JPS6158454B2 - - Google Patents

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JPS6158454B2
JPS6158454B2 JP59020071A JP2007184A JPS6158454B2 JP S6158454 B2 JPS6158454 B2 JP S6158454B2 JP 59020071 A JP59020071 A JP 59020071A JP 2007184 A JP2007184 A JP 2007184A JP S6158454 B2 JPS6158454 B2 JP S6158454B2
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JP
Japan
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ethanol
acid
ruthenium
mmol
reaction
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Application number
JP59020071A
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English (en)
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JPS60166633A (ja
Inventor
Hiroshi Ono
Masao Hashimoto
Kyokichi Watabe
Yoshihiro Fujita
Kenji Yoshida
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
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Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP59020071A priority Critical patent/JPS60166633A/ja
Publication of JPS60166633A publication Critical patent/JPS60166633A/ja
Publication of JPS6158454B2 publication Critical patent/JPS6158454B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、一酸化炭素および水素を原料とする
エタノールの製造方法に関する。更に詳しくは、
合成ガスを原料として液相直接合成法により、メ
タノール、エタノールおよびプロパノール等のア
ルコール類を製造する方法において、特に、高い
選択率でエタノールを製造するための改良法に関
する。 エタノールは工業的に重要な化合物であり、近
年、これを一酸化炭素および水素の混合ガス(以
下、合成ガスと称する)を原料とし、液体媒体中
に分散もしくは溶解せしめた触媒を用いる触媒反
応により液相中で製造する、いわゆる液相直接合
成法の開発が、多数行なわれている。これらの方
法において、触媒としては、特にルテニウムが有
用であることが知られており、ルテニウム触媒系
でのエタノールの選択的合成に関する多くの試み
がなされている。しかし、これらの方法は、いづ
れも、未反応の合成ガスとの分離が困難なメタン
を多量副生する上にメタノール、プロパノールの
様なアルコール類の副生も多く、充分に高いエタ
ノール選択率をもたらす方法は未だに見出されて
いない。 例えば、米国特許第2535060号によれば、ルテ
ニウムを触媒とし、水やメタノールなどの液体媒
体中で合成ガスの反応を行ない、直鎖アルコール
類を合成する方法が開示されている。しかし、こ
の方法は炭素数1〜15にわたる広範囲のアルコー
ル混合物を得る方法であり、エタノールの選択的
製法とは云い難い。 また、特開昭55−9088では、液体媒体としての
カルボン酸の共存下にルテニウムまたはオスミウ
ム触媒を用いて、合成ガスからメタノール、エタ
ノールおよびエチレングリコールのカルボン酸エ
ステルを製造する方法が開示されている。この方
