JPS63240790A - 高分子量リパ−ゼによる対称型トリグリセリドの製造法 - Google Patents

高分子量リパ−ゼによる対称型トリグリセリドの製造法

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JPS63240790A
JPS63240790A JP62045302A JP4530287A JPS63240790A JP S63240790 A JPS63240790 A JP S63240790A JP 62045302 A JP62045302 A JP 62045302A JP 4530287 A JP4530287 A JP 4530287A JP S63240790 A JPS63240790 A JP S63240790A
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国生 純孝
Norio Shimizu
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Akio Oshima
大島 章夫
Shinjiro Iwasaki
岩崎 慎二郎
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、対称型トリグリセリド(ここで対称型トリグ
リセリドとは、5−U−3型グリセリドとU−3−U型
グリセリド(S:飽和脂肪酸、U:不飽和脂肪酸)の如
くトリグリセリドの2位置の脂肪酸に対して1位置と3
位置の脂肪酸が共に飽和脂肪酸か不飽和脂肪酸のいずれ
かにおいて2位置の脂肪酸と必らず対称をなす脂肪酸を
結合するトリグリセリドを意味する。但し、1位置と3
位置の脂肪酸の長さは必らずしも同一である必要はない
。以下、この様なトリグリセリドを総称して対称型トリ
グリセリドと言う〕の製造法に関する。
更に詳しくは、本発明は油脂と脂肪酸又はそのエステル
とから、1,3−位置特異性のある高分子ta生物リパ
ーゼを用いてカカオ脂を代表とする高付加価値の対称型
トリグリセリドを高い一エステル交換率で容易にかつ安
価に製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
油脂のエステル交換反応は主に油脂の改質目的において
有効な手段である。従来、化学的エステル交換反応は、
金属ナトリウム、ナトリウムメチラート等の無機触媒を
用いて高温下に行なわれており、マーガリン、ショート
ニング等の加工油脂製造に応用されている。しかし化学
的エステル交換反応はランダムな反応のために脂肪酸の
結合位置選択性が低く、特に厳密な結合位置の選択を必
要とする対称型トリグリセリドの製造には適さない。
このため、対称型トリグリセリドの代表的油脂であるカ
カオ脂様ハードバターは、現在天然脂に依存しており、
主に熱帯地域において自生する木の実より採取されるシ
ャ脂、サル脂などに含まれる対称型トリグリセリドを結
晶法や溶剤法により分別して製造している。しかしこの
ような限られた天然依存型の稀少油脂の生産は気候や異
変によって左右されやすく、今後の需要の拡大もあって
将来の枯渇が心配されている。
そこで安価にかつ豊富にある油脂よりリパーゼの作用に
よって稀少油脂を製造しようとする研究がなされている
。特に、リパーゼの中でもグリセリドの1位と3位に特
異的に作用するリパーゼ(以下、このような性質をもつ
リパーゼを133−位置特異性のあるリパーゼと言う)
を用いることによって化学的エステル交換反応では作り
にくい対称型トリグリセリドを選択的に作り出すことが
期待できるため、この方面の研究が多くなされている。
そして対称型トリグリセリドの製造を目的とするエステ
ル交換反応に関する従来公知の文献としては、例えば特
開昭52−104506号公報、特開昭55−7179
7号公報、特開昭58−116689号公報、特開昭6
0−34189号公報、特開昭60−203196号公
報などが見られる。
これ等の文献には、n−ヘキサン、石油エーテル等の非
極性溶媒中においてリゾープス属、アスペルギルス属、
ムコール属、ジオトリカム属などの生産する1、3−位
置特異性のある低分子量の酸性リパーゼを用い、反応系
の水の存在量を一定範囲内に限定することなどを特徴と
する方法が開示されている。
さらに、糖、界面活性剤、キトサン及びその誘導体、高
吸水性樹脂などを反応系に添加した場合の効果について
開示したものも見られる(特開昭58−116688号
公報、特開昭58−116689号公報、特開昭58−
187195号公報)。
なお、従来提案の方法では、用いられるリパーゼは反応
溶媒中に分散させ活性を発現させるため、いったん水や
緩衝液に溶解するか、又はセライトのような含水担体に
吸着固定化し、近傍に水を存在させることによって活性
を発現させるなどの方法で行なわれている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
対称型トリグリセリドを目的とするエステル交換反応に
おいては、少なくとも2位置の脂肪酸のエステル結合を
加水分解することなく、原料油脂グリセリドから1.2
−ジグリセリドや2−モノグリセリドまでの部分的加水
分解反応と2−モノグリセリドや1.2−ジグリセリド
から目的とする対称型トリグリセリドへの再合成と言っ
た一定の指向性をもたせた一連の選択的、可逆的反応が
バランスよく行なわれることが問題解決にとって必要で
ある。
一定の水量における加水分解と合成の反応平衡はリパー
ゼの起源や反応条件によって異なっておリ、必らずしも
一定ではない、したがって単に1,3−位置特異性のあ
るリパーゼを用い、制限された水の存在量においてエス
テル交換反応を行なう方法に不運性を持たせようとする
ことは、あまり意味をもたないし、何等問題解決の決め
手にはならない。むしろ、対称型トリグリセリドを収率
よく製造するためには、いかに少ない水の存在下に迅速
なエステル交換反応を効果的に行なうことができるかが
