JPS6211420B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は供給リール及び巻取リールにそれぞれ
巻装されている磁気テープを引き出して所定の走
行路に沿つて走行させて記録および／または再生
を行うように構成し、この際、前記磁気テープの
テンシヨンを制御するテンシヨンレギユレータに
前記磁気テープを係合させると共に回転ヘツドド
ラムに前記磁気テープを巻付けた状態となし、更
にまた、停止モード時に前記供給リール及び前記
巻取リールを制動するためのブレーキ手段を設け
た記録再生装置に関する。

カセツト式VTRにおいては、カセツトケーシ
ング内の一対のリールに両端が止着されている磁
気テープを引出してテープ走行路に架装するとと
もに、ヘツドドラムの外周部に巻付けて記録再生
を行うようにしている。このようなVTRにおい
て、磁気テープが走行していないときにはこのテ
ープが弛まないように、上記一対のリールを制動
するためのブレーキを作動させることによつて、
リールが不必要に回転するのを防止するようにし
ている。このブレーキのトルクは磁気テープに異
常な張力がかからないような値に設定されている
のが望ましい。しかし磁気テープを高速送り状
態、すなわち早送りモードあるいは巻戻しモード
から急に停止モードに切換えると、磁気テープは
比較的高い張力状態のままで停止することにな
る。従つて磁気テープは緊張状態でヘツドドラム
の外周部に巻付けられたまま放置されることにな
る。特に高温多湿の環境条件下に放置されると、
磁気テープがヘツドドラムの外周囲に張りついて
しまい、再びテープ走行をさせようとしても、ヘ
ツドドラムが回転せず、磁気テープの円滑な走行
がなされないことになる。

なお早送りモードから停止モードに切換えたと
きの供給リール側のテープテンシヨンτ_１および
巻取り側のテープテンシヨンτ_２はそれぞれ次式
で求められる。

ここでT₁，T₂は供給リールおよび巻取りリー
ルのリールブレーキのトルク、I₁，I₂は供給リー
ルおよび巻取りリールの慣性モーメント、r₁，r₂
は供給リールおよば巻取りリールの磁気テープの
巻径（半径）、ω_１，ω_２は供給リールおよび巻
取りリールの角速度、αはヘツドドラムに対する
磁気テープのラツプアングル、μは磁気テープと
ヘツドドラム外表面との摩擦係数、Ｋはブレーキ
の方向比であつて早送りモードにおいてはT₁＝
KT₂の関係にある。

本発明はブレーキ手段をその制動が解除される
方向に駆動すると共にテンシヨンレギユレータを
磁気テープのテンシヨンに逆らつてこの磁気テー
プの引き出し方向に駆動する駆動手段を設け、高
速送りモード、すなわち早送りモードあるいは巻
取モードから停止モードに切換えられた時に、前
記駆動手段が作動することによつて、前記ブレー
キ手段が作動して前記磁気テープの引出しが可能
となるように前記制動が一時的に解除されると共
に前記テンシヨンレギユレータが前記磁気テープ
の引出し方向に作動してこの磁気テープが引出さ
れ、次いで、前記駆動手段が復動することによつ
て、前記ブレーキ手段が復動して前記制動が再び
行われると共に前記テンシヨンレギユレータが定
常状態に復帰し、これによつて、前記磁気テープ
のテンシヨンが低減した状態の停止モードが得ら
れるように構成したものであつて、その構成が簡
単で動作が確実であるにもかかわらず、磁気テー
プの走行を再開する際に磁気テープを円滑に走行
させることができる記録再生装置を提供しようと
するものである。

以下本発明をカセツト式VTRに適用した一実
施例を図面につき説明する。

まずカセツト式VTRの概略を説明すると、第
１図に示すようにカセツトケーシング１０内の供
給リール１１および巻取りリール１２にそれぞれ
両端を止着されてこれらのリール１１，１２に巻
装されている磁気テープ１３は、ローデイングリ
ング１４上に植設されている４本のテープガイド
ピン１５およびテンシヨンレギユレータ１６の先
端に植設されているピン１７によつて、カセツト
ケーシング１０の前面開口から引出されてテープ
走行路に架装される。そして磁気テープ１３は全
巾消去ヘツド１８、回転ヘツドドラム１９、音声
消去ヘツド２０およびコンビネーシヨンヘツド２
１と対接される。さらにピンチローラ２２が一定
の速度で回転しているキヤプスタン２３に対して
磁気テープ１３を圧着するために、磁気テープ１
３は上記３つの固定ヘツド１８，２０，２１およ
び回転ヘツドドラム１９の外周部に支持されてい
る一対の回転ビデオヘツド２４と対接しながら走
行することになり、これによつて所定の記録再生
がなされることになる。

