JPS62166895A - 脂肪酸エステル類の製造法 - Google Patents

脂肪酸エステル類の製造法

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JPS62166895A
JPS62166895A JP773286A JP773286A JPS62166895A JP S62166895 A JPS62166895 A JP S62166895A JP 773286 A JP773286 A JP 773286A JP 773286 A JP773286 A JP 773286A JP S62166895 A JPS62166895 A JP S62166895A
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松舟 陽一
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、脂肪酸のスチロールエステル類又は特定の脂
肪族アルコールエステル類の酵素利用による改良された
製造方法に関する。
従  来  の  技  術 ステロール類と脂肪酸とのエステルは、従来より、例え
ばコレステリック液晶(特開昭52−24992号公報
参照)や医薬化粧用親水性基材(特開昭52−4121
5号公報、特開昭52−79030号公報参照)等とし
て、各種分野で広く用いられている。
従来かかる脂肪酸スチロールエステル類等は、専ら有機
合成法により製造されているが、一般に有機合成法では
苛酷な反応条件が採用され、しかも副反応等が惹起する
弊害は避けられず、反応及び引続く目的物の単離精製に
繁雑な操作、工程等を特徴とする特にステロール類の水
酸基はセカンダリ−であり、しかもこれはステロイド骨
格に近接しているために、通常の脂肪族セカンダリ−ア
ルコールと比較しても反応性が低下しており、そのため
にこれと脂肪酸エステル類とを反応させ、ステロール脂
肪酸エステル類を製造する場合、金属ナトリウム等の無
機触媒下で、高温で長時間反応させる必要がある。この
ような有機化学的方法は、反応の選択性が乏しく、苛酷
な条件の採用による基質の劣化やエネルギーの多量消費
を伴う不利があり、また触媒の除去を必要とし、しかも
反応収率が低いという致命的な欠点がある。
また、近年グリセライドのエステル交換反応については
、これを有機合成によることなく、リパーゼ等の加水分
解酵素の逆反応を利用する方法が研究されつつある。し
かしながらステロール類及び/又は高級脂肪族アルコー
ル類と脂肪酸エステル類との反応については、かかる酸
素利用による方法は報告された例がない。また上記酵素
を利用したグリセライドのエステル交換反応においては
、系内における水分が合成の逆反応である加水分解反応
を引き起こすとして、該系内水分を可能な限り少なくす
べきであると考えられている。しかるにこの系内水分を
減じることは、一方で酵素活性を低くすることになり、
この相反する要求を満たすことは、非常に厳格な反応制
御と反応系の構築をもってしても困難であり、しかも反
応時間を短くすることも実際上不可能である。
更に一般に酵素反応は基質特異的であり、基質とする化
合物が異なれば合成反応の進行は予測できず、また通常
酵素による合成反応の平衡は基質の方に大きく片寄るこ
とが知られており、上記方法といえども、反応平衡を合
成反応側に移動させることは困難で目的とするエステル
類の合成率は通常低い。
明が解決しようとする問題点 本発明者らは上記苛酷な反応条件を要し、反応の選択性
に乏しく、基質の劣化を伴い、触媒除去の必要があり、
反応収率も低く、エネルギー多消費型である有機合成に
よることなく、所望のエステル類をより温和な条件下に
有利に収率よく経済的に製造できる方法を提供すること
を目的とじて鋭意研究を重ねた結果、特定の酵素類及び
固定化された上記酵素類が、水媒系及び含水有機溶媒系
で、ステロール類又は高級脂肪族アルコール類と脂肪酸
エステル類とのエステル類の合成を非常に効率よく触媒
し、しかも上記合成反応は同一酵素を繰返し使用して連
続的及び半連続的にも実施できることを見出し、ここに
本発明を完成するに至った。
問題点を解決するための手段 本発明によれば、リパーゼ及びコレステロールエステラ
ーゼから選択される酵素類又は固定化された上記酵素類
を用いて、ステロール類及び/又は炭素数12〜32の
脂肪族アルコール類と脂肪酸エステル類とを接触反応さ
せて上記脂肪酸のスチロールエステル類又は脂肪族アル
コールエステル類を製造する方法であって、上記反応を
水媒系及び/又は含水有機溶媒系で行ない且つ酵素類又
は固定化酵素類を、単一回又は複数回繰返し、利用する
ことを特徴とする脂肪酸エステル類の製造方法が提供さ
れる。
本発明方法では、酵素を利用することによって、従来の
有機合成法に見られるごとき苛酷な反応条件を要し、反
応の選択性に乏しく、基質の劣化を伴い、触媒の利用及
びその除去を要することなく、非常に温和な条件下にエ
ネルギー消費を抑制して、容易にしかも収率よく目的と
するエステル類を製造できる。また本発明方法では上記
酵素類を繰返し利用して反応を連続的乃至半連続的に行
なうこともでき、自動化が容易で目的エステルの合成の
省力化、製造コスト、設備コスト等の大巾な低減が可能
である。また一般に酵素によるグリセライドの合成反応
においては、酵素の活性発現に必要な最小限の水を除き
反応系内の水を可及的に少なくすることが、反応の平衡
を合成側に移行させるために必須の要件とされる一方、
該水分が少ないと酵素の活性化が充分には0行なわれず
反応速度が遅くなる傾向があるのに対して、本発明にお
ける基質の組合せでは、反応系内に多量の水が存在して
も反応の平衡は合成側に片寄り、また反応速度も充分に
早い。従って、本発明方法は特に工業的実施に適してい
る。
本発明方法において用いられる酵素類は、リパーゼ及び
コレステロールエステラーゼから選択される。ここでリ
パーゼとは、トリグリセライドを段階的にグリセリンと
脂肪酸に加水分解する反応を触媒する酵素であり、コレ
ステロールエステラーゼとは、コレステロールと脂肪酸
とのエステル結合を加水分解する酵素である。上記リパ
ーゼ及びコレステロールエステラーゼは、その起源に特
に制限はなく、各種微生物、動物、植物起源のいずれで
もよい。
リパーゼの起源微生物としては、例えばアクロモバクタ
−イオファーガス< A chromobacteri
ofurgus) 、アクロモバクタ−リボリテイカム
(AChrOIllObaC(er  lipolyt
icum )等のアクロモバクタ−属、クロモバクテリ
ウム ビスコサム(Chromobacterium 
 viscosum)等のりOモバクテリウム属、コリ
ネバクテリウム アクネス(Corynebacter
ium  acnes )等のコリネバクテリウム属、
スタフィロコッカス アウレウス< s taphy+
ococcus  aureus)等のスタフィロコッ
カス属、アスペルギルス ニガー (Aspergillus  niger )等のアス
ペルギルス属、キャンディダ シリントラシア(Can
didacylindracea )等のキャンデイダ
属、フミコーラランギノーサCHumtcora  I
ar+uginO3a)等の7ミコーラ属、ペニシリウ
ム 力セイコラム(Penicillium  cas
etcolum> 、ペニシリウムクルストサム(pe
nicillium  crustosum ) 、ペ
ニシリウム シクロビウム(Penicilliumc
yclopium ) 、ペニシリウム ロキュフオー
テイ(p enicilliun+  roquefo
rti)等のペニシリウム属、トルロプシス エノビ(
70rulOpSiSernobii )等のトルロプ
シス属、ムコール ミーヘイ(Mucor  m1eh
ei)等のムコール属、バシラス ズブチルス(Bac
illus  5ubt+++s)等ツバシラス属、サ
ーモマイセス イバダネンシス(Thermomyce
s  1badanensis )等のサーモマイセス
居、リゾプス プレv −(Rhizopusdele
mar )等のリゾプス属、シュードモナス エアルギ
ノーサ(Pseudomonas  aerugtno
sa) 、シュードモナス フライ(pseudomo
nas  fraai )、シュードモナス フルオレ
スセンス(P seudomonas  r+uore
scens )等のシュードモナス属、アルカリゲネス
 sp(Alcaligenes  sp)等のアルカ
リゲネス属等に属する各種の微生物を例示できる。
またコレステロールエステラーゼの起源微生物としては
シュードモナス属例えばシュードモナスエアルギノーサ
(P seudomonas  aeruginosa
)、シュードモナス フルオレスセンス (Pseudomonas  fluorescens
 ) 、シュードモナス ノブエスピー、シュードモナ
ス ディスモリティ力等、アクロモバクタ−属、例えば
アクロモハ’y ター  7” !Jカチュラス(A 
chromobacterdelicatulus )
等、フザリウム属、ノカルジア居、シュードモナス属、
ストレプトミセス属、キャンデイダ属、例えばキャンデ
ィダ リポリテイ力、キャンディダ トロピカリス、キ
ャンデイダ インターメディア、キャンディダ シリン
トラシア等をそれぞれ例示できる。
上記各酵素の大部分は、精製された酵素として市販され
ており、本発明ではこれらの市販品をそのまま用いるこ
とができるが、特に精製された市販品を用いる必要はな
く、例えば目的とする酵素の生産能を有する微生物菌体
そのもの、その培養液、該培養液を処理して得られる粗
酵素液や酵素を含む組成物等を利用することもできる。
また本発明において固定化された上記酵素類としては、
上記酵素類を通常の方法により、適当な担体に固定化さ
せたものをいずれも用いることもできる。該固定化酵素
及びその調製の詳細については、後述する。
本発明において上記酵素類又は固定化酵素類を用いて合
成反応される一方の原料としてのステロール類とは、分
子内にステロイド骨格と水酸基とを有する化合物をいう
。ここでステロイド骨格とは、式(I) 1L      6 で表わされる骨格であり、水酸基は上記骨格に直接結合
しているのが一般的である。本発明に用いられる上記ス
