JP3109331U - 液体又は蒸気用パイプ継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】パイプ端部に螺子山を設ける必要のない液体(蒸気)用継手の提供。
【解決手段】継手頭部の内側端部表面に接触する弾性シーリングリングと、該シーリングリングの回りに配置される位置決めスリーブ4と、位置決めリングの外側端部表面に配置される内部歯型係止リングと、該内部歯型係止リングの外側に配置されて、内部表面が、連結されるパイプの外部表面に嵌合し、該内部歯型係止リング方向に先細りした表面が形成され、外部表面には雄螺子が設けられた内部リング2と、内部表面に、内部リング2の雄螺子と羅合する螺子山を有し、外部の円筒状表面が、該継手頭部の内部の円筒状表面にスライドしながら嵌合し、外部表面に設けられる雄螺子が、該継手頭部の該雌螺子に嵌合する外部リング1とを備え、パイプを継手にカチッという音がするまで挿入するのみで、パイプと継手との接合を行い、特殊レンチで内部リングを180°回転するのみで、パイプの抜脱を行うようにする。
【選択図】図1

Description

本考案は、給水本管あるいはサービスパイプシステム用のパイプ継手に関し、特にその構成部品に関する。
通常用いられる最も簡単な液体(又は蒸気)用パイプ継手は、継手頭部のパイプ受け端部の内側表面に雌螺子を有し、嵌合するパイプ端部の外側表面に雄螺子を設けるものである。そして、該螺子切りされたパイプ端部は、該雌螺子と該雄螺子が螺合しながら、該パイプ継手にねじ込まれる。
どのような螺子にも深さがあるため、該螺子切りされた端部の機械的強度は極めて弱くなる。パイプ継手の端部の螺子山は、粗野に仕上られるため、継手への液体(又は蒸気)パイプのねじ込みは、大きな抵抗に直面する。パイプ胴部は、滑らかで丸いため、普通のレンチでは適合しない。それゆえ、特別に製造されたパイプレンチが、パイプ胴部を挟持するために必要となる。そして、パイプが継手にねじ込まれる。
組み立て後、該レンチによってもたらされた傷跡や変形が、パイプ胴部には残る。さらに、組み立てられたパイプをしばらく使用し、分解するときには、組み立て時よりも多くの問題が生じる。このとき、パイプと継手双方の螺子切りされた部分は、錆び、変形、接着剤等によって、堅く噛み合っている。そのために、分解した後に、該レンチによってもたらされる傷跡、変形は、それまでより深刻となる。
同時に、パイプ全体が螺子切りされた部分で破壊される可能性がある。その上、技術の発達に伴い、パイプの素材は多様化している。例えば、練鉄(メッキされた亜鉛)、プラスチック(堅固なPVC)、真鍮、プラスチックで被覆された真鍮、内部をプラスチックで被覆された練鉄、外部をニッケルでメッキして合金にした銅である。たとえ、パイプの外表面がメッキ又は被覆されていても、それらはパイプレンチによって挟持するのに適していない。なぜなら、メッキ又は被覆の層は、レンチの挟持に耐えることが出来ないからである。
いかなる層も、レンチで挟持した後には破壊されるであろう。銅又は合金のパイプでさえ、レンチの方がパイプ表面よりも堅いため、パイプレンチを使用した後は、醜い傷跡や変形がパイプ表面に残ることとなる。
そのため、螺子山を必要としない多くのパイプ継手が、従来より開発されてきた。それらの中の一つが、パイプ端部の完全フランジである。この方法は、真鍮のような柔らかい素材からなるパイプにのみ適している。
別のものとしては、パイプ端部の外部表面に、プラスチックの押圧リングを使用するものがある。この方法は通常、屋内の排水口システムに使われる。
上述した方法は、パイプ端部の螺子山を不要とするが、パイプと継手との連結は依然螺子によって行われる。異なった点は、雄螺子が継手の外部表面に設けられ、雌螺子がパイプにスリーブを開けられたケーシング頭部の内部表面に設けられるという点にある。
これらの方法は、レンチによってダメージを与えられるパイプ表面の問題を解決することはできるが、それらは精錬されたパイプには適しておらず、螺子切りされたケーシング頭部の製造が複雑であるため、適用範囲に限界がある。その上、フランジをつけてねじ込むという工程が面倒なものである。
従って、従来技術の継手の雌螺子に替えて、内部歯型係止リングを用いることが考案された。そうすると、継手のところで、内部歯型係止リングによって、端部に螺子山のないパイプが直接挿嵌されて、適所に位置を保つことができる。
