JPS6212016Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はカーテンウオールの排水構造の改良に
関する。

（従来の技術） 方立間に横枠が取付けられ、左右一対の方立お
よびその間の上下一対の横枠で形成される方形の
枠内にガラスがはめ込まれて単位区画が構成され
るカーテンウオールでは、各区画における上部ガ
ラス溝および下部ガラス溝はそれぞれその位置の
横枠の押縁に設けられた切欠き孔を介して外部に
連通し、それによつて縦部ガラス溝も外部に連通
するので、全てのガラス溝には外部圧力が導入さ
れ、従つて各ガラス溝内は外部圧力と等しくな
り、室外側とガラス溝内との圧力差による室外か
らの水の侵入が防止され、また隙間から侵入した
水も重力によりその区画の下部ガラス溝内に流れ
落ち、その区画における下部横枠の押縁に設けら
れた一連の切欠き孔を通して室外に排出されるよ
うになつている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、上記のような理想的な状態を得るには
室内側において十分なシールを施す必要がある
が、施工の不備やシール材の劣化などにより室内
側に隙間を生じるのが実情である。そして、この
ような場合、室内側の隙間を通して室内に漏水す
るという事態を招く。また、カーテンウオールの
室内側の面に生じた結露等により水が室内に落下
するという問題もあつた。

本考案の目的はシール材の不備により侵入した
水や結露等の水が室内に落下することなく、室外
に排出することができるカーテンウオールの排水
構造を提供することである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案によるカーテ
ンウオールの排水構造は単位区画における上部ガ
ラス溝および下部ガラス溝を外部に連通すると共
に、その区画における上部横枠３の室内側上部に
溝部３ａを設け、その溝部を一連の切欠き孔３
ｃ，３ｄ，３ｅおよび方立押縁２の中空部２ａ、
下部塞ぎ材の切欠き溝１０ａ、方立押縁の下端の
切欠き孔２ｂを介して前記下部ガラス溝２０に連
通したことを特徴としている。

（問題点を解決するための手段の作用） このカーテンウオールの排水構造では単位区画
における上部横枠の室内側の上部に溝部１０ａが
備えられ、且つその溝部はその区画における下部
ガラス溝２０に連通しているので、室内側に漏水
しまたは室内側に結露を生じても、それらは前記
溝部１０ａに落下し、そこから下部ガラス溝２０
に導かれ、外部に排出される。

（実施例） 次に図面を参照のもとに本考案について説明す
る。図はこの考案の一実施例を示すものであつ
て、カーテンウオールは適当数の方立１と方立間
に取付けられる横枠を含み、左右一対の方位１お
よびその間の上下一対の横枠で形成される方形の
枠内にガラス１４がはめ込まれて単位区画が構成
される。以下、記載を簡明にするためその単位区
画における上部の横枠を単に上枠と称し、同じく
下部の横枠を単に下枠と称する。従つて、ここで
いう上枠、下枠とはその区画における相対的な意
味で用いたものであつて、下枠はその下の区画に
おいては上枠となる。また、上部、下部もその区
画での相対位置を示すものである。

方立１の両側には縦部ガラス溝２１を画成する
方立押縁２が備えられ、各方立押縁２は上枠３と
下枠５の間にある。方立１の両側には上枠３、上
枠押縁４、下枠５および下枠押縁６が、方立１に
関し左右対称に取付けられる。

上枠押縁４は上枠３の室外側に取付けられて上
部ガラス溝１９を画成し、下枠押縁６は下枠５の
室外側に取付けられて下部ガラス溝２０を画成す
る。７は下枠５の外部側との隙間を塞ぐ外部塞ぎ
材、８は縦部ガラス溝２１の室内側気密壁を形成
する気密材、９は方立押縁２の上端部に取付けら
れた上部塞ぎ材で、上枠３の室内側の下面との隙
間を塞ぎ、かつ上部シール材１７のバツクアツプ
作用をする部材である。１０は方立押縁２の下端
部に取付けられた下部塞ぎ材で、下枠５の室内側
の上面との隙間を塞ぎ、かつ下部シール材１８の
バツクアツプ作用をする部材である。さらに、下
枠５の端部に取付けられ、かつ下枠と接する面に
貼付される水密シール材としての端部塞ぎ材１
１、下枠押縁６の端部に取付けられて方立１の外
部塞ぎ材７との隙間を塞ぐ端部塞ぎ材１２、およ
び内部シール材１３およびガラス１４などを含
み、内部シール材１３は下枠５を方立１の室外側
溝部に取付けた後、方立１と外部塞ぎ材７および
端部塞ぎ材１１とで形成された溝を閉塞する。ガ
ラス１４は上部ガラス溝１９、下部ガラス溝２０
および縦部ガラス溝２１内に置かれ、先付グレイ
ジングガスケツト１５および後付グレイジングガ
スケツト１６で支持される。そして、上部シール
材１７は方立１、上枠３の室内側下面、上部塞ぎ
材９およびガラス１４の間の空間に設けられ、か
つ下部シール材１８は方立１、下枠５の室内側上
面、下部塞ぎ材１０およびガラス１４の間の空間
に設けられる。

このカーテンウオールでは、上枠押縁４の下部
に切欠き孔４ａが、その室内側で上部ガラス溝１
９と接する部分に切欠き孔４ｂが設けられ、かつ
下枠押縁６にはその下部、その内部に必要に応じ
て突設される継ぎ部およびその室内側で下部ガラ
ス溝２０に接する部分にそれぞれ切欠き孔６ａ、
６ｂ、６ｃが設けられ、それによつて上部ガラス
溝１９および下部ガラス溝２０が外部に連通し、
さらにそれらのガラス溝を介して縦部ガラス溝２
１も外部に連通されるが、前記のような欠点があ
つた。

