JPS6211720Y2 - - Google Patents

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JPS6211720Y2
JPS6211720Y2 JP2242981U JP2242981U JPS6211720Y2 JP S6211720 Y2 JPS6211720 Y2 JP S6211720Y2 JP 2242981 U JP2242981 U JP 2242981U JP 2242981 U JP2242981 U JP 2242981U JP S6211720 Y2 JPS6211720 Y2 JP S6211720Y2
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valve
housing
connecting member
pistons
valve piston
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  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両の二系統制動装置に用いられる液
圧制御装置の改良に関するものである。
自動車等の車両においては、信頼性が高く安定
した制動力を得るために二つの互いに独立した配
管系統によつてマスタシリンダと各ホイールシリ
ンダとを接続することが行われており、その一つ
にX字(クロス)配管と呼ばれているものがあ
る。左側前輪と右側前輪、右側前輪と左側後輪と
いうように左右前後を二つの配管系統によつてX
字状に接続するのである。
このクロス配管を備えた制動装置のように、少
なくとも左右後輪のブレーキに互いに独立した制
動液圧が供給されるリヤ二系統制動装置において
は、制動時における車両の安定性を確保すべく液
圧制御装置が設けられるのが一般的である。車両
に急激な制動力が加わつて重心が前輪側へ移動し
たような場合には、一定の制動液圧(折点液圧)
を超える範囲における後輪の制動液圧の増加率を
前輪のそれよりも小さくし、前後輪の制動力の比
を理想的な配分に近づけるのであり、また、前記
二系統のうちの一方の系統が故障したような場合
には、前記折点液圧を高め、車両全体としての制
動力の低下をできる限り少なくするのである。
先に本出願人は、このような液圧制御装置であ
つて、各バルブピストンの突出(露出)側端部を
長手形状の部材で連結するとともにその一定以上
の回動を規制することで、前記二系統のうちの一
方が故障した場合における折点液圧を高め得るも
のを開発し、実願昭55−179027号として出願し
た。
これは単一のハウジングに2本のバルブピスト
ンが並列に配設され、それらの一端がハウジング
から突出し、かつ各々スプリングによつてハウジ
ング内部へ向かう方向に付勢された液圧制御装置
であつて、中央部に2本のバルブピストンのそれ
ぞれの露出側端部をその軸方向に対して実質的に
固定しつつその回動が可能であるように係合さ
せ、以てバルブピストンの軸方向の移動が相互に
独立して為されることを許容する長手形状の連結
部材と、ハウジングに固設され、その連結部材の
端部がハウジングから予め定められた一定の距離
以上離隔しないようにその端部に当接するストツ
パとを含み、バルブピストンの一方が作動せずそ
の軸方向の移動量に大幅な差が生じた場合には、
連結部材の両側の端部のうち作動するバルブピス
トン側の端部がストツパに当接し、連結部材がこ
の当接点を支点としたてこを形成することを特徴
とするものであつた。
これによつて、双方のバルブピストンのリフト
量の差異を許容しつつ液圧制御を為し、一方の配
管の故障時には他方の系統の折点液圧を高め得る
とともに、ハウジングの外側に配設される部材を
連結部材を除いたほぼ無くすることにより、装置
全体の小形化、軽量化が達成し得ることとなつた
のである。
その後、本出願人は、更に研究を重ねた結果、