法では、カルボン酸は反応の液体媒体として用い
られており、その量も合成ガスから生成するアル
コールの全量よりもはるかに多く、触媒として用
いるルテニウム1グラム原子あたり200〜1000倍
以上に相当する。 このように多量のカルボン酸を反応の液体媒体
として用いるので、使用するルテニウムの触媒活
性は低く、ルテニウム1グラム原子あたり、1時
間に合成されるエチルエステル態のエタノールの
モル数(以下、エタノールのルテニウムあたりの
ターンオーバー数と称する)は0.1〜3.5程度にす
ぎない。主生成物はメチルエステルであり、これ
らのエステルを全てアルコールに換算して求めた
エタノール選択率(アルコール類および炭化水素
類に転化した一酸化炭素のうちエタノールへ転化
した一酸化炭素の比率)は、メタン副生を無視し
ても、50%程度である。また、エタノールの製造
の上で最も問題となる。メタンの副生量は、開示
された実施例によればモル比でエタノールの約20
倍以上生成しており、反応で消費された合成ガス
中に一酸化炭素のうち約13%がメタン生成に向け
られたものであることがわかる。 また、特開昭55−104217は、前出の特開昭55−
9088の共触媒に改良がなされているが、エタノー
ルのルテニウムあたりのターンオーバー数は4程
度にまで改良されているに過ぎない。エステルの
形で生成するアルコールは、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノールおよびエチレン
グリコールで、これらの中でのエタノールの選択
率は向上しているが、メタンの副生は依然として
極めて多く、ガス分析の代表例では生成したエタ
ノールと同じ量の一酸化炭素が、メタンになつて
いる。 さらに、特開昭55−115834は、ルテニウム触媒
を用いたメタノール、エチレングリコールおよび
エタノールまたはそれらのカルボキシレート誘導
体の選択的製造法が開示されている。しかし、こ
の方法では、開示されている実施例の全てがメタ
ノールまたはエチレングリコールが主生成物であ
ることを示しており、エタノールの選択的製法と
は云えない。また、エタノールの製造の上で問題
となるメタンの副生については全く記載がない。 更に、ルテニウムまたはルテニウムを成分の1
つとする触媒を用いるエタノール等のアルコール
の液相直接法による製造方法として、特開昭56−
166133、同57−82327、同58−921、同58−922、
同58−8026、同58−172331、同58−172333、同58
−180436などが開示されている。 しかし、これらの方法はいずれも活性またはエ
タノール選択性の面では末だ充分とは云えず、ま
た製造するエタノールに対するメタンの副生量も
開示されている限りでは、充分に低いとはいい難
い。 本発明者等は、これらのエタノール製造に関す
る欠点の改良について研究を行なつてきたとこ
ろ、ルテニウム触媒系でハロゲン化合物を助触媒
とし、非プロトン性液体媒体を用いる合成ガスか
らのエタノールの直接合成において、ルテニウム
に対し限られた量のカルボン酸を添加することに
より、高いエタノール活性を示しながら、メタン
の副生が少なく、高いエタノール選択性が得られ
ることを見出し、本発明に到達した。 即ち、本発明は、一酸化炭素および水素を、温
度140〜300℃、圧力50Kg/cm2ゲージ以上の反応条
件下で、ルテニウム化合物およびハロゲン化合物
を含有する非プロトン性液体媒体と接触せしめ、
エタノールを主成分とする有機含酸素化合物を製
造するに際し、非プロトン性液体媒体より少ない
重量で、かつルテニウム1グラム原子あたり、5
〜200モル以内のカルボン酸を共存させることを
特徴とするエタノールの製造方法である。 本発明の方法において最も重要なことは、液体
媒体および触媒として用いるルテニウムに対し、
限られた範囲内にある量のカルボン酸を用いるこ
とであつて、本発明の方法によればエタノールの
生成活性が向上するとともに、副生するメタンの
量を著しく抑制し、エタノールの選択性を向上さ
せることができる。 本発明の方法において用いられるカルボン酸
は、特に制限がなく、脂肪族、芳香族または脂環
族のモノカルボン酸またはポリカルボン酸が好ま
しく用いられる。また、これらのカルボン酸はハ
ロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシル
