JPS6324982B2 - - Google Patents

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JPS6324982B2
JPS6324982B2 JP58184345A JP18434583A JPS6324982B2 JP S6324982 B2 JPS6324982 B2 JP S6324982B2 JP 58184345 A JP58184345 A JP 58184345A JP 18434583 A JP18434583 A JP 18434583A JP S6324982 B2 JPS6324982 B2 JP S6324982B2
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JP
Japan
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iodide
nickel
reaction
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alkali metal
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JP58184345A
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JPS5984840A (ja
Inventor
Rizukaara Nabiru
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Halcon SD Group Inc
Original Assignee
Halcon SD Group Inc
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Publication date
Application filed by Halcon SD Group Inc filed Critical Halcon SD Group Inc
Publication of JPS5984840A publication Critical patent/JPS5984840A/ja
Publication of JPS6324982B2 publication Critical patent/JPS6324982B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/10Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reaction with carbon monoxide
    • C07C51/12Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reaction with carbon monoxide on an oxygen-containing group in organic compounds, e.g. alcohols

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はカルボン酸の製造に関する。より詳し
くは、モノカルボン酸、特に低級アルカン酸、例
えば酢酸をカルボニル化によつて製造することに
関する。
酢酸は以前から工業用化学薬品として知られて
おり、いろいろな製品の製造に大量に使用されて
いる。一酸化炭素とアルコールとの反応(カルボ
ニル化)によつてカルボン酸を製造するというこ
とは、例えば米国特許第2729651号、第4133963号
および第4218340号明細書に提案されている。し
かし、カルボニル化反応を含むそのような先行技
術においては、非常に高い圧力を使用する必要が
ある。もつと低い圧力で効果のあるカルボニル化
法も提案されている。例えば、フランス特許第
1573130号明細書には、第族貴金属(例えばイ
リジウム、白金、パラジウム、オスミウムおよび
ルテニウム)の化合物の存在下、および臭素また
はヨウ素の存在下、前記米国特許明細書に記載し
てあるものよりも低い圧力を使用して、メタノー
ルおよびメタノールと酢酸メチルとの混合物をカ
ルボニル化する方法が記載してある。米国特許第
3769329号および第3772380号明細書には、イリジ
ウムまたはロジウム成分を臭素またはヨウ素とと
もに用いて、同じ反応物から酢酸を製造する方法
