JPS6218991Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回復時間の早いワンシヨツトマルチに
おけるトリガー回路と、時定数（パルス幅）を決
定する放電コンデンサーの充電回路に関するもの
である。

回復時間の早いワンシヨツトマルチは、あるト
ランスジユーサーで変換された雑音の多い変換信
号をデジタル処理をするためにパルス波形に変換
成形するために良く用いられる回路であるが、従
来のワンシヨツトマルチはトリガーの入力インピ
ーダンスが低いと共にその時定数（パルス幅）を
変化させるとそのトリガーの入力インピーダンス
が変化してしまい、トランジユーサーから得られ
た電気信号が微少な信号であるとそのトリガー位
置が時間的に変化してしまつて正確な測定ができ
ないという欠点や、またトリガー回路のインピー
ダンスが比較的低いためにある程度の大きなエネ
ルギーを持つた信号が入つてこないとそのワンシ
ヨツトマルチをトリガーできないという欠点を有
していた。本考案はそれらの欠点を除去したもの
で以下本考案回路の詳細な説明をする。

第１図が本考案の回路図である、普通の静止時
においてはトランジスター１３は抵抗４からのベ
ース電流によつてONしており、またトランジス
ター１３がONのため、抵抗８を通じて１２のト
ランジスターにベース電流を供給できないからト
ランジスター１２はOFFしている。またPNPト
ランジスター１４はそのベース回路に２なるコン
デンサーが入つているからOFFである。今この
状態の時トリガー回路（コンデンサー３、抵抗
９、ダイオード１１からなつている。）に第２図
Ｄ点波形のような負の方向に変化する入力信号が
入つて来たとすればその負方向の入力信号は抵抗
４を通じてトランジスター１３に流れていたベー
ス電流分を吸収してベース電流をカツトするよう
に動作しワンシヨツトマルチ回路の反転が生ず
る。このトリガーを生じさせる入力信号がうけ請
う電流は抵抗９を通して流れる電流と、抵抗４を
流れている電流だけである。この場合抵抗９と抵
抗４は抵抗５や７に比べ比較的大きな抵抗とする
ことが可能なため入力トリガー信号が微少な、又
はエネルギーの小さなものであつてもこのワンシ
ヨツトマルチを反転させることが可能である。次
にトリガーによる反転が起きた時にはトランジス
ター１２がOFFからONに切換わりダイオード１
０を通じ、コンデンサー１にたくわえられていた
電荷をOV側に引つぱるからその影響がトランジ
スター１３のベースに表われて、第２図における
Ｃ点波形のように負方向に変化させる。そしてＣ
点波形は徐々に抵抗４によつて流れる充電電流に
よつて指数関数点に上昇する。そしてこの上昇電
圧がトランジスター１３のベース電流を流せるレ
ベルまで上がると今までOFFしていたトランジ
スター１３はONに転じる。このトランジスター
１３がOFFしている期間（第２図のＴ期間）は
コンデンサー１にたくわえられていた電荷の量と
抵抗４の値によつて決められる。そしてトランジ
スター１３がONするとＢ点は負方向への変化が
生じるがこの負方向への変化はトランジスター１
４を短期間ONさせ、コンデンサー１をトランジ
スター１４のON電流及びトランジスター１３の
ベース電流により充電する。コンデンサー１の充
電量はトランジスター１４のON期間によつて定
まり、このON期間は可変抵抗６とコンデンサー
２の大きさによつて決定される時定数に比例す
る。この充電量が先程の第２図Ｃ点の負方向に変
化している時間を決定する。

したがつて可変抵抗６を変化させれば第２図Ｂ
点波形の時間Ｔを変化させることができる。この
場合トリガー回路に接続されている抵抗４の値を
かえている訳ではないのでトリガー回路のインピ
ーダンスは不変とすることができるのである。

次に１４のトランジスターのON時間によつて
第２図の時定数Ｔを決定するだけの電荷量が１の
コンデンサーにたくわえられる訳であるが、その
電荷の量によつてコンデンサー１とダイオード１
０の中点の電圧は決定される。この中点の電圧は
この時トランジスター１２がOFFとなつている
ため＋Ｖ_DDとなつているコレクター側の電圧（Ａ
点）とダイオード１０によつて分離させられてい
る。また１０のダイオードが入つているためにＡ
点の電圧はコンデンサー１に影響されることなく
トランジスター１２がOFFした時すぐにＶ_DDの
電圧となつてＡ点の回復時間が短縮する。

以上、第１図の回路によつてすなわちコンデン
サー１にパルス的に電荷を充電することによつて
トリガー回路のインピーダンスを不変かつ比較的
高いインピーダンスにし、その上回復時間を早め
ることを可能とせしめるものである。

なお第１図では、１２，１３にはNPNのトラ
ンジスターを、１４にはPNPのトランジスターを
使つて説明したが、使用トランジスターを全て相
補形のものにかえ、かつダイオードの向きを逆に
すればの電源（−Ｖ_DD）を使つた回路としても
実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のワンシヨツトマルチバイブレ
ーターの回路図である。 １，２，３……コンデンサー、４，５，６，
７，８，９……抵抗、１０，１１……ダイオー
ド、１２，１３，１４……トランジスターであ
る。 第２図は第１図の各点の波形を示したものであ
つて、Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄは第１図のＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄ
に対応し、Ｔはワンシヨツトマルチ回路の反転期
間を示すものである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１の抵抗と、第１のトランジスターを第１の
   接続点によつて直列接続した直列回路と、第２の
   抵抗と、第２のトランジスターを第２の接続点に
   よつて直列接続した第２の直列回路を電源間に設
   け、前記第２のトランジスターのベース電極は前
   記第１の接続点に第３の抵抗を介して接続され、
   前記第１のトランジスターのベース電極は第１の
   コンデンサーとベース電流に対し逆方向となる第
   １のダイオードの直列回路を介して前記第２の接
   続点に接続され、トリガー入力端は第２のコンデ
   ンサーと第２のダイオードを介して前記第１のト
   ランジスターのベース電極に接続され、前記第２
   のコンデンサーと前記第２のダイオードの接続点
   は第４の抵抗を介して前記第１の接続点に接続さ
   れ、前記第２のダイオードと前記第１のトランジ
   スターのベース電極との接続点は第５の抵抗を介
   して電源の一方の端子に接続され前記第１のコン
   デンサーと前記第１のダイオードの接続点と電源
   の一方の端子の間には第３のトランジスターが設
   けられ前記第３のトランジスターのベース電極は
   第３のコンデンサーを介して前記第１の接続点に
   接続され、前記第３のトランジスターのベース電
   極と前記第３のコンデンサーの接続点は可変抵抗
   を介して電源の一方の端子に接続され前記第４の
   抵抗と前記第５の抵抗のインピーダンスは前記第
   １の抵抗及び前記第２の抵抗のインピーダンスよ
   り高くしたことを特徴とするワンシヨツトマルチ
   バイブレーター。