JPS62177139A - 紡機用トラベラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、リング精紡機、リング撚糸機等に使用する
紡機用トラベラに関するものである。

（従来の技術） 近年、リング精紡機、リング撚糸機等の紡機においても
生産性を高めるため、高速化が図られている。そして高
速化を進めるうえでトラベラの摩・耗が重要な問題とな
ってきている。

従来、紡機用トラベラの材質としては、一般に炭素工具
ｔＡ（ＪＩＳ　Ｇ−４４０１ＳＫ材）がよく用いられて
いる。精紡機のスピンドルの回転が比較的遅いときには
、あまり問題はないが、スピンドルの回転数が２０．Ｏ
ＯＯｒｐｍを超える場合には摩耗の点などで問題が生し
、対応できなくなってきた。

一般に、巻き取り運転中においては、第４図に示すごと
く紡機用トラベラｌには、糸Ｙの巻き取り張力Ｗ、バル
ーン張力Ｔおよび遠心力Ｃが加わっており、その合成力
がリング２との接触圧力として作用する。また、トラベ
ラ１とリング２との摺動速度は、スピンドルの回転数と
リング径により定まる。この接触圧力と摺動速度によっ
てリングとトラベラとの間に摩擦熱が発生する。

そして、従来の炭素工具鋼（ＳＫ材）で形成したトラベ
ラの場合には、リングとトラベラ間の摩擦熱により第３
図に示すようにスピンドル回転数の上昇にともないトラ
ベラ温度が上昇し、スピンドル回転数が２０．　ＯＯＯ
ｒｐｍを超えると４００　”　Ｃを超えスピンドル回転
数が２５．００Ｏｒｐｍでは６００　’　Ｃにも達する
。また、炭素工具鋼（ＳＫ材）は温度上昇にともなって
その硬度が低下し、第２図に示すように温度が３００°
Ｃを超えると硬度が急激に低下して６００　’　Ｃでは
ロックウェル硬度ＩＩＲＣ３４程度となる。

（発明が解決しようとする問題点） 一般に、滑り摩擦による摩耗は、鋼材の硬度がＨ１？Ｃ
４０前後を境にして、それより小さな硬度では急激に進
行する。また、従来のＳＫ材は酸化膜が容易にでき、し
かも剥離し易いため、とくに高温において酸化膜の発生
と剥離の繰り返しによる摩耗が増大する。したがって前
記従来のトラベラでは、スピンドルの回転数を現在の使
用条件（１２０００〜１８０００　ｒｐｍ）より、さら
に高速の２０，０００〜２５．００Ｏｒｐｍで使用する
と、温度上昇による硬度低下と酸化膜の発生、剥離との
相乗効果によりトラベラの゛摩耗が急激に進行する。

そのため、スピンドル回転数が２５．００Ｏｒｐｍにな
ると、トラベラの使用寿命は精々数時間で、とても常用
することができないという問題がある。

そこで、スピンドル回転数が２０．００Ｏｒｐｍから２
５．００Ｏｒｐｍの高速回転時、温度上昇があっても硬
度低下や酸化膜の発生、剥離の少ないトラベラが望まれ
ていた。

（問題点を解決するための手段） 前記の問題点を解決するために、この発明においては、
高温時でも酸化し難く、しかも、硬度が１１１１　Ｃ４
０付近に維持されるニッケル系耐熱合金、具体的にはク
ロム含有率が１４．０〜１７．０重量％、炭素含有率が
０．０４〜０．０８重量％、アルミニウム含有率が０，
４〜１．０重量％、チタン含有率が２．２５〜２．７５
重量％、鉄の含有率が５．０〜９．０重量％、ニオブ含
有率が０．７〜１．２重量％、ニッケル含有率が７０重
量％以上であるニッケル系耐熱合金を使用し、この材料
を所定の断面形状に伸線し、さらにトラベラの形状に成
形し、その後、時効等の後処理をすることにより、高速
回転に十分耐えうる紡機用トラベラを得た。

（作用） 紡出運転のとき、トラベラ１はリング２上を摺動じ、ト
ラベラ１とリング２との間に摩擦熱が発生する。スピン
ドルの高速回転のとき、例えば２５．００Ｏｒｐｍ　　
のときには、リング２との摩擦熱によりトラベラ１の温
度が６００６Ｃに達する場合もあるが、本発明のトラベ
ラを使用するときには、トラベラの温度が６００　”　
Ｃに達しても、その硬度がＨＲＣ４０程度に保持される
（第２図Ａ）。

また、本発明のトラベラの材料は、高温においても耐酸
化性に優れているため、酸化膜の発生と剥離の繰り返し
による摩耗が著しく少なく、また凝着摩耗あるいはアブ
レ・７シブ摩耗が少ない。したがってスピンドル回転数
が２５．００Ｏｒｐｍと高速回転となり、トラベラの温
度が高温となった場合にも、従来品と異なり、摩耗の急
激な増加がなく十分使用に耐えうる。