テロール類の具体例としては、例えばコレステロール、
7−デハイドロコレステロール、β−コレスタノール、
コブロスタノール、ラドステロール、チモステロール、
チモステノール、デスモスチロール、ブラシカステロー
ル、エルゴステロール、カンペステロール、β−シトス
テロール、γ−シトステロール、α−スピナステロール
、スティグマステロール等、トリメチルステロールとし
てラドステロール、ジヒドロラノステロール、アグノス
テロール、ジヒドロアグノステロール及び之等の混合物
としての羊毛ロウより分離精製して得られるイソコレス
テロール、シクロアルテノール等を例示できる。
また本発明では、上記ステロール類に代えて又はこれと
共に炭素数12〜32の脂肪族アルコール類が一方の基
質として利用できる。該アルコール類は飽和でも不飽和
でもよく、また直鎖でも分枝鎖状でもよく、更に1価で
も2価以上でもよく、之等の混合物でもよい。
直鎖飽和アルコールの具体例としては、ラウリルアルコ
ール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステ
アリルアルコール、エイコサノール、ドコサノール、テ
トラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール
、ノナコサノール、ミリシルアルコール デカノール、ノナデカノール、テトラデカノール−2、
ペンタデカノール−2、ヘキサデカノール−2、ヘプタ
デカノール−2、オクタデカノール−2、ノナデカノー
ル−2、エイコサノール−2等を例示できる。
分枝鎖状飽和アルコールとしては、一般式0式% 及び一般式 CH3CH2−CH+CH2士nOH 0H3     (/l=8〜28) で表わされるもの、例えば14−メチルヘキサデカノー
ル−1、16−メチルオクタデカノール−1、18−メ
チルノナデカノール、18−メチルエイコサノール、2
o−メチルヘンエイコサノール、20−メチルドコサノ
ール、22−メチルトリコサノール、22−メチルテト
ラコサノール、24−メチルペンタコサノール−1、2
4−メチルへキサコサノール等及び之等の混合物、例え
ばラノリンアルコールより溶剤分別により誘導されるス
テロールを含まない脂肪族高級アルコール−グリコール
混合物で飽和の炭素数18〜32の直鎖及び分枝を主成
分とするラノリンアルコール等を例示できる。
不飽和の第1アルコールとしては、オレイルアルコール
、エライジルアルコール、リルイルアルコール、リルニ
ルアルコール等;α,ωージオール類、例えばテトラデ
カンジオール、ペンタデカンジオール、ヘキサデカンジ
オール、ヘプタデカンジオール、オクタデカンジオール
、ノナデカンジオール、エイコサンジオール、ヘンエイ
コサンジオール等;下式で示されるα、β−ジオール類
等を例示できる。
CH3→CH2+a CHCH2−OH0H(a =9
〜29) (b=7〜27) (C−6〜26) 更に分校(合成)アルコール類としては、ヘキサデシル
アルコール(エッソスタンダード社)、エヌジエコール
160A、160B、181 A。
20OA、200C(いずれも新日本理化社)、ファイ
ンオキソコール1800(日産化学社)、ダイヤドール
18G(三菱化成社)、オクチルドデカノール(ヘンケ
ル社)等を、また分校(合成)セカンダリ−アルコール
としては、イソトリデシルアルコール(クラレ社)、下
式で表わされるもの等を例示できる。
(CH3)2 CHCH2CH2 本発明において他方の原料とする脂肪酸エステル類は、
以下の脂肪酸のグリセリンエステル及び炭素数1〜32
の脂肪族アルコールエステル類のいずれでもよい。
該脂肪酸エステル類を構成する脂肪酸成分には、下記各
種の飽和の直鎖脂肪酸、飽和の分枝鎖脂肪酸、不飽和の
脂肪酸、オキシ脂肪酸、ポリカルボン酸等が包含される
飽和の直鎖脂肪酸としては、例えば酢酸、酪酸、カブロ
ン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、バルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘ
ン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリ
シン酸、n−トドリアコンタン酸等の炭素数が偶数であ
る飽和直鎖脂肪酸、及び例えばプロピオン酸、n−吉草
酸、エナント酸、ペラルゴン酸、ヘンデカン酸、トリデ
カン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、ノナデカン
酸、ヘンエイコサン酸、トリコサン酸、ベンタフサン酸
、ヘプタコサン酸等の炭素数が奇数である飽和直鎖脂肪
酸を例示できる。
飽和の分枝鎖脂肪酸としては、例えばイソ酪酸、イソカ
プロン酸、イソカプリル酸、イソカプリン酸、イソラウ
リン酸、11−メチル−ドデカン酸、インミリスチン酸
、13−メチル−テトラデカン酸、イソパルミチン酸、
15−メチル−へキサデカン酸、イソステアリン酸、1
7−メチル−オクタデカン酸、イソアラキン酸、19−
メチル−エイコサン酸、α−エチル−ヘキサン酸、α−
へキシルデカン酸、α−へブチルウンデカン酸、2−デ
シルテトラデカン酸、2−ウンデシルテトラデカン酸、
2−デシルペンタデカン酸、2−ウンデシルペンタデカ
ン酸、式(II) で表わされるファインオキソコール180酸〔日照化学
社製〕等を例示できる。また上記飽和の奇数分枝鎖脂肪
酸には、例えば6−メチル−オクタン酸、8−メチル−
デカン酸、10−メチル−ドデカン酸、12−メチツレ
−テトラデカン酸、14−メチル−ヘキサデカン酸、1
6−メチル−オクタデカン酸、18−メチル−エイコサ
ン酸、2〇−メチル−トコサン酸、22−メチル−テト
ラコサン酸、24−メチル−ヘキサコサン酸、26−メ
チル−オクタコサン酸等の末端がイソブチル基であるア
ンチイソ系の脂肪酸が包含される。
不飽和の脂肪酸としては、例えばトウハク酸、カプロレ
イン酸、リンデル酸、ラウロレイン酸、ツヅ酸、フイセ
トレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトオレイン酸、
ベトOセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン
酸、カドレイン酸、シス−11−エイコセン酸、セトレ
イン酸、エルカ酸、セラコレイン酸、17−へキサコセ
ン酸、6.9,12.15−へキサデカテトラエン酸、
リノール酸、リルン酸、α−エレオステアリン酸、β−
エレオステアリン酸、ブニカ酸、6,9゜12.15−
オクタデカテトラエン酸、バリナリン酸、アラキドン酸
、5,8,11,14.17−ニイコサベンタエン酸、
7,10,13.16゜19−ドコサペンタエン酸、4
,7,10.13゜16.19−ドコサヘキサエン酸等
を例示できる。
また本発明に用いられる脂肪酸成分は、分子内に水酸基
を有するオキシ脂肪酸であってもよい。
このオキシ脂肪酸としては、例えばα−ヒドロキシラウ
リル酸、α−ヒドロキシミリスチン酸、α−ヒドロキシ
パルミチン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、ω−ヒド
ロキシラウリル酸、α−ヒドロキシアラキン酸、9−ヒ
ドロキシ−12−オクタデセン酸、リシノール酸、α−
ヒドロキシベヘニン酸、9−ヒドロキシ−トランス−1
0,12−オクタデカジエン酸、カモレン酸、イブOリ
ル酸、9..10−ジヒドロキシステアリン酸、12−
ヒトOキシステアリン酸等を例示できる。
更に上記脂肪酸成分は、例えばシュウ酸′、マロン酸、
コハク酸、ゲルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、セ
ベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、D、L−リンゴ
酸等のポリカルボン酸であってもよい。
また上記脂肪酸エステル類を構成するアルコール成分は
グリセリン及び炭素数1〜32の脂肪族アルコールであ
り、該脂肪族アルコールには1価及び2価の直鎖又は分
枝鎖アルコールが含まれ、その中でも特に炭素数1〜6
の脂肪族アルコールであるメチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロビルアルコール、イソプロピルアル
コール、ローブチルアルコール、イソブチルアルコール
、n−ヘキシルアルコール等は好ましい。
上記脂肪酸のグリセリンエステル類は、モノエステル、
ジエステル及びトリエステルのいずれでもよく之等の混
合物でもよい。更に本発明に原料として利用する脂肪酸
エステル類には天然の又は合成の油脂(グリセライド)
、ワックス等も含まれる。この天然油脂としては、例え
ばアマニ油、オリーブ油、カカオ油、米糠油、大豆油、
ツバキ油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油
、綿実油、木ロウ、ヤシ油、ラッカセイ油、ヒマワリ油
等の植物油、牛脂、乳脂、羊脂、牛脚油、鯨油、タラ肝
油、イワシ油、オレンジラフイー、ニシン油等の動物油
及び之等の硬化油等を例示できる。また天然ワックスと
しては例えば鯨Oつ、イボタロウ、カーナバロウ、カン
デリラロウ、ヌカロウ、セラックロウ、ミツロウ、モン
タンロウ、羊毛ロウ、綿ロウ等を例示できる。
上記脂肪酸エステル類は、その一種を単独で又は二種以
上を混合して本発明の反応に利用することができる。
本発明方法は、バッチ法、半連続法及び連続法で行なう
ことができる。之等のいずれの方法においても反応は、
上記ステロール類及び/又は特定の脂肪族アルコール類
と脂肪酸エステル類とを基質として、之等を前記醇素類
又は固定化酵素類の存在下に接触させることにより進行
する。上記反応は、開基質と酵素とを単に接触させるの
みで進行するが、通常撹拌混合するのが好ましい。本発
明者らの研究によれば、特に上記反応は水媒系、含水有
機溶媒系(水−有機溶媒2相系を含む)で容易に進行し
、しかも目的物の合成率はこれらの反応系にほとんど影
響を受けないことが見出された。
尚、上記水媒系とは、反応系の構成が、酵素、両基質及
び酵素を溶解する水又はこれと親水性物質とからなる系
を言う。また含水有機溶媒系とは、上記水媒系の水の代
りに少なくとも一方の基質を溶解することのできる含水