問題解決にとって重要である。そして効果的なエステル
交換反応を行なう上でリパーゼに求められる重要な要件
は、微量含水有機溶媒溶液中でのエステル交換反応を可
能とする強い活性発現と活性の長期保持である。
したがって、対称型トリグリセリドの収率のよい製造に
対しては、微量含水有機溶媒中での反応であっても活性
を強く発現し、酵素活性を長期維持し、かつ繰返し使用
にも耐えられるリパーゼが合目的リパーゼということに
なるが、この点で従来法で用いられているリパーゼには
問題があった。
かくして、上記のような合目的なリパーゼを用いた対称
型トリグリセリドの製造方法が望まれていたのであり、
この問題を解決したのが本発明である。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、上記した事情に鑑み、水に溶解するか又
はセライト等の含水担体に吸着固定しないかぎり有機溶
媒中においてはほとんど活性を発現しないか又は急速に
失活してしまう従来公知方法で用いられるリゾープス・
デレマーのリパーゼの如き低分子量酸性リパーゼを用い
るかぎり効率的なエステル交換反応、更には酵素活性の
長期的維持は望めないとの判断に立ち、多数の水分子を
分子内に保有すると推定される高分子酵素蛋白に着目し
、有機溶媒中においてもその水分子を強固に保持して失
うことのない高分子量微生物菌体外リパーゼを用いたエ
ステル交換反応について鋭意研究した。
その結果、アルカリゲネス属、アクロモバクタ−属、シ
ュードモナス属等の高分子量リパーゼを含む高分子量微
生物リパーゼ粉末を微量含水有機溶媒の存在下に徐々に
脱水しつつ作用させると、広範な油脂原料グリセリドと
脂肪酸との間ですばやくエステル交換が起り、高い収率
で対称型トリグリセリドに変換するという驚くべき現象
のあることを見出した。本発明はこの発見に基づいて完
成されたものである。
即ち、本発明は、2位置の脂肪酸が不飽和又は飽和のい
ずれか1つである原料油脂グリセリドと、該グリセリド
の2位置の脂肪酸とは不飽和又は飽和において対称をな
すC4〜C22の飽和もしくは不飽和の脂肪酸(但し、
この脂肪酸は炭素数c1〜C2゜のアルカノールの脂肪
酸エステルであってもよい)とを、有機溶媒(但し、1
価以上の第1級及び第2級アルコール溶媒を除く)の存
在下に、1.3−位置特異性のある高分子量微生物リパ
ーゼを作用させることにより、エステル交換反応させて
対称型トリグリセリドを得ることを特徴とする対称型ト
リグリセリドの製造法であり、その目的とするところは
、従来提案の酵素法とは異なり、微量含水有機溶媒中に
おいて強いエステル合成能と長期有機溶媒耐性を持つ高
分子量微生物リパーゼを直接反応系に加えることによっ
て原料油脂グリセリドから高収率で対称型トリグリセリ
ドを得ると共に、酵素の再利用を大幅に伸ばすことがで
きることによって安価にして高品位の対称型トリグリセ
リドを得る方法を提供するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明でエステル交換反応に用いる原料油脂グリセリド
としては、植物性、動物性の油脂もしくは加工油脂、あ
るいはこれらの分別油、又は混合油があげられる。その
具体例として、例えば大豆油、綿実油、ナタネ油、オリ
ーブ油、コーン油、ヤシ油、サフラワー油、椿油、山茶
花油、パーム軟部油、パーム油、サル脂、イリッペ脂、
コクム脂、シア脂、マウア脂、フルワラ脂、ポルネオタ
ロー、牛脂、ラード、乳脂、魚油、更にジラウリン、シ
バルミチン、ジオレイン、ジステアリン、トリラウリン
、トリパルミチン、トリオレイン、トリステアリン、又
はこれ等の硬化油脂などを挙げることができるが、2位
置の脂肪酸が飽和酸もしくは不飽和酸のいずれかである
グリセリドをより多く含む油脂はど本発明の目的にとっ
て好ましい。
又、本発明でエステル交換反応に用いる脂肪酸は、上記
グリセリドの2位置の脂肪酸と不飽和又は飽和において
対称をなすC4〜CZZの飽和もしくは不飽和の脂肪酸
く但し、この脂肪酸は炭素数01〜C20のアルカノー
ルの脂肪酸エステルであってもよい)である。この様な
脂肪酸の具体例としては、例えば酪酸、カプロン酸、カ
プリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、
ワシルイン酸、エイコサペンクエン酸などが挙げられる
。又、これ等脂肪酸のアルカノールエステルを形成する
アルカノールの具体例としては、例えばメタノール、エ
タノール、ニープロパツール、1−ブタノール、イソプ
ロパツール、1−ヘキサノール、■−オクタツール、1
−ノナノール、1−デカノール、l−ウンデカノール、
■−ドデカノール、1−テトラデカノール、1−ヘキサ
デカノール、オレイルアルコール、ドコサノールなどが
挙げられる。
上記の如き原料油脂グリセリドと脂肪酸及びそのエステ
ルが例示できるが、本発明においては、その組合せは自
由であり、選択にも制限はない。
つぎに本発明で使用する高分子′ffi微生物リパーゼ
としては、1.3−位置特異性のある高分子量微生物リ
パーゼであれば任意のものを使用することが出来るが、
その様なリパーゼの具体例としては、例えばアルカリゲ
ネス(A lca 1 igenes)属に属する名糖
PL−266号(Alcaligenes sp、 P
 L −266) (m工研菌寄第3187号)の生産
するリパーゼ(特公昭58−36953号公報)(以下
、リパーゼPL−266という)、同じくアルカリゲネ
ス属に属する多糖P L −6’79号(八Icali
genes sp、 P L −679) (微工研菌
寄第3783号)の生産するリパーゼ(特公昭60−1
5312号公報)(以下、リパーゼPL−679という
)、更にアクロモバクタ−(Achromobacte
r)属に属する多糖AL−865号(Achromob
acter sp、 A L −865) (微工研菌
寄第1213号)の生産するリパーゼ(特公昭49−3
2080号公領)(以下、リパーゼALという)、更に
