JPS6210856B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、自動車のフエンダに関するもので
ある。

一般に自動車の前後に配設されるバンパは、そ
の自重を、例えばサイドメンバ等の強度部材を介
して支持負担するように取付けられていた。

ところで、近年のバンパは、車体の造形上の要
請並びに側面衝突時の車体保護対策の要請から、
バンパが車体側方まで延びる傾向にあると共にバ
ンパの衝撃吸収性能を向上する観点からバンパの
重量が大きくなるという傾向にある。このような
傾向については山海堂版 自動車工学全書第13巻
「乗用車の車体」第188ページに示されている。

しかし、このような傾向にあるバンパを車体に
取り付ける場合、上記従来のバンパ支持点からバ
ンパサイドまでのオーバーハング量が大きくなる
ので、上記強度部材だけでは支持性を充分に確保
することができず、バンパサイドがぶらぶらして
しまうという問題を有していた。

このような問題を解決するために、例えばフロ
ントバンパにあつてはフエンダパネルの前端部下
側にバンパサイドの収容部を形成し、バンパサイ
ドをフロントフエンダにボルト等により締付固定
してバンパの支持性を確保するようにしていた。
（実開昭55−25538号公報、実開昭55−33815号公
報、参照）一方、フロントフエンダの前端部上側
にはクリヤランスランプを取り付けなければなら
ないため、クリヤランスランプ収容部も形成され
ている。そしてこれらバンパ収容部とクリヤラン
スランプ収容部との間には収容部を仕切るための
突起が形成されている。この突起の上下は折曲形
成され、上側折曲部分においてクリヤランスラン
プと沿うようにし、下側折曲部分においてバンパ
サイド端部上縁に沿うようにしている。ところ
が、上記突起部に折曲部をプレス形成する際や、
完成品としてパレツトに積込んで搬送する際に、
突起がねじれたり曲つたりして変形しやすく、バ
ンパやクリヤランスランプを取り付けた状態での
突起の精度が出にくいという問題があつた。

また特にバンパサイド収容部まわりは、バンパ
サイドの取付面を確保する上でプレス形成が深絞
りになりすぎ、肉厚が薄くなつて剛性が低下し、
更に成形するプレス型が強度的に十分な寸法を取
れないため型破損を起しやすいという問題があ
る。

この発明は、かかる従来の問題点に着目して案
出されたもので、その目的とするところはクリヤ
ランスランプ収容部とバンパサイド収容部とを仕
切る突起の成形時及び搬送時の変形を防止して精
度の良好な突起を形成できるようにし、しかもバ
ンパサイド収容部まわりの剛性を確保すると共に
型破損が発生しにくいようにしたフエンダを提供
することにある。

クリヤランスランプ収容部とバンパサイド収容
部とを仕切用突起を介して上下に併設したフエン
ダにおいて、前記突起とバンパサイド終端面に対
向する壁面とにまたがつてすじかい部を形成し、
このすじかい部によつて突起を補強して成形時や
搬送時の変形を効果的に防止し、更にすじかい部
にバンパサイドの固定用片の挿通口を開設し、固
定用片をこの挿通口を通過させて、すじかい部の
内方においてバンパサイドをフエンダにボルト締
め等により固定するようにし、バンパサイド収容
部まわりの深絞りをやめるようにしたことを要旨
とするものである。

以下、この発明の実施例を第１図ないし第４図
に基づいて説明する。

なお、以下の実施例は自動車のフロントフエン
ダ１に適用した場合について詳述するが、この実
施例に限らずリヤフエンダにも適用できることは
勿論である。

１はフロントフエンダパネル、３はバンパ、５
はバンパ３上方のフエンダパネル１に取付けられ
たクリヤランスランプである。従つてフエンダパ
ネル１にはクリヤランスランプ５及びバンパサイ
ドの収容部１Ａ，１Ｂがそれぞれ形成され、各収
容部１Ａ，１Ｂ間には仕切用突起７が車体前方に
突出して形成されている。この突起７の下側折曲
部７ａとバンパサイド収容部１Ｂにおけるバンパ
サイド終端面３ａに対向する壁面のコーナ部Ｘに
は、第２図に示すように突起７を補強する板状の
すじかい部９がまたがつて形成されており、この
すじかい部９はフエンダパネル１の外表面１ｂに
対して段差Ｈを設けて大略平行になるように形成
されている。この段差Ｈはフエンダパネル１をプ
レス成形する際、フエンダパネル１の外表面１ｂ
に対する壁面１ａ及びすじかい部９が無理な深ま
りにならない程度のものである。そして、第２図
及び第４図に示すようにすじかい部９と１ａとの
境界部Ｇに、すじかい部９を切起してフランジ部
１１を形成すると共にバンパサイド固定用片３ｂ
の挿通口１１ａが開設されてある。

前記フランジ部１１には、バンパ取付用の孔１
５ａ，１５ｂが形成してあり、またすじかい部９
の平面上には曲げ等の応力に耐えられるようにエ
ンボス１７が形成されている。

次に上記のような構成からなるフエンダパネル
１へのバンパサイドの組付について説明する。

先ず第３図及び第４図に示すように、フエンダ
パネル１に一体成形されたすじかい部９のフラン
ジ部１１の挿通口１１ａに、バンパサイド３の固
定用片３ｂを差込んでフランジ部１１に当接させ
た後固定用片に形成された孔１５ａ，１５ｂと
に、リテーナ２１付きのボルト２３を挿通し、ワ
ツシヤ２５を介してナツト２７により締付け固定
するものである。

この発明は、上記のようにすじかい部を形成し
ているため、突起部７に作用する曲げや、ねじり
の外力に対して十分に強度を保つことができ精度
の良好な突起を得ることができる。

また、すじかい部にバンパサイド固定用片の挿
通口を開設してすじかい部の絞り段差を小さくし
てあるためプレス成形時の型破損という問題はな
くなり、バンパサイド剛性も高くなるという効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係るフエンダの一例を示す
側面図、第２図は第１図のＡ部における拡大斜視
図、第３図は第２図の―線に沿う断面図、第
４図はバンパサイドを取り付けた状態を示す第３
図と同様の断面図である。 １…フロントフエンダパネル、１ａ…フロント
フエンダパネルの壁面、３…バンパ、３ａ…バン
パサイド終端面、３ｂ…バンパサイド固定用片、
５…クリヤランスランプ、７…突起部、９…すじ
かい部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ クリヤランスランプ収容部とバンパサイド収
   容部とを仕切り突起を介して上下に形成し、前記
   バンパサイド収容部の周縁におけるバンパサイド
   終端面と対向する壁面と前記突起とまたがつてす
   じかい部を形成し、該すじかい部にバンパサイド
   固定用片の挿通口を開設して成る自動車のフエン
   ダ。