基等の置換基を有するものや複素環を有するもの
であつてもよい。 また、反応条件下で、これらのカルボン酸を与
えることのできるものでもよい。 これらのカルボン酸の例としては、蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カ
プロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン
酸、カプリン酸、ラウリン酸のような脂肪族モノ
カルボン酸、シユウ酸、マロン酸、コハク酸、グ
ルタール酸のような脂肪族ジカルボン酸、安息香
酸、O−フタル酸、テレフタル酸のような芳香族
モノまたはジカルボン酸、シクロペタンカルボン
酸、シクロヘキサンカルボン酸、1・4ジシクロ
ヘキサンカルボン酸のような脂環族モノまたはジ
カルボン酸、モノクロル酢酸、α−クロロプロピ
オン酸、トリフルオロ酢酸、グリシン、グルタミ
ン酸、シアノ酢酸、乳酸等の置換基を有するカル
ボン酸、ニコチン酸、ピコリン酸のような複素環
を有するカルボン酸などがある。また、これらの
塩、エステル、酸無水物、酸ハロゲン化物のよう
に、反応条件下でカルボン酸を与えることのでき
るものであつてもよい。 これらの例としては、酢酸リチウム、酢酸コバ
ルト、安息香酸ニツケル等のカルボン酸塩、酢酸
メチル、プロピオン酸エチル、安息香酸エチル等
のエステル、無水酢酸、無水フタル酸等の酸無水
物、塩化アセチル、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾ
イル等の酸ハロゲン化物などがあげられる。特
に、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの脂肪族カル
ボン酸や安息香酸、O−フタル酸、テレフタル酸
のような芳香族カルボン酸が効果が顕著であり、
より好ましく用いられる。 本発明の方法においては、これらのカルボン酸
の使用量が重要である。カルボン酸の使用量は、
触媒であるルテニウム1グラム原子あたり5〜
200モルである。 この範囲を越えるとカルボン酸の添加は、エタ
ノールの生成活性の低下をもたらすとともに、メ
タンも含めた炭化水素の副生が増大する。 また、この範囲に満たないとカルボン酸の添加
は、効果が小さく、また、カルボン酸の使用量
は、使用する非プロトン性液体媒体よりも少ない
重量であることが必要である。これを越えると、
エタノール活性が極度に低下するとともに、エタ
ノールに対するメタンの副生比率が大きくなる。 本発明の方法において、触媒として用いるルテ
ニウム化合物としては、反応条件下において、一
酸化炭素を配位子として有するルテニウム錯体を
与えるものであれば使用することができる。 このようなルテニウム化合物としては、金属ル
テニウムのほかに、二酸化ルテニウムや四酸化ル
テニウムなどのルテニウム酸化物、これらの水和
物、塩化ルテニウム、ヨウ化ルテニウム、硝酸ル
テニウムのようなルテニウムの鉱酸塩、酢酸ルテ
ニウム、プロピオン酸ルテニウムなどのルテニウ
ムの有機酸塩などがある。 また、ルテニウム化合物は配位化合物の形のも
のも使用することができる。これらの例として
は、ドデカカルボニルトリルテニウム(Ru3
(CO)12)のようなルテニウムカルボニルや、ルテ
ニウムに酸素、硫黄、ハロゲン、窒素、リン、ヒ
素、アンチモン、ビスマスなどを含む配位子など
を配位させたルテニウム錯体や錯イオンの塩類な
どがあげられる。これらのルテニウム化合物の中
でも、ルテニウム酸化物、ルテニウムハロゲン化
物、ルテニウムカルボニル、ルテニウムカルボニ
ルの少なくとも一部の一酸化炭素配位子を他の配
位子でおきかえたルテニウム錯体、あるいはルテ
ニウムアセチルアセトナートなどが好ましい。 これらのルテニウム化合物は、非プロトン性液
体媒体1000重量部あたり、ルテニウムとして、
0.01〜100重量部の範囲であり、好ましくは、
0.05〜50重量部の範囲である。 また、本発明の方法においては、ルテニウム化
合物に助触媒として、ハロゲン化合物を用いるこ
とが必要である。これらのハロゲン化合物の不存
在下では、エタノール活性および選択性は著しく
小さい。 これらのハロゲン化合物としては、塩を構成す
る陰イオンとして、塩素イオン、臭素イオン、ヨ
ウ素イオンなどのハロゲンイオンを有するアルカ
