JP2007029085A - 脂肪酸類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】油脂の加水分解において、固定化酵素を充填した酵素塔を用いた場合に反応液全体の流れを均一化し、酵素活性を有効に発現させ、脂肪酸類を効率的に製造する。
【解決手段】固定化酵素を充填した酵素塔に油相基質と水相基質とを供給し、同一方向に並流させ、油脂類を加水分解することにより脂肪酸類を製造する方法であって、酵素塔への油相基質の供給と水相基質の供給とを交互に行う脂肪酸類の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、油脂類を酵素により加水分解することによる脂肪酸類の製造方法に関する。
リパーゼ等の油脂分解酵素を触媒として油脂類を加水分解する方法として、酵素の回収、再利用を目的として、酵素を担体に固定化し、これに油相基質と水相基質を作用させる方法がある。固定化酵素の使用方法としては、流動床型反応装置に用いる場合(非特許文献1参照)、膜に酵素を固定化した膜型反応装置とする場合(非特許文献2参照)、又は 固定化酵素をカラム等に充填して固定床として用いる場合(特許文献1〜4参照)等がある。流動床型反応装置の場合は酵素の耐久性が低く、滞留時間が長いという問題点があり、また、膜型反応装置の場合は反応速度が非常に遅いという問題点があるため、固定化酵素をカラム等に充填して固定床とし、これに油相基質と水相基質を流通させる技術が一般的である。
この場合、油相基質と水相基質を向流で流通させる方法(特許文献1〜3参照)及び並流で流通させる方法(特許文献4参照)がある。油相基質と水相基質は本来混ざらないものであるため、反応を効果的に進行させるためには均一に混合する必要があり、エマルションとするのが一般的である。一方、エマルション粒子とすると担体内に吸着した酵素に到達し難いため、乳化させない通液速度とした技術もある(特許文献1参照)。
J. Am. Oil Chem. Soc. Vol.72, P.1281, 1995 J. Am. Oil Chem. Soc. Vol.62, P.1016, 1985 特開昭61−85195号公報 特開平1−98494号公報 特開平5−95792号公報 特開2000−160188号公報
前記固定化酵素を酵素塔に充填した固定床に、油相基質と水相基質を流通させて油脂類の加水分解を行う方法においては、酵素充填塔内において反応液の流れが不均一となり、酵素活性を有効に発現させることができないという問題があった。その結果、反応率を高めるために酵素と反応液の接触時間を長くする必要が生じ、生産性(流量)が低下するという問題もあった。
従って、本発明の目的は、固定化酵素を酵素塔に充填した固定床に、油相基質と水相基質を流通させて油脂類の加水分解を行う方法において、酵素活性を有効に発現させ、生産性を向上させることにより、より効率的に脂肪酸類を製造する方法を提供することにある。
そこで本発明者は、固定化酵素を充填した酵素塔における反応液の流通の特徴を解析した結果、油相基質と水相基質とを同一方向で流通させ、かつ酵素塔への油相基質の供給と水相基質の供給とを交互に行うことにより、反応液の流れが均一化し、酵素活性を有効に発現させることができ、生産性が向上することを見出した。
すなわち、本発明は、固定化酵素を充填した酵素塔に油相基質と水相基質とを供給し、同一方向に並流させ、油脂類を加水分解することにより脂肪酸類を製造する方法であって、酵素塔への油相基質の供給と水相基質の供給とを交互に行う脂肪酸類の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、油脂類の加水分解において、固定化酵素を充填した酵素塔を用いた場合に反応液全体の流れを均一化することができ、酵素活性を有効に発現させ、脂肪酸類を効率的に製造することができる。
本発明で用いる固定化酵素は、固定化担体に酵素が担持されたものであり、当該固定化担体は、セライト、ケイソウ土、カオリナイト、シリカゲル、モレキュラーシーブス、多孔質ガラス、活性炭、炭酸カルシウム、セラミックス等の無機担体、セラミックスパウダー、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、キトサン、イオン交換樹脂、疎水吸着樹脂、キレート樹脂、合成吸着樹脂等の有機高分子等が挙げられるが、特に保水力の点からイオン交換樹脂が好ましい。また、イオン交換樹脂の中でも、大きな表面積を有することにより酵素のより大きな吸着量を得ることができるという点から、多孔質であることが好ましい。