連結部材がバルブピストンの端部へ荷重を及ぼす
際、荷重が理想的な状態で働くように、すなわち
バルブピストンの中心へ荷重がかかるようにでき
ることを見出し、本考案に到達した。したがつ
て、本考案の目的とするところは、上記した先の
出願に係る考案の特徴を有するとともに、前記バ
ルブピストンに偏荷重がかからない液圧制御装置
を提供することにある。
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。
第1図において、2は液圧制御装置としてのプ
ロポーシヨニングバルブ(以下、Pバルブと略称
する)であり、ハウジング4と該ハウジングに固
定されたカバー6とからその外観が構成されてい
る。該ハウジング4には一端面に開口する弁室8
L,8Rが並列的に穿設されており、該弁室8
L,8Rには内側端部(第1図中の上端部)に円
盤状の弁体10L,10Rが同軸状に形成された
バルブピストン12L,12Rがそれぞれ挿入さ
れるとともに、弁室8L,8Rの開口部には中央
孔にバルブピストン12L,12Rの下端部を挿
通させた蓋体14L,14Rがそれぞれ嵌着さ
れ、該開口部内周面に係止されたスナツプリング
15によつてその抜止めが為されている。蓋体1
4L,14Rの外周部には前記弁室8L,8Rの
開口部との間をシールするためのシールリング1
6が装着されるとともに、蓋体14L,14Rの
中央孔の周囲にはバルブピストン12L,12R
との間をシールするオイルシール18が装着され
ることによつて、バルブピストン12L,12R
の軸方向の移動を許容しつつ弁室8L,8Rの液
密が維持されている。
弁室8L,8Rは、液圧が供給される入力ポー
ト20L,20Rおよび後述の前輪のホイールシ
リンダ22L,22Rへ該液圧を伝達する第1出
力ポート24L,24Rに連通させられており、
弁室8L,8Rの上部にはバルブピストン12
L,12Rがその軸方向に移動(第1図中下降)
した場合に、弁体10L,10Rが当接するよう
にバルブシート26L,26Rが設けられてい
る。バルブシート26L,26Rの弁体10L,
10Rのある側(第1図の上側)は制御された液
圧を後述の後輪のホイールシリンダ28L,28
Rへ出力するための第2出力ポート30L,30
Rに連通させられている。
バルブピストン12L,12Rの上端部外周に
リング状突起32L,32Rが形成され、該リン
グ状突起32L,32Rと蓋体14L,14Rの
内面との間にはバルブピストン12L,12Rに
嵌挿された状態で相等しい付勢力の圧縮されたコ
イル状スプリング34L,34Rが同軸状に介挿
されている。したがつて、バルブピストン12
L,12Rは常時ハウジング4内へ押し込まれる
方向に付勢されている。なお、36はコイル状ス
プリング34L,34Rと蓋体14L,14Rの
内面との間に配設されたばね受けである。
さて、蓋体14L,14Rから突出したバルブ
ピストン12L,12Rの末端には、そこに形成
された雌ねじ孔に各々段付ボルト38(以下、ボ
ルト38と称する)が同心的に螺合、固定されて
いる。ボルト38は第3図および第4図に拡大し
て示されるように、その雌ねじ孔に螺合させられ
た雄ねじ部40、それより径が大きくされた軸部
42および軸部42よりさらに径の大きい頭部4
4を備え、この順に同心的に連続している。軸部
42は円形断面の外周面を有し、また頭部44
は、その内端面46がそれぞれバルブピストン末
端面48L,48Rとほぼ同形のドーナツ形状を
成すとともに平行に対面し、外端面に工具係合用
の溝50を備えている。
以上の結果、バルブピストン12L,12Rの
前記ハウジング4から突出した各端部52は、自
身の末端とボルト頭部44から成る2つの大径部
を、またそれらに挾まれたボルト軸部42から成
る小径部を備えるとともに、両バルブピストン末
端面48L,48Rおよび両ボルト頭部内端面4
6から成る都合4つの段付面(肩面)を備えるこ
ととなる。