上記一対のリール１１，１２の外周部にはブレ
ーキレバー２５，２６が配設されており、それぞ
れピン２７，２８によつて回動可能に支持され、
かつコイルばね２９，３０によつてピン２７，２
８を中心として第１図において反時計方向および
時計方向に回動付勢されている。そしてこれらの
レバー２５，２６の側部すなわち第１図において
下部にはブレーキ制御用スライダ３１が配設され
ており、一対のピン３２，３３によつて摺動可能
に支持されている。スライダ３１の側部に突出し
ている突片３４はレバー２５の先端に植設されて
いるピン３５と当接している。またスライダ３１
の側部に形成されている傾斜面３６は中間レバー
３７の一端に植設されているピン３８と当接する
ように構成されている。中間レバー３７は支点ピ
ン３９によつて回動可能に支持されるとともに、
その他端に植設されているピン４０はブレーキレ
バー２６の凹部４１と係合している。また上記ス
ライダ３１には被押圧片４２が一体に連設されて
おり、押圧レバー４３の先端に植設されているピ
ン４４と当接している。このレバー４３はピン４
５によつて回動可能に支持されており、かつプラ
ンジヤ４６のロツド４７にピン４８を介して連結
されている。

プランジヤ４６の側部には、テープテンシヨン
を一時的に緩和するための別のプランジヤ５０が
配設されている。このプランジヤのロツド４９は
ピン５１を介して第１中間レバー５２に連結され
ている。レバー５２は支点ピン５３によつて回動
可能に支持されるとともに、その他端は第２中間
レバー５４の一端に植設されているピン５５と当
接し得るように構成されている。レバー５４はピ
ン５６によつて回動可能に支持されるとともに、
コイルばね５７によつて第１図において反時計方
向に回動付勢されている。そしてこのレバー５４
の他端は変換レバー５８の先端に植設されている
ピン５９と当接可能に構成されている。このレバ
ー５８はピン６０によつて回動可能に支持されて
おり、かつ連結リンク６１によつて押圧レバー６
２と連結されている。押圧レバー６２はピン６３
によつて回動可能に支持されており、その時計方
向の回動によつてテンシヨンレギユレータ１６の
被押圧ピン６４を押圧するように構成されてい
る。なおテンシヨンレギユレータ１６は支点ピン
６５によつて回動可能に支持されている。

上記ブレーキ制御用スライダ３１の下側には、
補助スライダ６６が重ねて配されており、同じく
上記ピン３２，３３によつて摺動可能に支持され
ている。そしてこのスライダ３１の側部には先端
が折曲つた突片６７が一体に連設されており、こ
の突片６７が第１中間レバー５２の側部と当接し
得るように構成されている。さらにこのスライダ
６６には第１図において左端に押圧片６８が連設
されており、この押圧片６８がブレーキ解除レバ
ー６９の先端のピン７０を押圧するように構成さ
れている。レバー６９は支点ピン７１によつて回
動可能に支持されており、かつこのレバー６９の
ピン７０はスライダ３１の被押圧片７２を押圧し
得るようになつている。

次に以上の構成によるこのカセツト式VTRの
動作について、特に高速送りモードから停止モー
ド（ストツプモード）に切換えたときに磁気テー
プのテンシヨンが緩和される動作について説明す
る。

磁気テープ１３の高速送りモード、例えば早送
りモードにおいては、第１図に示すようにプラン
ジヤ４６が付勢されており、これによつて押圧レ
バー４３を介してブレーキ制御用スライダ３１が
第１図において左方に移動している。従つてスラ
イダ３１の突片３４および傾斜面３６がそれぞれ
ブレーキレバー２５のピン３５及び中間レバー３
７のピン３８を押しており、また中間レバー３７
のピン４０はブレーキレバー２６の凹部４１を押
している。このためブレーキレバー２５，２６は
リール１１，１２を制動しておらず、リール１
１，１２は自由に回転し得る状態にある。この状
態で巻取りリール１２が図外のリール台によつて
高速で駆動されると、リール１１に巻装されてい
る磁気テープ１３は引出されて第１図に示すテー
プ走行路を高速で走行し、リール１２で巻取られ
ることになる。このときの磁気テープ１３のテン
シヨンは第５図Ｄに示すように、比較的低いほぼ
一定の値に維持されている。なお第５図Ａはモー
ドを示し、高レベルが早送りモードに対応し、低
レベルがストツプモードに対応している。