本発明のトラベラの材料は、固溶化処理した後時効処理
によりその硬度が高くなる。そして、時効処理は７００
〜８５０”Ｃと、スピンドルの高速回転（２５，００Ｏ
ｒｐｍ）時におけるトラベラの上昇温度６００’Ｃより
もはるかに高い温度で行われるためトラベラの硬度は、
スピンドルの高速回転時にもほとんど低下しない。

（実施例　） 成分元素の含有率（重量％）が、炭素０．０４χ、ケイ
素０．３χ　、マンガン０．７０χ、クロム１５．０χ
、ニッケル７３．０　！　、ニオブ０，８５χ、アルミ
ニウム０９８０χ、チタン２．５０χおよび鉄６．７５
χであるニッケル系耐熱合金（材料Ａ）を所定断面形状
に伸線し、さらに、トラベラの形状に成形した後、８４
０’Ｃまで加熱しその温度で２４時間保持し、ついで７
０５　＠Ｃで２０時間保持して時効処理を行った。時効
処理後の硬度はｌ（ＲＣ４０であった。

前記のようにして、形成したトラベラとＳＫＳ材で形成
された従来品のトラベラについて、スピンドルの回転数
を変えて行った使用試験結果を第１図に示す。従来品の
トラベラでは、スピンドル回転数が１５．００Ｏｒｐｍ
を超えると寿命が急激に短くなり、スピンドル回転数が
２５．００Ｏｒｐｍの場合には使用寿命が精々数時間で
、とても常用することはできない。

これに対し本発明によるトラベラは、スピンドル回転数
が１５．０００　ｒｐｍではその使用寿命が従来品と大
差はないが、スピンドル回転数が増しても使用寿命が急
激に低下することはなく　、２５．００Ｏｒｐｍ　　の
高速回転時においても、約３００時間の寿命となり、十
分、常用に供することができる。

なお、この発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、時効処理時間を長くしてもよいし、また、後処理と
して時効処理を施した後、さらにニッケルメッキをした
り、ニッケルメッキをしたもの　あるいは時効処理だけ
したものに、二硫化モリブデン処理を施してもよい。二
硫化モリブデン処理を施した場合には、トラベラとリン
グとの摩擦抵抗が小さくなり、さらにトラベラの寿命を
延長することが可能となる。

（発明の効果　） 以上詳述したように、本発明によれば、スピンドル回転
数２５．００Ｏｒｐｍの高速回転時においてもトラベラ
の硬度が、ＨＲＣ４０前後に保持されるとともに、酸化
しにくいために摩耗が少なくなり、長時間の使用に十分
耐えうるという優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、スピンドル回転数とトラベラ寿命との関係を
示す線図、第２図は、トラベラ材料の温度と硬度との関
係を示す線図、第３図は、炭素工具ｊｆ４（ＳＫ材）製
トラベラを使用した場合のスピンドル回転数とトラベラ
の温度および硬度との関係を示す線図、第４図は、巻き
取り運転時にトラベラに加わる力を示す要部断面図であ
る。 １；　　トラベラ ２：　リング

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. （１）クロム含有率が１４．０〜１７．０重量％、炭素
   含有率が０．０４〜０．０８重量％、アルミニウム含有
   率が０．４〜１．０重量％、チタン含有率が２．２５〜
   ２．７５重量％、鉄の含有率が５．０〜９．０重量％、
   ニオブ含有率が０．７〜１．２重量％、ニッケル含有率
   が７０重量％以上であるニッケル系耐熱合金からなる紡
   機用トラベラ。
2. （２）クロム含有率が１４．０〜１７．０重量％、炭素
   含有率が０．０４〜０．０８重量％、アルミニウム含有
   率が０．４〜１．０重量％、チタン含有率が２．２５〜
   ２．７５重量％、鉄の含有率が５．０〜９．０重量％、
   ニオブ含有率が０．７〜１．２重量％、ニッケル含有率
   が７０重量％以上であるニッケル系耐熱合金を所定の断
   面形状に伸線し、さらにトラベラ形状に成形し、後処理
   を行ったことを特徴とする紡機用トラベラ。
3. （３）前記後処理は、時効処理である特許請求の範囲第
   ２項記載の紡機用トラベラ。
4. （４）前記後処理は、時効処理とその後のメッキ処理で
   ある特許請求の範囲第２項記載の紡機用トラベラ。
5. （５）前記後処理は、時効処理とその後の二硫化モリブ
   デン処理である特許請求の範囲第２項記載の紡機用トラ
   ベラ。
6. （６）前記後処理は、時効処理、その後のメッキ処理お
   よび二硫化モリブデン処理である特許請求の範囲第２項
   記載の紡機用トラベラ。