いったん位置が決まると、パイプを分解することは不可能である。しかしながら実際は、仮組み立ては必ず必要であり、組み立て品が分解できなければ、それは仮組み立てや修繕ができないことを意味する。従って、現在ではこの方法は用いられていない。
本考案は、内部に歯がつけられた係止リングを連結のために使用しながら、パイプ端部に螺子山を設ける必要の無い、液体又は蒸気用のパイプ継手を提供することを目的とする。それはどのような素材のパイプにも適用できる。嵌合されるパイプは、該継手に自由に挿入可能で、また連結されたパイプは自由に抜脱可能である。
上述した目的を達成するため、本考案の液体(又は蒸気)用継手は、頭部の内部表面に雌螺子を有した液体(蒸気)用継手において、継手頭部の内側端部表面に接触する弾性シーリングリングと、該シーリングリングの回りに配置される位置決めスリーブと、該位置決めリングの外側端部表面に配置される内部歯型係止リングと、該内部歯型係止リングの外側に配置されて、内部表面が、連結されるパイプの外部表面に嵌合し、該内部歯型係止リング方向に先細りした表面が形成され、外部表面には雄螺子が設けられた内部リングと、内部表面に、該内部リングの雄螺子と羅合する螺子山を有し、外部の円筒状表面が、該継手頭部の内部の円筒状表面にスライドしながら嵌合し、外部表面に設けられる雄螺子が、該継手頭部の該雌螺子に嵌合する外部リングとを備え、パイプを継手にカチッという音がするまで挿入するのみで、パイプと継手との接合を行い、特殊レンチで内部リングを180°回転するのみで、パイプの抜脱を行うようにしたことを要旨とする。
図1は、本考案の液体(又は蒸気)用継手が、従来の継手(頭部)6を基礎として、5つの構成部品が追加されていることを示すものである。
図1から5つの構成部品(1〜5)を取り去り、端部に雄螺子を切られたパイプを継手(頭部)6の雌螺子にねじ込むとすると、それはよく知られた従来技術である。本考案においては、5つの構成部品1〜5が追加される。
弾性シーリングリング5は、エチレンポリピレンゴムのような合成ゴムからなり、連結されるパイプ端部に隣接して用いられるものである。
位置決めスリーブ4は、プラスチックからなり、該シーリングリング5を囲んでスリーブをつけられている。該スリーブ4の外部の円形表面は、継手(頭部)6の内部の円形表面に嵌合し、該シーリングリング5をパイプ軸心と同心に保ちつつ、該スリーブ4の内部の円形表面が、該シーリングリング5の外径に嵌合するものである。
内部歯型係止リング3は、ステンレス鋼よりなり、該位置決めスリーブ4の外側の端部表面に設置される。該係止リング3の外径は、該位置決めスリーブ4の外径と等しく、それら双方が、継手(頭部)6の内部の円形表面に嵌合する。
該係止リング3の外側には、内部リング2が位置する。内部リングは、該係止リング3に向かって先細りした端部表面が形成されている。該先細りした端部表面が、該係止リング3の内部の歯に対して押圧されると、これらの内部の歯が開く。雄螺子は、該内部リング2の外部表面の外側に(図1においては上側に)刻設される。該内部リング2の内部表面は、スライドさせて連結されることによって、パイプの外側表面と嵌合する。
その内部表面に雌螺子が設けられた外部リング1は、内部リング2の雄螺子と螺合しながら、外部リング1の雌螺子によって内部リング2と連結される。該外部リング1の外部の円形表面は、該継手(頭部)6の内部表面に、スライドさせて嵌合させることが可能である。
該外部リング1は、該継手(頭部)6の雌螺子に螺合させるために、その外部表面に雄螺子が形成されている。
図2は、本考案の液体又は蒸気用継手の主要構成部品の施工図である。
全ての新たに追加された構成部品は、従来技術と同一である継手(頭部)6を除いて、ここに示されている。
一度全ての構成部品が所定の位置に組み立てられると、6つの構成部品の全ては、軸心上の位置に互いに動かないように固定される。
そして、外部リング1は、例えば、外部リングが継手(頭部)6から螺子がゆるんで外れるのを防止するための螺子山の隙間に注入する接着剤等、あらゆる従来技術の方法によって、継手(頭部)6と一体化される。このようにして、組み立て作業全体が完了する。
連結されるパイプは、該内部リング2の孔に挿嵌することができる。そして、内側にスライドするパイプ端部は、パイプ端部がシーリングリング5をしっかりと押し、パイプ端部が後退して「カチッ」という音とともに、該係止リング3の内部の歯によって締め付けられるまで、該係止リング3の内部の歯を押し開く。このとき、パイプが締め付けられ、決して引き抜かれることはない。