が記載してある。米国特許第3689533号および第
3717670号明細書には、担体上に分散させたロジ
ウム成分を含むいろいろな触媒を使用して酢酸を
製造する気相法が開示してある。しかし、これら
の比較的に低圧を用いるカルボニル化法では、高
価な貴金属を使用する必要がある。より最近、ベ
ルギー特許第860557号明細書に、三価リン化合物
を促進剤として用いたニツケル触媒の存在下およ
びヨウ化物の存在下で、アルコールをカルボニル
化することによつてカルボン酸を製造する方法が
開示された。ベルギー特許第891609号明細書に
は、関連のある、アルコールをカルボニル化して
カルボン酸を製造する方法が開示してある。この
方法においては、有機リン化合物または有機窒素
化合物から成る促進剤の存在下でモリブデン−ニ
ツケル共触媒またはタングステン−ニツケル共触
媒を使用する。欧州特許公開第0035458号明細書
には、ニツケル触媒とハロゲン化アルキルまたは
アシルとの存在下、アルカリ性塩の存在下、およ
び初期装入カルボン酸の存在下で、アルコールを
カルボニル化してカルボン酸を製造する方法が開
示してある。欧州特許公開第0018927号明細書に
は、この方法と関連する、ニツケル触媒とハロゲ
ン化アルカリ金属またはハロゲン化アルカリ土類
金属を使用する方法が記載してある。この方法
は、テトラメチレンスルホンもしくはその誘導体
またはポリエチレングリコールのアルキルエーテ
ルまたはアミド溶剤を使用することを特徴として
いる。ニツケル触媒を使用するこれらの方法は、
貴金属を使用することなく、比較的に低圧でカル
ボニル化を実施することを可能にするものである
が、有機促進剤の必要なしで反応速度と生産性と
を向上させるという点に関して改良の余地があ
る。
したがつて、本発明の目的は、高圧も第族貴
金属も必要としない、また有機促進剤の必要なし
で短い反応時間で高収率のカルボン酸製造を可能
にする、カルボン酸、特に低級アルカン酸(例え
ば酢酸)の改良された製造方法を提供することで
ある。
本発明においては、ヒドロカルビルアルコール
のカルボニル化を、モリブデン−ニツケル−アル
カリ金属またはタングステン−ニツケル−アルカ
リ金属共触媒を使用して、ヨウ化物の存在下で実
施する。意外にも、この触媒系は、本明細書で示
す環境下で、比較的に低い圧力においてしかも迅
速かつ高収率でカルボン酸が生成されるように、
アルコールをカルボニル化することを可能にする
ものである。ヨウ化物の代りに臭化物を用いるこ
ともできる。
本発明の方法の触媒系のきわ立つた効果は、欧
州特許公開第0035458号明細書に報告してある実
験データを考えると、実に意外なものである。こ
の実験においてはモリブデンまたはタングステン
と一緒にニツケルを用いているが、2時間経過後
でさえも全く反応が生じていない。また、ニツケ
ルベースの触媒をカルボニル化反応で普通に使用
すると、ニツケル成分が揮発して反応工程から蒸
気して出てくる傾向があるということも観察され
ている。しかし、本発明の触媒系においては、意
外にもニツケルの揮発性が強くおさえられ、した
がつてきわめて安定な触媒組合せが得られる。
したがつて、本発明においては、一酸化炭素を
ヒドロカルビルアルコール、例えば低級アルキル
アルコールと反応させてカルボン酸、例えば低級
アルカン酸を製造するが、このカルボニル化反応
をヨウ化物、例えばヨウ化ヒドロカルビル、特に
低級ヨウ化アルキル(例えばヨウ化メチル)の存
在下、および前述の共触媒組合せの存在下で実施
する。一例として、酢酸は例えばメチルアルコー
ルをカルボニル化することによつて効率的に製造
することができる。アルコールを反応工程に直接
に装入するのが好ましいが、アルコール前駆物
質、例えばエステル(例えば酢酸メチル)または
エーテル(例えばジメチルエーテル)を当量の水
といつしよに使用することもできる。したがつ
て、アルコールに関して述べる場合には、そのよ
うな前駆物質も含めて考えるものとする。
同様に、その他の低級アルカン酸、例えばプロ
ピオン酸、酪酸、および吉草酸も対応する低級ア
ルキルアルコール、例えばエチルアルコール、プ
ロピルアルコールその他をカルボニル化すること
によつて製造することができる。同様に、他のア
ルカン酸例えば12個までの炭素原子を含むアルカ
ン酸(例えばカプリン酸、カプリル酸およびラウ
リン酸)および類似の高級カルボン酸も、対応す
るアルコール、例えばアルキル基内に11個までの
炭素原子を含むアルキルアルコール、ヘプチルア