この各々の端部52は連結部材54にて連結さ
れている。連結部材54は剛性を保ち得る長手形
状の薄い板材から成り、長手方向の中点を基準に
その両側は全く対称とされている。
第2図に明瞭に示されるように、連結部材54
は、前記バルブピストン12L,12Rに対応す
る部位に両側1個ずつ計2個の貫通孔56を有し
ており、貫通孔56は、連結部材54の幅方向中
央に位置し、かつ板厚方向に貫通するとともに、
内径が前記ボルト軸部42の外径より一定量大き
くされている。
さらに、連結部材54は、貫通孔56を挾んで
幅方向に突条58を備えている。すなわち、貫通
孔56の中心を通る幅方向の直線を峰として、そ
の近傍の両側表面は一定の幅と深さと角度をもつ
て削り取られて2つの斜面60が形成されてお
り、また同様に、それとは厚さ方向反対側の裏面
にも同様な2つの斜面60が形成されている。言
い換えれば、2つの斜面60によつて交差する境
界線を峰とする低い三角形の突条58が形成され
ており、その突条58は連結部材54の貫通孔5
8が形成されている部位の表面と裏面に一本づつ
都合4本が形成されている。本実施例では、連結
部材54の表面および裏面とそれぞれ4本の突条
58(の先端)とは同一平面内に位置しているた
め、突条58は、連結部材54となる板材を切削
加工することにより比較的容易に形成することが
できる。連結部材54が両バルブピストン端部5
2に連結された状態において、前記2つのボルト
軸部42は、各貫通孔56に所定の隙間を保つて
嵌合されている。また、計4本の突条58は、バ
ルブピストン12L,12Rの中心線を含む平面
に直交する方向に位置するとともに、4つの段付
面を形成するバルブピストン末端面48L,48
Rおよび2つのボルト頭部内端面46に対し、そ
れらのほぼ直径上でそれぞれ接触させられ、線当
たりしている。
この結果、連結部材54がバルブピストン端部
52、ひいてはバルブピストン12L,12Rに
荷重を及ぼす場合に、その荷重はそれらのほぼ中
心線上に加わることとなる。
連結部材54は、その両端部62が自由端部と
され、また貫通孔56とボルト軸部42との間に
一定の隙間が形成され、さらに前記斜面60が逃
げ角を備えてバルブピストン端部52と干渉しな
いようにされているため、第1図中、時計回りあ
るいは反時計回りに傾動して両バルブピストン1
2L,12Rの軸線方向の相対移動を許容するよ
うになつている。
そして、この連結部材両端部62(自由端部)
の移動はその近傍に各々配設されたストツパ64
によつて、一定量以下に規制されている。すなわ
ち、前記ハウジング4の下面の両側部は、その一
部がバルブピストン12L,12Rと平行に延び
出て一対のストツパ支持アーム64を形成し、さ
らにストツパ支持アーム64の各々の先端部は、
内側に直角に曲げ出されて、上面に当接面を備え
た一対のストツパ66を構成している。そして、
バルブピストン12L,12Rがコイル状スプリ
ング34L,34Rの付勢力に従つて最もハウジ
ング4内へ押し込まれた位置にある状態で、連結
部材54の両端部62と一対のストツパ66との
間にはほぼ等しい間隔Dが保たれている。
これら連結部材54、前記バルブピストン端部
52ならびにストツパ66等は、防塵のために、
横断面がU字形状のカバー6によつて覆われてい
る。
このように、本実施例によれば、バルブピスト
ン12L,12Rに付勢力を与えるためにその軸
方向に大きい長さを必要とするコイル状スプリン
グ34L,34Rがバルブピストン12L,12
Rと並列的にハウジング4内に収容されているの
で、カバー6内にスプリングを収容する液圧制御
装置に比較してカバー6の高さ寸法が極めて小さ
くなり、液圧制御装置2全体としてバルブピスト
ン12L,12Rの軸方向(第1図の上下方向)
の寸法が大幅に短縮されるのである。また、カバ
ー6には何等スプリング等の力が加えられないの
で、従来の強度部材としての機能を要求される場
合に比較して薄い板材や合成樹脂等の軽量材が使