その締め付け力は、該係止リング3の外径と、該パイプ端部の内径との差異、すなわち、パイプ端部を締め付けるこれらの内部の歯の傾斜角度に依存する。通常、20°から35°の範囲の間の角度は、理想的な効果をもたらす。なぜなら角度の傾斜がより大きいと、それだけより大きい軸方向の抵抗力が、係止リング3を通じて内部リング2と外部リング1に加えられるからである。
継手(頭部)6のもっとも薄い端部分に対して、大きな軸力が螺子山を通じて生じることは好ましくない。傾斜角度がより小さい場合には、軸力の大部分が放射状の力に変換され、該放射状の力は、継手6の円筒状の表面のより厚い部分によってもたらされる。
継手(頭部)6からパイプを抜脱するためには、該内部リング2が、内側に(図1においては下側に)動くように回転する。
このように、該内部リング2の先細りした表面は、係止リング3の内部の歯に対して押圧されて、これらの歯はより内側に傾斜させられる。そのようにして、全ての歯の先端は、パイプが容易に取り外しできるように、パイプの外部表面から離れる。
いったんパイプが取り外されると、内部リング2は、全ての内部の歯が、それらの実質的に垂直位置に戻るように、その元の位置に回転する。
該内部リング2の着脱は、あらゆる既存の方法によってなし得る。一例として、本実施例では、複数の凹部が、該内部リング2のリング状に形成された端部表面上に形成される。そして、二つの成形されたタブを有する特別の目的をもったY字型レンチ(図3参照)が使用される。レンチの該二つのタブは該二つの凹部に挿入され、レンチを回すことによって、該内部リング2も回される。
該内部リング2は、回転する間、二つの機能停止ポイントを有する。一つは、該内部リング2が内側に動き、該先細りした表面が、これらの内部の歯を押しながら、該内部の歯を通して、該位置決めスリーブ4の外部端部表面に隣接するときに生じるものである。
他は、該内部リング2が、その最も外側の位置になるように、外側に(図1においては上方向に)動くときに生じるものである。該二つの機能停止ポイントの間の角距離は、180°以下にすることができる。
さらに、右利きの習癖を考慮すると、該内部リング2の雄螺子は、特殊レンチが右方向に回転させられたときにパイプが締められ、特殊レンチが左方向に回転させられたときにパイプがゆるめられるように、左巻きの形状で形成される。
上述した方法で製造された液体(又は蒸気)用継手を、BS2871パート1 / EN 1057の真鍮パイプを連結することによってテストしたが、BS864 / EN 1254の圧力必要条件(銅アクセサリーの基準)を満たすものである。
エチレンプロピレンゴムからなる弾性シーリングリング5は、温度が1℃〜20℃、最高20バール(およそ300ポンド/平方インチ)の水圧に、加圧状態下で漏れることなく耐えることができる。
水温が30℃、65℃、90℃であるときは、継手は、それぞれ16バール(約230ポンド/平方インチ)、10バール(約145ポンド/平方インチ)、6バール(約85ポンド/平方インチ)の圧力に耐えることができる。
従って、本考案に係る液体(又は蒸気)用継手は、全ての冷温水あるいは蒸気供給システムにおいて利用可能である。
パイプは液体(蒸気)用継手中をスライドして内部に入るので、パイプの一端が放射状に増加するであろうカバーがあってはならない。そのために、すべての真鍮パイプの端部分の外部表面は次の表に従って、被覆されるべきではない。
Figure 0003109331
パイプ表面のプラスチックスリーブをスクラッチするときに真鍮を傷つけないように注意しなければいけない。特に、ナイフ先端を使用して、パイプ表面から軸に直角に深くカットしてはいけない。なぜなら、傷跡が、一定時間後に疲労ストレスによるパイプ漏れを生じさせてしまうからである。
本考案の液体(又は蒸気)用継手は、スライドしながらの嵌合・割り込みによって、パイプに連結されるものであるため、パイプが本考案の継手に押し込まれる際、わずかに回転することが可能である。もし、設備がコンクリートでできているか地下であれば、滑りによる隙間によって、液体やほこりの進入を防ぐために、テープで嵌合部を密封するか、あるいは合体する前にパイプの上に柔軟な弾性のスリーブを設け、結合のあとで引っ張ることが好ましい。このようにして、最適なシーリングが得られる。
パイプと液体(蒸気)用継手間のシーリング機能は、弾性のリング5に依存する。パイプ端部は弾性のリング5が平坦になるように圧迫されるべきである。それゆえ、パイプをカットするや否や、断面をパイプ軸に直角としておく必要がある。カット面のどのようなものでも上記リング5の障害となることを避けるために取り除くべきである。