シュードモナス(Pseudomonas)属に属する
シュードモナス・ニトロレデューセンス・バラエティ・
サーモトレランス(Pseudomonas n1tr
oreducens var、ther−motole
rans) (微工研菌寄第1338号)の生産するリ
パーゼ(特公昭56−28516号公報)(以下、リパ
ーゼいpsという)などが、特に溶剤耐性、位置選択性
、エステル合成能にすぐれた有効なリパーゼの具体例と
して挙げることができる。なお、これらリパーゼは菌体
外リパーゼである。
第1表は、従来の公知方法において例示されたリパーゼ
と、本発明において用いる高分子量微生物リパーゼの具
体例について、その分子量及び至適pHを比較したもの
である。
(本頁以下余白) 第1表に示すリパーゼPL−266、リパーゼPL=6
79、リパーゼAL、リパーゼpsは、いずれも分子量
が10万以上の高分子量アルカリ性リパーゼである。こ
のような高分子量リパーゼは多くのサブユニットによっ
て活性基が保護されるだけでなく、その分子内に多くの
分子内水を保有していると考えられる。このような性質
が低分量、酸性リパーゼにはない微量含水有機溶媒中で
の特に貰い安定性や強いエステル合成能に何等かの関連
を有しているものと推定される。
この点に関し実験例を示して説明する。
実験例 1 リパーゼの分子内保有水保持能の比較 各リパーゼ含有培養濾液11に99.5%アセトン(−
20°C)4.06を添加、攪拌後、遠心分離して沈澱
を回収した。次にこれを新しい冷アセトン30〇−にて
3回脱水洗浄後、回転式真空乾燥機にて30°C1約1
0時間乾燥したアセトン粉末の105℃、4時間での乾
燥減量はRh1zopus delemar (A T
 CC34612)のリパーゼの場合に10.5%、A
 Ica l i genessp、 P L−679
のリパーゼ(リパーゼp t、−679)の場合に26
.0%であった。
このアセトン粉末に60℃、4時間真空下に乾燥を続け
た後の105℃、4時間での乾燥減量はRh1zo−p
us delemar(A T CC34612)のリ
パーゼでは5.0%、Alca目genes sp、 
P L−679のリパーゼ(リパーゼP L−679)
では16.0%であった。
又、このアセトン粉末を更に高温の80℃で1時間乾燥
し続けた後の105℃、4時間における乾燥減量はRh
1zopus delemar (A T CC346
12)のリパーゼでは約2.3%、Alcaligen
es sp、  P L−679のリパーゼ(リパーゼ
P L−679)では15.0%であった。
実験例 2 溶媒中での安定性 リパーゼPL−679(多糖産業)、リパーゼPL−2
66(多糖産業)、リパーゼAL  (多糖産業)、リ
パーゼPS(サッポロビール株式会社)、タリパーゼ(
Rhizopus delemarのリパーゼ)(田辺
製薬)、リパーゼM A P −20(Mucor j
avanicusのリパーゼ)(天野製薬)、リパーゼ
AP(八spergillus nigerのリパーゼ
)(天野製薬)の粉末25■ずつを各7d栓付遠沈管に
取り、これに各種溶媒、即ちn−ヘキサン、石油エーテ
ル、アセトン、t−ブタノール、水を各2Tnl加え、
充分攪拌し、37℃で24時間振盪し、残存活性をリパ
ーゼ力価測定法で測定した。リパーゼの測定は、リパー
ゼPL−679とPL=266については国生等の方法
〔八gric、Bio1.chem。
並(5)、  第1159頁、 19B2) 、リパー
ゼALについては国生等の方法[油化学部(2)、第9
8頁、 1974]、リパーゼPSについては渡辺等の
方法(Agric。
Biol、Chem、41.1353(1977)) 
、その他のリパーゼについては幅木等の方法(J、Ge
n、Appl、Microbiol。
主、 353(1963) )で行った。 −その結果
を第2表に示す。
(本頁以下余白) 実験例 3 ml含水溶媒中でのリパーゼのエステル合成能リパーゼ
P L−679(名糖産業、比活性8.7万μ/g)、
リパーゼPL−266(名糖産業、比活性1.1万μ/
g)、リパーゼAL (名糖産業、比活性1.5万μ/
g)、リパーゼPS(サソボロビール株式会社、比活性
1.6万μ/g)、タリパーゼ(田辺製薬。
比活性1.0万μ/g)、リパーゼAP(天野製薬。
比活性3,7万μ/g)のリパーゼ粉末各100■を、
各種溶媒5dの存在下に、グリセリン0.163gとオ
レイン酸0.5gに加え、脱水剤としてモレキュラーシ
ーブス3A(和光純薬US販売) 0.5gを加えて脱
水しつつ37℃で48時間振盪して反応させた。
添加した脂肪酸のうち、エステル合成に消費された量を
、アルカリ溶液で滴定することにより求め、反応前の脂
肪酸に対する脂肪酸の減少率の百分率をもってエステル
合成率を測定した。又、反応液中含水率はカールフィシ
ャ−(電量滴定法)による水分測定装置(三菱化成工業
社製CA−05)を用いて調べた。その結果を第3表に
示す。
第2表及び第3表から、高分子量アルカリ性リパーゼは
明らかに低分子量酸性リパーゼよりも溶媒耐性及びエス
テル合成能において優れていることがわかる。
従って本発明において例示した以外の高分子量微生物リ
パーゼであっても、有機溶媒中で安定的に活性を維持し
、且つ強いエステル合成能を示す分子量が10万以上の
高分子l!生物リパーゼであるかぎり、いかなる高分子
量微生物リパーゼでも使用でき、その起源や種類に制限
はない。
又、本発明において、エステル交換反応に用いる高分子
量微生物リパーゼは、精製品でも粗製品でもよく、その
使用形態としては、酵素粉末単独でも、適当な結着剤に
より整形した顆粒状酵素でもよい。
又、必要かあ、れば酵素以外の適当な減刑等を希釈剤と
して加えて固めてもよく、更に又、各種担体に酵素を固
定化することによって反応の効率化や、酵素の利用性が
より高まるのであれば、担持固定化して使用することも
できる。この様な固定化担体として、例えばポリプロピ
レン膜、DEAE −Toyo pearl、 CM−