用され得るようになり、カバー6の小形化と相俟
つて、その重量が極めて軽減され、液圧制御装置
全体としての重量が軽減されるのである。さら
に、連結部材54には常時スプリングの付勢力等
の荷重が加えられないので、長期的な疲労および
摩耗等の強度上の配慮を必要としない利点があ
る。
以上のように構成されたPバルブ2は二系統の
制動装置内に配管接続されて用いられる。すなわ
ち、マスタシリンダ68にはブレーキペダル70
の操作によつて等しい液圧を独立に発生するよう
に出力ポート72および74が備えられており、
該出力ポート72が左前輪のホイールシリンダ2
2LへPバルブ2の入力ポート20Lおよび第1
出力ポート24Lを介して接続されるともに、出
力ポート74が右前輪のホイールシリンダ22R
へPバルブ2の入力ポート20Rおよび第1出力
ポート24Rを介して接続されている。そして、
Pバルブ2の第2出力ポート30Lが右後輪のホ
イールシリンダ28Rへ接続されるとともに、第
2出力ポート30Rが左後輪のホイールシリンダ
28Lへ接続されている。このように、本実施例
のPバルブ2は第1出力ポート24L,24Rを
備えているので、マスタシリンダ68の出力ポー
ト72,74から左右前輪のホイールシリンダ2
2L,22Rへ分岐するためのT型管継手等の配
管部品が要らない利点がある。
以下、本実施例の作動を説明する。
配管系統が正常な状態でブレーキペダル70が
踏み込まれのと、マスタシリンダ68の出力ポー
ト72,74において等しい液圧が発生させられ
る。このうち、出力ポート72の液圧はPバルブ
2の入力ポート20Lおよびホイールシリンダ2
2Lに伝達される。制動液圧が予め定められた値
よりも低い間は、バルブピストン12Lはコイル
状スプリング34Lの付勢力によつて弁室8Lの
上端に押し付けられた状態にあるから、入力ポー
ト20Lの液圧がそのまま第2出力ポート30L
へ伝達されることになり、左前輪および右後輪は
同じ制動液圧によつて作動するホイールシリンダ
22Lおよび28Rによつて制動を受ける。出力
ポート74の液圧についても同様な作動によつて
右前輪および左後輪が同じ制動液圧によつて作動
するホイールシリンダ22Rおよび28Lによつ
て制動を受ける。
この状態からペダル70が更に強く踏み込まれ
ると、前輪のホイールシリンダ22L,22Rに
はマスタシリンダ68に発生する制動液圧がその
まま伝達されるのに対して、後輪のホイールシリ
ンダ28L,28RにはPバルブ2によつて減圧
された制動液圧が伝達されるので、後輪に加えら
れる制動力の増加率は前輪のそれよりも小さくな
る。すなわち、第2出力ポート30L,30Rの
制動液圧によるバルブピストン12L,12Rを
押し下げようとする力の方が、コイル状スプリン
グ34L,34Rの付勢力と弁室8L,8Rの制
動液圧によるバルブピストン12L,12Rを押
し上げようとする力よりも大きくなると、バルブ
ピストン12L,12Rが該付勢力に抗して下方
へ移動し、弁体10L,10Rがバルブシート2
6L,26Rに着座して入力ポート20L,20
Rと第2出力ポート30L,30Rとの間が閉鎖
される。この時点の制動液圧が折点液圧である。
そして、これ以後は、第2出力ポート30L,3
0Rの制動液圧に基づくバルブピストン12L,
12Rへの押下力と、コイル状スプリング34
L,34Rの付勢力および弁室8L,8Rの制動
液圧に基づくバルブピストン12L,12Rへの
押上力とが等しくなるように弁体10L,10R
が僅かに開閉作動して、公知の液圧制御作用が行
われる。
この時、両バルブピストン12L,12Rの移
動量(リフト量)が等しければ、連結部材54は
全く傾動しない。しかし、コイル状スプリング3
4L,34Rの付勢力やバルブピストン12L,
12Rの外径寸法等の僅かなバラツキやバルブピ
ストン12L,12Rの摺動抵抗のバラツキによ
つて上記リフト量に差が生じた場合には、両バル
