JPS6173857A

JPS6173857A - 切削工具用サ−メツト

Info

Publication number: JPS6173857A
Application number: JP59195978A
Authority: JP
Inventors: Hironori Yoshimura; 吉村　寛範; Junichi Toyama; 外山　順一
Original assignee: Mitsubishi Metal Corp
Current assignee: Mitsubishi Metal Corp
Priority date: 1984-09-19
Filing date: 1984-09-19
Publication date: 1986-04-16
Also published as: JPS633017B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、高硬度と高靭性を有し、特に切削工具とし
て用いた場合にすぐれた耐摩耗性と耐衝撃性を示すサー
メットに関するものである。

〔従来の技術〕

従来、一般に、炭化チタン（以下ＴｉＣで示す）を主成
分とするＴｉＣ基サーメットが切削工具用材料として用
いられているが、とのＴｉＣ基サーメットは比較的靭性
の劣るものであるため、その靭性向上をはかる種々の研
究がなされており、その中で窒化チタン（以下ＴｉＮで
示す）を含有させたＴｉＣ基サーメットが注目されてい
る。

〔発明の解決しようとする問題点〕

しかしながら、このＴｉＮ含有のＴｉＣ基サーメットに
おいては、ＴｉＮの含有量が多い場合、これを真空焼結
すると、焼結時にＴｉＮが分解し、分解した窒素がボア
となってサーメット中に残存し、所定の靭性向上がはか
れないことから、高々１０〜２５重量％（以下重量％を
単にチで示す）のＴｉＮを含有させることができるにす
ぎず、この１０〜２５係程度のＴｉＮ含有量では十分満
足する靭性向上をはかることができない。それ故、Ｔｉ
Ｎ含有量が２５重量％を越えるような、多量のＴｉＮを
含むサーメットを製造する際に、そのＴｉＮの分解を抑
えるため、窒素雰囲気中で焼結することも検討されてい
るが、このようにＴｉＮを多量に−含むサーメットは、
焼結性がきわめて悪く、緻密で高強度のサーメットがで
きにくいという難点があり、未だほとんど実用化されて
いないのが現状である。

〔問題点を解決するだめの手段〕

そこで本発明者等は、ＴｉＮ含有量が２５チを越えるサ
ーメットで、しかも緻密で高強度のサーメットを得るべ
く種々研究を重ねた結果、ＴｉＮ含有量の多いサーメッ
トは、従来のＴｉＣ基サーメットでみられるＴｉＣを芯
とした有芯組織を形成しにくく、特に芯を取囲む周辺組
織の発達が不均一であり、またこのＴｉＣ基サーメット
において周辺組織を形成し、結合相とのぬれ性を改善す
る上で必須成分であったＭＯまたはＭｏ２Ｃは、ＴｉＮ
含有量の多いサーメットに含有させると、周辺組織に入
らず、結合相とのぬれ性を改善する作用を示さないで、
むしろ焼結性を阻害していることを見出した。

そこで、従来のＴｉＣ基サーメットにおいて必須成分と
考えられていたＭＯまたはＭｏ、Ｃを全く含有しないＴ
ｉＮ含有量の多いサーメットを種々試作したところ、添
加成分として炭化タングステン（以下ｗｅで示す）と、
Ｔａ、ＮｂおよびＺｒの炭化物（以下これらをＴａＣ、
ＮｂＣおよびＺｒＣで示す）のうちの１種または２種以
上（以下これらを総称して金属の炭化物という）とを併
用したサーメットでは、その中でこの金属の炭化物およ
びＷＣがＴｉＧおよびＴｉＮとともに周辺組織を形成し
てＴｉＣを取囲み、前記周辺組織を安定化してその焼結
性を向上させ、一方その結合相成分としてはＣｏが最適
であり、そのＣｏのうちの一部をＮｉで置換できること
（ただしＣｏ）Ｎｉ）が判明した。

この発明は、上記知見に基いて発明されたものであって
、ＴｉＮ　：　２５〜４５％）ＴｉＣ：　１５〜３５％、ＷＣ：１０〜３０％、金属の炭化物：５〜２５％、ＣｏまたはＣｏとＮｉ　（ただしＣｏ＞Ｎｉ）　：　’
ｉ’、５〜２５％からなる組成を有し、かつ、硬質分散
相が、ＴｉＣを芯とし、その周囲を金属の炭化物、ＷＣ
、ＴｉＣおよびＴｉＮからなる固溶体が取り囲んだ有芯
構造のＮａＣ１型固溶体相と、窒化チタン相との２相構
造組織を有し、一方結合相がＷとＴ１が固溶したＣｏｌまたはＣｏとＮ
ｉからなる組織を有することを特徴とする切削工具用サ
ーメットに係わるものである。