有機溶媒を用いた系で、その構成は酵素、酵素を活性化
する水及び/又は親水性物質及び少なくとも一方の基質
を溶解することのできる含水有機溶媒からなる系を言う
。ここで含水有機溶媒とは、飽和m又はそれ以上の水を
含む有機溶媒を言う。この系において系内水分が有機溶
媒の溶解度をこえる場合、この系は水−有機溶媒2相系
となり、この系では静置、遠心分離等により酵素(又は
これと親水性物質と)を含む水相と基質及び有機溶媒を
含む有tIi溶媒相とを分離することができる。
上記親水性物質とは、水と自由に混合する物質であり、
用いる酵素をできるだけ失活させないものが望ましく、
例えばグリセロール等を例示できる。また含水有機溶媒
系に利用される有機溶媒としては、用いる酵素をできる
だけ失活させない水不混和性のものが望ましい。その具
体例としては例えばn−ヘキサン、n−へブタン、n−
オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、n−デカン
、n−トリデカン、n−テトラデカン、n−ヘキサデカ
ン、ポリブテン、ジイソブチレン、流動パラフィン、ス
クワラン、スクワレン、ブリスタン等の炭化水素系溶媒
を例示できる。上記各炭化水素の2種以上を混合するか
又は之等を含有する混合溶媒、例えば[アイビーソルベ
ント1016J(出光石油化学社製、Ca=63%、C
9−30%を主成分とするイソパラフィン系混合物)や
「アイソパーEJ  (エクソン化学社製、C8−25
〜35%、C975〜60%を主成分とするイソパラフ
ィン系混合物)も同様に使用できる。之等の用語は以下
本明細書において同様の意味で用いるものとする。
一般に、酵素によるグリセライドの合成反応では、反応
系の水分含量が非常に重要な因子であり、酵素の活性発
現に必要な最小限の水を除いて反応系内の水を可及的に
少なくすることが、反応の平衡を合成側に移行させるた
めに必須の要件とされているが、本発明では反応系内に
多量の水が存在する場合でも反応の平衡が合成側に片寄
り反応は良好且つ迅速に進行する。また上記含水有機溶
媒系でも反応は良好に進行する。
特に、上記含水有機溶媒系として水−有機溶媒2相系を
採用すれば、反応終了後、酵素は水相乃至水−有機溶媒
界面に、目的とするエステル及び未反応基質は有機溶媒
相に分配することが認められ、これにより酵素と目的エ
ステル及び未反応基質とを容易に分離することができる
。また有機溶媒の利用によれば、通常固形であるステロ
ール類及び脂肪族アルコール類を該溶媒溶液の形態で反
応に供することができ、反応液の性状を改善して酵素−
基質の接触をより有利に行ない得る。
上記接触時の反応条件は、用いられる酵素の失活がない
かこれが最小限に抑制される条件であればよく、通常酵
素の最適pH及び最適温度条件が採用される。一般に上
記温度としては、約10〜60℃の範囲が好適であるが
、耐熱性リパーゼ等の耐熱性の酵素を用いる場合には、
該酵素に応じてより高温条件を採用することもできる。
pHは、用いる酵素に応じてアルカリ性、中性及び酸性
のいずれかが採用され、このpHを調節するために適当
な酸やアルカリ、例えば塩酸、硫酸等や水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等及び例えばリン酸緩衝液等の適当
な緩衝液を、必要に応じて、反応系内に添加することも
できる。更に用いる酵素の斌活因子として知られている
例えばカゼイン、アルブミン、カルシウムイオン、胆汁
酸及びその塩等を添加することもできる。
反応系内に存在させる酵素と両基質との比率は、特に制
限はなく、それらの種類、反応条件、本発明方法をバッ
チ法で行な′うか連続法乃至半連続法(反復法)で行な
うか等に応じて適宜選択できる。
通常1回当りの反応について検討すれば、酵素はアルコ
ール成分原料(ステロール及び/又は脂肪族アルコール
)l当り、リパーゼでは、約1〜10万単位、好ましく
は500〜5万単位程度、コレステロールエステラーゼ
では約1〜10万単位、好ましくは50〜5万単位程度
とすることができる。両基質の使用比率も任意に決定で
き、いずれを過剰としてもよく特に制限はない。通常一
方の基質に対して他方を約0.1〜20倍モル量の範囲
で用いるのが普通である。
なお、用いられる酵素の活性発現のためには、該酵素(
絶乾型1)1Gに対して少なくとも約o、O○1111
i2の水の存在が必要である。一般に反応系を水媒系と
する時には、通常利用する酵素量に対して水を好ましく
は約7〜700倍重里程度用いるのがよい。また含水有
機溶媒系では、系内に含まれる水により、酵素類を再使
用する際、該酵素類の活性発現のための必要水分量は保
証される。特に有機溶媒の溶解度を越える水を含ませた
水−有機溶媒2相系の採用によれば、酵素は水相及び水
−有機溶媒界面に局在し、水相と有機溶媒相とを分離す
ることにより、酵素−基質を分離でき、酵素の再使用が
可能である。
また上記含水有機溶媒系における水と有機溶媒との使用
割合、特に系内に存在させる水量は、反応速度に多少の
影響を与えるので、用いる両基質、酵素及び溶媒の種類
、之等の混合方法、反応容器の形状、大きさ、反応液全
体の体積、その他の各種反応条件に応じて、その適当量
を決定するのが望ましい。
本発明方法は、バッチ法によることもできるが、用いる
酵素類自体比較的高価なものであるため、これを複数回
繰返し利用する連続法乃至半連続法によるのが好ましい
。上記酵素類を複数回利用する方法は、第1回目の接触
反応の後に、酵素類又は固定化酵素類を反応混合物より
分離するか分離しないかにより、半連続法(バッチ法の
繰返し反復法)と連続法とに大別され、之等各方法は更
に固定化酵素を用いる場合と未固定化酵素を用いる場合
とで、各々以下の如く分けられる。
即ち、未固定化酵素を用いる本発明方法は、半連続法及
び連続法のいずれの場合でも、相分離を利用するか、適
当な濾過手段を採用するか、遠心分離を利用して実施さ
れる。
相分離を利用する本発明方法は、半連続法の場合、第1
回目の反応終了後、反応混合液に水又は(及び)有機溶
媒を添加して水相−疎水性基質相の2相系に転換しく水
−有機溶媒2相系の場合はそのまま静置すればよい)、
静置又は遠心分離により水相と疎水性基質相との相分離
を行ない、水相及び水−有機溶媒界面に存在する酵素と
、目的エステル及び未反応基質を含む有機相とを分離し
、かくして分離された酵素を繰返し利用することにより
行なわれる。上記相分離の際、水媒系における有機溶媒
の添加は、反応液の乳化を破壊して相分離を促進する効
果がある。また分離された有機相は分配係数の差を利用
した液々抽出により、例えばメタノール等の低級アルコ
ール水溶液で抽出することにより、極性の強い原料ステ
ロール類及び脂肪族アルコール類等の未反応基質を低級
アルコール水溶液中に抽出し、容易に収率よくこれと目
的エステルとに分離することができる。
濾過手段を採用する方法では、反応系が含水有機溶媒系
ではあるが水−有機溶媒2相系でない場合、酵素は非水
性基質及び有機溶媒には溶けず粒子の形で系内に懸濁し
ているため、例えば精密濾過、限外濾過等の適当な濾過
手段により分離することができる。上記精密濾過として
は、通常の濾紙と濾過助剤とを組合せて用いる方法を採
用でき、この場合酵素はi濾過助剤に吸着された形で捕
捉され、そのまま再使用できる。またメンブランフィル
タ−等を用いた精密濾過ち可能である。該フィルターと
しては特に約0.02〜10μmの孔径を有するものが
好ましく、その材質はガラス、金属等の耐薬品性に優れ
た無機物でも、合成樹脂例えば再生セルロース、テフロ
ン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド等の有磯
物でもよい。
水媒系の場合、上記濾過手段としては限外濾過が採用さ
れ、これにより酵素類を再使用できる。
この限外濾過は、通常市販の各種限外濾過膜、例えば耐
薬品性に優れたポリアミド、ポリイミド、高分子電解質
複合体等を用いて実施できる。
更に水−有機溶媒2相系の場合、水−油混合系又は水−
有機溶媒混合系の分離を、疎水性の多孔質分離膜の選択
的透過性を利用した濾過手段により実施することができ
る。即ち、疎水性の基質及び有機溶媒は、疎水性の分離
膜にあいた微細孔の中を浸透して透過できるが水及び酵
素は、表面張力が大きいため該疎水性膜の表面を濡らす
ことができず、微細孔の中に浸透できな(〜。このこと
より、酵素と基質及び反応物との濾過分離が可能である
。上記方法に利用できる疎水性の分離膜としては、臨界
表面張力が透過すべき疎水性物質より大きく、水より小
さいもの、例えば約30〜55ダイン/Cll1のもの
を挙げることができる。また上記膜の有する微細孔の径
としては必ずしも酵素より小さい必要はなく、約10μ
m迄であればよく、その例としては市販のマイクロか通
用のメンブランフィルタ−の内線水性のテフロン、ポリ
プロピレン製のものを例示できる。
前記した相分離を利用する本発明方法を連続法により行
なう場合、該連続法は、例えば未固定化酵素を水溶液形
態又は前記した水媒系に用い得る親水性物質の水溶液(
以下、N素につき水溶液という場合は、この親水性物質
の水溶液を含むものとする)で利用し、これと基質又は
基質の有機溶媒溶液とを接触反応させるための反応部と
相分離を行なうための分離部とを有する適当な反応装置
を利用して、反応及び相分離を連続的に行ない、酵素水
溶液を繰返し利用しつつ分離された有機相より連続的に
目的物を得、基質である油相又は有機溶媒相は連続的に
反応部に供給する。
上記連続法の実施に適した反応器としては、公知の各種
のものをいずれも使用できる(化学工学■、東京化学同
人発行、1964年)。その代表例としては、ミキサー
セトラー型及びスプレー塔を例示できる。
ミキサーセトラー型は、混合器(ミキサー)と、混合物
を比重差により分離する沈降器(セトラー)とを組合せ
たもので、その利用によれば混合器に酵素水溶液を満た
し、該水溶液中に基質又はその有機溶媒溶液を連続的に
供給しながら、混合器中で酵素水溶液と基質又はその有
機溶媒溶液とを撹拌混合して接触反応させ、反応混合液
を沈降器に送る。反応混合液は該沈降器内の滞留中に相
分離により水相と、目的物を含む基質相又はその有機溶
媒相(反応液)とに分離し、かくして分離された酵素を
含む重液を混合器に戻しながら、沈降器の上層の反応液
