３６／３６／２０／８
の組成を有する（Ｔｉ，Ｗ，Ｚｒ）ＣＮ粉末（以下、固
溶体Ｄ粉末という）、さらにＴｉＣＮ粉末、ＴｉＮ粉
末、ＮｂＣ粉末、ＴａＣ粉末、ＷＣ粉末、ＺｒＣ粉末、
ＶＣ粉末、Ｃｏ粉末、およびＮｉ粉末を用意し、これら
原料粉末を表１に示される配合組成に配合し、ボールミ
ルにて７２時間湿式混合し、乾燥した後、１．５ｔｏｎ
／ｃｍ2の圧力で圧粉体Ａ〜Ｔをプレス成形した。
を実施例により具体的に説明する。原料粉末として、い
ずれも０．５〜２μｍの範囲内の所定の平均粒径を有
し、かつ重量比で（以下、同じ）、ＴｉＣ／ＴｉＮ／Ｗ
Ｃ／ＮｂＣ＝３２．５／３２．５／２０／１５の組成を
有する（Ｔｉ，Ｗ，Ｎｂ）ＣＮ粉末（以下、固溶体Ａ粉
末という）、ＴｉＣ／ＴｉＮ／ＴａＣ／ＷＣ＝２９／２
９／２４／１８の組成を有する（Ｔｉ，Ｔａ，Ｗ）ＣＮ
粉末（以下、固溶体Ｂ粉末と云う）、ＴｉＣ／ＴｉＮ／
ＷＣ／ＶＣ＝３５／３５／２１／９の組成を有する（Ｔ
ｉ，Ｗ，Ｖ）ＣＮ粉末（以下、固溶体Ｃ粉末という）、
ＴｉＣ／ＴｉＮ／ＷＣ／ＺｒＣ＝３６／３６／２０／８
の組成を有する（Ｔｉ，Ｗ，Ｚｒ）ＣＮ粉末（以下、固
溶体Ｄ粉末という）、さらにＴｉＣＮ粉末、ＴｉＮ粉
末、ＮｂＣ粉末、ＴａＣ粉末、ＷＣ粉末、ＺｒＣ粉末、
ＶＣ粉末、Ｃｏ粉末、およびＮｉ粉末を用意し、これら
原料粉末を表１に示される配合組成に配合し、ボールミ
ルにて７２時間湿式混合し、乾燥した後、１．５ｔｏｎ
／ｃｍ2の圧力で圧粉体Ａ〜Ｔをプレス成形した。
【０００９】ついで、圧粉体Ａ〜Ｔを、以下の条件、す
なわち、（ａ） 室温から１２００℃までを０．５Ｔｏ
ｒｒの真空雰囲気中で昇温し、（ｂ） １２００℃に昇
温後、１５Ｔｏｒｒの窒素雰囲気にかえて１４００℃ま
で昇温し、（ｃ） 再び０．５Ｔｏｒｒの真空雰囲気に
かえて、１４２０〜１５６０℃の範囲内の所定の焼結温
度に昇温し、（ｄ） 引続いて、雰囲気を５Ｔｏｒｒの
メタンと水素の混合ガス（メタン：水素＝１：１０）と
して、上記焼結温度に１時間保持後炉冷、の条件で焼結
することによりいずれもＳＮＭＧ４３２の規格に則した
スローアウエイチップ形状をもった本発明サーメット工
具１〜２０を製造した。
なわち、（ａ） 室温から１２００℃までを０．５Ｔｏ
ｒｒの真空雰囲気中で昇温し、（ｂ） １２００℃に昇
温後、１５Ｔｏｒｒの窒素雰囲気にかえて１４００℃ま
で昇温し、（ｃ） 再び０．５Ｔｏｒｒの真空雰囲気に
かえて、１４２０〜１５６０℃の範囲内の所定の焼結温
度に昇温し、（ｄ） 引続いて、雰囲気を５Ｔｏｒｒの
メタンと水素の混合ガス（メタン：水素＝１：１０）と
して、上記焼結温度に１時間保持後炉冷、の条件で焼結
することによりいずれもＳＮＭＧ４３２の規格に則した
スローアウエイチップ形状をもった本発明サーメット工
具１〜２０を製造した。
【００１０】また、上記圧粉体Ａ〜Ｔを、以下の条件、
すなわち、（ａ） 室温から１３５０℃までを０．２Ｔ
ｏｒｒの真空雰囲気中で昇温し、（ｂ） １３５０℃に
昇温後、１０Ｔｏｒｒの窒素雰囲気にかえて１４００〜
１５２０℃の範囲内の所定の焼結温度に昇温し、この焼
結温度に１時間保持後炉冷、の条件で焼結することによ
り同一の形状をもった従来サーメット工具１〜２０をそ
れぞれ製造した。
すなわち、（ａ） 室温から１３５０℃までを０．２Ｔ
ｏｒｒの真空雰囲気中で昇温し、（ｂ） １３５０℃に
昇温後、１０Ｔｏｒｒの窒素雰囲気にかえて１４００〜
１５２０℃の範囲内の所定の焼結温度に昇温し、この焼
結温度に１時間保持後炉冷、の条件で焼結することによ
り同一の形状をもった従来サーメット工具１〜２０をそ
れぞれ製造した。
【００１１】この結果得られた各種のサーメット工具に
ついて、これを構成するサーメットの組織をオージェ電
子分光分析装置および画像処理解析装置を用いて観察
し、構成相の含有割合を測定した。また、図１，２に走
査型電子顕微鏡を用いて組織観察（４０００倍）した結
果を模式図で示した。なお、図１が本発明サーメット工
具１４、そして図２が従来サーメット工具１２の組織模
式図である。さらに、上記の各種サーメット工具につい
て、 被削材：ＪＩＳ−ＳＮＣＭ４３９（硬さ：ＨＢ２７０）
の丸棒、 切削速度：２８０ｍ／ｍｉｎ．、 切り込み：１．５ｍｍ、 送り：０．２ｍｍ／ｒｅｖ．、 切削時間：１０ｍｉｎ．、 の条件での鋼の乾式連続切削試験を行い、切刃の逃げ面
摩耗幅を測定した。これらの測定結果を表２、３に示し
た。
ついて、これを構成するサーメットの組織をオージェ電
子分光分析装置および画像処理解析装置を用いて観察
し、構成相の含有割合を測定した。また、図１，２に走
査型電子顕微鏡を用いて組織観察（４０００倍）した結
果を模式図で示した。なお、図１が本発明サーメット工
具１４、そして図２が従来サーメット工具１２の組織模
式図である。さらに、上記の各種サーメット工具につい