リ金属塩、アルカリ土類金属塩のような金属塩、
第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、
イミニウム塩などの塩類や、ハロゲン化アルキ
ル、ハロゲン化アリール等の炭化水素のハロゲン
化物などがあげられる。また、ハロゲン化水素
や、酸ハロゲン化物、遷移金属のハロゲン化物な
ども用いることができる。更に具体的には、金
属塩の例として、塩化リチウム、臭化リチウム、
ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化カリウ
ム、ヨウ化セシウム、塩化マグネシウム、ヨウ化
ランタンなど、第4級アンモニウム塩の例とし
て、テトラメチルアンモニウムクロライド、テト
ラメチルアンモニウムアイオダイド、テトラフエ
ニルアンモニウムクロライド、セチルトリエチル
アンモニウムブロマイドなど、第4級ホスホニ
ウム塩の例として、テトラフエニルホスホニウム
クロライド、テトラn−ブチルホスホニウムブロ
マイド、n−ヘプチルトリフエニルホスホニウム
ブロマイド、ベンジルトリフエニルホスホニウム
アイオダイド、メチルトリフエニルホスホニウム
クロライドなど、イミニウム塩の例として、ビ
ス(トリフエニルホスフイン)イミニウムクロラ
イド、ビス(トリフエニルホスフイン)イミニウ
ムブロマイド、ビス(トリフエニルホスフイン)
イミニウムアイオダイドやこれらのイミニウム化
合物のフエニル基の少くとも1部がメチル基やエ
チル基などで置換されたイミニウム塩など、ハ
ロゲン化アルキルの例として、塩化メチル、塩化
メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ヨウ化メ
チル、ヨウ化エチル、塩化ベンジル、ヨウ化ベン
ジルなど、ハロゲン化水素の例として、塩化水
素、臭化水素、ヨウ化水素など、また、酸ハロ
ゲン化物の例として、塩化アセチルや臭化アセチ
ルなどさらに遷移金属ハロゲン化物の例として
は、塩化ニツケルや塩化ルテニウム、ヨウ化銅な
どをあげることができる。 これらのハロゲン化合物は単独または二種類以
上を混合して用いることもできる。 また、本発明の方法では更には、これらのハロ
ゲン化合物に、リン酸またはリン酸誘導体を併用
することが好ましい。このリン酸またはリン酸誘
導体としては、オルトリン酸、メタリン酸、ピロ
リン酸などのリンのオキシ酸、リン酸トリメチ
ル、リン酸トリエチル、リン酸トリシクロヘキシ
ル、リン酸トリフエニル、リン酸ジメチルなどの
リンのオキシ酸のエステル類、あるいはリン酸ア
ンモニウム、リン酸二水素アンモニウムなどのリ
ンのオキシ酸の塩類がある。このうち、特にリン
のオキシ酸またはそのエステルが好ましい。 とくに本発明の方法においては、これらハロゲ
ン化合物としては、ビス(リフエニルホスフイ
ン)イミニウムハライドの混合物あるいはこれと
ハロゲン化アルキルまたはハロゲン化水素との組
み合わせが好ましく、更に、この組み合わせにリ
ンのオキシ酸またはそのエステルを組み合わせた
ものが特に好ましく用いられる。 本発明の方法において、これらのハロゲン化合
物の使用量は、ルテニウム1グラム原子あたり、
ハロゲン原子が0.1〜200グラム原子の範囲、更に
好ましくは1〜20グラム原子の範囲である。 本発明の方法は、液体媒体中で実施する。使用
する液体媒体としては、非プロトン性液体媒体が
好ましい。水、アルコール、カルボン酸などのプ
ロトン性液体媒体中ではエタノールの生成活性が
低い上に、選択性も悪い。 本発明の方法において、好ましく用いられる非
プロトン性液体媒体としては、例えば、ヘプタ
ン、オクタン、シクロヘキサン、デカリン、テト
ラリン、灯油、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ジユレン、ヘキサメチルベンゼンなどの飽和炭化
水素および芳香族炭化水素、クロロペンタン、O
−ジクロロベンゼン、P−クロロトルエン、フル
オロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ア
ニソール、フエニルエーテル、ジグライム、テト
ラグライム、18−クラウン−6などのエーテル
類、酢酸メチル、酪酸エチル、安息香酸メチル、
γ−ブチロラクトンなどのエステル類、アセト