ブピストン12L,12Rが、相互に干渉するこ
となく独立して相対移動できるように連結部材5
4に連結されているので、連結部材54の両端部
62とストツパ66との間隔Dによつて許容され
る連結部材54の傾動範囲内において、液圧制御
の作動がそれぞれ独立して為されるのである。
いずれか一方の配管系統に故障が発生したとき
の作動は以下の通りである。たとえば、マスタシ
リンダ68の出力ポート72からPバルブ2の入
力ポート20Lおよび第1出力ポート24Lを介
して左前輪のホイールシリンダ22Lへ至る管路
または第2出力ポート30Lからホイールシリン
ダ28Rへ至る管路に液漏れが生じた場合には、
出力ポート72からは制動液圧が供給されない
が、出力ポート74から入力ポート20Rおよび
右前輪のホイールシリンダ22Rならびに左後輪
のホイールシリンダ28Lには制動液圧が供給さ
れる。第2出力ポート30Rの制動液圧が高くな
るとバルブピストン12Rが下方に移動し、連結
部材54を時計回り方向(第1図中)に傾動させ
る。この傾動は連結部材54の右側(第1図中)
の端部62とストツパ66との間隔Dが消滅して
これらが当接することによつて規制されるが、制
動液圧がさらに高められると、逆に連結部材54
がコイル状スプリング34L,34Rの付勢力に
抗して該当接点を中心として反時計回り方向に傾
動させられ、弁体10Rがバルブシート26Rに
着座するまで押し下げられて第2出力ポート30
Rの制動液圧が調整される。
すなわち、連結部材54の右側端部62がスト
ツパ66に当接した後は、作動する側のバルブピ
ストン12Rが、連結部材54を介して、作動し
ない側のバルブピストン12Lをもコイル状スプ
リング34Lの付勢力に打ち勝つてその作動位置
まで(弁体10Lがバルブシート26Lに着座す
るまで)移動させなければ、バルブピストン12
Rは制動液圧制御を開始しない、言い換えればそ
の弁体10Rがバルブシート26Rに着座しない
のである。
この時、上記当接点とバルブピストン12Rと
の間隔をa、上記当接点とバルブピストン12L
との間隔をbとすると、バルブピストン12Rを
押し下げるに要する力は正常時の(1+b/a)
倍となり、これに対応して第2出力ポート30に
発生する制動液圧の折点液圧も約(1+b/a)
倍となる。
一系統故障時には、車両等に制動力が及んでも
後輪荷重の低下(前輪に大きい荷重がかかるこ
と)が少ないため、左後輪のホイールシリンダ2
8Lに供給される制動液圧を低く制限したくな
い。むしろ、片側の後輪制動力を大きくするため
にそれを高くする必要性があり、上記のように折
点液圧が高くなることは非常に好都合である。つ
まり、一系統の配管系の故障によつて不足しがち
な制動力が正常な側の後輪の制動力でかなり補わ
れ、車両走行時の安全性がより向上するのであ
る。
しかも、前述のように部品寸法等のバラツキに
よつてバルブピストン12L,12Rに差が生じ
ても、両者が相対移動を許容されて連結部材54
に連結され、また付勢力が相互に同等なコイル状
スプリング34L,34Rを使用しているので、
両者の液圧制御特性をほぼ一致させ得る。なお、
本実施例は左右対称に構成されているので、上述
の作動はその反対側においても同様に為される。
以上詳記したのはあくまでも一実施例であつて
本考案はこの態様に限定されることなく、種々の
変更を加えた態様で実施し得ることは勿論であ
る。
例えば、第5図に示すようにバルブピストン端
部の小径部を構成するボルト軸部80に、そのほ
ぼ中央に位置して環状の膨出部82を形成すれ
ば、(C形ワイヤリング等を利用してもよい)貫
通穴56とその膨出部82がほぼ接した状態とな
つて、連結部材54のガタツキがほとんど無くな
り、突条58は、より正確にバルブピストン(大
径部)の直径上に当接し得、しかも連結部材54
の傾動が妨げられることがない。なお、膨出部8
2は貫通孔56の内面に形成してもよい。
また、バルブピストン端部を段付軸状にして小