て、 被削材：ＪＩＳ−ＳＮＣＭ４３９（硬さ：ＨＢ２７０）
の丸棒、 切削速度：２８０ｍ／ｍｉｎ．、 切り込み：１．５ｍｍ、 送り：０．２ｍｍ／ｒｅｖ．、 切削時間：１０ｍｉｎ．、 の条件での鋼の乾式連続切削試験を行い、切刃の逃げ面
摩耗幅を測定した。これらの測定結果を表２、３に示し
た。
【００１２】
【表１】
【００１３】
【表２】
【００１４】
【表３】
【００１５】
【発明の効果】本発明サーメット工具１〜２０は、いず
れも図１に例示される組織、すなわち、（Ｔｉ，Ｗ，
Ｍ）ＣＮの内部に相対的に微粒のＴｉＣＮの一部が取り
込まれた組織をもつことによって前記（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）
ＣＮに内部歪みが残留するようになり、一方従来サーメ
ット工具１〜２０は、いずれも図２に例示される組織、
すなわち、（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮにはＴｉＣＮが取り込
まれず、前記ＴｉＣＮは連続結合相内に独自に分散した
組織を示し、この組織の相異によって表２、３に示され
る通り、本発明サーメット工具１〜２０は、鋼の切削で
従来サーメット工具１〜２０に比して一段とすぐれた耐
摩耗性を示すようになることが明らかである。上述のよ
うに、この発明のサーメット工具は、実用に際して、す
ぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮するので、切削加工
のＦＡ化および省力化に十分満足に対応することができ
るのである。
れも図１に例示される組織、すなわち、（Ｔｉ，Ｗ，
Ｍ）ＣＮの内部に相対的に微粒のＴｉＣＮの一部が取り
込まれた組織をもつことによって前記（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）
ＣＮに内部歪みが残留するようになり、一方従来サーメ
ット工具１〜２０は、いずれも図２に例示される組織、
すなわち、（Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮにはＴｉＣＮが取り込
まれず、前記ＴｉＣＮは連続結合相内に独自に分散した
組織を示し、この組織の相異によって表２、３に示され
る通り、本発明サーメット工具１〜２０は、鋼の切削で
従来サーメット工具１〜２０に比して一段とすぐれた耐
摩耗性を示すようになることが明らかである。上述のよ
うに、この発明のサーメット工具は、実用に際して、す
ぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮するので、切削加工
のＦＡ化および省力化に十分満足に対応することができ
るのである。
【図１】本発明サーメット工具１４を構成するサーメッ
トの組織模式図である。
トの組織模式図である。
【図２】従来サーメット工具１２を構成するサーメット
の組織模式図である。
の組織模式図である。
１ （Ｔｉ，Ｗ，Ｍ）ＣＮ ２ ＴｉＣＮ ３ Ｃｏ−Ｎｉ系合金
Claims (1)
- 【請求項１】 分散相を形成する単一相構造の炭窒化チ
タン：２〜２０％、 連続結合相を形成するＣｏ−Ｎｉ系合金：５〜２０％、 分散相を形成する単一相構造のＴｉと、Ｗと、Ｍ（ただ
しＭはＺｒ、Ｖ、Ｎｂ、およびＴａのうちの１種以上を
示す）の複合炭窒化物固溶体および不可避不純物：残
り、からなる組成（以上、容量％）、並びに上記複合炭
窒化物固溶体の焼結時における成長過程で前記複合炭窒
化物固溶体内に相対的に微粒の上記炭窒化チタンの一部
が取り込まれた組織、を有することを特徴とする耐摩耗
性のすぐれた炭窒化物系サーメット製切削工具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12563196A JPH09300108A (ja) | 1996-05-21 | 1996-05-21 | 耐摩耗性のすぐれた炭窒化物系サーメット製切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12563196A JPH09300108A (ja) | 1996-05-21 | 1996-05-21 | 耐摩耗性のすぐれた炭窒化物系サーメット製切削工具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09300108A true JPH09300108A (ja) | 1997-11-25 |
Family
ID=14914833