セルロース、DEAE−セルロース、アンバーライトI
RA68、IRA938、IRA93、IRA94等の
イオン交換樹脂や吸着樹脂のごとき各種重合体、ベント
ナイト等を用いることが出来、これらに担持固定化した
後、これを乾燥して利用することが出来る。そしてこれ
らの乾燥としては、凍結乾燥、アセトン等の乾燥溶媒に
よる浸漬、洗浄等の方法によって行うことが出来る。
本発明で用いる有機溶媒(但し、1価以上の第1級及び
第2級アルコール溶媒を除く)としては、反応温度にお
いて液状をなし、1.3−位置特異性のある高分子量微
生物リパーゼの活性を安定的に維持し、エステル交換反
応によって収率よく対称型トリグリセリドを生成しうる
かぎり、なんでもよいが、上記条件を満足する限りにお
いて用いる基質をよく溶解し、更に溶媒中より水を除き
易い溶媒が望ましい。
本発明で用いる有機溶媒の例としては、例えばn−へブ
タン、n−ペンタン、n−ヘキサン、石油エーテル、イ
ソオクタンなどの如き脂肪族炭化水素類;シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、シクロブタンなどのごとき脂環式
炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどのごと
き芳香族炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケト
ンなどのごときケトン類;アセトニトリル、2−ニトロ
プロパン、ピリジン、キノリン、ジメチルホルムアミド
などのごとき含窒素溶媒類;ジメチルエーテル、ジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサンなど
のごときエーテル類;四塩化炭素、クロロホルム、塩化
メチレンなどのごときハロゲン化炭化水素類;ジメチル
スルホキシドのごときスルホキシド溶媒類;3級ブチル
アルコール、第3級アミルアルコール、ジアセトンアル
コール、3−メチル−3−ペンタノール、3−エチル−
3−ペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノールのご
とき第3級アルコール類などを例示することができる。
これ等の中でも特に好ましいのは、脂肪族炭化水素類、
脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ハ
ロゲン化炭化水素類、第3級アルコール類であり、反応
を行う上で極めて有効な反応溶媒となる。又、反応溶媒
は単独でも使用出来るが、2種以上の溶媒を自由に混ぜ
合せて使用することも出来る。
原料油脂グリセリドと脂肪酸又はそのエステル類とを、
有機溶媒の存在下で、高分子量微生物リパーゼを接触せ
しめ、エステル交換反応を生起させうるための態様は適
宜に選択できる。即ち、回分式、連続式のいずれの反応
態様においても、粉末状、顆粒状又は必要に応じて固定
化したリパーゼを反応容器に直接又は通液性の袋等に詰
めて添加し、又は反応塔に充填し、反応液を攪拌、循環
、通過などの方法によって酵素と接触せしめることによ
って行うことができる。
又、本発明において、原料油脂グリセリドと脂肪酸又は
そのエステル類との混合モル比や、リパーゼの使用量、
有機溶媒の使用量、含水量、反応温度、反応時間などは
適宜に選択でき、最もよく反応を促進し、高いエステル
交換収率が得られ、かつ反応操作のしやすい条件を採用
すればよい。
原料油脂グリセリド1モルに対する脂肪酸又はそのエス
テルの添加モル比としては、0.1〜100モル、好ま
しくは1〜10モル、最も好ましくは1〜5モルの反応
比を例示することができる。
又、必要に応じて脂肪酸やそのエステル類は数種類混合
して反応してもさしつかえない。
つぎに高分子1m生物リパーゼの使用量についても特に
制限はないが、原料油脂グリセリド1g当り 100〜
100000単位、好ましくは1000〜10000単
位の使用量を例示することができ、反応条件や用いるリ
パーゼの種類や形態、更には溶媒の種類によっても左右
されることを考慮して使用量を決めればよい。
担体に酵素を固定化して使用する場合には、その比活性
は高いものほど好ましく、担体1g当り1000〜30
0000単位程度の高分子量微生物リパーゼを担持した
乾燥リパーゼ担体が好ましい。
又、有機溶媒の使用量は、用いる溶媒と基質の種類及び
濃度によっても異なるが、要は基質溶解した有機溶媒が
自由に反応容器内を移動し酵素と充分接触し、反応が促
進される程度に有機溶媒を添加するのが望ましく、特に
制限はないが、例えば反応系全体の10〜90%(W/
W) 、好ましくは20〜80 (W/W)程度加えて
反応させればよい。
次に反応系の含有率であるが、本発明で言う含水率とは
、高分子ff16’&生物リパーゼを用い有機溶媒の存
在下に安定的に適度な加水分解能と強いエステル合成能
を発揮、維持するに必要な反応溶液中の水量を意味する
そして反応溶液中の含水量としては、水とは自由に混り
合わないn−ヘキサン、イソオクタンの如き非極性溶媒
においては、酵素反応を開始し又は促進するに際して、
0.02%以上2.0%以下の含水率が好ましく、特に
好ましくは0.02%以上1.0%以下の含水量で反応
を行うことが望ましい。又、L−ブタノール、アセトン
の如き水と自由に混る極性溶媒においては、酵素反応を
開始し又は促進するに際して、0.02%以上4.0%
以下、好ましくは0.02%以上2.0%以下、特に好
ましくは0.02%以上1.0%以下の含水率で反応を
行うことが望ましい。
本発明では、反応開始後より徐々に脱水しながら反応を
進めるが、上記した如き含水量における高分子ff16
Th生物リパーゼの作用はその反応初期においても加水
分解のみが一方的に起ることはなく、同時平衡に合成反
応も起っている。この点に関し、反応系の含水率(%)
に対するエステル合成率を調べた実験例を示して説明す
る。
実験例 4 オレイン15g(17,7ミリモル)、グリセリン1.