上記した部材の素材は実施例の目的に使用される。それは、本考案の継手を限定する意味ではなく、一般にわかり易く説明するためのものである。事実、継手(頭部)6は真鍮、銅、スチール、鉄と合金などから作られていて鋳造や、穴あけ、プレス等の方法で製造される。継手をプラスチック、注入や吹き付けによって製造することとしてもよい。
弾性のリング5は、エチレンプロピレンゴムに限定されず、同じような機能をもった物であれば、採用可能である。上記実施例は真鍮パイプを採用しているが、内部歯型係止リング3のスチールの内部歯が、パイプの真鍮表面に容易に貫通可能である。
しかし、例えばパイプがスチールや鉄から製造されるている等、該スチールの内部歯の堅さとパイプの堅さが同じか、それより堅いときには、内部の歯は効果的にパイプ表面に侵入しないため、環状の凹部が該内部の歯を受け止めるためにパイプ表面に形成されることが好ましい。
この考案の有利な効果は次のものである。
1)パイプ両端に螺子を形成する必要がないため、螺子形成装置のコストや螺子形成の時間を節約できる。
2)設置プロセスが単純化され、設置作業における安全性が向上する。
3)設置手順のスピードアップが図れ、中古部品の再利用比率が増加する。
本考案は以下の図面を参照して詳細に説明されている。
本考案に係る液体又は蒸気用継手の透視図である。 本考案の液体(又は蒸気)用継手の主要構成部品の施工図である。 本考案の液体(又は蒸気)用継手に用いられる特殊レンチの透視図である。
符号の説明
1 外部リング
2 内部リング
3 係止リング
4 位置決めスリーブ
5 シーリングリング

Claims (12)

  1. 頭部の内部表面に雌螺子を有した液体(蒸気)用継手において、
    継手頭部の内側端部表面に接触する弾性シーリングリングと、
    該シーリングリングの回りに配置される位置決めスリーブと、
    該位置決めリングの外側端部表面に配置される内部歯型係止リングと、
    該内部歯型係止リングの外側に配置されて、内部表面が、連結されるパイプの外部表面に嵌合し、該内部歯型係止リング方向に先細りした表面が形成され、外部表面には雄螺子が設けられた内部リングと、
    内部表面に、該内部リングの雄螺子と羅合する螺子山を有し、外部の円筒状表面が、該継手頭部の内部の円筒状表面にスライドしながら嵌合し、外部表面に設けられる雄螺子が、該継手頭部の該雌螺子に嵌合する外部リングとを備え、
    パイプを継手にカチッという音がするまで挿入するのみで、パイプと継手との接合を行い、
    特殊レンチで内部リングを180°回転するのみで、パイプの抜脱を行うようにしたことを特徴とする継手。
  2. 該弾性シーリングリングは、エチレンプロピレンゴムあるいはそれと同様な素材であることを特徴とする請求項1記載の継手。
  3. 該位置決めスリーブは合成樹脂であることを特徴とする請求項1記載の継手。
  4. 該内部歯型係止リングはステンレス鋼であることを特徴とする請求項1記載の継手。
  5. 該内部歯型係止リングの内部歯は、20°から35°傾斜していることを特徴とする請求項4記載の継手。
  6. 該内部リングは銅または他の合金であることを特徴とする請求項1記載の継手。
  7. 特殊レンチのタブを受けるための複数の凹部を、該内部リングの外側端部表面にリング状に形成したことを特徴とする請求項6記載の継手。
  8. 該内部リングの外側の円形表面の螺子山は、左巻き方向に形成されていることを特徴とする請求項6記載の継手。
  9. 該外部リングは銅または他の合金で作られていることを特徴とする請求項1記載の継手。
  10. 該外部リングが該継手頭部の雌螺子にねじ込まれた後、両部材はお互いに嵌合することを特徴とする請求項1記載の継手。
  11. 最小連結長さが以下の表の通りである請求項1ないし10のいずれかに記載の継手。
    Figure 0003109331
  12. 該内部歯とかみ合うためにパイプ表面に環状の溝を形成し、内部歯型係止リングの内部歯の硬さは、該内部歯がパイプ表面に貫通するほど硬くないことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の継手。
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