ルコール、ノニルアルコール、ウンデシルアルコ
ール、フエノールその他をカルボニル化すること
によつて製造することができる。
前述の反応は次の式で表すことができる。
CO+ROH→RCOOH (1) ここで、Rはヒドロカルビル基であつて、飽和
していても良い。
Rは例えば1〜11炭素原子のアルキル、または
単環式アリール(例えばフエニルまたはアルア
ルキル(例えばベンジル))である。好ましく
は、Rは低級アルキルすなわち1〜4炭素原子
のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プ
ロピル、i−プロピル、n−ブチル、第2ブチ
ル、およびt−ブチルである。
ヒドロカルビル基は、本発明の反応において不活
性な置換基で置換することができる。
最終生成物混合物に含まれる揮発性の大きい成
分(例えばヨウ化アルキルおよび未反応アルコー
ル)および副生物(例えばエステルおよびエーテ
ル)は、再循環のために例えば蒸留によつて容易
に除去することができ、そのような処理をしたあ
と、最終的に得られる生成物は実質的に所望のカ
ルボン酸のみから成るものとなる。好ましい液相
反応の場合、有機化合物は例えば蒸留によつて金
属含有成分から容易に分離される。この反応は、
一酸化炭素、アルコール、ヨウ化物および共触媒
が送り込まれる反応帯でとどこおりなく実施され
る。
本発明の方法を用いる場合、広い範囲の温度、
例えば150〜250℃が適当であるが、180〜250℃が
好ましく、一般に200〜225℃がさらに好ましい。
これらの範囲よりも低い温度も使用できるが、反
応速度の低下をもたらす傾向があり、またこれら
の範囲よりも高い温度も使用できるが、特別の効
果はない。反応時間も本発明の方法の重要なパラ
メータではなく、また使用温度に大きく依存する
が、一般的な滞留時間は例えば大体0.1〜20時間
の範囲にあると思われる。反応は過圧下で実施す
るが、前述のように、特殊な高圧装置が必要にな
るような極端に高い圧力は必要でないというのが
本発明の一つの効果である。一般に、この反応は
適当な一酸化炭素分圧を使用することによつて効
率的に実施することができる。一酸化炭素分圧は
1.05〜140Kg/cm2(15〜2000psi)とするのが好ま
しく、1.05〜35Kg/cm2(15〜500psi)特に2.1〜14
Kg/cm2(30〜200psi)がさらに好ましいが、0.07
〜350Kg/cm2(1〜5000psi)さらには700Kg/cm2
(10000psi)までものCO分圧を用いることもでき
る。一酸化炭素分圧をこれらの範囲の値に定めれ
ば、適当な量の一酸化炭素が常に存在することに
なる。当然のことながら、全圧は所望の一酸化炭
素分圧を与えるようなものとし、さらに、好まし
くは液相を維持するのに必要なものとする。後者
の場合、反応はオートクレーブまたは同様の装置
により実施することができて便利である。最終反
応生成物は、通常、揮発性成分、例えばヨウ化ヒ
ドロカルビルおよび未反応アルコールを含んでお
り、また生成物である酸とともに対応するエステ
ルおよび/またはエーテルを含んでいることもあ
る。これらの揮発性成分は、酸から分離したあ
と、反応工程に再循環させることができる。所望
の滞留時間が経過したら、反応混合物は例えば蒸
留によつていくつかの成分に分離する。好ましく
は、反応生成物は蒸留帯に導く。この蒸留帯は、
効率的に、生成物である酸から揮発性成分を分離
し、かつ反応混合物の低揮発性触媒成分から生成
物である酸を分離する一つの分留塔または一連の
塔とすることができる。揮発性成分の沸点は十分
に離れているので、従来の蒸留による分離には何
ら特別の問題はない。同様に、高沸点有機成分は
金属触媒成分から容易に蒸留分離することができ
る。このようにして回収した共触媒とヨウ化物成
分は、次に新鮮なアルコールおよび一酸化炭素と
混合して反応させ、追加量のカルボン酸を製造す
ることができる。
必要ではないけれども、本発明の方法は溶剤ま
たは希釈剤の存在下で実施することができる。ア
ルコールが比較的に低い沸点を有する場合(例え
ば、メタノールの場合)、比較的に高沸点の溶剤
または希釈剤、好ましくは生成物である酸自身
(例えば、メタノールの場合、酢酸)または対応
するエステル(例えばメタノールの場合、酢酸メ
チル)の存在により、さらに低い全圧を用いるこ
とが可能になる。あるいは、溶剤または希釈剤は
本方法の環境下で不活性な任意の有機溶剤、例え
