JPS6211696Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用用ドアガラス等のシールに用
いられる自動車用ウエザーストリツプに関する。

従来のこの種ウエザーストリツプとして、例え
ば、第１図に示すようなものが知られている。こ
のウエザーストリツプ１は、ドアガラス２が断面
中空状シール部３のシール片３ａに圧接されたと
き、シール片３ａに突設したリツプ４，５がドア
ガラス２の上端部両側面を弾持する構成となつて
いる。なお、６はパネル、７はトリム、８はウエ
ザーストリツプ１の基部をパネル６に取り付ける
固定部材、９はウエザーストリツプの取付基部、
１０，１１は同じくシール部３の支持部である。

しかしながら、かかるウエザーストリツプ１に
あつては、リツプ４，５の屈曲によつてシール力
を確保するため、これらの屈曲支点４ａ，５ａを
取付基部９から比較的離れた位置に設定する必要
があつたため、全体形状が大きくなつてしまつ
た。また、高速で走行したとき、車室内外の圧力
差により、ドアガラス２が車室外側に偏位し、振
動音や風切音を発生しシール性が害されるという
問題があつた。

一方、かかる問題解決のため、前記屈曲支点４
ａ，５ａを支える支持部１０，１１を強固なもの
とすることが考えられるが、これが却つてウエザ
ーストリツプ１全体の反力を上昇させ柔軟性を害
するという問題があつた。

本考案はかかる従来の諸問題に着目して成され
たものであり、中空状シール部のドアガラス端縁
と接触する部位を可撓性の比較的柔軟で、しかも
取付基部に対し、断面円弧状に突出したシール片
となし、このシール片に対向する取付基部の中空
部内側に、前記ドアガラス端縁を包受したシール
片を嵌入させる凹溝を形成することによつて、そ
の嵌入時におけるシール性とドアガラスの安定保
持性をともに得るようにした自動車用ウエザース
トリツプを提供するものである。

以下に、本考案の実施例を図面について具体的
に説明する。

第２図は本考案の要部を指示するための自動車
１２の側面図で、１３は車体パネル、１４はドア
パネルである。

第３図は第２図の−線に沿う断面図で、プ
レス成形したドアパネルに取り付けたウエザース
トリツプとしてのグラスチヤンネル１５の実施例
である。このグラスチヤンネル１５はソリツドゴ
ム、スポンジゴム、塩化ビニルのような弾性合成
樹脂のソリツド体または発泡体などのいずれかま
たはこれらを組合わせたものからなるが、特に、
ドアガラスやドアパネルに接する部分は発泡体
で、また取付基部はソリツド体でそれぞれ形成す
ることが望ましい。

１４ａ，１４ｂはそれぞれドアアウタパネルお
よびドアインナパネルで、これらの接合フランジ
１６には鉄板を打ち抜いて形成した芯材１７ａを
内包した断面略Ｕ字状のウエルト１７が嵌合装着
されている。このウエルト１７は断面中空状の前
記グラスチヤンネル１５が一体形成されている。
このグラスチヤンネル１５は、ドアガラス１８に
接触しかつ押圧されてこのドアガラス１８上端縁
を包受するように屈曲し、取付基部２２に対し、
断面円弧状に突出したシール片１９と、このシー
ル片１９を支持し、これとともに連続する断面円
弧状部を形成する一対の支持部２０，２１と、こ
れらに連続する取付基部２２とからなる。したが
つて、このシール片１９は可撓性，柔軟性を合せ
有する。また、シール片１９に対向する取付基部
２２の、中空部２３に臨む面には２本の断面円弧
状の突条２４，２５が設けられ、これら両突条２
４，２５間に凹溝２６が形成されている。また、
ウエルト１７側面から、シール片１９に向かつて
一条のメインシールリツプ２７が突設され、ドア
ガラスの内側面をシールするように作用する。

なお、２８はドアインナパネル１４ｂに取り付
けられた装飾用トリム、２９，３０はドアインナ
パネル１４ｂと車体パネル１３のフランジとの間
をシールするウエザーストリツプである。

