JPS6218277Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、塗装ロボツトを用いて塗装する際、
被塗物を塗装位置に搬送、設定するための装置に
関する。

塗装ロボツトは、人間の手の動きと同様の動き
を行わせることができ、しかも、その動きは常に
正確であるため、省力化は勿論のこと、特に正確
さを要求される精密な塗装には、品質の向上、不
良率の減少、塗料の節約といつた多くの効果をも
たらす。しかしながら、動きが正確一定であるた
め、被塗物を常に一定の正確な位置に設定しなけ
れば、折角の上記効果が得られないことになる。
また、設置した塗装ロボツトは、被塗物の後方に
は廻りこむことができないため、搬送されてきた
被塗物は、そのままでは、後面の塗装ができな
い。そこで、一般には被塗物を塗装位置で回転さ
せて全周面を塗装するようにしている。このため
多くの場合、塗装ロボツトを用いた塗装では、ロ
ボツトと付属して被塗物を塗装位置に正確に設置
し、なおかつその位置で回転させる装置が必要で
あつた。しかし、コンベアで搬送され、塗装位置
に設置された被塗物を正確に回転（一般に90度ず
つ回転）させるためには、装置そのものの構造が
複雑化し、高いコストを要するのみならず、回転
のために必要な塗装待ち時間が、例えば塗装時間
の10％かかると、それだけ生産性向上があげられ
ない事になるなどの欠点があつた。

本考案は、これらの点に鑑み塗装ロボツト用に
適した安価な搬送装置を得ることを目的とし、被
塗物を回転させずに必要な塗装が行われるように
したものである。従来、被塗物を回転させない場
合の簡単な装置としては、ハンガータイプのトロ
リーコンベアがあるが、ハンガーの揺れがどうし
ても生ずるため、精密な塗装には不向きであり、
また平面移動形のコンベアでも移動を利用して回
転させることができるが、向きを変えるたびに塗
装位置が変化し、正確な位置を設定できない問題
がある。

本考案の搬送装置は、第１図の如く、コンベア
は平面移動形のコンベア１に、所定の間隔を置い
てホルダー２が取付けられている。コンベア１
は、チエン等に駆動され、塗装位置において確実
に停止するよう構成される。前記ホルダー２は、
コンベア１に回転せずに固定された支持軸３と支
持軸３より前方すなわちロボツト塗装装置側に設
けられた保持部４から成る。実施例の１つとして
支持軸３の上端に、ロボツト塗装装置側に突き出
した支持腕５を取付け、該支持腕５の先端に被塗
物Ａの後面が嵌り保持される構成が図面に示され
ているが、被塗物Ａの塗装を行わない後面が、平
面上で嵌合部や係止部のない場合は磁石や吸盤等
を用いて固定することも可能である。これらの場
合、塗装ロボツト６の取付けられた塗装装置７に
より、被塗物Ａの前面と上下左右面が充分塗装で
きるように塗装ロボツト６の動作可能範囲を考慮
し、ホルダーを形成することが必要である。

以上のように構成した搬送装置でまずコンベア
１に固定され被塗物Ａを保持したホルダー２が塗
装位置で正確に停止されると塗装ロボツト６は、
予め記憶させてある通りの動作をし、塗装を行
う。この時、前方の塗装ロボツト６に設置された
塗装装置７は被塗物Ａの全面及び上、下面及び
左、右両側面に対し塗装可能な方向、位置に向け
ることができ、被塗物を固定したままで後部側面
を除く全面を塗装することができる。

したがつて、従来の設備のように被塗物を塗装
位置で固定すると共に、前面と上下左右面を塗装
するため必要としていた90度回転の装置が全く不
用となる。このため、複雑で正確な動きをする間
歇回転装置に要する費用の削減ができる他、回転
中に塗装作業を停止しておくための待ち時間がな
くなり、生産性が向上するなど、多大の効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の搬送装置の一実施例を示す
断面図。 １……コンベア、２……ホルダー、３……支持
軸、４……保持部、５……支持腕、Ａ……被塗
物。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 平面移動するコンベアの所要箇所に搬送され
   る被塗物のホルダーを設け該ホルダーは、塗装
   ロボツトに対し反対側の後部側面のみで被塗物
   を回転せずに保持する如く構成してなる、ロボ
   ツト塗装用被塗物搬送装置。 ２ コンベアに回転せずに固定された支持軸の上
   端に、ロボツト塗装装置側に突き出した支持腕
   を取付け、該支持腕の先端に被塗物を保持固定
   する保持部を有するホルダーを備えた実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のロボツト塗装用被
   塗物搬送装置。