本考案のカーテンウオールの構造は上枠３の室
内側上部で中空部３ｂの上に設けられた溝部３ａ
を含み、その溝部はその下に設けられた一連の切
欠き孔および方立押縁２の中空部を含む経路によ
つて下部ガラス溝２０に連通されている。図示の
実施例では、その経路には方立押縁２の中空部２
ａ、その中空部２ａの室外側下端に設けられた切
欠き孔２ｂ、上枠３の中空部３ｂの上部とその中
空部内に必要に応じて突設された継ぎ部および下
部に設けられた切欠き孔３ｃ，３ｄ，３ｅ、上部
塞ぎ材９の切欠き孔９ａ、および下部塞ぎ材１０
の上部に設けられた切欠き溝１０ａが含まれる。
排水機能を向上するため、上枠３の中空部下部の
切欠き孔３ｅと上部塞ぎ材９の切欠き孔９ａを一
致させ、かつ下部塞ぎ材１０の切欠き孔１０ａと
方立押縁２の下端切欠き孔２ｂを一致させること
が好ましい。なお、上部シール材１７には適宜孔
が設けられて上枠の下部切欠き孔３ｅとその下の
切欠き孔９ａは連通している。

本考案のカーテンウオールは上記の構成になつ
ているため、隙間を通して室内に漏水したり、カ
ーテンウオール室内面の結露が落下するような場
合でも、そのような室内の水は上枠３の溝部３ａ
内に落下し、溝部３ａ内の水は上枠３の中空部の
切欠き孔３ｃ，３ｄ，３ｅ、上部塞ぎ材９に設け
られた切欠き孔９ａ、方立押縁２の中空部２ａ、
下部塞ぎ材１０の切欠き溝１０ａ、および方立押
縁２の中空部２ａの室外側の下端の切欠き孔２ｂ
を通つて縦部ガラス溝２１に流れ、そこから下部
ガラス溝２０に流れ落ち、下枠押縁６の切欠き孔
６ｃ，６ｂ，６ａを介して室外に排出される。従
つて、外部から侵入した水や室内の結露が室内に
落下することが防止される。なお、好ましくは、
上枠中空部の切欠き孔３ｃ，３ｄ，３ｅは長手方
向において互いに異なる位置に設けられる。ま
た、方立押縁２の中空部室外側下端の切欠き孔２
ｂを比較的小さくし、その切欠き孔２ｂに対し上
部塞ぎ材９の切欠き孔９ａを十分大きくすること
が好ましく、それによつて、ガラス溝内からの外
部圧力が上枠３の切欠き孔３ｃより吹き出して溝
部３ａ内の水を泡にして室内に逆流するような事
態を防止することができる。

（考案の効果） それ故、本考案によれば、室内側シール材の不
備や結露などによつて室内側に水が侵入したとし
ても、そのような水を室内に落下させることな
く、しかも特別な排出手段を要しないで、簡単か
つ適切に室外に排出することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例によるカーテンウオール
の横断面図、そして第２図は第１図に示された実
施例の縦断面図である。 なお、図中、１は方立、２は方立押縁、３は上
枠、４は上枠押縁、５は下枠、６は下枠押縁、１
９は上部ガラス溝、２０は下部ガラス溝、３ａは
上枠の溝部、３ｃ，３ｄ，３ｅは上枠中空部の上
部、継ぎ部および下部の切欠き孔、２ａは方立押
縁の中空部、２ｂは方立押縁の中空部室外側下端
の切欠き孔、９は上部塞ぎ材、９ａは上部塞ぎ材
の切欠き孔、１０は下部塞ぎ材、１０ａは下部塞
ぎ材の切欠き溝、を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 方立間に横枠が取付けられ、左右一対の方立
   およびその間の上下一対の横枠で形成される方
   形の枠内にガラスがはめ込まれて一区画が構成
   され、前記区画における上部ガラス溝および下
   部ガラス溝はそれぞれその位置の横枠の押縁に
   設けられた切欠き孔を介して外部に連通するよ
   うになつているカーテンウオールの排水構造に
   おいて、前記横枠の室内側の上部には溝部が設
   けられ、前記溝部は横枠における前記溝部の下
   の中空部の上部の切欠き孔、前記中空部、前記
   中空部の下部の切欠き孔、前記区画の上部横枠
   と下部横枠との間に設けられた方立押縁の上端
   部に備えられた上部塞ぎ材の切欠き孔、方立押
   縁の中空部、方立押縁の下端部に備えられた下
   部塞ぎ材の上部の切欠き溝、および方立押縁の
   中空部室外側下端の切欠き孔を介して前記下部
   ガラス溝に連通していることを特徴とするカー
   テンウオールの排水構造。 (2) 方立押縁の前記中空部室外側下端の切欠き孔
   を比較的小さくし、その切欠き孔に対し方立押
   縁の前記上部塞ぎ材の切欠き孔を十分大きくし
   た実用新案登録請求の範囲の第１項記載のカー
   テンウオールの排水構造。 (3) 前記横枠の中空部における上部の切欠き孔、
   下部の切欠き孔および前記横枠の中空部内に設
   けられた継ぎ部の切欠き孔は長手方向において
   異なる位置に設けられている実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のカーテンウオールの排水構
   造。 (4) 前記区画における上部横枠の前記中空部下部
   の切欠き孔と前記上部塞ぎ材の切欠き孔を同一
   位置に設け、前記下部塞ぎ材の上部の切欠き溝
   と方立押縁の前記中空部室外側下端の切欠き孔
   を同一位置に設けている実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のカーテンウオールの排水構造。