つぎに、この発明において、サーメットを構成する各成
分の組成範囲を上記のとおりに限定した理由を説明する
。

（ａ）　　ＴｉＮＴｉＮは有芯組織の周辺部へ固溶するものと、単独でＴ
ｉＮ相として分散するものとに分かれ、ともに分散相の
粒成長を抑制する作用を有し、サーメットの耐衝撃性を
向上させる効果を有するが、その含有量が２５％未満で
は、サーメット中にＴｉＮ相が存在しなくなり、この結
果サーメットの靭性および耐摩耗性はＴｉＮ相の存在す
るものに比して劣ったものになり、一方４５％を越えて
含有させると、焼結時に分解が起きて、サーメット中に
ボアが残存するようになり、サーメットの靭性劣化が著
しくなるところから、その含有量を２５〜４５チと定め
た。

（ｂ）　　ＴｉＣＴｉＣには、ＴｉＣ自体が高硬度をもつことから、サー
メットの耐摩耗性を向上させる作用があるが、その含有
量が１５％未満では、相対的にＮａｃｌ型固溶体相の割
合が少なすぎて所望のすぐれた耐摩耗性を確保すること
ができず、一方３５憾を越えて含有させると、サーメッ
トの靭性低下をもたらすようになることから、その含有
量を１０〜３５チと定めた。

（ｃ）ＷＣｗｅには、ＮａＣ４型固溶体相中に固溶して周辺組織の
形成を安定化し、もってサーメットの靭性を向上させる
作用があるが、その含有量が１０チ未満では、所望の安
定化作用が得られず、一方３０チを越えて含有させると
、硬質分散相中にＷＣ相が存在するようになってサーメ
ットの耐摩耗性が低下するようになることから、その含
有量を１０〜３０％と定めた。

（ｄ）　　ＴａＣ，ＮｂＣおよびＺｒにれらの成分には
、ｗＣとともにＮａＣｌ型固溶体相中に固溶して周辺組
織の形成を安定化してサーメットの靭性を向上させると
ともに、その耐塑性変形性を向上させる作用があるが、
その含有量が５％未満では前記作用に所望の向上効果が
得られず、一方２５チを越えて含有させると、サーメッ
トの耐摩耗性が低下するようになることから、その含有
量を５〜２５％と定めた。

（ｅ）　　　ＧｏまたはＣｏとＮｉこれらの成分には、サーメットの結合相を形成して、サ
ーメットの靭性を向上させる作用があるが、その含有量
が７．５％未満では所望のすぐれた靭性を確保すること
ができず、一方２５チを越えて含有させると、相対的に
結合相が多くなりすぎてサーメットの耐摩耗性が低下す
るようになり、またＣｏの一部をＮｉで置換したものを
結合金属とした場合、そのＮｉ量がＣｏＯ量よりも少な
くないと、上記所望のすぐれた靭性を確保することがで
きないところから、これらの含有量を７．５〜２５％と
定め、かつＮｉをＣｏと併用する場合、ＣｏＯ量をＮｉ
の量よりも多く定めた。

なお、この発明のサーメットは、前記金属粉末または化
合物粉末を前記組成となるように混合して得た混合粉末
を１０〜３０　ｋＷｌＷ２Ｏ３力でプレスして圧粉体と
し、これを好ましくは１Ｔｏｒｒ以下の窒素雰囲気中、
１４００〜１５５０℃の温度で焼結することによって製
造される。

〔実施例〕

ついで、この発明を実施例によって説明する。

実施例１原料粉末として、平均粒径：Ｌ５μｍを有するＴｉＮ粉
末、同２．ＯＡＬｍのＴｉＣ粉末、同１．０　μｍのＴ
ａＣ粉末、同１．４　／ｊ　ｍのＮｔ）Ｇ粉末、同２．
２　／ｊ　ｍのＺｒＣ粉末、同ｏ、ｓ　μｍのｗｅ粉末
、同１．２μｍのＧｏ粉末および同２．５μｍのＮｉ粉
末を用意し、これら原料粉末をそれぞれ所定の組成に配
合し、ボールミルにて７２時時間式粉砕混合し、乾燥し
た後、１５ｋｐ／ｍｍ”の圧力にて圧粉体にプレス成形
し、ついで同じく第１表に示される条件にて焼結するこ
とによって、第１表に示された組成を有する本発明サー
メット１〜１５および比較サーメット１〜８をそれぞれ
製造した。なお、比較サーメット１〜８は、いずれも組
成成分のうちのいずれかが（第１表に※印を付したもα
）この発明の範囲から外れた条件で実施されたものであ
る。