径部を形成するとともにその先端部に一方の大径
部となるリングを嵌合し、C形止め輪等で抜出し
を防止するようにしても差支えない。
さらに連結部材に形成される突条は、偏平な三
角形状の断面を有するものに限らず、断面円弧形
状のものも採用可能である。特に二つの大径部に
内接する円の円弧と一致するように突条を形成す
れば、連結部材の傾動に伴つて突条の接触線は
時々移行していき、常にバルブピストン(大径
部)の直径上で接触するようにできる。
連結部材の自由端部の移動を規制するストツパ
は、種々なるものが考えられるが、例えば、ハウ
ジング下面をストツパとし、連結部材の端部上面
をそこに当接させるようにすることもできる。す
なわち、第1図においてストツパ66を省略し、
代わりにハウジング4の下面をストツパとするの
である。例えば、バルブピストン12Rが作動し
ないでバルブピストン12Lが作動する場合に
は、連結部材54のバルブピストン12Rに対す
る係合部を中心とする反時計方向の回動によつて
それの右側の端部62がハウジング4に当接し、
それ以後はその当接点を中心としてさらに反時計
方向に回動してバルブピストン12Rをスプリン
グ34Rの付勢力に抗して移動させるようにする
のである。こうすれば、一方のバルブピストンが
作動しないとき、他方の作動する側のバルブピス
トンを押し下げるのに要する力は、前記実施例の
場合と比較して小さくできる。つまり、一方の配
管系統に故障が生じた場合に、他方の配管系統の
折点液圧をどの程度に決定するかにより、適宜の
ストツパが設定、配設されることとなるのであ
る。
以上、要するに本考案は、ブレーキ操作部材の
操作に基づき、マスタシリンダにおいて発生させ
られる制動液圧が左右の後車輪に設けられたホイ
ールシリンダに独立した二系統の配管によつて伝
達されるようになつているリヤ独立二系統制動装
置において、前記左右後車輪のホイールシリンダ
に伝達される制動液圧の大きさを制御するため
に、単一のハウジングに並列に配設され、各々の
一端が該ハウジングから突出し、かつ各々スプリ
ングによつて該ハウジング内部へ向かう方向に付
勢された2本のバルブピストンを備えた液圧制御
装置であつて、 (1) 前記2本のバルブピストンの前記ハウジング
から突出したそれぞれの端部に、両側を大径部
に挾まれて形成された小径部と、 (2) 該小径部の各々と前記大径部の各々との境界
に形成された4つの段付面と、 (3) 長手形状を成す部材であつて、前記2本のバ
ルブピストンの前記小径部と所定の隙間をもつ
て嵌合する2個の貫通孔を備えるとともに、該
2本のバルブピストンの中心線を含む平面に直
交する方向に形成されて前記4つの段付面の
各々に該バルブピストンのほぼ直径上において
線状に接触する4本の突条を備え、自身が傾動
することによつて前記2本のバルブピストンの
軸心方向の相対移動を許容するように両バルブ
ピストンを連結する連結部材と、 (4) 前記ハウジングに対して固定的に設けられ、
前記連結部材の両端部にそれぞれ一定の間隔で
対向し、対両端部が該ハウジングから該間隔以
上離隔すること、または該ハウジングに該間隔
以上接近することを阻止する2個のストツパと を含み、かつ、該間隔が、前記2本のバルブピ
ストンの一方が最もハウジング内に押し込まれた
位置にある状態で、他方のバルブピストンが前記
連結部材を該一方のバルブピストンに対する係合
部を中心に回動させつつハウジング外へ押し出さ
れたときは、該他方のバルブピストンに対応する
前記開閉弁が閉じられる以前に該連結部材の端部
が前記ストツパに当接するが、両バルブピストン
が共にハウジング外へ押し出されたときは当接し
ない大きさに選定されたことを特徴とするもので
ある。
そのため、双方のバルブピストンのリフト量の
差異を許容しつつ液圧制御を為すとともに、一方
の配管系統の故障時に他方の配管系統の折点液圧
を高め得、しかも小形かつ軽量な液圧制御装置を
提供し得る。
また、バルブピストンが連結部材から受ける荷