63 g (17,7ミリモル)、第3級ブチルアルコ
ール50mf、リパーゼPL−679粉末1g、モレキ
ュラシーブス3A(和光純薬■版売の脱水剤)5gを5
00 m!容三角フラスコに取り、水を0〜20%(反
応系全体に対する%)になるように加え、40℃で48
時間振盪して反応させ、反応系に添加した脂肪酸のうち
エステル合成に消費された量を、アルカリ溶液で滴定す
ることにより求め、反応前の脂肪酸量に対する脂肪酸の
減少率の百分率をもってエステル合成率を測定した。ま
た、反応後、反応液0.5gをとり、カールフィッシャ
ー試薬による水分測定装置(三菱化成工業社製)を用い
て反応液の含水量を調べた。その結果を第4表に示す。
第4表 含水率とエステル合成率 実験例4に示す如く、本発明で用いられる高分子量微生
物リパーゼの合成作用は、0.02%微■含水率から2
0%の高含水率にかけて連続して起っており、成る含水
率のところから合成反応が停止し分解反応のみが行なわ
れるものでないことを示している。しかし、反応系の含
水率を下げることはリパーゼの合成能をより助長する上
からは有効であり、本発明においても加水分解反応と合
成反応とをバランスさせつつ徐々に含水率を下げ分解よ
りも合成を強める方向へと移動することによって効率的
なエステル交換反応を行うことができる。
かくして本発明においては、反応のバランスの目安とし
て反応によって蓄積される1、2−ジグリセリドの量が
最大でも全グリセリド中の15%以下、好ましくは9〜
10%以下にとどめるように反応溶媒含水率を徐々に低
下させ、加水分解反応を弱め、合成反応を強めることに
よって1.2−ジグリセリドの量を過剰にならないよう
に調整して行うことができる。
そして脱水する最終含水率としては、0.02%以下、
好ましくは0.01%以下、更に好ましくは0.005
%以下にまで脱水することが収率の向上や再分解の防止
の上から望ましい。
反応系の含水率を低下させる手段としては、例えば反応
系内に乾燥した不活性ガスを通気し、排気と共に反応系
内水分を同伴除去することができる。この様な不活性ガ
スとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスな
どが望ましく、排気ガス中に同伴する溶媒は冷却、凝縮
によって回収し再利用することができる。
上記不活性ガスの通気によって充分に除去できない場合
は、ゼオライト(モレキュラーシーブス)、シリカゲル
、焼せつこう、芒硝などの脱水剤を用いて行うこともで
きる。又、必要に応じて脱水剤と不活ガスとを同時に併
用することもできる。
本発明におけるエステル交換反応は室温程度でも進行す
るので、特に加熱の必要はないが、一般的には用いる有
機溶媒の沸点や酵素の作用温度を考慮し、適当な温度を
選んで行うことが望ましい。
その様な温度範囲としては、10〜80℃のごとき温度
を例示することができるが、通常は20〜60℃、特に
好ましくは20〜50℃の範囲で反応を行うことができ
る。あまり高い反応温度は、部分加水分解によって生成
される1、2−ジグリセリドや2−モノグリセリドの2
位置の脂肪酸の転移を誘発するので必要以上に高い反応
温度はむしろ好ましくない。
つぎに本発明における反応時間としては、数時間から数
日の間で適宜選択することができるが、例えば6時間〜
4日、好ましくは6時間〜24時間のごとき反応時間を
例示することができる。
本発明で用いられる高分子量微生物リパーゼは微量含水
有機溶媒中において酵素粉末そのものにおいても極めて
高い安定性とエステル交換能を示すだけでなく、前記し
た如き担体に固定化した乾燥リパーゼにおいても長期間
安定してエステル交換反応を行うことができる。したが
って、一旦反応塔に充填した酵素はそのまま連続して長
期間反応をm続できる他、回分式においても遠心分離や
濾過などの方法によって反応液を分離し、再度繰返し利
用することができる。
本発明では、5−U−3型グリセリドとU−3−U型グ
リセリド(S:飽和脂肪酸、U:不飽和脂肪酸)の両対
称型油脂が得られ、これらの油脂は食品、化粧品、医薬
品などの分野における用途が考えられる。
〔発明の効果〕
本発明の効果は、乾燥状態の1.3=位置特異性のある
高分子量微生物リパーゼを直接上記した原料油脂グリセ
リドと脂肪酸とを含有するmff1含水有機溶媒溶液に
作用させることによって強いエステル交換能を発揮し、
迅速に高収率で対称型トリグリセリドが得られることに
あり、従来提案の酵素法の如(水に溶解したり、含水セ
ライトに吸着して作用させることを必要としない。又、
本発明で用いられる高分子量微生物リパーゼは各種の微
量含水有機溶媒中において従来提案の低分子量・リパー
ゼでは得られない強い耐性と強いエステル合成能を維持
しつづけることができるため、繰返し長期間使用するこ
とができる。更に又、本発明で用いる高分子量微生物リ
パーゼは極めて僅かの反応水によってもエステル交換反
応を生起する優れた性質を存するために、従来法に比べ
て脱水量もごく僅かですますことができ、脱水操作が容
易であると言った特徴を有する。
かくして、本発明では、簡単な反応条件によって安価な
油脂より付加価値の高い各種対称型交換油脂を容易にか
つ経済的に製造することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれにより制
限されるものではない。
実施例 1 パーム軟部油6.55 g (7,5ミリモル)、ステ
アリン酸7.8 g (27,4ミリモル)、n−ヘキ
サン20g1リパーゼPL−679粉末0.2g、蒸留
水0.2gを100d容密閉容器に取り、37℃で3時
間攪拌反応した後、モレキュラーシーブス3A(和光純
薬■版売の脱水剤)4gを加え、最終的に水分が50p
pm以下になるように徐々に脱水しつつさらに21時間
反応を行った。
反応終了後、10000 gで10分間遠心分離し、上
滑を得た。さらに不溶物(リパーゼPL−679粉末、
モレキュラーシーブス3A)に加温したn−ヘキサン5
00 rnlを加え、不溶物を洗った後、遠心分離して
上清を得た。これらの上清を合わせ、エバポレーターに
て濃縮し、溶媒を除去して油分全体を回収した。
回収した油分の成分組成比はイアトロスキャン(ヤトロ
ン社製イアトロスキャンTHIO)を用いて求めた。即
ち、クロマロッド5II(ヤトロン社製シリカゲルロン
ド)に上記油分の1%クロロホ)Ltム溶液1μlをス
ポットし、ベンゼン−クロロホルム−酢酸(50: 2
0 : 0.5 V/V)を展開溶媒として約10cm
展開し、イアトロスキャンにかけ、ピーク面積比から成
分の重量比を求めた。上記の油分の成分組成比はトリグ
リセリド53.3%、1.2−ジグリセリド0.3%、
1.3−ジグリセリド1.8%、モノグリセリド0.1
%、脂肪酸44.5%であった。
また、上記油分中のトリグリセリドの脂肪酸分折はガス
クロマトグラフィーを用いて求めた。即ち、上記油分の
2%クロロホルム溶液200μlをシリカゲル薄層(メ
ルク社製シリカゲルTLCプレート!1h13894 
11曹、20X20cm)にライン状にスポットし、石
油エーテル−エーテル−酢fi(70:30 : 0.