固定化担体として用いる樹脂の粒子径は100〜1000μmが好ましく、特に250〜750μmが好ましい。細孔径は10〜150nmが好ましい。材質としては、フェノールホルムアルデヒド系、ポリスチレン系、アクリルアミド系、ジビニルベンゼン系等が挙げられ、特にフェノールホルムアルデヒド系樹脂(例えば、Rohm and Hass社製Duolite A-568)が好ましい。
本発明の固定化酵素に使用する酵素は特に限定はされないが、脂溶性脂肪酸等による活性の向上効果が高い点から、油脂類分解用酵素としてのリパーゼが好ましい。リパーゼは、動物由来、植物由来のものはもとより、微生物由来の市販リパーゼを使用することもできる。微生物由来リパーゼとしては、リゾプス(Rizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ジオトリケム(Geotrichum)属、ペニシリウム(Penicillium)属、キャンディダ(Candida)属等の起源のものが挙げられる。
本発明においては、酵素が固定化されていることが必須である。酵素の固定化を行う温度は、酵素の特性によって決定することができるが、酵素の失活が起きない0〜60℃、特に5〜40℃が好ましい。また固定化時に使用する酵素溶液のpHは、酵素の変性が起きない範囲であればよく、温度同様酵素の特性によって決定することができるが、pH3〜9が好ましい。このpHを維持するためには緩衝液を使用するが、緩衝液としては、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液等が挙げられる。上記酵素溶液中の酵素濃度は、固定化効率の点から酵素の飽和溶解度以下で、かつ十分な濃度であることが好ましい。また酵素溶液は、必要に応じて不溶部を遠心分離で除去した上澄や、限外濾過等によって精製したものを使用することもできる。また用いる酵素質量はその酵素活性によっても異なるが、担体100質量部に対して5〜1000質量部、特に10〜500質量部が好ましい。
酵素を固定化する場合、担体と酵素を直接吸着してもよいが、高活性を発現するような吸着状態にするため、酵素吸着前に予め担体を脂溶性脂肪酸又はその誘導体で処理することが好ましい。脂溶性脂肪酸又はその誘導体と担体の接触法としては、水又は有機溶剤中にこれらを直接加えてもよいが、分散性を良くするため、有機溶剤に脂溶性脂肪酸又はその誘導体を一旦分散、溶解させた後、水に分散させた担体に加えてもよい。この有機溶剤としては、クロロホルム、ヘキサン、エタノール等が挙げられる。脂溶性脂肪酸又はその誘導体の使用質量は、担体100質量部に対して1〜500質量部、特に10〜200質量部が好ましい。接触温度は0〜100℃、特に20〜60℃が好ましく、接触時間は5分〜5時間程度が好ましい。この処理を終えた担体は、ろ過して回収するが、乾燥してもよい。乾燥温度は室温〜100℃が好ましく、減圧乾燥を行ってもよい。
予め担体を処理する脂溶性脂肪酸又はその誘導体のうち、脂溶性脂肪酸としては、炭素数4〜24、好ましくは炭素数8〜18の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖の、水酸基を有していてもよい脂肪酸が挙げられる。具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、リシノール酸、イソステアリン酸等が挙げられる。また前記脂溶性脂肪酸の誘導体としては、これらの脂溶性脂肪酸と一価若しくは多価アルコール又は糖類とのエステル、リン脂質、及びこれらのエステルにエチレンオキサイドを付加したもの等が挙げられる。具体的には、上記脂肪酸のメチルエステル、エチルエステル、モノグリセライド、ジグリセライド、それらのエチレンオキサイド付加体、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル等が挙げられる。これら脂溶性脂肪酸及びその誘導体はいずれも常温で液状であることが酵素を担体に固定化する工程上好ましい。これら脂溶性脂肪酸又はその誘導体としては、上記2種以上を併用してもよく、菜種脂肪酸、大豆脂肪酸等の天然由来の脂肪酸を用いることもできる。
固定化酵素の加水分解活性は20U/g以上、更に100〜10000U/g、特に500〜5000U/gの範囲であることが好ましい。ここで酵素の1Uは、40℃において、油脂類:水=100:25(質量比)の混合液を攪拌混合しながら30分間加水分解をさせたとき、1分間に1μmolの遊離脂肪酸を生成する酵素の分解能を示す。
油脂類の単位質量当りに付与した固定化酵素の加水分解活性(U/g−oil)と、ある加水分解率に到達するまでの所要時間は、略反比例の関係にある。固定化酵素を充填した充填層(酵素塔)を用いて加水分解を行う場合、送液条件(通液速度、温度等)により分解速度は異なるが、加水分解所要時間(充填層内の滞留時間)と充填層内に存在する油脂類の重量(g−oil)及び固定化酵素の充填重量(g)から固定化酵素の見かけ活性(発現活性)(U/g)が求められる。
