JPS6212584Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、室内の壁面を美麗に仕上げるため
の壁面化粧材として使用される壁面化粧用パネル
に関する。

（従来の技術） 近時、部屋の模様替えのために、その部屋の使
用者自身の手によつて壁面の化粧施工を可能とす
るような化粧材の提供が強く要望されている。然
るに、斯る素人施工を可能とする壁面化粧材とし
ては、従来、所謂壁紙とか壁クロス等が提供され
ているにすぎない。しかしながら、これらの従来
品は、その１枚１枚が比較的大きな面積を有する
ものであるために、壁面への貼付け操作が比較的
厄介であるのみならず、往々にして皺を生じ易い
難点があつた。かつまた、その意匠が壁紙等のそ
れ自体のもつ表面の図柄によつて予め特定された
ものであるために、個々の使用者の好みによる個
性的な壁面意匠の創作ができず、使用者の趣味感
に充分な満足感を与えることができないというよ
うな難点もあつた。

（考案の目的） この考案は上記のような事項に鑑み、素人でも
容易に施工できること、美麗な仕上り状態が得ら
れること、色柄の組合わせによつて壁面に任意の
意匠を表しうるものであること、安価であるこ
と、軽量であること、断熱、吸音、吸放湿性に優
れていること、等の諸要請に満足を与える壁面化
粧材を提供せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的において、この考案は、段ボール紙
等の多数の中空部を有する方形の中空紙製基板の
表面に、同じく紙製で表面に化粧層の施された方
形の化粧板が、隣接する二辺に基板の突出縁を形
成し、他の二辺に化粧板の突出縁を形成する態様
において互いに位置をずらせて重ね貼りされると
共に、前記基板の裏面に、離型紙で保護された粘
着剤層を外面に有する複数個の接着ピースが点在
配置に取付けられてなることを特徴とする紙製の
簡易壁面化粧パネルを提供する。

（実施例） 以下、この考案を図示実施例によつて説明す
る。

図中Ｐはこの考案に係る壁面化粧パネルを示
し、１はその紙製基板、２はその表面に貼られた
同じく紙製の化粧板である。

上記基板１は、紙製段ボールからなるものであ
つて、内部に多数の中空部３を有する。基板１の
厚さは、３〜７mm程度とするのが一般的であり好
ましい。

一方、化粧板２は、これも好ましくは紙製段ボ
ールで構成されるものであるが、単なる厚紙によ
つて形成することも許容される。化粧板２の表面
には、印刷の他適宜の手段によつて所要の色彩
の、あるいは必要に応じて図柄を表わした化粧層
４が設けられる。この化粧板２の厚さは、基板１
よりも薄く、１〜３mm程度のものとするのが好ま
しい。

上記基板１と化粧板２は、いずれも正方形、長
方形等の方形に形成され、パネルＰの隣接する二
辺には基板１の突出縁１ａ，１ａを形成し、他の
二辺には化粧板２の突出縁２ａ，２ａを形成する
ように、両者が相互に位置をずらせて接着された
ものとなされている。しかも、この接着は、全面
接着するときはパネルに反りを生じるおそれがあ
ることにも鑑み、第２図に示すように周縁部のみ
において額縁状の接着部５により行われたものと
なされている。

かつ、基板１に対して化粧板２は、相似形で大
きさが相対的にやや小さいものとなされ、従つて
前記の貼合わせ状態において基板１の突出部１ａ
の幅W₁の方が化粧板２の突出部２ａの幅W₂より
大きいものとなされている。この両突出部１ａ，
２ａの幅W₁，W₂の差は、パネルＰを並べて壁面
に取付けた場合に、第４図に示されるように隣接
パネルＰ，Ｐ間に目地１０部分を形成せしめるの
に役立つものである。

また、いずれも紙製段ボールからなる基板１と
化粧板２は、その中間コルゲート層の波の向きを
直交させて、所謂直交貼りにより接着されてい
る。このことも、パネルＰの反りの防止、および
強度の向上に有効に作用するものである。

基板１の裏面の四隅部分には、複数個の接着ピ
ース６が接着剤７を介して点在配置に取付けられ
ている。この接着ピース６は、好ましくはスポン
ジ等のクツシヨン性材料によつて形成され、パネ
ルＰを貼付けるべき壁下地面Ａの不陸になじみ易
いものとなされる。接着ピース６の外面には、粘
着剤層８が設けられ、更にその外面が離型紙９に
よつて被覆保護されたものとなされている。