ン、アセトフエノン、ベンゾフエノンなどのケト
ン類、N−メチルピロリジン−2−オン、N−エ
チルピロリジン−2−オン、N・N−ジメチルア
セトアミド、N−メチルピペリドン、ヘキサメチ
ルホスホリツクトリアミドなどのN−置換アミド
類、N・N−ジエチルアニリン、N−メチルモル
ホリン、ピリジン、キノリンなどの3級アミン
類、スルホランなどのスルホン類、ジメチルスル
ホキサイドなどのスルホキサイド類、1・3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノンなどの尿素誘導
体、さらに、トリブチルホスフインオキシドなど
のホスフインオキシド類や、シリコンオイルなど
をあげることができる。 このうち、とくに好ましい液体媒体として飽和
炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水
素、エーテル類およびホスフインオキシド類あげ
られる。 これらの液体媒体は、単独で使用しても、混合
液体媒体としても使用することもできる。 本発明の方法は、反応温度140〜300℃、好まし
くは160〜280℃、反応圧力50Kg/cm2ゲージ以上で
ある。 反応温度が140℃未満では、一酸化炭素と水素
の反応は極めて遅い。 また、300℃を越えると、メタンの副生は著し
く増大し、エタノールの選択率は低くなり、また
添加したカルボン酸の還元なども問題となつてく
る。 反応圧力は、触媒として作用するルテニウム化
合物を、反応温度において可溶化させるに必要な
最低限の一酸化炭素分圧と、実質的な反応速度を
保つために必要な最低限の水素分圧の和として、
その下限が制限され、通常は、50Kg/cm2ゲージ以
上が好ましい。 また、圧力の上限は、効果の面からは特に制限
を要しないが、反応装置の耐圧や合成ガスの圧縮
に要する動力などの、経済上の制限から限定さ
れ、通常は1000Kg/cm2ゲージ以下が好ましい。 本発明の方法において、原料として用いる合成
ガスの組成については、特に制限を必要としな
い。反応に充分な量の一酸化炭素および水素が供
給されれば良いが、特に水素は、エタノールやメ
タンの生成にともなつて副生する水と原料の一酸
化炭素とが反応するいわゆるシフト反応によつて
も生成するので、化学理論量よりも少ない量でも
良い。通常は、原料の合成ガスの製造の容易さか
ら組成の上限および下限が決められ、一酸化炭
素/水素のモル比で1/10〜10/1の範囲が好ま
しく用いられる。また、原料ガス中には、反応に
不活性な成分、例えば、メタン、窒素などが存在
していても差し支えはなく、また、二酸化炭素や
水蒸気などが混在してもよい。 本発明の方法は、バツチ方式、半連続方式また
は連続方式のいづれの方式によつても実施するこ
とができる。合成ガス、ルテニウム化合物、ハロ
ゲン化合物、液体媒体およびカルボン酸などは反
応器にバツチ方式で加えても良く、半連続式また
は連続式に供給することもできる。 生成物は、公知の方法、例えば、蒸溜、抽出ま
たはストリツピングなどの方法で取り出すことが
でき、場合によつては、1部がカルボン酸エステ
ルの形となつているメタノール、エタノールまた
はプロパノールなどのアルコール類を、加水分解
によりカルボン酸とアルコール類とに分解し、ア
ルコール類は生成物として取り出し、カルボン酸
は、触媒、助触媒、液体媒体などとともに、再び
反応系へ循環させて使用することができる。 本発明の方法により液相直接法による合成ガス
からのエタノール合成において、エタノールの高
い活性、選択性を達成するとともに、エタノール
生成に伴なうメタンの副生を著しく抑制すること
が可能となる。 以下、実施例によつて本発明の方法をさらに具
体的に説明する。 実施例 1 パイレツクスガラス製のライナーを装着した内
容積50mlのステンレス製オートクレーブに、ドデ
カカルボニルトリルテニウム0.06g(Ruとして
0.28ミリグラム原子)、ビス(トリフエニルホス
フイン)イミニウムクロライド2.01g(3.5ミリ
モル)、ビス(トリフエニルホスフイン)イミニ
ウムアイオダイド112g(1.68ミリモル)、リン酸
トリメチル0.12g(0.84ミリモル)および液体媒
体としてジフエニルエーテル15mlを装填し、更
に、これにカルボン酸として安息香酸0.85g(7
ミリモル)を加えた。このオートクレーブ内の空