ば炭化水素(例えば、オクタン、ベンゼン、トル
エン、キシレンおよびテトラリン)、またはハロ
ゲン化炭素(例えばクロロベンゼン、例えばトリ
クロロベンゼン)、またはカルボン酸、またはエ
ステル(例えば酢酸セロソルブ)その他とするこ
とができる。溶剤の混合物、例えば酢酸メチルと
酢酸との混合物も使用することができる。カルボ
ン酸を使用する場合、好ましくは、このカルボン
酸は生成される酸とすべきである。前述のよう
に、好ましい溶剤は系に固有のもの(例えば、メ
タノールのカルボニル化の場合、酢酸および/ま
たは酢酸メチル)だからである。生成物でない溶
剤または希釈剤を使用する場合には、当業者には
明らかなように、反応混合物内の所望の生成物の
沸点とは十分に異なる沸点を有するものを選択し
て、容易に分離できるようにするのが適当であ
る。
一酸化炭素は市販されているような実質的に純
粋な形で使用するのが好ましいが、必要であれ
ば、不活性希釈剤、例えば二酸化炭素、窒素、メ
タン、および希ガスを使用することもできる。不
活性希釈剤の存在はカルボニル化反応に影響を与
えないが、しかしその存在により、所望の一酸化
炭素分圧を保つために全圧を大きくすることが必
要になる。市販されている形の反応物に見出しう
る少量の水の存在は完全に許容しうる。不純物と
して存在しうる水素は排除すべきものではなく、
むしろ触媒を安定させる傾向を有しうる。実際、
低CO分圧を得るために、供給するCOを水素また
は前述のもののような任意の不活性ガスで希釈す
ることができる。意外にも水素の存在は環元生成
物の生成をもたらさない。必要であれば、希釈ガ
ス、例えば水素は一般に約95%までの量を使用す
ることができる。
共触媒成分は任意の便利な形で使用できる。例
えば、ニツケルとモリブデンまたはタングステン
とは、微細に砕いた形の金属そのもの、またはこ
れらの共触媒成分を反応系に導入するのに効果の
ある有機もしくは無機の化合物とすることができ
る。例えば、代表的化合物としては、カーボネー
ト、酸化物、水酸化物、臭化物、ヨウ化物、塩化
物、オキシハライド、水素化物、低級アルコキシ
ド(メトキシド)、フエノキシド、またはMo,
WもしくはNiカルボキシレート(カルボキシレ
ートイオンが1〜20炭素原子を有するアルカン酸
から誘導されるもので、例えばアセテート、ブチ
レート、デカノエート、ラウレート、ベンゾエー
ルその他)がある。同様に、これらの共触媒成分
の錯体、例えばカルボニルおよび金属アルキルな
らびにキレート、会合化合物およびエノール塩も
使用できる。その他の錯体の例としては、ビス
(トリフエニルホスフイン)ニツケルジカルボニ
ル、トリシクロペンタジエニルトリニツケルジカ
ルボニル、テトラキス(トリフエニルホスフアイ
ト)ニツケル、および他の成分の対応する錯体、
例えばモリブデンヘキサカルボニルおよびタング
ステンヘキサカルボニルがある。特に好ましいの
は、元素の形、ならびにハロゲン化物、特にヨウ
化物化合物、および有機塩、例えば生成される酸
に対応するモノカルボン酸塩である化合物であ
る。
アルカリ金属成分すなわち周期表の第a族の
金属、例えばリチウム、カリウム、ナトリウムお
よびセシウムは、化合物、特に塩、最も好ましく
はハロゲン化物、例えばヨウ化物として使用する
のが適当である。好ましいアルカリ金属はリチウ
ムである。しかし、アルカリ金属成分は水酸化
物、カルボキシレート、アルコキシドとして、ま
たは他の共触媒成分に関して前述したような他の
便利な化合物の形でも使用することができる。代
表的なアルカリ金属化合物は、例えば、ヨウ化ナ
トリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨ
ウ化リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、酢
酸リチウムおよび水酸化リチウムである。
前述の化合物および錯体は単にいくつかの共触
媒成分の適当な形を例示するためだけのものであ
り、限定を意図するものではないと理解すべきで
ある。
指定した使用共触媒成分は、市販の金属または
金属化合物に通常伴う不純物を含んでいても良
く、それ以上精製する必要はない。
当業者には明らかなように、反応速度は触媒の
量によつて影響を受けるので、使用触媒の量は所
望の適当かつ合理的な反応速度を与えるようなも
のとする。しかし、本質的にはどんな量の触媒も
基礎反応を促進するので、触媒作用的に有効な量
と考えることができる。しかし、一般に、各触媒