5 V/V)を展開溶媒として展開した。展開後、UV
ライト(254nm)でモニターしながら、トリグリセ
リド部分をTLCプレート上からかき取った。
得られたトリグリセリドの脂肪酸組成は、基準油脂分析
法(日本油脂化学協会編)の2.4.20. 2−77
脂肪酸メチルエステルの調製方法(三フフ化ホウ素−メ
タノール法)、2.4.21−71脂肪酸組成(ガスク
ロマトグラフ法)に準拠して求めた。
その結果を第5表に示す(Run Na 1 )。
次に、リパーゼPL−679粉末200mgの代わりに
リパーゼPL−266粉末1gを用いる以外は、上記と
同様に行った。そのトリグリセリドの脂肪酸組成を第5
表に示す(Run患2)。
さらに、リパーゼPL−679粉末200mgの代わり
にリパーゼAL粉末又はリパーゼPS粉末、各1.5g
を用いる以外は、上記と同様に行った。そのトリグリセ
リドの脂肪酸組成を第5表に示す(RunIIkL3.
 4)。
なお、第5表中、RunNa3はパーム軟部油(原料油
)の脂肪酸組成を示す。
また第5表中、16:0はパルミチン酸、18:。
はステアリン酸、18:1はオレイン酸、18:2はリ
ノール酸を示す。以下に記載する表においても同じであ
る。
(本頁以下余白) 第5表に示す結果から、リパーゼPL−679、リパー
ゼPL−266、リパーゼAL、リパーゼpsはいずれ
もカカオ脂様ハードバターとして適する5−U−S型ト
リグリセリドのエステル交換脂を作るために使用できる
ことがわかる。
比較例 1 パーム軟部油6.55 g (7,5ミリモル)、ステ
アリン酸7.8 g(27,4ミリモル)、n−ヘキサ
ン20g1タリパーゼ(田辺製薬社製、比活性7000
0/g)2.0g、蒸留水0.2gを100 m/容密
閉容器に取り、37℃で3時間攪拌した後、モレキュラ
ーシーブス3A4gを加え、徐々に脱水しつつさらに2
1時間反応を行った。以後、実施例1に記載したと同様
に実施した。そのトリグリセリドの脂肪酸組成を、第6
表に示す(Run磁1)。
次にタリパーゼの代わりにムコール・ミーヘイのリパー
ゼ(ノボ社製)Igを用いて上記と同様に実施した。そ
のトリグリセリドの脂肪酸組成を第6表に示す(Run
寛2)。
なお、第6表中、RunTh3はパーム軟部油の脂肪酸
組成を示す。
(本頁以下余白) 第6表の結果から、タリパーゼ、ムコール・ミーヘイの
リパーゼのような低分子量酸性リパーゼは、リパーゼP
L−679、リパーゼpL−266、リパーゼALに比
ベニステル交換能が悪いことがわかる。
実施例 2 パーム軟部油6.55 g (7,5ミリモル)、ステ
アリン酸7.8 g(27,4ミリモル)、n−ヘキサ
ン20g、タリパーゼPL−679粉末0.2g、蒸留
水0.2gを100 +rll容密閉容器閉容器、37
℃で3時間攪拌した後、モレキュラーシーブス3A4g
を加え、徐々に脱水しつつさらに20時間反応を行った
。以後、実施例1に記載したと同様に実施した。そのト
リグリセリドの脂肪酸組成を第7表に示す(R,HI 
Na1)。
さらに、上記反応後得られた、不溶物(リパーゼPL−
679粉末、モレキュラーシーブス3A)を100 r
nlのn−ヘキサンで洗浄後、モレキュラーシーブス3
Aを除去し、リパーゼPL−679粉末を回収し、これ
を上記したと同様の新たな反応系に加え、以後上記した
と同様に実施した。そのトリグリセリドの脂肪組成を第
7表に示す(Run’ Na 2 )。
次に上記と同様にして回収したタリバーゼPL−679
粉末を用いて同様の操作を10回繰返した。その5回目
と10回目の反応のトリグリセリドの脂肪酸組成を第7
表に示す(RunNa3および4)。
なお、第7表中、RunNa3はバーム軟部油(原料油
)の脂肪酸組成である。
(本頁以下余白) 第7表の結果から、リパーゼPL−679粉末は、カカ
オ脂様ハードバターとして適する5−U−3型トリグリ
セリドのエステル交換油を作るために繰返して使用でき
ることがわかる。
実施例 3 リパーゼPL−679粉末1gを200 rri容三角
フラスコに取り、蒸留水100 rrklを加え溶解し
た後、DEAEトヨパール650M (東洋曹達工業社
製)13d(ゲル膨潤体積)を加え、4℃にて一夜攪拌
してDEAE !−ヨパールにリパーゼPL−679を
吸着固定した。1100Oxで5分間遠心分離してDE
AEトヨパールヲ回収し、このDEAE )ヨパールを
21の水で洗浄後、凍結真空乾燥により水分を除去し、
乾燥DEAE )ヨパール固定化リパーゼP L−67
95gを得た。このDEAE)ヨパール固定化リパーゼ
PL−679の活性は、リパーゼ679水溶液中の活性
の減少から求めたところ、47001J/gDEAE 
)ヨパールであった。なお、DEAEトヨバールは0.