重の荷重点が、そのほぼ中心線上に位置すること
となるため、バルブピストンに偏荷重によるコジ
リ力が加わることがない。
さらに、連結部材に突条が形成されているた
め、バルブピストンが回転しても差支えなく、言
い換えればその回り止め装置を設ける必要が無
く、しかも、その突条はバルブピストンに対し点
ではなく線当たりするから、局部的な塑性変形の
発生を回避し易くなるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示すリヤ独立二系
統の制動装置に接続された液圧制御装置の断面図
である。第2図は連結部材の要部斜視図、第3図
は第1図における連結部材とバルブピストン端部
との連結状態を示す要部拡大図、第4図はその断
面図であり、第5図はバルブピストン端部の小径
部に膨出部が形成された態様を示す要部断面図で
ある。 2:液圧制御装置(Pバルブ)、4:ハウジン
グ、12L,12R:ホイールシリンダ、28
L,28R:ホイールシリンダ、34L,34
R:コイル状スプリング、38:段付ボルト、4
2,80:ボルト軸部、44:ボルト頭部、4
6:ボルト頭部内端面、48L,48R:バルブ
ピストン末端面、52:バルブピストン端部、5
4:連結部材、56:貫通孔、58:突条、6
6:ストツパ。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 ブレーキ操作部材の操作に基づきマスタシリン
    ダにおいて発生させられる制動液圧が左右の後車
    輪に設けられたホイールシリンダに独立した二系
    統の配管によつて伝達されるようになつているリ
    ヤ独立二系統制動装置において、前記左右後車輪
    のホイールシリンダに伝達される制動液圧の大き
    さを制御するために、単一のハウジングに並列に
    配設され、各々の一端が該ハウジングから突出
    し、かつ各々スプリングによつて該ハウジング内
    部へ向う方向に付勢された2本のバルブピストン
    を備えた液圧制御装置であつて、 前記2本のバルブピストンの前記ハウジングか
    ら突出したそれぞれの端部に、両側を大径部に挾
    まれて形成された小径部と、 該小径部の各々と前記大径部の各々との境界に
    形成された4つの段付面と、 長手形状を成す部材であつて、前記2本のバル
    ブピストンの前記小径部と所定の隙間をもつて嵌
    合する2個の貫通孔を備えるとともに、該2本の
    バルブピストンの中心線を含む平面に直交する方
    向に形成されて前記4つの段付面の各々に該バル
    ブピストンのほぼ直径上において線状に接触する
    4本の突条を備え、自身が傾動することによつて
    前記2本のバルブピストンの軸心方向の相対移動
    を許容するように両バルブピストンを連結する連
    結部材と、 前記ハウジングに対して固定的に設けられ、前
    記連結部材の両端部にそれぞれ一定の間隔で対向
    し、該両端部が該ハウジングから該間隔以上離隔
    すること、または該ハウジングに該間隔以上接近
    することを阻止する2個のストツパと を含み、かつ該間隔が、前記2本のバルブピス
    トンの一方が最もハウジング内に押し込まれた位
    置にある状態で、他方のバルブピストンが前記連
    結部材を該一方のバルブピストンに対する係合部
    を中心に回動させつつハウジング外へ押し出され
    たときは、該他方のバルブピストンに対応する前
    記開閉弁が閉じられる以前に該連結部材の端部が
    前記ストツパに当接するが、両バルブピストンが
    共にハウジング外へ押し出されたときは当接しな
    い大きさに選定されたことを特徴とするリヤ独立
    二系統用制動液圧制御装置。
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