この早送りモードにおいてストツプ釦を操作す
ると、このVTRはストツプモードに切換えられ
ることになり、磁気テープ１３の走行は急激に停
止する。すなわちストツプ釦の操作に伴つてプラ
ンジヤ４６が消勢されることになり、ブレーキレ
バー２５，２６はそれぞれコイルばね２９，３０
によつて反時計方向および時計方向に回動して、
リール１１，１２を制動する。同時にリール１２
のリール台による駆動も断たれることになる。こ
のようにして第５図Ａに示すように早送りモード
からストツプモードに切換えられる。なお第５図
Ｂはブレーキレバー２５，２６の作動の状態を示
しており、ストツプモードへの切換えに伴つて非
作動状態から作動状態に切換えられるのが、低レ
ベルから高レベルへ変化することで示されてい
る。そしてこのときには、高速で走行していた磁
気テープ１３が急激に停止するために、第５図Ｄ
に示すように、テープテンシヨンが急激に上昇し
ている。

そしてこのテープテンシヨンを緩和するため
に、ストツプ釦が操作されてから所定の時間、例
えば0.1秒後に第３図に示すように、プランジヤ
５０が付勢される。するとこのプランジヤ５０の
ロツド４９とピン５１を介して連結されている第
１中間レバー５２が第３図においてピン５３を中
心として反時計方向に回動し、このレバー５２の
側部が補助スライダ６６を押圧する。これによつ
てスライダ６６は第３図において左方に移動し、
スライダ６６の押圧片６８がピン７０を押してブ
レーキ解除レバー６９を第３図においてピン７１
を中心として時計方向に回動させる。するとレバ
ー６９のピン７０がスライダ３１の被押圧片７２
を押圧してこのスライダ３１を同じく第３図にお
いて左方に移動させる。そしてこのスライダ３１
の移動によつて突片３４および傾斜面３６がそれ
ぞれブレーキレバー２５のピン３５および中間レ
バー３７のピン３８を押す。これによつてブレー
キレバー２５，２６はそれぞれコイルばね２９，
３０に抗して時計方向および反時計方向に回動し
てリール１１，１２の制動を一時的に解除する。
この状態は第５図Ｂにおいて、制動レベルが急激
に低レベルになることに対応しており、これによ
つてリール１１，１２の回転が自由になるために
第５図Ｄに示すように磁気テープ１３のテープテ
ンシヨンは急激に低下する。

さらに上記プランジヤ５０の付勢に伴つて第１
中間レバー５２が回動すると、この回動は第２中
間レバー５４、変換レバー５８および連結リンク
６１を介して押圧レバー６２に伝達され、押圧レ
バー６２は第３図においてピン６３を中心として
時計方向に回動する。するとこのレバー６２の先
端はピン６４を押してテンシヨンレギユレータ１
６をピン６５を中心として反時計方向に回動させ
る。するとこのレギユレータ１６はそのピン１７
に磁気テープ１３を引掛けてこの磁気テープ１３
のテープパスを長くする方向に変位するために、
ブレーキレバー２５，２６による前記制動が解除
されて磁気テープ１３の引出しが可能な状態にあ
るリール１１，１２から磁気テープ１３を引出す
ことになる。テンシヨンレギユレータ１６の回動
の状態は第５図Ｃに示されており、反時計方向の
往回動位置にあるときが高レベルで表わされてい
る。そしてこのテンシヨンレギユレータ１６の回
動に伴つて磁気テープ１３が引出されるために、
磁気テープ１３のテンシヨンは若干上昇するが、
リール１１，１２が制動されていないために、こ
のテンシヨンの上昇は第５図Ｄに示すように非常
にわずかであり、しかもこのテンシヨンは時間と
ともに減少する。またテンシヨンレギユレータ１
６の磁気テープ１３の引出しの動作は、第５図Ｂ
と第５図Ｃとの比較から明らかなように、ブレー
キ２５，２６の解除よりも遅れて行なわれるよう
になつている。これは第１図および第２図に示す
ように、プランジヤ５０が消勢しているときには
第２中間レバー５４とピン５９との間および押圧
レバー６２とピン６４との間にクリアランスがあ
り、これによつてプランジヤ５０の付勢の開始と
テンシヨンレギユレータ１６の回動との間に時間
的に遅れが生ずるように構成してあるからであ
る。すなわちメカニカルなデイレイ機構によつて
ブレーキレバー２５，２６によるリール１１，１
２に対する制動が解除された後に磁気テープ１３
を引出すようにしている。