 I N NaOH500m1で活性化し、217)水
で洗浄した後に用いた。
この乾燥DEAEトヨパール固定化リパーゼPt、−6
792g、パーム軟部油6.55 g (7,5ミリモ
ル)、ステアリン酸7.8 g(27,4ミリモル)、
n−ヘキサン20g、蒸留水0.2gを100d容密閉
容器に取り、37℃で3時間撹拌した後、モレキュラー
シーブス3A4gを加え、徐々に脱水しつつさらに20
時間反応を行った。以後、実施例1に記載したと同様に
実施した。そのトリグリセリドの脂肪酸組成を第8表−
1に示す(Run Nu 1 )。
さらに反応後、DEAE l−ヨパール固定化リパーゼ
PL−679を反応液から回収し、n−ヘキサンで洗浄
した後、これを上記したと同様の新たな反応系に加えて
反応を行った。この操作を10回繰返し、それぞれの反
応で得られたトリグリセリドの脂肪酸組成を第8表−1
に示す(RunNa2〜4)。
なお、表中RunNa3はバーム軟部油(原料油)の脂
肪酸組成を示す。
次に上記反応で得られたトリグリセリドの分子種の分析
を行った。すなわち、上記反応で得られた油分1gを塩
化メチレン10rriに溶解し、試料とした。この試料
10μβを高速液体クロマトグラフィーによって分析し
た。即ち、カラムはODSカラム(Y M C−Pac
K A−312,6X150+u、山村化学研究所型)
、溶出液はアセトニトリル−テトラヒドロフラン−塩化
メチレン(20; 8 : I V/V)、6000 
A型ポンプ(ウォーターズ社製)を用い、流速4.Om
&/分で、ピークの検出にはR401型示差屈折計(ウ
ォーターズ社製)を用いて行った。なお標準試料として
は、カカオ脂を用いた。その結果を第8表−2に示す。
また、エステル交換油トリグリセリドの2位置の脂肪酸
組成の測定は、上記高速液体クロマトグラフィーにより
分取したトリグリセリドを用いて行った。即ち、トリグ
リセリド10■、1%膵臓リパーゼ(シーベルヘグナー
社製)、1Mトリス−HCl緩衝液(pH8,0)溶液
6mZに0.1%コール酸ナトリウム1.5rd、22
%CaC1z ’ 211z0 0.6−を加え、40
℃にて3分間振盪反応後、6H−HCl2−及びエタノ
ール2d、石油エーテル15m1を加え、振盪した後、
石油エーテル層を分取した。これをエバポレーターで濃
縮乾固し、1艷のクロロホルムにとかし、シリカゲル薄
層で2−モノグリセリドを分離した。シリカゲル薄層は
シリカゲルプレート(メルク社製11h5715.20
X20CIo)を3%ホウ酸溶液に浸漬後、110℃で
3時間活性化し、クロロホルム−アセトン(96: 4
 V/V)により展開し、UVランプ(254nm)で
モニターしながら2−モノグリセリド部分をシリカゲル
プレートからかき取る方法により行った。
このようにして得られた2−モノグリセリドの脂肪酸組
成を上記したと同様に基準油脂分析試験法により求めた
。その結果を第8表−3に示す。
(本頁以下余白) 第8表−1、第8表−2、第8表−3の結果から、DE
AEトヨパール固定化リパーすPL−679は、対称型
(S−U−3)l−リグリセリドのエステル交換油を作
るために繰返して使用できることがわかる。
実施例 4 トリオレイン6、6 g (7,5ミリモル)、ステア
リン酸7.8 g(27,4ミリモル)、n−ヘキサン
20g。
DEAE )ヨバール固定化リパーゼP L−6792
g、蒸留水0.2gを100 rn!容密閉容器に取り
、37℃で4時間撹拌した後、モレキュラーシーブス3
A4gを加え、徐々に脱水しつつさらに15時間反応を
行った。以後、実施例1及び実施例3に記載したと同様
に実施し、そのトリグリセリドの脂肪酸組成とトリグリ
セリド中の分子種を求めた。その結果を第9表に示す。
(本頁以下余白) 第9表によって明らかな如く、理論値に近い対称型トリ
グリセリド(S −U −S型)が生成した。
実施例 5 硬化牛脂6.55 g (7,5ミリモル)、オレイン
酸7.8g (27,6ミリモル)、Q−ヘキサン20
g、DEAEトヨパール固定化リパーすP L−679
2g、蒸留水0.15gを100 rnl容密閉容器に
取り、37℃で3時間攪拌反応した後、モレキュラーシ
ーブス3A4gを加え、徐々に脱水しつつさらに21時
間反応を行った。以後、実施例1に記載したと同様に実
施し、そのトリグリセリドの脂肪酸組成を求めた。
その結果を第10表に示す。
(本頁以下余白) 第10表に示す如く、DEAE I−ヨパール固定リパ
ーゼPL−679はU−3−U型のエステル交換油トリ
グリセリドを生成させるために使用できることがわかる
実施例 6 トリオレイン9.8 g (11,1ミリモル)、カプ
リン酸5.16g(30ミリモル)、n−ヘキサン30
g、リパーゼPL−679粉末0.20g、蒸留水0.