本発明に使用する油相基質としては、菜種油、大豆油、ヒマワリ油、パーム油及びアマニ油等の植物油、牛脂、豚脂及び魚油等の動物油等、又はこれらの組み合わせの油脂類が挙げられる。これら油脂類は、脱臭油の他、予め脱臭されていない未脱臭油脂を用いることができるが、これら油脂類の一部又は全部に未脱臭油脂を使用することが、トランス不飽和脂肪酸、共役不飽和脂肪酸を低減し、原料油脂由来の植物ステロール、植物ステロール脂肪酸エステル、トコフェロールを残存させることができる点から好ましい。油相基質中には、前記油脂類の他に脂肪酸等の油溶性成分が混合されていても良い。
本発明に使用する水相基質は水であるが、グリセリン等その他の水溶性成分が混合されていても良い。
本発明において使用する酵素塔は、その形状は使用するポンプの押し込み圧に耐えられるものであれば良い。また、酵素塔の周囲にジャケットを設け、酵素塔内に流通する反応液を酵素反応に適した温度に調整できるものであることが好ましい。酵素塔内の温度は、固定化酵素の活性をより有効に引き出すために、0〜60℃、更に20〜40℃とすることが好ましい。酵素塔の長さは、所望の分解率を得るのに必要な長さとすれば良いが、反応性、塔内圧力損失等の点から0.01〜10m、好ましくは0.1〜5mの範囲とすることが好ましい。
本発明においては、固定化酵素を充填した酵素塔に油相基質と水相基質を供給し、同一方向に並流させることが必要である。酵素塔への各基質の供給は、塔頂から塔底へ下方流で行っても、塔底から塔頂へ上方流で行っても良い。
反応液の通液線速度(空塔基準速度)は、好ましくは1〜400mm/分(0.017〜6.67mm/秒)、更に5〜200mm/分(0.083〜3.33mm/秒)であるのが好ましい。この通液線速度(mm/分、又はmm/秒)は、1分間(又は1秒間)当りの送液流量(mm3/分、又はmm3/秒)(又は(10-3mL/分)ともいう)を充填層断面積(mm2)で除した商で表わされる値をいう。通液線速度を上げることによる充填塔内圧力の増大に伴ない、通液が困難となり、耐圧性の高い酵素充填塔が必要となる他に、固定化酵素が塔内圧力増加により破砕される場合が生じることもあるため、通液線速度は400mm/分以下(6.67mm/秒以下)とすることが好ましい。また、生産性の点から通液線速度は1mm/分以上(0.017mm/秒以上)とすることが好ましい。固定化酵素の発現活性は、通液線速度により変化するため、最適な通液線速度を選定して反応条件を決定することで、所望の生産能力、製造コストに見合った反応を行うことができる。
酵素塔内の反応液の滞留時間は、加水分解反応の平衡状態を回避し、固定化酵素の活性をより有効に引き出し、生産性を向上させる点から30秒〜60分、更に1〜40分、特に1〜30分とすることが好ましい。滞留時間(分)とは、充填層の厚み(mm)に空隙率を乗じ、これを通液線速度(mm/分)で除した値で表わされる。
本発明においては、酵素塔への油相基質の供給と水相基質の供給とを交互に行うことが必要である。当該交互に供給する方法としては、それぞれ別々に酵素塔へ直結する配管にて交互に供給を行っても良く、又は共有の配管にて交互に供給を行っても良いが、水相と油相の乳化回避の点及び操作性の点から、別々に酵素塔へ直結する配管にて交互に供給を行うことが好ましい。酵素塔への油相基質の供給と水相基質の供給とを交互に切り替えるタイミング(供給時間)は、反応液の通液線速度や滞留時間等にもよるが、生産性、反応性等の点からそれぞれの一回の供給時間を10秒〜10分、更に30秒〜5分とすることが好ましい。
また、1度に供給される酵素塔内の水相基質の厚みLwを次の式(1)で表した場合、Lwを5〜150mm、更に15〜120mmの範囲とすることが、酵素塔内の反応液全体の流れを均一化し、酵素活性を有効に発現させ、脂肪酸類を効率的に製造することができる点から好ましい。
w=(Vw/S)×Tw×(1/ε) (1)
〔Vw:水相の送液流量(mm3/秒)、S:酵素塔の断面積(mm2)、Tw:水相の供給時間(秒) 、ε:充填層の空隙率〕
更に、1度に供給される酵素塔内の油相基質の厚みLoを次の式(2)で表した場合、Loを10〜250mm、更に30〜220mmの範囲とすることが、酵素塔内の反応液全体の流れを均一化し、酵素活性を有効に発現させ、脂肪酸類を効率的に製造することができる点から好ましい。
o=(Vo/S)×To×(1/ε) (2)
〔Vo:油相の送液流量(mm3/秒)、S:酵素塔の断面積(mm2)、To:油相の供給時間(秒) 、ε:充填層の空隙率〕
また、酵素塔内の反応液全体の流れを均一化し、酵素活性を有効に発現させ、脂肪酸類を効率的に製造することができる点から、Lw/Loの値を0.1〜10、更に0.2〜1とすることが好ましい。
