JPS621124B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は取付パネル等に取着してハーネスやパ
イプ等を抱持するようにしたクリツプに関する。

従来からこの種のクリツプとしては、米国特許
第3654669号に示すように細帯状のもので単体の
ハーネスか実開昭55−173188号公報に示すように
集合体としてのハーネスを巻回するようにして、
これを取付パネルの所要箇所に保持するタイプの
ものと、クランプ式の保持体により包囲するタイ
プのものがあり、夫々につき各種のものが既に知
られている。

しかし何れのタイプにあつても、一種類のハー
ネスクリツプで、長尺体である一束のハーネスし
か保持することができず、このため例えば複数本
の集合体である長尺ハーネスを、或箇所までは一
束として配装して行き、途中から当該ハーネスを
二つに分岐して配装しなければならないような場
合、一束用と二束用とのハーネスクリツプを夫々
用意しなければならないことゝなり、この結果少
なくとも２種類の異なつたハーネスクリツプを必
要とすることになつて不経済であるだけでなく、
その管理上からもはん雑となり、かつ取付工程上
からは作業性が低下するといつた難点があつた。

本発明は上記従来の欠点に鑑み、取付パネル等
に取着してハーネス等を抱持するようにしたクリ
ツプにおいて、頭体から抱持用帯板と係止帯とを
延出し、この頭体には所要ハーネス等を抱持した
上記抱持用帯板の自由端側が挿通して、同帯板を
抜止め状態に保持する係止透孔を貫設し、当該抱
持用帯板の係止透孔から挿出した延出部分と、当
該部分の所要箇所に抜止め状態にて係合した前記
係止帯とにより、他の所要ハーネス等を抱持可能
に構成したことにより、一つのクリツプによつて
一束ハーネスも二束ハーネスも共に保持できるよ
うにしたもので、以下図示の実施例によつてこれ
を詳記する。

第１図と第２図によつて明示される通り、頭体
１と、それから左右逆方向に延出された抱持用帯
板２、係止帯３とを具備している。

そして図示例では角柱状とした頭体１の取付面
４から一側面５と面一になるよう抱持用帯板２が
延出されており、一方係止帯３は頭体１の天井面
４′から他側面５′と面一に延出してあり、上記抱
持用帯板２には、巾方向に穿設した多数の係止口
６，６……が、長手方向へ所定間隔だけ離して列
設されていると共に、同帯板２の裏面側には頭体
１寄りに、割溝７を具備した取着用係嵌突子８が
設けられているが、当該突子８は頭体１の取付面
４から突設することもできる。

そして上記係止帯３は抱持用帯板２より狭巾で
あつて、同帯板２の前記係止口６，６……に挿通
自在なるよう形成されていると共に、その表面側
には鋸歯状に列設した係止爪９，９……が設けら
れており、上記のように係止帯３を係止口６，６
……に挿通した際、係止爪９，９……の直立状と
した係当面９′が抱持用帯板２に係当して抜止め
状態となるよう構成されている。

さらに上記頭体１には、その側面５，５′貫通
する係止透孔１０が穿設されており、図示の同孔
１０は角孔として形成され、これには抱持用帯板
２が挿通自在であると共に、第２図のように側面
５′へ向けて傾斜した係止突起１１，１１が、
夫々取付面４と天井面４′の各裏面から突設され
ており、上記のように係止透孔１０に挿通した抱
持用帯板２の係止口６，６……に、上記の係止突
起１１，１１が係合して、同帯板２を抜止め状態
に保持できる構成となつている。

そこでこれを用いるには、第４図の通り取付用
パネルＡ等の図示されていない取付孔に、抱持用
帯板２の取付用係合突子８を係合取着し、次に当
該帯板２上に配した所要ハーネス等Ｂ１を同板２
にて巻回した後、抱持用帯板２の自由端側を頭体
１の係止透孔１０に挿通引出して、上記ハーネス
等Ｂ１を充分に強く抱持し、この抱持は係止突起
１１，１１が所要係止口６，６に係合することで
保持される。