つぎに、このようにして得られた本発明サーメット１〜
１５および比較サーメット１〜８について、その組織を
観察したところ、本発明サーメット１〜１５および比較
サーメット２〜５および７〜８は、いずれも硬質分散相
がＮａＣ１型固溶体相とＴｉＮ相との２相構造をもつの
に対して、ＴｉＮ含有量がこの発明の範囲から外れて低
く、かつＴｉＣ含有量がこの発明の範囲から外れて高い
比較サーメット１にはＴｉＮ相が存在せず、またｗｅ含
有量がこの発明の範囲から高い方に外れた比較サーメッ
ト６にはｗｅ相が存在していた。

さらに、本発明サーメット１〜１５および比較サーメッ
ト１〜８について、ボア発生状況（Ａ１９７Ｍ規格）、
ロックウェル硬さくＡスケール）、および靭性を評価す
る目的で抗折力を測定するとともに、被削材：Ｊ工Ｓ−８Ｎ５−８ＮＣ硬さ：ＨＢ２４０）、
切削速度：　２００　ｍ　／”ｎ、、送り　：　０．３６１１１１１　／ｒｅｖ、、切込み：
２龍、切削時間；　１０　ｍｉへ、の条件での鋼丸棒連続切削試験、および被削材；Ｊ工Ｓ
、ＳＮＣＭ−８（硬さ：）（Ｂ２７０）、切削速度：１
４０ｒｒＬ／ｍｉｎ、、送シ：０，３朋／ｒｅｖ、、切込み：２，５朋、切削時間：　３　ｍｉｎ、、の条件での鋼角材断続切削試験を行ない、上記連続切削
試験では切刃の逃げ面摩耗幅とすくい面摩耗深さを測定
し、上記断続切削試験では試験切刃数：１０本のうちの
欠損発生切刃数を測定した。

これらの測定結果を第２表に示した。また、第２表には
、比較の目的で、いずれも市販のＴｉＣ基サーメット（
従来サーメット１）およびＴｉＮ　：　１５チ含有のＴ
ｉＣ基サーメット（従来サーメット２）の同一条件での
切削試験結果も示した。

以上の結果から、本発明サーメット１〜１５はいずれも
高硬度と高靭性を有し、かつ切削試験ではすぐれた耐摩
耗性と耐衝撃性を示すのに対して比較サーメット１〜８
および従来サーメット１〜２は、これらの特性のうち少
なくともいずれか１つの特性が劣ったものになっており
、特に結合金属の含有量がこの発明の範囲から高い方に
外れた比較サーメット８を除いて、いずれも劣った断続
切削試験結果しか示さないことが明らかである。

〔発明の効果〕

上述の説明から明らかなように、この発明のサーメット
は、高硬度と高靭性を具備し、これを切削工具用材料と
して使用した場合、きわめてすぐれた耐摩耗性と耐衝撃
性を発揮するものである。

Claims

【特許請求の範囲】窒化チタン：２５〜４５％、炭化チタン：１５〜３５％、炭化タングステン；１０〜３０％、Ｔａ、ＮｂおよびＺｒの炭化物のうちの１種または２種
以上：５〜２５％、ＣｏまたはＣｏとＮｉ（ただしＣｏ＞Ｎｉ）：７．５〜
２５％からなる組成（以上重量％）を有し、かつ、硬質
分散相が、炭化チタンを芯とし、その周囲をＴａ、Ｎｂ
およびＺｒの炭化物のうちの１種または２種以上、炭化
タングステン、炭化チタンおよび窒化チタンからなる固
溶体が取り囲んだ有芯構造のＮａＣｌ型固溶体相と、窒
化チタン相との２相構造組織を有し、一方結合相がＷとＴｉが固溶したＣｏ、またはＣｏとＮ
ｉからなる組織を有することを特徴とする、切削工具用
サーメット。