JPS6219765Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、模様付石膏板に関するものであ
る。さらに詳しく云えば、この考案は、表面に不
規則な凹凸模様を持つた石膏板に関するものであ
る。

石膏板は不燃性であるという特徴を持つので、
建築材料として価値があるが、外観の点で劣るの
で、今まではその上に化粧合板を貼つて、外観を
向上させる必要があつた。この考案は、石膏板の
表面に不規則な凹凸模様を付することによつて、
外観を美麗にし、化粧合板の表面仕上げを不必要
にしようとするものである。

この考案は、直角四辺形の石膏板において、そ
の表面がわのかどを少くとも一組の対向する二辺
に沿つて面取りし、表面から面取り部及び側面を
経て、裏面の周辺部に及ぶまでの領域を紙又は布
で蔽い、紙又は布上のところどころに固体の細片
を位置させ、その上に柔軟なシートを被せて密着
させ、シートの厚みを細片の厚みの半分以下に
し、細片上のシート部分を突出させて凹凸模様を
形成し、凹凸模様の突部にあたるシート部分に塗
料を塗布してなる、模様付石膏板に関するもので
ある。

図面を参照しながら、この考案をその実施の一
例について説明すると、つぎのとおりである。第
１図は、この考案に係る模様付石膏板の斜視図で
ある。第２図は、この考案に係る他の模様付石膏
板の斜視図である。第３図は、第２図中の−
線による断面拡大図である。

第１図において、この考案に係る模様付石膏板
は、全体を大まかに見ると、石膏からなる直角四
辺形の平板５の表面上に、柔軟なシート４が被せ
られた構造のものである。平板５は表面がわの対
向する二辺に沿つて面取り６されている。その表
面を細かく見ると、シート４には突出する部分、
すなわち突部１と、そうでない部分、すなわち凹
部２とが形成されている。凹部２は、石膏板５に
シート４が密接して構成された平面で、平板の表
面上で一つづきになつている。他方、突部１は、
ところどころに散在していて、凹部２より一段と
高くなつている。但し、面取り部６及び側面７に
は、突部１が形成されず、すべて凹部となつてい
る。また、凹凸模様の突部１にあたるシート部分
に塗料を塗布して凹凸模様を鮮明にしている。

第２図に示した模様付石膏板は、第１図のもの
と同様であるが、主として次の２点で異なつてい
る。第１は、面取り部６が表面がわの四周全体に
わたり形成されてる点である。第２は、突部１が
面取り部６にも形成されている。但し、板の側面
７には突部１が形成されている。

突部１が突出する関係は、第３図に示されてい
る。第３図において、５は表面が平らな石膏板で
あり、この表面上に固体の細片３が散布されてい
る。細片３は、１個ずつ分離しており、細片３の
扁平面を石膏板５の表面に当接した形となつて、
石膏板５上のところどころに位置している。この
上を柔軟なシート４が覆い、シート４が細片３に
密接するとともに、石膏板５の露出面にも密接
し、その結果、シート４は、細片３上で細片３の
外形に応じた形に隆起し、ここに突部１を形成す
ることとなる。

石膏板５は、直角四辺形の形状であることが望
ましい。石膏板は、その表面が平らであることが
望ましいが、その平らの程度は、絶対に凹凸があ
つてはならないというものではなく、細片の大き
さよりも遥かに大きい又は遥かに小さい凹凸があ
つても差支えない。例えば、曲率半径が細片の最
大幅の10倍以上に及ぶような大きな凹凸は、あつ
ても差支えない。

石膏板５は、その製造上の理由から、表面に透
湿性又は補強用の紙が一体的に設けられている。
第３図中、８で示した部分が、この紙である。細
片３は紙８の上に設けられる。

細片３としては、種々のものを用いることがで
きる。例えば、石粉、金属粉、木屑、プラスチツ
ク片等を用いることができる。細片３としては、
偏平で大きさの大よそ揃つているものを用いるこ
とが望ましい。そのうちでも、厚みまでも揃つて
いるものを用いることが、とくに望ましい。この
点で、樹脂の幹又は茎から一定の厚みの木片を削
り出し、これをほぼ一定の面積をもつものに切断
した木屑を使用することが、望ましい。

柔軟なシートとしては、紙、布、プラスチツク
のシート等を用いることができる。シートの厚み
は、細片の厚みよりも小さいことが望ましい。と
くに、シートの厚みは細片の厚みの半分以下、好
ましくは３分の１以下にすることが望ましい。

細片は石膏板上に散布される。このとき、石膏
板の表面は通常紙で覆われているから、細片は、
この紙の上に散布されることになる。細片は、バ
ラバラになつて、同じような高さに突出している
ようにすることが望ましい。しかし、細片のうち
の或るものは、数個集まり塊となつて存在しても
よい。この状態で、細片を石膏板上に一旦接着す
る。その上からシートを被せて、シートを板に対
して接着させる。それとともに、シートを細片表
面にもよく密接させて、シートを細片及び板の表
面に沿つて屈曲させる。シートを板に対して接着
させることによつて、シート、細片及び石膏板の
３者は強固に一体とされる。

この考案の模様付石膏板では、表面から面取り
部及び側面を経て、裏面の周辺部に及ぶまでの領
域を紙又は布で蔽うこととしたから、石膏板は紙
又は布で全体が保護されることとなり割れにくく
なつている。また、紙又は布上のところどころに
固体の細片を位置させ、その上に柔軟なシートを
被せて密着させることとしたので、細片を適当に
選択することにより、たとえば丸味をおびたもの
角ばつたもの、高さの大きいもの又は小さいもの
など、任意の凹凸模様を形成することができ、従
つて需要者の嗜好に応じた模様付石膏板る得るこ
とができる。さらに、シートの厚みを細片の厚み
の半分以下にし、細片上のシート部分を突出させ
て凹凸模様を形成することとしたので、細片によ
る凹凸模様をくつきりと表わすことができる。そ
の上に、凹凸模様の突部にあたるシート部分に塗
料を塗布することとしたので、突部だけが容易に
着色され、突部が色を異にして、全体として美麗
になり装飾的価値の高いものとなる。また、石膏
板を直角四辺形にし、その表面がわのかどを少な
くとも一組の対向する二辺に沿つて面取りしたの
で、石膏板同志を衝き合わせにすることが容易に
なるとともに、その隙間にセメントなどを充填し
やすく、従つて石膏板の付設作業が容易となり、
さらに石膏板間の隙間を小さく、しかも隙間を均
等にしやすく、さらに底目地として装飾的効果の
大きい美麗なものとすることができる。この点
で、この考案の石膏板は実用上の価値が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、この考案に係る模様付石
膏板の斜視図である。第３図は、第２図中の−
線による断面の一部拡大図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直角四辺形の石膏板において、その表面がわの
   かどを少くとも一組の対向する二辺に沿つて面取
   りし、表面から面取り部及び側面を経て、裏面の
   周辺部に及ぶまでの領域を紙又は布で蔽い、紙又
   は布上のところどころに固体の細片を位置させ、
   その上に柔軟なシーとを被せて密着させ、シート
   の厚みを細片の厚みの半分以下にし、細片上のシ
   ート部分を突出させて凹凸模様を形成し、凹凸模
   様の突部にあたるシート部分に塗料を塗布してな
   る模様付石膏板。