10 g 、モレキュラーシーブス3A3gを100 
mj容密閉容器に取り、徐々に脱水しつつ37°Cで1
8時間反応を行った。以後、実施例1及び3に記載した
と同様に実施し、そのトリグリセリドの脂肪酸組成とト
リグリセリド中の分子種を求めた。その結果を第11表
に示す。
(本頁以下余白) 第11表によって明らかな如く、対称型トリグリセリド
(S−U−3型)が生成した。
実施例 7 オリーブ油6.55 g (7,5ミリモル)、パルチ
ミン酸3.9g(15ミリモル)、n−ヘキサン20g
、DEAEI−ヨパール固定化リパーゼP L−679
2g 、蒸留水0.2gを100 rn!容密閉容器に
取り、37℃で3時間反応した後、モレキュラーシーブ
ス3A4gを加え、徐々に脱水しつつさらに21時間反
応を行った。以後、実施例1に記載したと同様に実施し
、そのトリグリセリドの脂肪酸組成を求め、その結果を
第12表に示す(Run隘1)。
次に、バルミチン酸3.9gの代わりにメチルパルミテ
ート7.4g(27,4ミリモル)、又はn−へキシル
パルミテート9.7 g(27,4ミリモル)を用いる
以外は、上記と同様に実施した。そのトリグリセリドの
脂肪酸組成を第12表に示す(RunTh4および隘3
)。なお、第12表中、RunTh4はオリーブ油(原
料油)の脂肪酸組成を示す。
第12表に示す如く、DEAEトヨバール固定化リパー
すPL−679は、オリーブ油とバルミチン酸だけでな
く、オリーブ油とパルミチン酸エステルについても5−
U−3型エステル交換油トリグリセリドを作るために使
用でることがわかる。
実施例 8 バーム軟部油6.55 g (7,5ミリモル)、ステ
アリン酸7.8 g(27,4ミリモル)、第3級ブチ
ルアルコール30m、リパーゼPL−679粉末0.5
g、蒸留水0.2gを100−容置閉容器に取り、40
℃で3時間攪拌反応した後、モレキュラーシーブス3A
4gを加え、徐々に脱水しつつさらに21時間反応を行
った。以後、実施例1に記載したと同様に実施し、その
トリグリセリドの脂肪酸組成を求め、第13表に示す。
(来夏以下余白) 第13表に示す如く、リパーゼPL−679は、極性溶
媒である第3級アルコール中においても5−U−8型交
換油トリグリセリドを作るために使用でることがわかる
実施例 9 バーム軟部油6.55 g (7,5ミリモル)、ステ
アリン酸7.8 g(27,4ミリモル)、n−ヘキサ
ン20g1DEAE トヨバール固定化リパーゼPL−
67!112g。
蒸留水0.2gを100m1容密閉容器に取り、37℃
で3時間撹拌反応した後、モレキュラーシーブス3A4
gを加え、徐々に脱水しつつさらに21時間反応を行っ
た。以後、実施例1及び3に記載したと同様に実施し、
イアトロスキャンにより反応経時変化にともなう1,2
−ジグリセリドの量の変化と24時間反応後のトリグリ
セリドの脂肪酸組成、及びトリグリセリド中の2位置脂
肪酸の脂肪酸組成を調べた。その結果を第14表−1及
び第14表−2に示す(Rur+IIkL2)。
次に、蒸留水0.2gの代わりに蒸留水0.15g又は
蒸留水0.6gを加え、上記したと同様に実施した。そ
の結果を第14表−1及び第14表−2に示す(Run
寛1及び魚3)。なお、第14表−2中、RunNa4
はバーム軟部油の脂肪酸組成及び2位置脂肪酸の脂肪酸
組成を示す。
(来夏以下余白) 第14表−1及び第14表−2の結果から、水添加量を
多くし反応途中での1.2−ジグリセリドの生成割合を
多くすると、トリグリセリドの2位置の脂肪酸にステア
リン酸が多く取り込まれ、対称型トリグリセリドが少な
くなることがわかる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)2位置の脂肪酸が不飽和又は飽和のいずれか1つ
    である原料油脂グリセリドと、該グリセリドの2位置の
    脂肪酸とは不飽和又は飽和において対称をなすC_4〜
    C_2_2の飽和もしくは不飽和の脂肪酸(但し、この
    脂肪酸は炭素数C_1〜C_2_0のアルカノールの脂
    肪酸エステルであってもよい)とを、有機溶媒(但し、
    1価以上の第1級及び第2級アルコール溶媒を除く)の
    存在下に、1,3−位置特異性のある高分子量微生物リ
    パーゼを作用させることにより、エステル交換反応させ
    て対称型トリグリセリドを得ることを特徴とする対称型
    トリグリセリドの製造法。
  2. (2)エステル交換反応中に蓄積する1,2−ジグリセ
    リドの量が全グリセリドの最大15%を超えないように
    反応系水分を制御しつつ徐々に脱水してエステル交換反
    応を行うことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    方法。
  3. (3)分子量が10万以上である高分子量微生物リパー
    ゼを用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項また
    は第2項記載の方法。
  4. (4)高分子量微生物リパーゼがアルカリゲネス属、ア
    クロモバクター属またはシュードモナス属の細菌によっ
    て生産されるアルカリ性リパーゼであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第3項記載の方法。
  5. (5)高分子量微生物リパーゼが、至適pHが8.0よ
    リアルカリ側にあるリパーゼであることを特徴とする特
    許請求の範囲第3項または第4項記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5508048A (en) * 1989-11-09 1996-04-16 Van Den Bergh Foods Co. Enzymatic transesterification starting from high erucic cruciferae oils
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