成分は反応混合物1リツトルあたり1ミリモル〜
1モルの量を使用し、好ましくは15ミリモル〜
500ミリモル、さらに好ましくは15ミリモル〜150
ミリモルの量を使用する。
ニツケルのモリブデンまたはタングステン共触
媒成分に対する比は変えることができる。一般
に、1モルのニツケル成分を0.01〜100モルの第
2の共触媒成分、すなわちモリブデンまたはタン
グステン成分に対して使用し、好ましくは1モル
のニツケル成分を0.1〜20モルの第2の共触媒成
分に対して使用し、さらに好ましくは1モルのニ
ツケル成分を1〜10モルの第2の共触媒成分に対
して使用する。同様に、ニツケルのアルカリ金属
成分に対する比も変えることができ、例えば、1
モルのニツケルを1〜1000モルのアルカリ金属成
分に対して使用し、好ましくは10〜100モルのア
ルカリ金属成分に対して、さらに好ましくは20〜
50モルのアルカリ金属成分に対して使用する。
ヨウ化物成分の量も大きく変えることができる
が、一般に、ヨウ化物成分は1モルのニツケルに
対して少なくとも0.1モル(として)の量が存
在すべきである。一般に、1モルのニツケルに対
して1〜100モルのヨウ化物を使用し、好ましく
は2〜50モルのヨウ化物を使用する。通常、1モ
ルのニツケルに対して200モルよりも多量のヨウ
化物は使用しない。しかし、容易にわかるよう
に、ヨウ化物成分は系にヨウ化ヒドロカルビルと
して添加する必要はなく、他の有機ヨウ化物また
はヨウ化水素もしくは他の無機ヨウ化物(例えば
塩、例えばアルカリ金属塩または他の金属塩)と
して添加しても良く、または元素のヨウ素として
添加することさえ可能である。これらのことは、
ヨウ化物の代りに臭化物を使用する場合、臭化物
成分についてもあてはまる。
前述のように、本発明の触媒系は、ヨウ化物成
分とモリブデン−ニツケル−アルカリ金属または
タングステン−ニツケル−アルカリ金属共触媒成
分とから成る。本発明の触媒系は、第族貴金属
を使用することなく、短い反応時間で高収率のカ
ルボン酸製造を可能にするものであり、またモリ
ブデンまたはタングステン成分とともにアルカリ
金属成分が存在することにより、ニツケル含有触
媒を用いる先行技術の方法に較べて比較的に少量
の共触媒成分と少量のニツケルとで良い結果を得
ることが可能になる。
モリブデン−ニツケル−アルカリ金属、タング
ステン−ニツケル−アルカリ金属、またはクロム
−ニツケル−アルカリ金属共触媒成分およびヨウ
化物成分から成る触媒の特定実施型は、式X:
T:Z:Qで表すことができる。ここで、Xはモ
リブデンまたはタングステン、Tはニツケルであ
り、XとTはO価の形、またはハロゲン化物、酸
化物、1〜20炭素原子のカルボキシレート、カル
ボニルもしくは水素化物の形のものである。Zは
ヨウ化物源であつて、ヨウ化水素、ヨウ素、アル
キル基が1〜20炭素原子を含むヨウ化アルキル、
またはアルカリ金属ヨウ化物であり、またQはア
ルカリ金属成分である。好ましいアルカリ金属は
前述のようにリチウムであり、XとTに関して示
したようなヨウ化物または臭化物またはカルボキ
シレートの形のものである。XのTに対するモル
比は0.1〜10:1、X+TのQに対するモル比は
0.1〜10:1、X+TのZに対するモル比は0.01
〜0.1:1である。ヨウ化物成分は臭化物で置換
えることができる。
容易にわかるように、前述の反応は容易に連続
工程に適合させうるものであり、そのような連続
工程においては、反応物と触媒を適当な反応帯に
連続供給し、反応混合物を連続蒸留して揮発性有
機成分と分離し、実質的にカルボン酸のみから成
る最終生成物を生成させ、かつ他の有機成分を再
循環させ、さらに液相反応の場合には残留触媒含
有留分も再循環させる。
やはり容易にわかるように、必要であれば、本
発明の方法に係る触媒反応は、温度との関係で全
圧を適当に調節して触媒と接触するときに反応物
が気相になるようにすることによつて、気相で実
施することができる。気相工程の場合、また液相
工程の場合、必要であれば、触媒成分は担体で支
持することができる。すなわち、触媒成分は周知
の型の担体、例えばアルミナ、シリカ、炭化ケイ
素、ジルコニア、炭素、ボーキサイト、アタパル
ガス粘土、その他の担体上に分散させることがで
きる。触媒成分は周知の方法によつて担体上に分
散させることができる。例えば、担体に触媒成分
の溶液を含浸させることによつて分散させる。担
体に対する濃度は大きく変えることができ、例え