これにより、ハーネス等Ｂ１が一束の場合、こ
の作業で固持されることになる。

次に上記のようにして係止透孔１０から延出し
た抱持用帯板２の当該延出部分２′に、上記ハー
ネス等Ｂ１に並列して他の所要ハーネス等Ｂ２を
配した場合、係止帯３をこのＢ２に巻回してその
自由端側を、延出部分２′における所要係止口６
に挿通して、充分強く当該ハーネス等Ｂ２を、頭
体１から延出の抱持用帯板２と係止帯３とにより
抱持することにより二束のハーネス等Ｂ１，Ｂ２
を一つのクリツプで取付パネルＡに保持させるこ
とができる。

以上説明した通り、本発明は取付パネル等に取
着してハーネス等を抱持するためのクリツプにお
いて、頭体と、その頭体から延出された抱持用帯
板と係止帯とを備え、上記頭体には該頭体を貫通
する係止透孔が穿設されているとともに、該係止
透孔の互いに対向する内面には、その係止透孔軸
線方向の相対位置が異なる係止突起がそれぞれ形
成され、該係止透孔に挿通可能な上記抱持用帯板
には、その長手方向に沿い、かつ、上記各係止突
起と係止自在に対応する係止口が列設され、該各
係止口に挿通可能な上記係止帯には、その長手方
向に沿い、かつ、これら係止口と係止自在に対応
する係止爪が列設されていることを特徴とする。

したがつて、本発明クリツプの場合、頭体の係
止透孔に抱持用帯板を挿通することにより、一つ
のハーネス抱持用ループをつくることができ、さ
らに抱持用帯板の係止口に係止帯を挿通すること
により他の一つのハーネス抱持用ループをつくる
ことができるから、単一のクリツプにて一束ハー
ネス、二束ハーネスの両方に適用できる。

しかも、上記一方のループは、係止口と係止突
起との相対係止により保持され、上記他方のルー
プは、係止口と係止爪との相対係止により保持さ
れるので、これら独立した係止手段により各ルー
プ径を設定してそれぞれ適切なハーネス締付圧を
得ることができる。

特に、頭体の係止透孔に抱持用帯板を挿通して
１ループをつくる際、その抱持用帯板の両面から
複数の係止口に係止突起が係止されて、信頼性の
ある高度の係止状態が得られる。

したがつてその後、抱持用帯板の係止口に係止
帯を挿通して他の１ループをつくる際の締付操作
中、前記係止状態の係止口と係止突起とが不本意
に外れることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るクリツプの一実施例を示
した正面図、第２図は同斜視図、第３図は同クリ
ツプの使用状態における頭体の縦断正面図、第４
図は同使用状態の斜視図である。 １…頭体、２…抱持用帯板、３…係止帯、６…
抱持用帯板の係止口、９…係止帯の係止爪、１０
…頭体の係止透孔、１１…係止透孔の係止突起、
Ａ…取付パネル、Ｂ１，Ｂ２…ハーネス等。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 取付パネル等に取着してハーネス等を抱持す
   るためのクリツプにおいて、頭体と、その頭体か
   ら延出された抱持用帯板と係止帯とを備え、上記
   頭体には該頭体を貫通する係止透孔が穿設されて
   いるとともに、該係止透孔の互いに対向する内面
   には、その係止透孔軸線方向の相対位置が異なる
   係止突起がそれぞれ形成され、該係止透孔に挿通
   可能な上記抱持用帯板には、その長手方向に沿
   い、かつ、上記各係止突起と係止自在に対応する
   係止口が列設され、該各係止口に挿通可能な上記
   係止帯には、その長手方向に沿い、かつ、これら
   係止口と係止自在に対応する係止爪が列設されて
   いることを特徴とするハーネス等のクリツプ。