かかる構成になるグラスチヤンネル１５によれ
ば、ドアガラス１８がＹ方向に迫り上がつて、そ
の端縁がシール片１９に接触しさらにこのシール
片１９を押し上げると、このシール片１９は取付
基部２２に対し断面円弧状に突出した形状で且つ
可撓性の比較的柔軟であるから、ドアガラス１８
の上昇に伴つてその端縁を包受するように変形し
てゆくので、ドアガラス端縁を同じ当接反力で均
一にシールしながら、ドアガラスの上昇継続を可
能とする。さらに、ドアガラス１８が上昇する
と、シール片１９はドアガラス１８の端縁を屈曲
しながら包受して前記突条２４，２５に接すると
ともに、続く上昇によつて凹溝２６に馴染むよう
に変形しながら、第４図に示すように圧入され
る。この場合において、凹溝２６の深さと形状を
適当に設定することにより、シール片１９に対す
る挾持力を任意に選ぶことができる。

かくして、ドアガラス１８の端縁はシール片１
９に包受されて凹溝２６内に嵌入されるため、高
速時にドアガラス１８が車室外側へ吸引される力
を受けても、そのドアガラス１８の偏位は凹溝２
６によつて規制され、したがつて振動音や風切音
を有効に防止できる。

第５図は他のグラスチヤンネル３１の変形例を
示す。このグラスチヤンネル３１はリテーナ３２
を介してドアパネルに取り付けられる。３３はリ
テーナ３２の嵌合凹部に装着するためにグラスチ
ヤンネル３１の本体に連設された中空状の嵌合
部、３４はこの嵌合部３３に連設され、車室内側
の装飾性を向上させるトリムリツプである。な
お、これ以外のグラスチヤンネル３１の構成は前
記したものと同様である。

かかる実施例ではドアパネル１４に対する取付
構造を異にしているが、ドアガラス１８に当接す
る部位の構成，作用は前記したものと同一であ
る。なお、第３図に示す場合にも言える事である
が、ドアガラス１８の内側面に当接させるメイン
シールリツプ２７は、第６図に示すように中空状
のシールリツプ２７ａとすることもできる。

かかる実施例構造は前記グラスチヤンネル１
５，３１以外のグラスチヤンネルやその他のウエ
ザーストリツプにも採用できる。

以上説明したように、本考案によれば、中空状
シール部のドアガラス端縁と接触する部位を、可
撓性の比較的柔軟で、しかも、取付基部に対し、
断面円弧状に突出したシール片となし、このシー
ル片に対向する取付基部の中空部内側に、前記ド
アガラス端縁を包受した前記シール片を嵌入させ
る凹部を形成したことにより、ドアガラスが上昇
しーてその端縁がシール片に接触しさらにシール
片を押し上げると、シール片は可撓性の比較的柔
軟であるから、ドアガラスの端縁を包受するよう
に変形してゆくので、ドアガラス端縁を同じ当接
反力で均一にシールしながらドアガラスの上昇継
続を可能とし、遂にはシール片はドアガラス端縁
を包受したまま取付基部の前記凹部内に嵌入し、
ドアガラスの端縁を確実に保持するので、高速走
行時に、ドアガラスに車室外方の圧力が作用した
場合でも、ドアガラスの偏位や振動を確実に防止
でき、風切り音も有効に防止できる。また、従来
のウエザーストリツプのように、屈曲支点を取付
基部より離して設ける必要なくなり、グラスチヤ
ンネルなどウエザーストリツプの形状を小さくで
き、設計上の自由度が向上する等の利点が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のウエザーストリツプの断面図、
第２図は自動車の側面図、第３図は第２図の−
線に沿う断面図、第４図は同じくウエザースト
リツプの作用状態を示す同様の断面図、第５図は
他のウエザーストリツプを示す断面図、第６図は
さらに他のウエザーストリツプを示す断面図であ
る。 １５，３１……ウエザーストリツプ、１８……
ドアガラス、１９……シール片、２２……取付基
部、２３……中空部、２４，２５……突条、２６
……凹溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車開口部内周縁に装着され、ドアガラスの
   端縁に当接して車室内外をシールするウエザース
   トリツプにおいて、取付基部に一体形成された中
   空状シール部のドアガラス端縁と接触する部位
   を、可撓性の比較的柔軟で、しかも、取付基部に
   対し断面円弧状に突出したシール片となし、この
   シール片に対向する取付基部の内側面に、前記ド
   アガラス端縁を包受せる前記シール片を嵌入させ
   る凹部を形成してなる自動車用ウエザーストリツ
   プ。