を系外に抜き出すことにより連続合成ができる。
スプレー塔を利用する方法では、例えば酵素水溶液と、
両基質又はその水不混和性有機溶媒溶液のいずれかの相
を分散相として塔中を上昇又は下降させて反応させるも
ので、特に上記基質相を分散相とするのが酵素を不必要
に循環させる必要がなく好ましい。この好ましい方法は
、より詳しくは酵素水溶液を塔中に連続相として入れて
おき、基質相を塔下部ノズルより連続的に塔中に供給し
て分散相として該酵素水溶液の液柱中を接触反応させな
がら上昇させ、塔上部で相分離させる。塔上部で分離さ
れた基質相を連続的に又は逐次系外に抜き出すことによ
り実施される。連続相である酵素水溶液は、通常一度塔
内に仕込んだ後はその力価が低下する迄は取り替える必
要がなく、また力価の低下に応じて逐次新しい酵素水溶
液を追加補給することもできる。上記における接触反応
は塔内を上昇する基質相の液滴と酵素水溶液との界面で
行なわれるため、一般の液々抽出の場合と同様に液滴の
生成初期と凝集時の接触効果が大であり、この点から液
滴の生成と消滅とを多数回繰返すのが好ましく、従って
基質相を循環させるのが目的エステルの合成率の向上に
効果的であり、また該液滴の径を小さくしたり、酵素濃
度を高くしたり、液滴の上昇速度を遅くして接触時間を
長くさせるのも反応速度向上に役立つ。
また上記スプレー塔利用による方法をより効率よく行な
う方法としては、例えば多孔板を備えた塔(多孔板塔)
を用いる方法が例示できる。これは塔の途中に多孔板を
設は段塔を構成させたちので、重い酵素水溶液が連続相
となり、軽い基質相は分散相となって、第1段目の多孔
板の孔より液滴となって酵素水溶液相中を上昇し接触反
応し、第2段目の多孔板の下部で液相をなし、次いで再
度液滴となって第2段目の板の孔を通過上昇し、これを
繰返す。従って該多孔板塔の利用では、液滴の生成消滅
が何回も繰返されるためスプレー塔より効率が高く有利
である。
上記多孔板塔の代りに、例えば塔内の流路に多くの邪魔
板を設けて両相の接触時間を長くした邪魔板堰、邪魔板
の代りに適当な充填物を充填した塔、塔内に円筒、円板
等の撹拌軸を設けて機械的撹拌を行なわせるべくした回
転円筒塔や回転円板堰又は上記充填物と撹拌手段とを交
互に積み重ねた塔(S cheibel塔)等も有利に
利用でき、更に機械的撹拌による代りに脈動により撹拌
を行なう脈動抽出器の地鳥速回転による遠心力を利用し
たp odbielniak抽出器、L uvesta
抽出器等の遠心抽出器も利用でき、之等を組合せること
もできる。
また、本発明方法は、多孔性の反応膜で界したいずれか
一方に親水性の酵素水溶液を、他方に疎水性の基質又は
その含水有機溶媒溶液を存在させ、上記反・応膜を介し
て酵素水溶液と基質又は基質溶液とを接触反応させ、酵
素水溶液を基質と混合させることなく目的エステルを合
成し且つ酵素を繰返し利用する方法を包含している。
この方法によれば、酵素と基質とは膜により隔てられて
いるため互いに混合されることなく、該膜を介して接触
するため、基質を膜で仕切られた一方側へ連続的に供給
しながら、反応液を連続的に系外へ抜き出すことができ
、反応系が乳化することもなく、基質相への酵素蛋白の
混入もなく、また基質による酵素の活性低下もなく、水
相に加えた酵素安定剤等による反応への悪影響もないと
いう利点がある。更に室温、気密状態で反応を行ない得
るため、酸化安定性の低い基質に対しても自動酸化や二
重結合の異性化、位置移動等の副反応が起る心配もない
上記方法において用いられる多孔質反応膜の材質は、特
に限定はなく、例えばガラス1、セラミック、ステンレ
ス網、ポーラスステンレススチール等の無機物でもよく
、合成樹脂例えばテフロン、ポリプロピレン、ポリエチ
レン等のポリオレフィン、再生セロルース、ニトロセル
ロース、アセチルセルロース等のセルロース誘導体、ナ
イロン66等のポリアミド、ポリカーボネート等の有機
物でもよい。その孔径は通常的0.05μm〜10μm
のものが適当であり、その代表例としては、市販の精密
濾過用のメンブランフィルタ−を例示できる。該メンブ
ランフィルタ−としては、アセチルセルロース、ニトロ
セルロース、再生セルロース製等の親水性のもの及びテ
フロン、ポリプロピレン製等の疎水性のものがよく知ら
れており、本発明ではそれらのいずれをも使用できる。
上記反応膜の他の好ましい性質としては、膜厚的10〜
100μm、より好ましくは約20〜50μm1空孔率
20〜80%、より好ましくは約40〜60%が挙げら
れ、之等の性質を有する限り本発明に有利に用いられる
。膜の形状は特に制限はなく、通常の平膜形状でもよい
が、例えば円筒状、スパイラル状、チューブラ−状、ホ
ロファイバー状等の形状とするのがよく、之等の形状で
は、酵素と基質との接触面積を平膜に比し大きくするこ
とができ、反応時間を短縮して合成率を高めることがで
きる。
かかる反応膜利用による本発明方法では、酵素水溶液と
疎水性の基質が該膜を介して接触して反応が進行する。
膜が疎水性の場合、疎水性基質が膜の細孔を透過して酵
素水溶液側に侵入するのを防止するため、酵素水溶液に
圧力をかけておくのが好ましい。この圧力は、膜の材質
により異なり、通常その上限値は、水が膜との表面張力
による反発力に打ちかつて膜の微細孔に浸透していくの
に必要な圧力即ちウォーターイニシェーション値であり
、一般には約0.001〜20k(1/Cm2の範囲が
好ましい。また膜が親水性の場合、酵素水溶液が膜の孔
を透過して基質側に侵入するのを防止するため、基質側
の圧力を約0.001〜20kg/ Cm2の範囲とし
ておくのが望ましい。膜を介して一方に導入される酵素
水溶液は、通常その力価が低下するまでは入れ替えや補
給の必要はなく、撹拌や循環の必要もない。反対側に導
入される基質相は膜の細孔により酵素と接触反応し、こ
の時接触時間を長くすれば合成率は高くなる。また酵素
と基質との接触面積を大きくすることにより上記接触時
間を短縮して合成率を向上させ得る。
更に本発明は、固定化酵素を用いて実施する方法をも包
含している。ここで用いられる固定化酵素とは、上述し
たリパーゼ又はコレステロールエステラーゼを適当な固
定化用担体に固定化させたものであり、その固定化方法
は、従来公知の各種方法により行なうことができる。代
表的固定化方法としては、例えば包括固定化法、無機担
体共有結合法、有磯担体共有結合法、物理的吸着法等を
例示できる。以下之等各方法につき詳述する。
包括固定化法は、公知の各種担体を用いて実施できる。
該担体としては、本反応に利用する基質が疎水性である
ため特にゲル内に基質が浸透しやすく疎水性物質に対す
る分配係数の大きい担体が好ましい。その例としては、
例えば下記式(1)に示されるENTP等の疎水性光硬
化性樹脂[E uropean J 、 A ppli
、 M 1crobiol。
13iotechno1.、5.325 (1979)
及び特開昭57−118792号公報参照〕や下記式く
2)で示されるウレタンプレポリマーPU [B totechnol、B ioeng、、 20
 、1465−1469 (1978)及びEur、 
J、 Appln。
Microbiol、 Biotechnol、、 8
. 143−155(1979)参照]等を例示できる
上記ENTP樹脂は分子内のプロピレンオキサイド含量
を、PU樹脂はE○/PO含量を、各々変化させること
により樹脂の疎水性度を任意に変化させ得る。
上記ENTP等の疎水性光硬化性樹脂を用いる包括固定
化は、例えば鎖長40nmのENTP−4000に重合
開始剤を加え、約60℃にて溶解し、空温まで温度を下
げた後、酵素を粉末形態で又は予めセライト、シリカ等
の多孔質無機担体に吸着させた形態で添加混合(このと
き、適宜界面活性剤等を添加することもできる)し、そ
の後、混合物をガラス又はプラスチックの透明板上に拡
げ、その上をプラスチックのシートでカバーした後、近
紫外の光を数分間照射してゲル化させ、得られるシート
状の固定化酵素を小さく切って目的とする固定化酵素剤
を収得できる。
ウレタンポリマーを用いる包括固定化は、例えばPU樹
脂中でもより疎水性の強いPU−3(平均分子ff12
529、NGO含ff14.2%、ニーJ−L/ンオキ
サイド含量57%、上記文献参照)を、約60℃に加熱
して流動性が出たところで、30℃に冷却し、流動性の
ある間に酵素水溶液を加え、数分練り合せた後、4℃で
約30分間反応させ、その接水で洗浄して未反応のNC
O基を除去した後、適当な大きさに切って目的固定化酵
素剤とすることができる。上記反応の際温度が30 ’
Cを越えると酵素の失活を招くことがあるので注意する
必要がある。
無機又は有機担体を用いた共有結合法に用いられる担体
としては、マイクロポーラスな多孔性を有し、その細孔
表面が疎水性であるものが好ましい。通常その細孔平均
半径は約10人〜i oo。
人であるのがよい。上記マイクロポーラスとは、通常担
体粒子1個当りの酵素結合面積が多くなるようなもので
あれば、孔の形状が縦長で細孔半径が求められないよう
なものでもかまわない。上記担体の好ましい具体例とし
ては、例えば無機担体としてポーラスガラス、ポーラス
セラミック、セライト、チタン酸化物等の多孔性金層粒
子、アルミナ、多孔性シリカゲル、モレキュラーシーブ
、活性炭、白土、カオリナイト、ベントナイト、ヒドロ
キシアパタイト、リン酸カルシウムゲル及び之等のアル
キルアミン誘導体等、及び有機担体として例えばマイク
ロポーラスなスチレンやアルキルアミン等の重合体を母
体とする吸着樹脂、キレート樹脂、イオン交換樹脂等、
例えば「ダウエックスMWA−1J  (平均細孔半径
150人、粒子サイズ20−50メツシユのポリスチレ
ン鎖をジビニルベンゼンで架橋した母体を持つ第3級ア
ミンを交換基とする弱塩基性陰イオン交換樹脂、ダウケ
ミカル社製)、親水性セルロース樹脂、例えば[セルロ
ファインGC700−ml(粒径45−105μm、チ
ッソ社製)等のセルロース系担体の親水基をマスクして
調製したもの等を例示できる。
上記態別担体を用いた共有結合法による酵素の固定化は
、例えば次のごとくして実施できる。即ち、上記例示の
無機担体のアルキルアミン誘導体を調製し、該担体の細
孔表面の疎水性度を高めた後、ゲルタールアルデヒド法
又はカルボジイミド法により酵素を固定化すればよい[
H,H。