ば0.01〜10重量%またはそれ以上とすることがで
きる。気相工程における代表的な作業条件は、温
度が100〜350℃。好ましくは150〜275℃、さらに
好ましくは175〜255℃であり、圧力が0.07〜350
Kg/cm2(1〜5000psia)、好ましくは4.1〜105
Kg/cm2(59〜1500psia)、さらに好ましくは10.5
〜35Kg/cm2(150〜500psia)であり、空間速度が
50〜10000hr-1、好ましくは200〜6000hr-1、さら
に好ましくは500〜4000hr-1(標準温度と標準圧力
における値)である。担体支持触媒の場合、ヨウ
化物成分は担体上に分散させるのでなく、反応物
に含ませるようにする。
以下に示す実施例は本発明をさらに十分に理解
するのに役立つであろう。しかし、これらの実施
例は単に説明を意図するものと解釈すべきであ
り、本発明を限定するものと解釈してはならな
い。実施例においては、特に明記しないかぎり、
すべての部は重量部であり、すべての%はモル%
である。
実施例 1 1リツトルのパルのオートクレーブに、150.1
部のメタノール、150.1部の酢酸(溶剤)、7.5部
のヨウ化ニツケル、15部のモリブデンカルボニ
ル、60.8部のヨウ化リチウムおよび100.4部のヨ
ウ化メチルを装入した。この反応器を4.5Kg/cm2
(50psig)の一酸化炭素で3回フラツシユしてか
ら、5.9Kg/cm2(70psig)の水素と38Kg/cm2
(530psig)の一酸化炭素で加圧した。次に、反応
器を200℃に加熱して、この温度に1時間22分維
持し、この時間の間必要に応じて一酸化炭素を供
給することによつて圧力を85Kg/cm2(1200psig)
に維持した。それから、反応器の内容物をとり出
して、ガスクロマトグラフイーによつて分析し
た。分析によれば、この反応混合物は71重量%の
酢酸を含み、残りはヨウ化メチルと触媒成分から
成つていた。この反応ではメタノールに関して
100%の収率で酢酸が生成され、反応速度は12.3
モル//hrであつた。
実施例 2 実施例1のオートクレーブに、250部の酢酸メ
チル(溶剤)、50.8部のヨウ化メチル、100.4部の
メタノール、7.5部のヨウ化ニツケル、15.6部の
モリブデンカルボニル、および60.2部のヨウ化リ
チウムを装入した。この反応器を4.5Kg/cm2
(50psig)の一酸化炭素で3回フラツシユしてか
ら、43Kg/cm2(600psig)の一酸化炭素で加圧し
た。次に、反応器を200℃に加熱してから、この
温度に1時間維持し、この時間の間必要に応じて
一酸化炭素を供給することによつて圧力を71Kg/
cm2(1000psig)に維持した。それから、反応器の
内容物をとり出して、ガスクロマトグラフイーに
よつて分析した。分析によれば、この反応混合物
は41重量%の酢酸を含んでおり、残りは実質的に
ヨウ化メチルと触媒成分とから成つていた。この
反応ではメタノールに関して95%の収率で酢酸が
生成され、反応速度は9.32モル//hrであつ
た。
実施例 3 実施例1の反器に、150.9部の酢酸メチル(溶
剤)、150.4部のヨウ化メチル、100.4部のメタノ
ール、7.5部のヨウ化ニツケル、15.1部のタング
ステンカルボニル、および60.3部のヨウ化リチウ
ムを装入した。この反応器を4.5Kg/cm2(50psig)
の一酸化炭素で3回フラツシユしてから、5.9
Kg/cm2(70psig)の水素と38Kg/cm2(530psig)
の一酸化炭素で加圧した。次に、実施例2で述べ
たようにして、反応を実施した。反応混合物は、
分析によれば、41.5重量%の酢酸を含み、残りは
実質的にヨウ化メチルと触媒成分から成つてい
た。この反応ではメタノールに関して96.4%の収
率で酢酸が生成され、反応速度は9.49モル//
hrであつた。
実施例 4 実施例1のオートクレーブに、250部の酢酸メ
チル、150.1部のヨウ化メチル、50.3部の水、7.6
部のヨウ化ニツケル、15部のモリブデンカルボニ
ル、および60部のヨウ化リチウムを装入した。こ
の反応器を4.5Kg/cm2(50psig)の一酸化炭素で
3回フラツシユしてから、5.9Kg/cm2(70psig)
の水素と38Kg/cm2(530psig)の一酸化炭素で加
圧した。次に、反応器を200℃に加熱して、この
温度に32分間維持し、この時間の間必要に応じて
一酸化炭素を供給することによつて圧力を85Kg/