そしてテンシヨンレギユレータ１６で磁気テー
プ１３を若干量だけ引出したら、再びプランジヤ
５０は消勢される。これに伴つて第４図に示すよ
うにテンシヨンレギユレータ１６は復動して定常
状態に復帰すると共にブレーキレバー２５，２６
も復動するので、テープ走行路に架装されている
磁気テープ１３の張力テンシヨンが緩和された状
態でリール１１，１２は制動されることになる。
従つてこのストツプ状態において、ヘツドドラム
１９に巻付けられている磁気テープ１３のテープ
テンシヨンは非常に軽微であつて、はりついた
り、あるいは再度起動させるときに大きな負荷を
発生させたりはしない。すなわちこのストツプモ
ードから次のモードへの切換えが極めて円滑にな
されることになる。

以上に述べたように本発明は、高速送りモード
から停止モードに切換えられた時に、テンシヨン
レギユレータにより磁気テープを引出すことによ
つて、磁気テープのテンシヨンが低減した状態の
停止モードを得るようにしたので、この停止モー
ドにおいては、磁気テープのテンシヨンが低減し
た状態で磁気テープが回転ヘツドドラムに巻付け
られることになり、このため、停止モードにおい
て磁気テープが回転ヘツドドラムに張りついてし
まう恐れがなく、従つて、磁気テープの走行を再
開する際に磁気テープを円滑に走行させることが
できる。

また停止モード時に供給リール及び巻取リール
を制動するためのブレーキ手段を前記制動が解除
される方向に駆動すると共に磁気テープのテンシ
ヨンを制御するテンシヨンレギユレータを磁気テ
ープのテンシヨンに逆らつてこの磁気テープの引
出し方向に駆動する駆動手段を設ければよいか
ら、その構成が簡単で動作が確実である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明をカセツト式VTRに適用した一
実施例を示すものであつて、第１図は早送りモー
ドにおけるこのVTRの要部平面図、第２図はス
トツプ釦を押した直後における同要部平面図、第
３図は磁気テープのテンシヨンを緩和する動作を
示す同要部平面図、第４図はテープテンシヨンが
緩和した状態を示す同要部平面図、第５図Ａはモ
ードの変化、Ｂはリールブレーキの動作、Ｃはテ
ンシヨンレギユレータの動作、Ｄはテープテンシ
ヨンをそれぞれ示すタイムチヤートである。 なお図面に用いられている符号において、１１
…供給リール、１２…巻取リール、１３…磁気テ
ープ、１６…テンシヨンレギユレータ、１９…回
転ヘツドドラム、２５，２６…ブレーキレバー
（ブレーキ手段）、３１…ブレーキ制御用スライ
ダ、５０…プランジヤ（駆動手段）、６６…補助
スライダである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 供給リール及び巻取リールにそれぞれ巻装さ
   れている磁気テープを引き出して所定の走行路に
   沿つて走行させて記録および／または再生を行う
   ように構成し、この際、前記磁気テープのテンシ
   ヨンを制御するテンシヨンレギユレータに前記磁
   気テープを係合させると共に回転ヘツドドラムに
   前記磁気テープを巻付けた状態となし、 更にまた、停止モード時に前記供給リール及び
   前記巻取リールを制動するためのブレーキ手段を
   設けた記録再生装置において、 前記ブレーキ手段を前記制動が解除される方向
   に駆動すると共に前記テンシヨンレギユレータを
   前記磁気テープのテンシヨンに逆らつてこの磁気
   テープの引き出し方向に駆動する駆動手段を設
   け、 高速送りモードから停止モードに切換えられた
   時に、前記駆動手段が作動することによつて、前
   記ブレーキ手段が作動して前記磁気テープの引出
   しが可能となるように前記制動が一時的に解除さ
   れると共に前記テンシヨンレギユレータが前記磁
   気テープの引出し方向に作動してこの磁気テープ
   が引出され、次いで、前記駆動手段が復動するこ
   とによつて、前記ブレーキ手段が復動して前記制
   動が再び行われると共に前記テンシヨンレギユレ
   ータが定常状態に復帰し、これによつて、前記磁
   気テープのテンシヨンが低減した状態の停止モー
   ドが得られるように構成したことを特徴とする記
   録再生装置。