JPS6212153Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は挿し込みのみのワンタツチ操作で適
切に管の接続ができる管継手に関するものであ
る。

従来、ボールを用いた管継手としては管挿入部
の継手本体内にボールを収納して成るも、この管
継手構成では管挿入後袋ナツト側を管挿入部に締
め付けていわゆるボールを接続管側に圧接しなけ
ればならない不都合があつた。これがため従来の
上記管継手ではその継手部分にねじ加工を施して
袋ナツトをねじ付けしなければならないことから
加工性が非常に悪く、かつコスト高であるうえし
かも締付け用のボールを袋ナツトの回転で接続管
側に圧接することは該ボールに回転を与えてしま
い、よつてこの時でのボールの回転で接続管表面
に施してある樹脂被膜等の防蝕処理層が破損され
やすいこと、及び一方このボールが袋ナツトでの
締めつけで不回転現象を生じた場合ではボールま
たはこれと接する袋ナツトのテーパー面が部分的
に不均衡な摩耗をきたして均等性のある管締め付
けが得られなくなる欠点があつた。

また、このように袋ナツトの締め付けを行なう
構造であると、管の挿し込みと袋ナツトの締め付
けとを行なわなければならない施行上での手数を
多とする不都合がある。

この考案は、管接続において継手にボールを使
用すると共に継手に対して管自体を直接挿着させ
るのみのワンタツチで接続でき、従来例で生じて
いた種々の欠点を解消した新規な管継手を開発し
たことにあり、以下これを図示の一実施例につい
て説明する。

第１図において１は管継手本体で切放しの接続
用管２が挿入される接続口３の内周には接続口端
部に向けて徐徐に縮径したテーパー面４が、また
このテーパー面４の後方には適数配列のストツパ
ーボール５の後退を受け止めるストツパー６が設
けてある。

ストツパーボール５はリテイナーとしてのリン
グ７で適数間隔的に保持してなり、このリング７
の一方の端部である基端側には該リングを常に前
方の管接続口側に向けて押し出す役目を果す弾性
部８が設けてある。

弾性部８は例えば第１，２図で示すように断面
をＵ字状としたゴム製の他第３図で示すようなコ
イルスプリング製あるいは図示では省略してある
が皿ばね状または第４図で示すゴム製断面のよう
に形成してもよい。なお、第４図で示すシール部
９′は逆流防止用である。

また、ゴム製による場合の弾性部８は、上記以
外の断面で例えばＮ状断面またはＭ状断面あるい
はＯ状断面等のいずれであつてもよく、いわゆる
リング７が常に前方に押圧できる構成であれば弾
性部８の構成はその形状を限定するものではな
い。

なお、９はテーパー面４に近接して接続口３の
内周で奥部に装着してなるシール材、１０は接続
口３の先端に取り付けできて管接続後の設置にお
いて土砂類がその隙間に流入するのを防止するシ
ールドカバーである。

この考案の管継手は上述の構成からなり、接続
口３内の各部サイズは適合する接続管のサイズに
見合つたサイズのもとで構成していて、適合する
管例えば水道管においては13ｍ／ｍ・16ｍ／ｍ・
20ｍ／ｍ・25ｍ／ｍ等の規格による適合で切放し
の接続用管２を管継手本体１の接続口３内に挿入
すれば、管２の先端が弾性部８による弾力で接続
口側に押し出されていたストツパーボール５の内
縁に当接してこのストツパーボール５及びリング
７を弾性部８に抗して接続口３の内方に押し戻
し、この押戻しによるストツパーボール５がテー
パー面４の拡径位置に至るとストツパーボール５
は外側に押し拡げ可能になり、この位置で管２が
ストツパーボール５を押し広げて管２の所定位置
への挿入を許容する。

よつて、上記により管２を所定位置に挿入すれ
ば、以後はストツパーボール５が弾性部８での押
圧をもつて管２の表面とテーパー面４との隙間に
密着し、管２を前記挿入と逆方向に戻そうとすれ
ば管２はテーパー面４との間に位置するストツパ
ーボール５で確実に抜出防止ができ、いわゆる管
継手１に対する管２の接続が、接続のために何等
の加工を施すことなく切放しの状態でも、ワンタ
ツチ方式をもつて簡便にして確実に施工できる。

なお、この考案による前記接続の解除はシール
ドカバー１０をスライドさせて抜き取り、この隙
間よりリング７押し戻し用のスリーブ（図示せ
ず）を管２に沿わせてストツパーボール５を係止
解除方向に緩めて管２の抜き出しを行なえばよ
い。

以上により、この考案によれば管継手本体１に
対する切放しの接続用管２の接続がワンタツチ的
挿入のみで足りて締め付けのための回転機構又は
引掛りのための段部を形成する必要がないから、
現場での施工が極めて容易に行え作業性が良好と
なるので、その実用効果が多大である。また管継
手も管締め付けのためのねじ加工を要しないので
製作が極めて容易であり、管継手のコストダウン
にも大きく寄与できるばかりでなく、管自体の表
面に施した樹脂被膜等の防錆処理層が破壊されな
いので、配管の接続部に錆の発生がなく、それに
よつて配管が長期に使用できると云う優れた効果
を奏する。

一方、管継手本体１は図示ではエルボ形式で示
してあるが、これは図示形状に限定するものでは
ないこと勿論であり、管２の種類も前記水道管の
他ガス管やその他の管接続においても使用でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す管継手本体
の要部断面図、第２図はボールストツパー機構の
一部を断面で示す斜視図、第３図は他例弾性部に
よるボールストツパー機構の側面図、第４図は他
例要部の説明図である。 １……管継手本体、２……管、３……接続口、
４……テーパー面、５……ストツパーボール、６
……ストツパー、７……リング、８……弾性部、
９……シール材、９′……シール部、１０……シ
ールドカバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 切放しの接続用管２がゆるく挿入できる管継手
   本体１の接続口３の内周面に管挿入側に向けて
   徐々に縮径されたテーパー面４を設け、該テーパ
   ー面の内側にはこのテーパー面内周に沿うリング
   ７を配設し、該リングに複数のストツパーボール
   ５を所定の間隔をもつて配設し、該リング７の基
   端は弾性部材８でテーパー面の縮径方向に常に押
   圧された状態に配設され、前記弾性部材に隣接し
   て接続口の内周面にシール材９を設けたことを特
   徴とする管継手。