Weetall、 Methods  in  Enz
ymologV 、 44゜134−148 (197
6)参照]。
また上記有機担体を用いた共有結合法は、疎水性の多孔
質樹脂の場合は、そのままこれに酵素を吸着させた後、
上記と同様にゲルタールアルデヒド法により固定化する
ことができる[ Rev。
Ferment、  r nd、 A liment、
 11 、237(1956)参照]。より詳しくは、
例えばダウエックスMWA−1の1gを蒸留水及び1/
15Mのマツクルベインバッファ(p H5,0)で洗
浄後、酵素液0.2−(1・500U)を加え、8℃で
一夜振盪吸着させ、マツクルベインバッファ1戒及び2
5%ゲルタールアルデヒド溶液80μQを加え、8℃で
10分間振盪し、イオン交換樹脂に結合させ、最後に2
0%亜硫酸水素ナトリウム0.2m12を加えて、80
℃で10分間振盪し余分のゲルタールアルデヒドを除去
し、水で洗浄すればよい。
有機担体として、例えばセルロファインGC700−m
等の親水性樹脂を用いる場合、固定化は、先ず上記樹脂
の表面に存在する親水性の水酸基をエポキシ化し、次に
このエポキシ化されたセルロファインをエチレンジアミ
ンでアミン化した後、ゲルタールアルデヒドで処理して
アルデヒド化セルロファインを調製し、これをリン酸バ
ッファ中で酵素と反応させることにより実施できる。
物理的吸着法は、担体として例えば親水性のアガロース
ゲル等の多糖類にアルキル基、フェニル基、トリチル基
等の疎水基を導入し、細孔表面を疎水性とした担体、具
体的には[オクチルセファロースCL−4BJ、「フェ
ニルセファロースCL−4BJ  (いずれもファルマ
シア社製)、トリチルアガロースゲル等の有機担体やポ
ーラスガラス、ポーラスセラミック、セライト、チタン
酸化物等の多孔性金浅粒子、アルミナ、多孔性シリカゲ
ル、モレキュラーシーブ、活性炭、白土、カオリナイト
、ベントナイト、ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシ
ウムゲル及び之等のアルキルアミン誘導体等の無機担体
を用いて実施される。上記有機担体における疎水性度は
水和性のない非極性のアルキル基等を多くするか、水酸
基等の水相性の親水基をアルキル基等で修飾することに
より増加させ得る。
上記有機担体を用いた物理的吸着法は、例えば担体をリ
ン酸バッファー等でよく洗浄した後、酵素水溶液と振盪
してこれに酵素を吸着させて調製できる。この物理的吸
着法によれば、共有結合法に比べ固定化時の酵素の活性
低下が少なく、しかも担体は親水性ゲルに疎水性のリガ
ントが付いたものであるため酵素の活性発現に必要な充
分量の水を保有、供給でき、更に疎水性の基質との親和
性も疎水基の導入により高められているため、本発明方
法に特に適している。
更に無機担体を利用する物理的吸着法は、単に担体と酵
素水溶液とを振盪するのみで実施でき、最も簡便で且つ
安価な固定化法であり、固定化時の活性低下も少なく、
物理的及び化学的にも安定なものである。
上記各種方法により固定化された固定化酵素を用いる本
発明方法は、これをバッチ法又は半連続法で実施する場
合には、例えば適当な反応容器に固定化酵素と基質とを
入れ、水媒系及び/又は含水有機溶媒系で基質と酵素と
の接触反応を行なえばよく、反連続法の場合には、次い
で反応混合物より固定化酵素を通常の方法、例えば濾過
、遠心分離等により分離し、これを再度基質と酵素との
反応に繰返し利用すればよい。上記接触反応は、固定化
酵素を物理的に破壊しない適当な条件下、例えば振盪条
件又は通液条件下に実施できる。固定化酵素を分離した
反応混合物からの目的エステルの収得は、前述した相分
離を利用する方法の場合と同様にして行なうことができ
る。
また上記固定化酵素を用いる連続法は、例えば固定化酵
素を適当なカラムに充填し、このカラムに基質又は基質
の含水有機溶媒系液を連続的に通過させて接触反応させ
、目的エステル又はこれと未反応基質とを連続的に回収
し、これから目的エステルを分離収得することにより実
施される。上記半連続法及び連続法のいずれも固定化酵
素の回収は容易で、目的エステルの精製段階での酵素蛋
白の除去の必要はなく、しかも回収した酵素は反復使用
できる利点がある。加えて、連続法では反応中、空気と
接触することが少ないので基質として不飽和脂肪酸等を
用いる場合にもこれが空気酸化をうけないという利点が
ある。
上記各種の方法により得られる目的エステルは、常法に
従い例えばカラムクロマトグラフィー等により更に精製
することができる。
かくして得られる目的エステルは、この種エステルが従
来利用されている各種の広範な用途に利用できる。
実   施   例 以下、本発明を更に詳しく説明するため実験例及び実施
例を挙げる。
尚、6例において酵素量の表示は、以下に示す方法によ
り求められた国際単位を用いた。
くリパーゼの活性測定〉 [ポバール#1174(倉敷レーヨン社製)18(Jと
[ポバール#205J  (同上社製>2(7とを水8
00mQに懸濁し、75〜80℃に加温撹拌して完全に
溶かした後、冷却し、水を加えて1000−に調製した
ポリビニルアルコール溶液75−に、オリーブ油22.
9oをホモジナイザーにて乳化して調製したオリーブ油
乳化液5戒と0.1Mリン酸緩衝液4鯨との混液及び試
料酵素液1−を加え、マグネチツクスタラーで500r
pmで撹拌しつつ37℃で20分間反応させ、次いでこ
れにエチルアルコール40m12を注加して、0.05
N水酸化カリウム溶液で遊離脂肪酸を滴定する。この条
件で1分間に1μモル当伍の脂肪酸を遊離する酵素量を
1国際単位(U)とする。
〈コレステロールエステラーゼの活性測定〉コレステロ
ールエステラーゼの1単位(1U)とは、子牛血清を基
質として37℃で1分間に1μモルのコレステロールを
遊離させる活性であり、以下の反応液、酵素溶液を用い
て遊離コレステロールをコレステロールオキシダーゼで
酸化し、生成する過酸化水素をパーオキシダーゼで比色
定量することにより求められる。
反応液組成 oQ、2Mリン酸緩衝液(p H6,5)  0.6m
QOパーオキシダーゼ〔シグマケミカル 社製、タイプI[No、P−825030,3mQoQ
、35%4−アミノアンチピリン 水溶液              0.3鵬00.2
W/W%フェノール水溶液  0.3WclOコレステ
ロールオキシダーゼ水溶液 〔東洋醗造社製、プロダクトNO,T−04を0.1M
リン酸緩衝液(1)H7,0,0,05W/V%のトリ
トンX−100を含む)で10U/鵬とする)    
0.6+nQO子牛血清〔グランド アイランド バイオロジカル(USA)社製〕  0.3戒0蒸  
   留     水              0
. 3鵬試料酵素溶液としては、酵素を10mMリン酸
緩衝液<1)H7,5,0,1%アルブミンを含む)に
溶かして約1U/mI2に調製して用いる。上記反応液
3或を比色用セルに入れ、37℃で10分間インキュベ
ートし、0.05−の試料酵素溶液を加え、静かに転倒
混合し、493 nmで経時測定を行ない、吸収の増加
率(ΔAS/分)を測定する。
同じことを試料酵素溶液の代りに、希釈用緩衝液を用い
て行ない増加率(ΔAb/分)を求める。
上記吸収増加率の差(ΔA/分=ΔAS−ΔAll>が
0.05以下の時は、これが0.05以上になるまで試
料酵素溶液の濃度を高くして操作を繰返す。酵素活性(
U/II1g)は次式により算出される。
酵素活性(U/llIC+)= また目的エステルの合成率は、次の方法により算出した
。即ち、反応終了後、反応液を水−有墾溶媒2相系に転
換し、有機溶媒相を分離する。この有機溶媒相の濃度を
適当に調整後、クロマロツド(石英ロッドにシリカゲル
を溶着したもの、ヤトロン社製、クロマロッド5IN)
に脂質分として10〜30μg程度チャージし、目的エ
ステルと未反応基質が分離する適当な条件(例えばヘキ
サン/エーテル/蟻酸−56/1410.3)で展開し
、必要があれば、硝酸銀含浸クロマロッド等を用いて各
成分を分離する。展開後、数分乾燥し、展開溶媒を除去
したクロマロッドをイアトロスキャンTH−10(ヤト
ロン社製、FID水素炎イオン化方式)検出器にかけて
、反応液中の脂1質成分のピーク面積を求める。目的エ
ステルの合成率は、上記面積をもとに、各側に示した式
を利用して算出される。
各側では、特に断わらない限り、反応は37℃の恒温空
白で行ない、反応液の撹拌混合は2Q+nlX 300
 cpmの振盪培養機(いわしや生物科学社製、RMR
−8−20)にて行ない、また有機溶媒は水を飽和させ
た含水有機溶媒として使用した。
実験例1 この例は、生成スチロールエステルの合成率と、原料脂
肪酸エステル対ステロール(基質比)との関係を調べた
例である。
コレステロール(以下rchoJと略す)100mgに
対して、メチルオレイン酸エステル(以下rMOJと略
す)の所定量を用い、キャンデイダ・シリントラシア 
(Candida  cylindracea )由来
のリパーゼ(「リパーゼMYJ 、名画産業社製)10
00U (33,3n+g)を、0.05Mリン酸バッ
ファー(p H7,0)(以下rPBJと略す)8−に
溶かして反応系に添加した。反応系は、水で飽和したイ
ソオクタン3.0戒に上記基質を溶解させ、水−含水有
機溶媒系とした。反応容器としては、内径3cm及び高
さ5cmのネジブタ付円筒型ガラスビンを用いた。以下
の例においても特記しない限り同様とする。
37℃で2時間反応させ、たときの生成コレステロール
オレイン酸エステル(以下rcOJと略す)の合成率を
第1表に示す。尚、該合成率は、下式(1)により算出
した。
合成率(%)−(Coビーク面積)X100/(Coビ
ーク面積+choビーク面 積) 以下の例においても、特筆しない限り合成率は、この(
1)に示す式により算出する。
第  1  表 試験   原料MO量    合 成 率N01(対c
hoモル比)    (%)1    1、0    
  41.92    1、5      45.33
    2、0      63.44    3、0
      69.15    4、0      7
1.66    5、0      74.07   
 6、0      98.3上記第1表より、合成率
は原料MOの対choモル比が高くなる程高くなる傾向
が認められる。