本発明においては、反応率、生産性等の兼ね合いから、酵素塔を通過した反応液をそのまま反応終了物としても良く、また、一旦油水分離を行った後に上記と同様の方法で再度同一の酵素塔へ供給し、所望の反応率が得られるまで循環反応を行っても良い。また、一旦油水分離を行った後に上記と同様の方法で再度、別の酵素塔へ供給して連続反応を行っても良い。油水分離としては、自然沈降型、遠心分離型等の油水分離器が一般に使用されるが、特に限定されない。
<実施例1>
イオン交換樹脂(Duolite A-568、ダイヤモンドシャムロック社)にリパーゼAY(天野製薬(株))を固定した固定化リパーゼ1210g(乾燥重量)を、ジャケット付きのステンレス製カラム(内径70mm、充填高さ1300mm)に充填し、ジャケットにて35℃に保温した。なお、使用した固定化リパーゼの加水分解活性は3154U/g(乾燥重量)であった。カラム上部より菜種油と蒸留水を交互に送液し、加水分解反応を行った。送液操作における条件は、菜種油は1回につき送液流量77mL/分(1283mm3/秒)で供給時間0.9分間、蒸留水は1回につき送液速度77mL/分(1283mm3/秒)で供給時間0.5分間とし、それぞれ交互に126回ずつ、合計で菜種油は8100g、蒸留水は4860g供給した。加水分解反応を行った結果を表1に示す。なお、表中の分解率は、分析により求めた酸価をケン化価で除することにより算出した。
<実施例2>
実施例1に記載した方法に準じ、送液操作における条件を、菜種油は1回につき送液速度77mL/分(1283mm3/秒)で供給時間1.9分間、蒸留水は1回につき送液速度77mL/分(1283mm3/秒)で供給時間1分間とし、それぞれ交互に63回ずつ、合計で菜種油は8100g、蒸留水は4860g供給した。加水分解反応を行った結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1に記載した方法に準じ、送液操作における条件を、菜種油は1回につき送液速度77mL/分(1283mm3/秒)で供給時間5.5分間、蒸留水は1回につき送液速度77mL/分(1283mm3/秒)で供給時間3分間とし、それぞれ交互に21回ずつ、合計で菜種油は8100g、蒸留水は4860g供給した。加水分解反応を行った結果を表1に示す。
<比較例1>
菜種油8100gと蒸留水4860gをジャケット付きガラス製攪拌槽(基質供給槽)に仕込み、400rpm で攪拌して反応液を調製後、実施例1に記載した固定化リパーゼ充填カラム上部より反応液を定量ポンプにて送液した。送液速度は77mL/分(1283mm3/秒)とした。加水分解反応を行った結果を表1に示す。
<比較例2>
加水分解活性997U/g(乾燥重量)の固定化リパーゼを使用し、固定リパーゼの充填量を1220g(乾燥重量)とした以外は比較例1と同様の手順で加水分解反応を行った。結果を表1に示す。
<比較例3>
比較例2に記載した固定化リパーゼ充填カラム上部より菜種油と蒸留水を予め混合せずに同時に送液し、加水分解反応を行った。送液速度は、菜種油50mL/分(833mm3/秒)、蒸留水27mL/分(450mm3/秒)とした。加水分解反応を行った結果を表1に示す。
Figure 2007029085
油水を混合した状態で、または予め混合せずに同時に送液する条件に対して、菜種油、蒸留水を交互に間欠供給する事により、分解率が向上し、固定化酵素の(見掛け)活性が有効に発現した。

Claims (5)

  1. 固定化酵素を充填した酵素塔に油相基質と水相基質とを供給し、同一方向に並流させ、油脂類を加水分解することにより脂肪酸類を製造する方法であって、酵素塔への油相基質の供給と水相基質の供給とを交互に行う脂肪酸類の製造方法。
  2. 次の式(1)で表される1度に供給される酵素塔内の水相基質の厚みLwが5〜150mmの範囲である請求項1記載の脂肪酸類の製造方法。
    w=(Vw/S)×Tw×(1/ε) (1)
    〔Vw:水相の送液流量(mm3/秒)、S:酵素塔の断面積(mm2)、Tw:水相の供給時間(秒)、ε:充填層の空隙率〕
  3. 次の式(2)で表される1度に供給される酵素塔内の油相基質の厚みLoが10〜250mmの範囲である請求項1又は2記載の脂肪酸類の製造方法。
    o=(Vo/S)×To×(1/ε) (2)
    〔Vo:油相の送液流量(mm3/秒)、S:酵素塔の断面積(mm2)、To:油相の供給時間(秒)、ε:充填層の空隙率〕
  4. (Lw/Lo)の値が0.2〜1である請求項2又は3記載の脂肪酸類の製造方法。
  5. 前記油相基質が、植物油、動物油又はこれらの組み合わせの油脂類である請求項1〜4いずれか一項記載の脂肪酸類の製造方法。
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