上記のパネルＰは、第４図に示すように、裏面
の接着ピース６の離型紙９を剥離した状態におい
て、壁下地面Ａ上に、縦横に並べて、あるいは千
鳥配置に並べて接着することにより、隣接するパ
ネルＰ，Ｐ間に目地１０を形成せしめる如くして
化粧壁面Ｂを構成するものである。而して、多数
のパネルＰに、表面の化粧層４の色彩が相互に異
色であるような複数種類のものを用い、その配列
組合わせを任意に選定することにより、壁面に独
自の意匠を表出しうるものである。

なお、基板１は、実施例に示したような紙製段
ボールのほか、紙製ハニカムを中間層としたハニ
カム材を用いることも許容される。もつとも、ハ
ニカム材より、段ボールを用いる方がコスト面で
有利である。

（考案の効果） この考案は前述のような構成を有するものであ
り、先ず全体が紙製のものであることによつて、
価格的に極めて安価なものとして提供でき、部屋
の模様替えのために手軽に採用することができ
る。しかも施工に際しては、接着ピースの離型紙
を剥し取つて、壁下地面上に各パネルの側面を当
接状態にしながら順次貼り付けていくことで、隣
接パネル相互に相じやくり接合状態を実現しなが
ら素人でも極めて容易に施工でき、従来の壁紙等
のように皺を生じるおそれもなく簡単に美麗な化
粧壁面を形成しうる。かつ各パネルの色彩を適宜
に組合わせ、またその配列状態を任意に選ぶこと
で、所望の意匠性をもつた個性的な化粧壁面を創
造することができ、使用者の趣味感に大きな満足
を与えることができる。更には、殊に基板が段ボ
ール等の多数の中空部をもつた紙製のものである
ことにより、これによつて壁面に優れた断熱性、
吸音性を帯有せしめうると共に、紙のもつ吸排湿
性により室内の湿度調和にも有効に作用せしめう
るものとなすことができる。また、接着ピースが
基板の裏面に点在配置に設けられていることによ
り、パネルの貼り替えを容易に行いうるのはもと
より、壁下地とパネル裏面との間の大部分を遊離
状態に保つて壁下地からの結露に起因するパネル
の損傷汚損を防止しうるし、壁下地に不陸があつ
ても、パネルの表面に悪影響が及ぶのを防止で
き、愈々平坦性に優れた美麗な化粧壁面を形成し
うる独自の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は化粧パネルの斜視図、第２図は同じくその一部
を切欠いて示した平面図、第３図は第１図−
線の断面図、第４図は施工状態の一例を示す斜視
図である。 Ｐ……化粧パネル、１……中空紙製基板、１ａ
……突出縁、２……化粧板、２ａ……突出縁、３
……中空部、４……化粧層、５……接着部、６…
…接着ピース、８……粘着材、９……離型紙、
W₁……突出縁１ａの幅、W₂……突出縁２ａの
幅、１０……目地。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 段ボール紙等の多数の中空部を有する方形の
   中空紙製基板の表面に、同じく紙製で表面に化
   粧層の施された方形の化粧板が、隣接する二辺
   に基板の突出縁を形成し、他の二辺に化粧板の
   突出縁を形成する態様において互いに位置をず
   らせて重ね貼りされると共に、前記基板の裏面
   に、離型紙で保護された粘着剤層を外面に有す
   る複数個の接着ピースが点在配置に取付けられ
   てなることを特徴とする紙製の簡易壁面化粧パ
   ネル。 (2) 基板と化粧板とがいずれも段ボールからな
   り、それらが中間コルゲート層を直交させて積
   層接着されてなる実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の紙製の簡易壁面化粧パネル。 (3) 基板と化粧板が、それらの周縁部のみを額縁
   状の接着部によつて接着されてなる実用新案登
   録請求の範囲第２項記載の紙製の簡易壁面化粧
   パネル。 (4) 基板が化粧板より僅かに寸法を大となされ、
   もつて基板の突出縁の幅が化粧板の突出縁の幅
   より大に設定されてなる実用新案登録請求の範
   囲第１項ないし第３項のいずれか１に記載の紙
   製の簡易壁面化粧パネル。 (5) 接着ピースがスポンジ片等のクツシヨン性材
   料からなる実用新案登録請求の範囲第１項ない
   し第４項のいずれか１に記載の紙製の簡易壁面
   化粧パネル。