実験例2 イソオクタン2戒、PB8mQ、リパーゼMY500U
及び反応温度6時間とした以外は、実験例1 ト同様ニ
ジT、ChOlooIIlgに対してMOを第2表に示
す割合で用いた。結果を第2表に示す。
尚合成率は、choが大過剰となるため下記式(2)に
より算出した。
合成率(%)=(Coビーク面積)x100/(Coビ
ーク面積+MOピーク而 面+オレイン酸ピーク面積) 第  2  表 試験  脂肪酸エステル量  合 成 率N01(対c
hoモル比)    (%)1    1、0    
  81.22    0、8      81.13
    0、7      82.2試験  脂肪酸エ
ステルm  合 成 率N00(対choモル比)  
  (%)4    0、6      87.05 
   0、5      89.36   0、4  
    90.3 7    0、3      90.28    0、
2      94.49    0、1      
97.3第2表より、第1表とは異なり、cho過剰の
場合、モル比が小さくなり、MOが少なくなる程、合成
率は高くなる。上記実験例1と合せ考えると基質はどち
らが過剰でもよく、そのモル比の差がが大きくなる程合
成率は高くなることが判る。
実験例3 この例は、水媒系及び含水有機溶媒系での目的エステル
類の合成率を調べたものである。
choloom(1、MO230mg及びリパーゼMY
、1000Uを反応容器に入れ、これに第3表に示すP
B及び/又はイソオクタンを添加し、4時間反応させた
。結果を第3表に示す。
第  3  表 試験  イソオフ   Pa    合成率No、  
 タン(戒)   (m12)    (%)1   
 0    10    59.52    1   
  9    96.83    2     8  
  97.34    3     7    93、
45    4     6    78、26   
 5     5    55、47    6   
  4    64、38    7     3  
  25、39    8     2    51、
210    9     1    85.411 
  10     0    21.1第3表より、反
応液の全容積が10ilI2の場合、イソオクタン/P
B=2mQ/8mf2付近の合成率が最も高いことが判
る。また、PB無添加の系では、イソオクタンに飽和し
た水分並びに基質及び酵素中に含まれる水分により、酵
素の活性が発現され、これにより所望の反応が起るもの
と考えられる。
尚この場合、合成率が低いのは、酵素が反応液中で固相
で存在してフロックを形成するため、水−疎水性界面で
作用すると考えられる酵素にとり、充分な接触面積が得
難いことと、原料脂肪酸エステルの加水分解に必要な水
分が伯の実験条件に比して少なく、該分解反応が反応の
律速段階となるためと考えられる。
実験例4 反応容器として、500mf2の坂ロフラスコを用いて
、第5表に示したイソオクタン及びPBを用いて反応さ
せた。反応は、坂ロフラスコを振幅6cn+、振盪数1
20cpmの振盪器(LRlいわしや生物科学社製)に
て撹拌した以外は、実験例3と同条件で行なった。結果
を第4表に示す。
第  4  表 第4表より、この系では、反応液の全容積が増加するに
伴い、合成率は低下する傾向が認められ、また反応液容
積に拘わらず、反応系内のPBの割合が多い程合成率は
高くなることが判る。
実験例5 この例では、反応系を水媒系(有機溶媒を用いることな
くPBのみを用いた系)とし、リパーゼMY1000U
及(F!質とり、てcho とMOとを第5表に示した
量(cho /MO(モル比)−1/2(一定))で用
いて反応を行ない、目的とするコレステロールオレイン
酸エステル(Co)を得た。
結果を第5表に示す。尚、Paを0.5mを用いた系で
は、混合状態の改善のため反応容器内に12mm径のガ
ラスピーズ1個を入れた。また第5表には、コレステロ
ールオレイン酸エステル(Co)標準液を用いて作成し
た面積基準合成率−重量基準合成率換算表から算出され
たCO合成量を併記する。
第  5  表 実験例6 コノ例は、choloom(1,MO230ma、リパ
ーゼMY5001J及び有機溶媒/PB=2m12/8
曖からなる系を用いて、29時間反応させ、有機溶媒の
種類による合成率の変化を調べたものである。有R溶媒
として次のものを用いた結果を第6表に示す。
第  6  表 試験No、  使用有機溶媒の種類 合成率(%)1 
 イソオクタン    99.0 2  シクロヘキサン   9つ、5 3  n−ヘキサデカン  69.5 実験例7 この例では、cho 1 oomg、 MO230mg
リパーゼMY1000U及びイソオクタン/PB=5m
f215鵬〜1−/9戒からなる系を用いて、反応を行
ない、合成率の経時変化を調べた。結果を第7表に示す
第  7  表 第7表より、反応速度の遅いイソオクタン/PBの系で
も反応時間を長くすれば、合成率95%が得られること
が判る。
実施例1 cho 1oomgと、第8表に示す脂肪酸メチルエス
テル及び酵素のそれぞれ所定量を用い、同表に示す時間
、合成反応を行なった。反応系としては、同表にioc
/PBとして示すインオクタン10.05Mリン酸バッ
ファー(1)H7,0)の所定量混合系を用いた。結果
を第8表に併記する。
尚、合成率は次式により算出した。
合成率(%)=(スチロールエステルビーク面積)X1
00/(スチロールエステル ビーク面積+choのピーク面積) 但し第8表における略号は次の通りである。
〈酵  素〉 MY・・・リパーゼMY(8糖産業社製、キャンディダ
 シリントラシア由来) LP・・・リパーゼT−01(東洋醸造社製、りOモバ
クテリウム ビスコサム由来) A ・・・リパーゼ[アマノAJ (天野製薬社製、ア
スペルギルス属由来) 010・・・リパーゼD−10(天野製薬社製、リゾプ
ス デレマー由来) CE−1・・・コレステロールエステラーゼ下−18(
東洋醸造社製) GE−2・・・コレステロールエステラーゼ(キャンデ
イダ・シリントラシア由来、生化学工業社製) 〈原料脂肪酸エステル類〉 B−1・・・メチルプロピオン酸エステル8−2・・・
メチルカプリン酸エステル3−3・・・メチルステアリ
ン酸エステル3−4・・・メチルベヘニン酸エステルB
−5・・・メチルオレイン酸エステルB−6・・・メチ
ルラノリン脂肪酸エステル(古川製油社製) B−7・・・メチルイソステアリン酸エステル(エメリ
ー社製イソステアリン酸より合成) B−8・・・メチルリノール酸エステル3−9・・・メ
チル 12−ヒドロキシステアリン酸エステル B−10・・・ジメチルコハク酸エステル第  8  
表 実施例2 第9表に示すステロール成分(使用!1100mlll
)と共に、MO(対choモル比−1,,2)及びリパ
ーゼMY1000Uを用い、反応系としてイソオクタン
/PB−2mQ/8戒を採用して、第9表に示す時間で
反応を行なった。結果を第9表に併記する。但し、合成
率は次式により算出した。
合成率(%)−(スチロールエステルビーク面積)X1
00/(ステa−ルエステル ビーク面積十ステロールビーク面 積) 第  9  表 試験  ステロール成分   反応時間 合成率No、
              (hr)   (%)1
 コレステロール     24 92.22 β−シ
トステロール   2489.73 スチグマステロー
ル   24 95.44 エルゴステロール    
24 94.05 ジヒ゛ロコレステロール 72 9
3.1実施例3 cho100m!IIと、第10表に示す原料脂肪酸エ
ステル類200 tagとを基質として、リパーゼMY
1000Uを用い、イソオクタン/PB−5mQ/10
鵬の反応系で、700時間反応行なった。実施例1と同
様にして求めた合成率を第10表に示す。
第  10  表 試験No、  原料。肪酸エステル 合成率(%1  
メチルバルミチン酸二 99.2ステル 2  エチルバルミチン酸二 98.3ステル 3  イソブチルパルミチン98.7 ン酸エステル 4  イソブチルパルミチン 97.4酸エステル 5  メチルステアリン酸二 97.6ステル 実施例4 choloom!Jと第11表に示すオリーブ油の所定
量とを基質とし、リパーゼMY500tJを用いて、イ
ソオクタン/PB−2mG/8m12の系で、1.5時
間反応を行なった。オリーブ油はいずれも1.5時間で
完全に分解した。結果を第11表に示す。但し、表中試
験No、1及び2の合成率は前記式(1)で算出し、試
験No、3〜5のそれらは次式で求めた。
合成率(%)=(Goピーク面積)X100/(Coビ
ーク面積+脂肪酸ピーク 面m> 第  11  表 試験No、オリーブ油(mg)  合成率(%)1  
  229     96.6 2    114.5   94.5 3     76.3   96.3 4     57.2   97.1 5     45.8   97.5 実施例5 cho 100mgに代えて、ステアリルアルコール7
0maを用いた他は、実施例4と同様にした。結果を第
12表に示す。但し表中試験N011及び2の合成率は
下式(3)で算出し、試験No、3〜5のそれらは下式
(4)で求めた。
合成率(%)=(合成アルコールエステルのピーク面積
X100)/(合成アルコ ールエステルのピーク面積+原料 アルコールのピーク面積)(3) 合成率(%)=(合成アルコールエステルのピーク面積
X100)/(合成アルコ ールエステルのピーク面積+脂肪 酸のピーク面積)    (4) 第  12  表 試験No、  オリーブ油(ma)  合 率(%)1
    229     99.5 2    114.5   99.3 3     76.3   96.9 4     57.2   99.0 実施例6 第13表に示すアルコール又はステロールと油脂とを基
質とし、リパーゼMY1000Uを用い、同表に示す反
応系(第8表と同様の略号で示す)及び反応時間で反応
を行なった。
結果を第13表に示す。但し、表中試験N001〜4の
合成率は前記式(1)で算出したものであり、試験N0
95〜12のそれらは上記式(3)によるものである。
第  13  表 実施例7 基質としてオレイルアルコール139m(7及びラウリ
ルステアリン酸エステル117mgを、酵素としてリパ