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12563196A Pending JPH09300108A (ja) | 1996-05-21 | 1996-05-21 | 耐摩耗性のすぐれた炭窒化物系サーメット製切削工具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09300108A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000328169A (ja) * | 1999-05-03 | 2000-11-28 | Sandvik Ab | チタン基炭窒化物合金 |
| JP2000336450A (ja) * | 1999-05-03 | 2000-12-05 | Sandvik Ab | チタン基炭窒化物合金 |
| US6387552B1 (en) | 1999-09-21 | 2002-05-14 | Hitachi Tool Engineering, Ltd. | TiCN-based cermet |
-
1996
- 1996-05-21 JP JP12563196A patent/JPH09300108A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000328169A (ja) * | 1999-05-03 | 2000-11-28 | Sandvik Ab | チタン基炭窒化物合金 |
| JP2000336450A (ja) * | 1999-05-03 | 2000-12-05 | Sandvik Ab | チタン基炭窒化物合金 |
| US6387552B1 (en) | 1999-09-21 | 2002-05-14 | Hitachi Tool Engineering, Ltd. | TiCN-based cermet |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP0534191B1 (en) | Cermets and their production and use | |
| US7070643B2 (en) | Compositionally graded sintered alloy and method of producing the same | |
| JPH10219385A (ja) | 耐摩耗性のすぐれた複合サーメット製切削工具 | |
| US5149595A (en) | Cermet alloy and process for its production | |
| EP0775755B1 (en) | Carbonitride-type cermet cutting tool having excellent wear resistance | |
| JP3430737B2 (ja) | 高強度を有するＴｉ系炭窒化物サーメット | |
| JPH09300108A (ja) | 耐摩耗性のすぐれた炭窒化物系サーメット製切削工具 | |
| JP2775298B2 (ja) | サーメット工具 | |
| JP2006111947A (ja) | 超微粒子サーメット | |
| JP3374653B2 (ja) | すぐれた耐摩耗性を有する炭窒化物系サーメット製切削工具 | |
| JPH0698540B2 (ja) | 耐摩耗性のすぐれたサ−メツト製切削工具の製造法 | |
| JPS6059195B2 (ja) | すぐれた耐摩耗性と靭性を有する硬質焼結材料の製造法 | |
| JP3102167B2 (ja) | 炭化タングステン基超硬合金製造用微細複合炭化物粉末の製造法 | |
| JP2796011B2 (ja) | ウイスカー強化超硬合金 | |
| JPH10502A (ja) | すぐれた耐摩耗性を有する炭窒化物系サーメット製切削工具 | |
| JP3319213B2 (ja) | 耐欠損性のすぐれたサーメット製切削工具 | |
| JPH07224346A (ja) | 靭性のすぐれた炭窒化チタン系サーメット | |
| JPH0118137B2 (ja) | ||
| JP3045199B2 (ja) | 高硬度超硬合金の製造法 | |
| JPH09300107A (ja) | 耐摩耗性のすぐれた炭窒化物系サーメット製切削工具 | |
| JPH0681071A (ja) | 靭性のすぐれた炭窒化チタン基サーメット | |
| JP3067514B2 (ja) | サーメット製切削工具 | |
| JPH0530881B2 (ja) | ||
| JPH0657429A (ja) | 耐チッピング性にすぐれた表面被覆炭窒化チタン基サーメット製切削工具 | |
| JPH08246090A (ja) | 靱性のすぐれた炭窒化チタン系サーメット |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020604 |