cm2(1200psig)に維持した。それから、反応器の
内容物をとり出して、ガスクロマトグラフイーに
よつて分析した。分析によれば、この反応混合物
は55重量%の酢酸と2.6重量%の無水酢酸とを含
み、残りは実質的にヨウ化メチルと触媒成分から
成つていた。この反応では酢酸メチルと水とに関
して100%の収率で酢酸が生成され、反応速度は
18モル//hrであつた。
実施例 5 実施例1のオートクレーブに、250部の酢酸メ
チル、50.2部のヨウ化メチル、70部の水、7.5部
のヨウ化ニツケル、15部のモリブデンカルボニ
ル、および60.1部のヨウ化リチウムを装入した。
この反応器を4.5Kg/cm2(50psig)の一酸化炭素
で3回フラツシユしてから、43Kg/cm2(600psig)
の一酸化炭素で加圧した。次に、反応器を200℃
に加熱してこの温度に2時間維持し、この時間の
間必要に応じて一酸化炭素を供給することにより
圧力を43Kg/cm2(600psig)に維持した。ガスク
ロマトグラフイー分析の結果、反応混合物は9.8
重量%の酢酸メチルと56.7重量%の酢酸とを含
み、残りはヨウ化メチルと触媒成分から成つてい
た。この反応では、酢酸メチルに関して74%の収
率で酢酸が生成され、反応速度は4.99モル//
hrであつた。
実施例 6 実施例1のオートクレーブに、250.2部の酢酸
メチル、50.9部のヨウ化メチル、100.5部の水、
7.5部のヨウ化ニツケル、15.6部のモリブデンカ
ルボニル、および90.4部のヨウ化セシウムを装入
した。次に、実施例4の手順で反応を実施した。
ただし、圧力は78Kg/cm2(1100psig)とし、反応
時間は2時間とした。ガスクロマトグラフイー分
析によれば、反応混合物は1.358重量%の酢酸メ
チルと62.4重量%の酢酸を含み、残りは実質的に
ヨウ化メチルと触媒成分から成つていた。この反
応では、酢酸メチルに関して93.6%の収率で酢酸
が生成され、反応速度は8.4モル//hrであつ
た。
実施例 7 実施例1のオートクレーブに、250.9部の酢酸
メチル、50.8部のヨウ化メチル、90.1部の水、7.6
部のヨウ化ニツケル、15部のモリブデンカルボニ
ル、および60.2部のヨウ化リチウムを装入した。
実施例6の手順で反応を実施した。ただし、圧力
は71Kg/cm2(1000psig)に1時間7分維持した。
ガスクロマトグラフイー分析によれば、反応混合
物は0.42重量%の酢酸メチルと67.4重量%の酢酸
を含み、残りは実質的にヨウ化メチルと触媒成分
から成つていた。この反応では酢酸メチルに関し
て94.9%の収率で酢酸が生成され、反応速度は
8.7モル//hrであつた。
実施例 8 実施例1を180℃の温度を用いて繰返した。収
率と反応速度がかなり大きく低下した。これは、
ここで使用した触媒で最善の結果を得るにはもつ
と高い温度が必要なことを示している。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 モリブデン−ニツケル−アルカリ金属または
    タングステン−ニツケル−アルカリ金属共触媒成
    分から成る触媒の存在下およびヨウ化物または臭
    化物の存在下で、ヒドロカルビルアルコールを一
    酸化炭素と反応させることを特徴とするカルボン
    酸の製造方法。 2 前記共触媒がモリブデン−ニツケル−アルカ
    リ金属から成る特許請求の範囲第1項に記載の方
    法。 3 アルカリ金属がリチウムである特許請求の範
    囲第1項に記載の方法。 4 前記共触媒がモリブデン−ニツケル−リチウ
    ムから成る特許請求の範囲第3項に記載の方法。
JP58184345A 1982-09-30 1983-09-30 カルボン酸の製造方法 Granted JPS5984840A (ja)

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US06/430,094 US4482497A (en) 1982-09-30 1982-09-30 Preparation of carboxylic acids
US430094 1999-10-29

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FR2540861A1 (fr) 1984-08-17
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