JPS621861B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (1) 産業上の利用分野 本発明は運転席とその背後の荷箱間にクレーン
を装設したクレーン付トラツクの安定脚に関する
ものである。

(2) 従来技術 一般にクレーン付トラツクにおいては荷役作業
と運搬作業を行うため運転席と荷箱間の制約され
た空間にクレーン及び安定脚を装設しなければな
らない他、クレーンの作業半径を拡大するために
はそれに対応して大きな張出幅を有する安定脚を
設けなければならなかつた。

しかしながら、従来のクレーン付トラツクでは
例えば、西独特許第1287779号に見られるよう
に、クレーン作業用の油圧配管を最下端まで導い
ていたため支持台が左右に分割され、ポストを挾
持固定せざるを得ず、分割部分の連結のためにも
大がかりな補強を必要とし重量増加をまねいてい
た。

さらに、従来技術について第３図により説明す
る（前記西独特許第1287779号ではジヤツキは開
示されているものの、アウトリガの存否が不明瞭
であるが、存在するものと仮定する）。

車枠ａ上には左右一対の支持フレームｂが跨つ
て固設され、その中央部側において筒状のポスト
Ｃを挾持固定し、ポストＣには旋回筒ｄがフラン
ジ部ｅ及び軸受メタルｆを介して旋回自在に支持
され、内部には上下方向に油圧配管ｇ及び軸内給
油部ｈが設けられている。支持フレームｂは左右
に分割されるため全体の強度保持上、上方に傾斜
部を有する補強部ｉが設けられ、高さ方向の嵩が
大きくなつている。また、支持フレームｂ内には
先端にジヤツキｊを有するアウトリガｋが格納さ
れているが、前記の通り支持フレームｂが中央で
分割されているため、その分だけアウトリガｋの
長さが短縮され、張出量が減少していた。

(3) 発明の目的 本発明は上記問題点を鑑み、支持フレームには
大がかりな補強部を設けることなく、コンパクト
な構成で、かつ、十分な張出量を有するアウトリ
ガを有する安定脚を設けることを目的とする。

(4) 発明の構成 本発明の安定脚は一体化した箱形の支持フレー
ムの内部に設けられた支持板と、支持フレーム上
壁と支持板の上方間に設けられた小空間と、支持
板の下方に区画形成された貫通路と、該貫通路内
に出没自在に嵌挿され先端に設けたアウトリガと
により主に構成されている。

(5) 実施例 以下、本発明の実施例を図面により説明する
と、１は運転席２とその背後の荷箱３間において
車枠４に配設された支持台で、左右の車枠４，４
間に跨つて固設され荷箱３の左右幅と略同長で、
両端間にわたり一体化した箱形の支持フレーム５
と、これと一体化した箱形のオイルタンク６と、
それらの中央上部に立設された略角錐台状のポス
ト７と、該ポスト７上端に装設されたころがり軸
受８とよりなる。さらに各部について詳述すると
ポスト７は一対の矩形状の傾斜板７ａと該傾斜板
７ａに隣接する略梯形状の鉛直板７ｂとにより構
成され、各板の下端が支持フレーム５及びオイル
タンク６の上面に固着され、さらに傾斜板７ａの
側方と支持フレーム５、オイルタンク６間にコ字
形状の補強リブ７ｃが固着されている。７ｄはポ
スト７上端のフランジ部でころがり軸受８の内輪
側が固着されており、外輪側には旋回筒９の下端
フランジ部が固着され、該旋回筒９はころがり軸
受８により支持台１に対し旋回自在とされてい
る。

また、前記支持フレーム５の内部には支持フレ
ーム５の左右端から中央付近（実施例では車枠４
の上方付近）までに支持板１１が設けられ、支持
フレーム５の上壁と該支持板１１の上方間には小
空間１４が設けられ、下方には支持板１１によつ
て区画された貫通路１０が形成されており、該貫
通路１０内に左右一対のアウトリガ１２が、その
上壁を前記支持板１１に、更にその底壁が支持フ
レーム５底壁にて案内支持されて出没自在に嵌挿
されている。支持フレーム５の高さはアウトリガ
１２の高よりも高くされ、本実施例ではアウトリ
ガ１２の高さは支持フレーム５の全高の略半分
で、外観的には箱形の支持フレーム５の下半部に
アウトリガ１２が嵌挿されている。なお、１３は
前記アウトリガ１２先端に固着されたジヤツキで
ある。

また、小空間１４内にはジヤツキ１３の配管等
を収能してもよい。

(6) 作 用 クレーン作業の際にはアウトリガ１２を張出
し、ジヤツキ１３を伸長して車体を安定させた
後、クレーンを操作するが、このとき、車体重量
及び吊上荷重がジヤツキを通じアウトリガ１２及
び貫通路１０内に伝達されるが、貫通路１０は支
持板１１及び一体化した箱形の支持フレーム５に
より形成されているため、負荷が分散され、結局
支持板１１で補強された支持フレーム５の両側面
及び上下面の全体で吸収される。

(7) 発明の効果 以上のように、本発明は一体化した支持フレー
ムを左右の車枠間に跨つて固設するとともに、該
支持フレームの内部に支持板によつて上部に小空
間部を、下部に区画して貫通路を形成し、該貫通
路にアウトリガを嵌挿したので、従来、ポスト挾
持により生じた中央空間部分をアウトリガの張出
幅に利用することができるため、左右ともアウト
リガの張出幅が増大し、クレーン作業時の安定化
が向上するものである。さらに支持フレームに設
けられた支持板により区画形成された貫通路を通
じアウトリガを支持するため、支持フレームは支
持板との相乗作用により、全体として充分な強度
でアウトリガの反力を受けることができるもので
ある。

また、支持フレームを箱形に形成したため、そ
の上部にポストや旋回筒を容易に取付けられ、製
作能率が向上するし、凹凸や段部がなくて安全性
が高く、デザイン的にもすつきりしたものとな
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
本発明の実施例における支持台の正面図（一部破
断図）、第２図は第１図−線よりの断面図、
第３図は従来の支持台の正面図（一部破断図）で
ある。 １……支持台、５……支持フレーム、７……ポ
スト、８……ころがり軸受、９……旋回筒、１０
……貫通路、１１……支持板、１２……アウトリ
ガ、１４……小空間部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 運転席と荷箱との間にクレーンを装設したク
   レーン付トラツクにおいて、左右の車枠上に跨つ
   て荷箱の左右幅と略同長の支持フレームが固設さ
   れ、該支持フレームを箱形に形成し、その上部に
   ポスト及び該ポストに旋回自在に支持された旋回
   筒がそれぞれ設けられ、かつ、支持フレームの内
   部には該支持フレームの左右端から中央付近まで
   一体化した支持板と、支持フレーム上壁と支持板
   の上方間に設けられた小空間と、支持板の下方に
   区画形成された貫通路とを設け、該貫通路内には
   先端にジヤツキを設けたアウトリガを出没自在に
   嵌挿してなり、アウトリガ高さよりも支持フレー
   ム高さを高くしたことを特徴とするクレーン付ト
   ラツクの安定脚。