ーゼMY1000Uを各々用い、第14表に示す反応系
及び反応時間で反応を行ない、目的とするオレイルステ
アリン酸エステルを得た。
次式により算出された合成率をM14表に併記する。
合成率(%)=(目的エステルのピーク面積)×100
/(目的エステルのピーク 面積+原料エステルのピーク面積) 第  14  表 試験 有機溶媒   PB  反応時間 合成率No、
    (m12)    (+nQ)    (hr
)   (%)1 イソオクタ  8.0  70 5
9.8ン   (2) 2 イソオクタ  0.5  92 51.9ン   
(10〉 3 アイソパー  8.0  92 76.6E (2
) 4 シクロヘキ  8.0  92 55.iサン(2
) 実施例8 choloom(+、MO153ma、イソオクタン2
鵬、PB8−及びリパーゼMY1000Uからなる反応
液を3時間混合反応させた後、上層よりサンプリングし
、コレステロールオレイン酸エステル(C○)合成率を
測定した。
その後、静置し上層のイソオクタン層を水との界面部分
を残してとり除いた後、更にイソオクタン16−を加え
、混合後、静置して再びイソオクタン層15−を除去し
、界面部分に残っている未反応基質及び反応生成物を洗
浄除去した。上記洗浄操作を合計2回繰返した後、再度
酵素を含む水層にcholoolIltJ、MO153
ma及びイソオクタン1mQを添加して3時間反応させ
た。
上記のように、反応後リパーゼを含む水層及び界面層を
残して、上層の基質及び反応生成物を含むイソオクタン
層を取り、その後、新たに基質及びイソオクタンを加え
るという操作を1合計7回繰返して本発明を実施した。
その結果を第15表に示す。尚、エステル合成率測定後
、新たに基質を交換するまでは反応液は酵素と基質とが
混合接触された状態のままに保持した。
第  15  表 反応反復回数(回〉  合 率(%) 1        91、0 2        91.4 3        90、4 4        91、1 5        92.3 6        90、5 7        89、6 第15表より、上記繰返し反復合成反応によっても、酵
素は何ら活性を失わないことが判る。
実施例9 cholooHJ、α−ヒドロキシバルミチン酸メチル
エステル230ma及びイソオクタン2鵬からなる基質
溶液に、リパーゼMY1000U(33,3mg)を水
8鵬に溶かした酵素水溶液を加え、72時間反応させた
。反応後、反応液をポリプロピレン製練水性多孔質sr
ジュラガード#2400J  (空孔率38%、最大孔
径0.02XO92μm1臨界表面張力35ダイン/ 
am、ポリプラスチック社製)を用いて、乳化した上層
部分を少しづつ濾過した。酵素水溶液は、表面張力が上
記膜の臨界表面張力より大きいため該膜の表面を濡らす
ことができず、膜表面に存在する微細孔を通過できない
が、イソオクタンはこの微細孔を透過した。
透過しなかった酵素水溶液を反応容器に戻し、これに新
たに上記と同一の基質溶液を加えて再び72時間反応さ
せた。
上記第1回目の反応の合成率は72.5%及び第2回目
の反応の合成率は70.4%であった。
上記例は、水−有機溶媒2相系で反応させ、反応液を疎
水性多孔質膜で濾過して選択的に有機溶媒を透過させた
ものであり、少し乳化した反応液からの酵素水溶の分離
は、膜の表面張力による選択的透過性を利用しても実施
できることが判る。
実施例10 内径2 Cl11.長さ2mのガラスカラム(G)、ポ
ンプ(Pi、P2、P3)、分配器(B)、オートサン
プラー(A)、受器(Tl)、混合器(T2)、原料タ
ンク(T3>、反応液タンク(T4)及び反応停止液入
試験管(T5)を備えた第1図に示すフローチャートの
連続反応装置を用いて、そのカラム(G2)部にリパー
ゼMY108U/−のPa水溶液500田を満たし、c
ho/M○/イソオクタン−1200111g/l 8
40111CI/600m12(7)基質溶液を、ポン
プ(Pl)を用いて、8.52mQ/分の速度でカラム
の下部ノズル(N1)より小粒径油滴として酵素水溶液
層(G2)部に導入した。
導入された小粒径油滴は噴出された勢いと浮力とにより
酵素水溶液中を上昇しながら反応してガラスカラムの(
G1)部に反応生成物を含むイソオクタン層として分離
される。このイソオクタン層を、ノズル(N2)よりオ
ーバーフローさせ、受器(T1)に一時的に貯留させ、
その1部をポンプ(P2)により分配器(B)を経て、
0.127mG/分の速度で反応液タンク(T4)へ連
続的に抜き出す。
また受器(T1)よりオーバーフローしたイソオクタン
溶液は、混合タンク(T2)に入れ、そこで原料タンク
(T3)からポンプ(P3)にて0.127mQ/分の
速度で供給された上記と同一組成の新しい基質溶液と混
合させ、この混合された基質溶液は、ポンプ(Pl)よ
り8.52++111/分の速度で再度ノズル(N1)
を通してガラスカラムの02部に供給する。
オートサンプラー(A)は、分配器(B)より3時間毎
に反応液を抜き出し、これを反応停止液(アセトン/エ
タノール−1/1)の入った試験管(T5)にサンプリ
ングする。
この様にして、基質溶液を酵素水溶液中に繰返し循環反
応させ、オートサンプラー(A)により3時間毎にサン
プリングした反応液におけるエステル合成率を測定した
結果を第2図に示す。
第2図は縦軸に合成率(%)を、横軸に反応開始ゼロタ
イムからの反応時間(hr)をとり、合成率を時間に対
してプロットしたものである。
なお、反応開始後48時間前後まではカラム上部(G1
)のイソオクタン層は乳化するが、反応の進行と共に分
離し始め64時間前後で完全に分離する。
第2図より、第1図に示す簡単なスプレー塔でも水−有
機溶媒2相系の反応系を採用すれば、乳化も起らず、酵
素を繰返し使用して連続的に目的エステルを合成でき、
しかも240時間以上も酵素の交換及び補給を行なうこ
となく、80%以上の合成率を維持できることが判る。
実施例11 ポリプロピレン製の疎水性膜([ジュラガード2500
J 、ポリプラスチック社製、厚さ25μm、平均細孔
0.1μm1最大孔径0.04XO94μm1空孔率4
5%、有効面積(これは膜面積より膜の取付のために塞
がれた部分を除いた面積をいう) 10.6012)に
より容器を上下に仕切り、該膜の下側部屋(体積8CI
I13)にリパーゼMY595LJ/−の水溶液8CI
l13を満たし、また該部屋に接続した連通管にも同酵
素水溶液を入れ、その液面を膜面よりも3Qcm高くし
た。
上記容H(7)上側部屋に、cho 100m(1,M
O153mg及びイソオクタン10鵬からなる基質溶液
を入れ容器全体を振幅5cn+、振盪数120cpmの
振盪器にかけ、反応を行なった。
48時間反応後の合成率は87.2%であり、反応系は
乳化せず、基質相への水の侵入も見られなかった。
以上のように多孔質の反・窓膜を介して酵素と基質とを
接触反応させる上記方法によれば、酵素水溶液は表面張
力が大きいため疎水性膜を濡らすことがでず該膜に存在
する微細孔を通過できず、疎水性の基質とは混合されな
いが、疎水性基質は疎水性膜の微細孔を透過して膜の下
側で該疎水性界面に吸着している酵素と接触反応するの
で、反応時間は酵素と基質との接触頻度が大きくなれば
短くなる。従って上記の如き平膜型からクレープ型、ス
パイラル型、チューブラ−型、ホロファイバー型等に代
えれば反応時間はより短縮される。
実施例12 実施例11において用いた「ジュラガード2500Jに
代え、該ジュラガード2500をメタノール及び水中に
浸漬し、微細孔を水で置換処理した親水性膜を用い、該
膜の上下各部屋に同様に各々基質溶液及び酵素水溶液を
入れた。但し連通管の液面は膜面と同じ高さとした。
実施例11と同様の反応を行ない、合成率が90%以上
になった時、基質溶液を更新して同一反応を合計10回
繰返し、各回の合成率及び00合成員を求めた。
結果を第3図に示す。図において横軸は反応時間(hr
)を、縦軸は00合成員(mq)を示す。
第3図より、この例のように親水性の膜を用いると、酵
素水溶液は膜の微細孔を浸透して膜の上側で基質と接触
反応し、約500時間以上、酵素の補給や交換を要する
ことなく、反応を継続でき、500時間後の全00合成
員は1280maであることが判る。
実施例13 実施例11において、膜として第16表に示す5種の膜
を用い、膜下側部屋の体積を80II13として、同条
件下に反応を行なった。その結果を下記第16表に併記
する。
第16表 第16表より、いずれの膜を用いる場合も合成反応は良
好に進行し、しかも反応系の乳化はないことが判る。
実施例14 まず、リパーゼMYを、次の方法で固定化用樹脂と混合
して固定化させた。
光硬化性樹脂ENTP−4000(関西ペイント社製)
lにベンゾイルエチルエーテル10mgを加え、60”
Cにて加熱混合溶解後、室温まで冷却し、これに酵素3
000LI (100111!I+)及びベンゼン:へ
ブタン−1=1混液2鵬を加え、よく練り込んだ後、7
cmx 10cmx0.5mmの大きさでシート状に拡
げ、その上をポリエステルの透明シートでカバーした後
、光照射(東芝ケミカルランプ使用、3分間)して硬化
させた。上記方法でリパーゼMY300を固定化して硬
化後、樹脂を4〜5mn+角の大きさに切り、ベンゼン
:ヘプタン−1=1混液で洗浄後、イソオクタンで洗浄
して固定化酵素剤とした。
上記で得た固定化酵素を内径2 cm、長さ46C[I
+のガラスカラムに約36cmの長さに充填した。基質
溶液としてcho 1000ma、MO1534111
f)及びイソオクタン150mQからなる液を調製し、
該液を上記カラムに6.3m12/分の速度で循環させ
た。coの合成率が80%前後になった時点で、基質溶
液を更新し、反応を繰返した。
各回の合成率より、実験例5(第5表)と同様にして、
CO合成量を算出し、該合成量と反応時間との関係を調
べた。結果を第3図と同様にして第4図に示す。
実施例15 コレステロールエステラーゼT−18(東洋醸造社製)
2000U (19,0ma) を実1例I 4の方法
で固定化して固定化酵素剤を調製した。
この固定化酵素剤にcho 100m(J、M○153
II1g及びインオクタン15nlllを加えて反応さ
せた。休日を除いて1日1回、反応液を濾過して固定化
酵素を回収し、これを用いて第1回目と同じ反応系でそ