気を合成ガス(一酸化炭素:水素のモル比1:
1)で置換した後、この合成ガスを340Kg/cm2
ージ(室温)まで加圧して仕込んだ。 次いで、撹拌下でオートクレーブを加熱し、内
温が260℃に達したところで一定温度に保持して
反応を行なわせた。その結果、オートクレーブ内
圧は最高465Kg/cm2ゲージに達した。内温が260℃
に達した後、45分間反応を行なわせたところでオ
ートクレーブの加熱を止め、室温まで冷却した。
この時のオートクレーブ内圧力は260℃において
350Kg/cm2ゲージを示し、室温まで冷却したとこ
ろでは200Kg/cm2ゲージであつた。 次に、オートクレーブ内の気相をガス採取用の
袋に全量取り出し、容積を測定してからガスクロ
マトグラフにて分析した。ガス容積は9.1Nlであ
り、組成は、一酸化炭素40.71モル%、水素47.46
モル%、二酸化炭素10.37モル%、メタン1.43モ
ル%、エタン0.03モル%であつた。 また。オートクレーブ内の液相を取り出し、ガ
スクロマトグラフにて分析した結果、メタノール
7.4ミリモル、エタノール14.6ミリモル、プロパ
ノール1.2ミリモル、安息香酸メチル1.1ミリモ
ル、安息香酸エチル4.0ミリモルと、このほか
に、アセトアルデヒド、ブタノール、ギ酸メチ
ル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、ジメ
チルエーテルが少量生成していることがわかつ
た。エチルエステル態となつているエタノールま
でを含めるとエタノールは計19.3ミリモル生成し
ていた。これは、エタノールのルテニウムあたり
のターンオーバー数92に相当し、また、二酸化炭
素を除く全生成物に向けられた原料一酸化炭素の
64%がエタノールに向けられたことを示してい
る。 実施例2〜5および比較例1 実施例1と同じ手順で、安息香酸の添加量を変
えて反応を行なわせた。結果を安息香酸を添加し
ない場合のデータ(比較例1)とあわせて表1に
示した。 表1において、メタノール、エタノールおよび
プロパノールは、それぞれメチルエステル、エチ
ルエステルおよびプロピルエステルの形態のもの
もアルコールに換算して加えた。
【表】 実施例 6〜15 実施例1において、安息香酸7ミリモルの代り
に、各種のカルボン酸を用いて、反応を行わせ
た。結果を表2に示す。表2における生成物(ミ
リモル)の表示は、表1と同じ方法を用いた。ま
た、実施例15において安息香酸エチルとして添加
したエチル基は生成物には含まれていない。
【表】
【表】 実施例16〜19および比較例2〜5 実施例1において、反応温度を240℃とし、液
体媒体としてリン酸トリメチル0.84ミリモルの代
りに100%リン酸0.84ミリモルを、また、ジフエ
ニルエーテル15mlの代りに各種の液体媒体15ml
(但し、トリブチルホスフインオキシドは10g)
を用いた以外は同じ手順で反応を行なわせた。 反応結果を、安息香酸を添加しない場合(比較
例2〜5)とあわせて表3に示した。 表3における生成物(ミリモル)の表示は、表
1と同じ方法を用いた。
【表】 実施例 20〜27 実施例1において、反応温度を240℃とし液体
媒体としてジフエニルエーテル15mlの代りに、ト
リブチルホスフインオキシド10gを用い、安息香
酸7ミリモルの代りに各種のカルボン酸の添加量
を変えて反応を行なわせた。 結果を実施例19および比較例5とあわせて表2
と同じ表示方法で表4に示した。
【表】 実施例 28 実施例1で用いたオートクレーブに、ドデカカ
ルボニルトリルテニウム0.06g(Ruとして0.28ミ
リグラム原子)、ビス(トリフエニルホスフイ
ン)イミニウムクロライド2.01g(3.5ミリモ
ル)、ビス(トリフエニルホスフイン)イミニウ
ムアイオダイド1.12g(1.68ミリモル)、100%リ
ン酸0.165g(1.68ミリモル)、安息香酸3.4g(28
ミリモル)、液体媒体としてトリブチルホスフイ
ン10gを装填した。 合成ガス(一酸化炭素:水素比1:1)でオー
トクレーブ内の気相を置換したのち、この合成ガ
スにてオートクレーブ内圧力を200Kg/cm2ゲージ
まで昇圧し、撹拌下でオートクレーブを加熱し
た。 内温が240℃に達したところで、オートクレー
ブ内圧を300Kg/cm2ゲージ一定圧力になる様に常
時合成ガスを補給しながら、240℃一定温度下で