の都度基質溶液を更新しながら79日間反応を繰返した
。800回目反応のタイムコースを第17表に示す。
第  17  表 反応時間(hr)     合成率(%)1     
   29、4 3        72、1 5        81.9 18        84.6 23        91.7 実施例16 セライトN0.545(ジョンズ マンビレ セールズ
社(Johns  Manville  5ales 
 Co、)製)40gを電気炉中で500℃で2時間加
熱し活性化した。次に2%アミノプロピルトリエトキシ
シランアセトン溶液中に50℃で20時間浸漬した。浸
漬後、アセトン400m1llで洗浄し濾過してシラン
化セライトを得た。
該シラン化セライト2(lを1%ゲルタールアルデヒド
水溶液に浸漬し、4℃で一夜反応させた後、O,1Mリ
ン酸バッファー(pH7,0)にてよく洗浄、濾過して
アルデヒド化セライトを得た。該アルデヒド化セライト
1gに対してリパーゼMY1500tJ、0.1Mリン
酸バッファー2鵬を加え、4℃で一夜固定化した後、濾
過してグルタルアルデヒド−セライト固定化酵素を得た
一方上記シラン化セライト1gに対してリパーゼMY1
500U、O,1Mリン酸バッファー(p H7,0)
5mQ、カルボジイミド試薬(1−シクロへキシル−3
−(モルホリノエチル)カルボジイミドメト−p−トル
エンスルホン酸)50mgを加え、4℃で一夜反応後、
水洗、濾過してカルボジイミド−セライト固定化酵素を
得た。
また上記において、セライトに代え多孔質ガラス(CP
GOO500,平均細孔半径257.5人、粒子サイズ
120〜200メツシユ、エレクトロヌクレオニクス社
製)を用い、同様にして、グルタルアルデヒド−ガラス
固定化酵素及びカルボジイミド−ガラス固定化酵素を得
た。
上記で調製した各固定化酵素剤にChOloomg、M
O230mc+1イソオクタン2II112及びPB8
mi2を加えて24時間反応させ、反応後、反応液を濾
過し、固定化酵素をケーキとして回収し、濾紙と共に反
応容器に戻し、再度上記反応系で反応を繰返した。この
操作を合計3回行なった。3回目の合成率を下記第18
表に示す。
第  18  表 試験   使用酵素剤   3回目の合成率No、  
              (%)1 グルタルアル
デヒド− セライト固定化酵素剤   78.9 2 カルボジイミド−セラ イト固定化酵素剤     54.6 3 グルタルアルデヒド− ガラス固定化酵素剤    70.6 4 カルボジイミド−ガラ ス固定化酵素剤      65.4 実施例17 水で洗浄濾過した湿った状態のセルロファインGC−7
00−m  (チッソ社製)75gに、1N水酸化ナト
リウム水溶液を21.61112及びエピクロルヒドリ
ン12mQを加え、30℃で4時間緩かに[1して細孔
表面に存在する親水性の水酸基をエポキシ化した。蒸留
水500m12で洗浄したエポキシ化セルロファインを
エチレンジアミン6.7鵬及び1N水酸化ナトリウム水
溶液1.05mQと共に60℃で2.5時間反応させ、
水洗、濾過した。吸引濾過して集めたエチレンジアミン
セルロファイン1gに0.1Mリン酸バッファー(pH
7,0>10+11f2及び25%ゲルタールアルデヒ
ド溶液1m12を加え、室温で一夜振盪した後、リン酸
バッファーで洗浄、濾過してアルデヒド化セルロファイ
ンを得た。
上記で得たアルデヒド化セルロファインとリパーゼMY
1500Uとを、リン酸バッファー中、室温で一夜反応
させ、セロファイン固定化リパーゼ製剤を得た。
上記固定化酵素剤にcho 100mtJ、 MO23
0ma及びイソオクタン2−からなる基質溶液とPB8
m12とを加え、24時間反応させた。反応後、反応液
を濾過して回収した固定化酵素剤に、上記と同一の基質
溶液を加えて、再度反応を行なった。
この操作を3回繰返した結果、3回目の合成率は95.
2%であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施に適したひとつの装置の概略
図、第2図は第1図に示す装置を用いて実施した本発明
方法におけるエステル合成率を示すグラフ、第3図は実
施例12に示す本発明方法の実施によるエステル合成層
の経時変化を示すグラフ及び第4図は実施例13に従う
本発明方法を実施したときのエステル合成率の経時変化
を示すグラフである。 (以 上) 第1図 手  続  補  正  書 (自発)昭和61年6月
2日 昭和61年特許願第7732号 2 発明の名称 脂肪酸エステル類の製造法 吉川製油株式会社 4  代  理  人 大阪市東区平野町2の10 沢の鶴ビル6 補正の対象 明細書中「発明の詳細な説明」の項 補  正  の  内  容 1 明ma第7頁第8〜9行に「トリグリセライドを段
階的に」とあるを「グリセライドを」と訂正する。 2 明細書9頁第15行に「起源微生物」とあるを[起
源としては、畦乳動物の各種組織、例えば膵臓、肝臓、
脳、副腎、率丸、卵巣等の他、微生物」と訂正する。 3 明IO書第12頁第17行に「でもよい。」とある
を[でもよいが、炭素数14〜32の分校脂肪族プライ
マリ−もしくはセカンダリー−アルコールであるのが好
ましい。Jと訂正する。 4 明細書第20頁最下行に「その中でも特に」とある
を「その内炭素数が14迄のもの、特に」と訂正する。 5 明細書第21頁第9行に[ワックスJとあるを「天
然又は合成ワックス」と訂正する。 6 明細書第21頁第15行に「オレンジラフイ−」と
あるを「オレンジラフイー油」と訂正する。 7 明細書第23頁第3〜7行に「含水有機溶媒系とは
・・・及び」とあるを次の通り訂正する。 [含水有機溶媒系とは、少なくとも一方の基質を溶解す
ることのできる含水有機溶媒を用いた系で、その構成は
両基質、水又はこれと親水性物質とで活性化されている
酵素及び」 8 明細書第23頁第13行に「等により」とあるを「
、選択的濾過等により」と訂正する。 9 明細書第26頁第17行に「等を」とあるを[等や
両基質と酵素との接触性を高めるための、酵素阻害のな
い界面活性剤、例えば「ツイーン80」 (花王アトラ
ス社製)、「トリトン×100J  (ロームアンドハ
ース社製)等を」と訂正する。 10 明111四第27頁第14行に「活性発現」とあ
るを「合成活性発現」と訂正する。 11 明m1ll書第28頁第2行に「水により」とあ
るを[水(有機溶媒に飽和させた水分)により]と訂正
する。 12 明細書第43頁第8行に「室温」とあるを[4℃
Jと訂正する。 13 明細書第44頁第3行に「60℃」とあるを「5
0℃」と訂正する。 14 明細書第44頁第5行に「30分間」とあるを「
60分間」と訂正する。 15 明細書第68頁第12行に「由来)」とあるを[
由来、301J/ma)Jと訂正する。 16 明細書第68頁第14行に「由来)」とあるを[
由来、280U/mg)Jと訂正する。 17 明細書第68頁第14行に「由来)」とあるを[
由来、4U/mσ)」と訂正する。 18 明細書第68頁第18行に「由来)」とあるを[
由来、10U/l11(+)Jと訂正する。 19 明細書第69頁第2行に「社製)」とあるを「社
製、105 U/ma) Jと訂正する。 20 明細書第69頁第4行に「由来、」とあるを「由
来、20U/l1l(J、」と訂正する。 21 明細書第90頁第9行にrMY30gを」とある
をrMY3gを」と訂正する。 22 明細書第96頁第10行に「であった。」とある
を次の通り訂正する。 「であった。 実施例18 choloomQと第19表に示す油脂の所定量とを基
質とし、リパーゼMYI 0OOUを用い、同表に示す
イソオクタン/Pa混合系で所定時間反応を行なった。 結果を同表に示す。 第  19  表 試験  油   脂  ioc/PB   時  間 
 合成率No、     (mg)    (m12/
m12)    (hr)    (%)1  ヒマシ
油   2/8  96  61.42  ヒマシ油 
 10/ 15  96  73.63  硬化ヒマシ
 2/8  45  62.3油(235) 4  硬化ヒマシ 10/15  45  59.6油
(235) 実施例19 第20表に示す酵素、アルコール成分及び脂肪酸エステ
ル類の所定量を用い、イソオクタン/PB=3mQ/8
鵬の系で所定時間反応を行なった。結果を反応時間と共
に第20表に併記する。 第20表における略号は、前記したものであるか又は次
のものを示す。 〈酵  素〉 E−a・・・コレステロールエステラーゼ(シュードモ
ナス属由来、1oOU/l11g、フナコシ薬品社製) E−b・・・リパーゼ(リゾプス デレマー由来、60
0U/III(J、生化学工業社製)E−C・・・リパ
ーゼOF(キャンディダ シリントラシア由来、360
U/mg1名糖産業社製) 〈アルコール成分〉 A−1・・・コレステロール A−2・・・イソコレステロール A−3・・・イソトリデシルアルコール(クラレ社製) A−4・・・エヌジエコール20OA (新日本理化社
製) A−5・・・ラノリンアルコールHH(古川製油社製) A−6・・・ファインオキソコール1800(口座化学
社製) 〈脂肪酸エステル類〉 B−11・・・トリオレイン(東京化成工業社製)B−
12・・・トリステアリン(東京化成工業社製)B−1
3・・・トリラウリン(東京化成工業社製)B−14・
・・トリブチリン(東京化成工業社製)B−15・・・
大豆油 B−16・・・牛脂 B−17・・・綿実油 B−18・・・オリーブ油 第21表 」 (以 上)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)リパーゼ及びコレステロールエステラーゼから選
    択される酵素類又は固定化された上記酵素類を用いて、
    ステロール類及び/又は炭素数12〜32の脂肪族アル
    コール類と脂肪酸エステル類とを接触反応させて上記脂
    肪酸のスチロールエステル類又は脂肪族アルコールエス
    テル類を製造する方法であつて、上記反応を水媒系及び
    /又は含水有機溶媒系で行ない且つ酵素類又は固定化酵
    素類を単一回又は複数回繰返し利用することを特徴とす
    る脂肪酸エステル類の製造方法。
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