反応を1時間行なわせた。 反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却
し、気相および液相をとり出し、ガスクロマトグ
ラフにて分析した。 エステル態のアルコールを含めて、メタノール
5.2ミリモル、エタノール9.9ミリモル、プロパノ
ール0.8ミリモル、メタン5.9ミリモルと、少量の
アセトアルデヒド、ブタノール、ギ酸エステル、
酢酸エステルが検出された。これら全生成物に向
けられた原料の一酸化炭素のうち、エタノールに
53%が向けられ、また、メタン/エタノール(モ
ル比)は約0.6であつた。 実施例 29〜32 実施例1で用いたオートクレーブに、ドデカカ
ルボニルトリルテニウム0.06g(Ruとして0.28ミ
リグラム原子)、ビス(トリフエニルホスフイ
ン)イミニウムクロライド2.01g(3.5ミリモ
ル)、液体媒体としてジフエニルエーテル15mlを
装填し、これに、各種のハロゲン化物やリン酸な
どを加えて、実施例1と同じ手順で反応を行なわ
せた。 結果を表5に示す。
【表】 実施例 33 実施例1において、オートクレーブにドデカカ
ルボニルトリルテニウム0.15g(Ruとして0.7ミ
リグラム原子)、ビス(トリフエニルホスフイ
ン)イミニウムクロライド2.01g、(3.5ミリモ
ル)、n−ヘプチルトリフエニルホスフインブロ
マイド1.54g(3.5ミリモル)、リン酸トリメチル
0.29g(2.1ミリモル)、安息香酸0.85g(7ミリ
モル)と、液体媒体として、トルエン14mlを加
え、合成ガス(一酸化炭素:水素モル比1:1)
でオートクレーブ内気相を置換した後、この合成
ガスを340Kg/cm2ゲージまで装填し、撹拌下で220
℃において30分間反応を行なわせた。 反応終了後、内容物を取り出し分析したとこ
ろ、エタノール活性(実施例29〜32の注1参照)
36.7、メタン/エタノール比(モル比)0.34であ
つた。 実施例 34 実施例1で用いたオートクレーブに、ルテニウ
ムアセチルアセトナート0.28g(Ruとして0.7ミ
リグラム原子)、ビス(トリフエニルホスフイ
ン)イミニウムクロライド2.4g(4.2ミリモ
ル)、ヨウ化メチル0.1g(0.7ミリモル)、100%
リン酸0.03g(2.8ミリモル)、安息香酸0.43g
(3.5ミリモル)と、液体媒体として4−ブチロラ
クトン15mlを加え実施例33と同じ手順で合成ガス
の反応を行なわせた。 反応終了後の内容物の分析により、エタノール
活性(実施例29〜32の脚注1参照)27.6、メタ
ン/エタノール比0.9の反応成績が得られた。 比較例 6 実施例1において、安息香酸7ミリモルの代り
にプロピオン酸50ミリモル(3.7グラム)を用
い、かつ液体媒体としてのジフエニルエーテルを
3ml(3.2グラム)用いて反応を行なわせた。 反応液中には、エステル態となつているメタノ
ールおよびエタノールを含めてメタノール1.2ミ
リモル、エタノール0.8ミリモルが検出され、ま
た、反応後のオートクレーブ内気相中には、メタ
ンが9.9ミリモル検出された。 比較例 7 実施例1において、安息香酸7ミリモルの代り
に、安息香酸50ミリモル(6.1グラム)を用い、
かつ液体媒体としてのジフエニルエーテルを3ml
(3.2グラム)用いて反応を行なわせた。 反応液中には、エステル態となつているメタノ
ールおよびエタノールを含めて、メタノール2.5
ミリモル、エタノール2.4ミリモルが検出され、
また、反応後のオートクレーブ内気相中には、メ
タンが2.7ミリモル検出された。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 一酸化炭素および水素を、温度140〜300℃、
    圧力50Kg/cm2ゲージ以上の反応条件下で、ルテニ
    ウム化合物およびハロゲン化合物を含有する非プ
    ロトン性液体媒体と接触せしめ、エタノールを主
    成分とする有機含酸素化合物を製造するに際し、
    非プロトン性液体媒体よりも少ない重量で、かつ
    ルテニウム1グラム原子あたり5〜200モル以内
    のカルボン酸を共存させることを特徴とするエタ
    ノールの製造方法。
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