JPS6156986B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、各種形状の氷菓を製造する方法に関
する。

（従来の技術） 従来の氷菓の製造方法は、氷菓の原料溶液を有
底筒状の型に充填し、これを冷却凝固した後に型
から引き抜く方法が一般的である。

（発明が解決しようとする問題点） 近年は氷菓においても、需要者の購買意欲を刺
激すべく多種多様な形状のものや、表面に文字・
図柄等を刻設したものが望まれる。しかし、従来
の有底筒状の型に原料溶液を充填し、これを冷却
凝固した後に型から引き抜く製造方法では、型に
はどうしても抜け勾配が必要になつてくる。その
ため、氷菓の形状も必然的に型から引き抜くこと
ができる形状に限定され、形状の多様化に対応で
きないものである。そこで、原料溶液を充填する
有底筒状の型を割型とすることによつて製品を引
き抜く必要をなくすことが考えられる。しかし、
氷菓を大量生産する場合は、非常に多数の型をラ
イン上で移動させながら原料溶液の充填、冷却、
凝固を行うものであるから、氷菓の形状に応じて
多数の型を製作する必要があつてコストが嵩むも
のであつた。

本発明は上記に鑑み、多様な形状の氷菓を低コ
ストで製造することができる方法を提供すること
を目的とする。

（問題を解決するための手段） 本発明が従来の問題点を解決するために講じる
技術的手段の特徴とするところは、抜け勾配を有
する有底筒状の型に、凝固すると圧縮成形性を呈
する原料溶液を充填し、この原料溶液を冷却凝固
させることによつて中間素材とし、この中間素材
を型から抜き取つた後に、相対向すると共に面一
な外側面を有する上下型の各所要形状凹部の間に
位置し、次いで中間素材を、その上下型を近接さ
せることによつて両凹部間で圧縮して凹部形状に
対応した所要形状に成形し、この成形に際して上
下型外側面からはみ出した中間素材を、上下型外
側面に沿つて摺動する切刃体によつて切断し、こ
れによつて中間素材を所要形状の氷菓とする点に
ある。

（作用） 中間素材を抜け勾配を有する型によつて作るの
で、従来の氷菓製造ラインの型を利用することが
できる。中間素材を上下型の各所要形状凹部間で
圧縮して凹部形状に対応した所要形状にするの
で、多様な形状とできる。上下型枠は面一な外側
面を有し、その外側面に沿つて摺動する切刃体に
よつてはみ出した中間素材を切断するので、完成
した氷菓の形状を整えることができる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基き説明する。

第２図において、１は有底角筒状の型で図中角
度αで示す抜け勾配を有する。そして該型１に原
料溶液２が充填されると共に把持用ステイツク３
が挿入される。原料溶液２は水にゼラチンや澱紛
等の安定剤と糖分を溶かしたもので、凝固すると
圧縮成形性を呈するものである。また原料溶液の
体積は完成品の氷菓体積よりも大きくされる。そ
して、この原料溶液２が冷却凝固されて中間素材
とされる。この型１への原料溶液２の充填、冷却
凝固は、氷菓を大量生産する場合には多数の型１
をライン上で移動させながら行う。

第３図は型１から抜き取つた中間素材４を示
す。この抜き取られた中間素材４は、第１図ロに
示すように相対向する上下型５，６の各所要形状
凹部５ａ，６ａの間に位置される。本実施例では
凹部５ａ，６ａ外形は矩型とされている。この上
型５の外側面５ｂと下型６の外側面６ｂとは第１
図イ、第５図にも示すように対向状態で面一とさ
れている。また各凹部５ａ，６ａは、第４図にも
示すように左右端と後端とが断面三角形の立壁７
で囲まれ、前端が開放端とされることにより形成
され、さらに中央には所要文字を象つた刻設部８
が設けられている。

そして、第１図ハは上下型５，６が近接される
ことによつて両凹部５ａ，６ａ間で圧縮されてい
る中間素材４を示している。この上下型５，６の
近接は、各型５，６をプレス装置に取付けて行
う。この圧縮によつて中間素材４は凹部５ａ，６
ａ形状に対応した所要形状に成形される。この
際、中間素材４を所要形状に成形するには中間素
材４にどうしても余肉が必要となる。そこで、こ
の圧縮成形によつて中間素材４の余肉は上下型
５，６の外側面５ｂ，６ｂからはみ出すことにな
るが、このはみ出し部４ａは第１図ハに示すよう
に上下型５，６外側面５ｂ，６ｂに沿つて摺動す
る切刃体９によつて切断される。この切刃体９は
本実施例では左右外側面と後部外側面とに沿つて
上下摺動するもので、この上下摺動は適当な駆動
源と連動連結することによりなされる。また、こ
の切刃体９にはヒータを内蔵して切断しやすいよ
うにしてもよい、なお、切断された中間素材４の
はみ出し部４ａは再利用に供される。これによ
り、中間素材４は第６図に示す所要形状の氷菓１
０とされる。

なお、氷菓１０の形状は第６図に示すように平
面矩型でステイツク３の付いたものに限らず、例
えば第７図に示すように瓢箪形でステイツクのな
いものとすることもできる。この瓢箪形とすると
きは第８図に示すように上下型５，６の凹部５
ａ，６ａ平面形状と外側面５ｂ，６ｂ形状とを共
に瓢箪形とし、切刃体９も外側面５ｂ，６ｂに沿
うようにリング状で切刃部分を瓢箪形したものを
使用し、やはり上記実施例と同様に第９図に示す
ように上下型５，６の凹部５ａ，６ａ間で中間素
材４を圧縮成形する。なお、第８図、第９図で上
記実施例と同一部分は同一符号で示し、説明は省
略する。

上記実施例によれば、氷菓１０に所要形状文字
をつけたり、外形を適宜任意形状として、抜け勾
配を有する有底筒状の型１によつて造ることので
きないものを製造できる。しかも、中間素材４の
製造に従来の抜け勾配を有する型１を利用するこ
とができるので経済的である。また、上下型５，
６の両凹部５ａ，６ａ間で中間素材４を圧縮して
所要形状に成形すると、どうしても上下型５，６
外側面５ｂ，６ｂから中間素材４がはみ出すが、
上下型５，６外側面５ｂ，６ｂに沿つて摺動する
切刃体９によつてそのはみ出し部４ａを切断する
ので氷菓１０の形状を美しく整えることができ
る。

（発明の効果） 本発明によれば、中間素材を抜け勾配を有する
有底筒状の型によつて作るので、従来の氷菓製造
ラインの型を利用することができて経済的で、コ
ストが嵩むことはない。また、中間素材を上下型
の各所要形状凹部間で圧縮して凹部形状に対応し
た所要形状にするので、従来の有底筒状の型から
作る氷菓に比べて多様な形状とできる。しかも、
上下型枠は面一な外側面を有し、その外側面に沿
つて摺動する切刃体によつてはみ出した中間素材
を切断するので、完成した氷菓の形状を美しく整
えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図イは本発明の実施例に係る上下型の断面
図、第１図ロは同上下型とその間に位置された中
間素材の断面図、第１図ハは同上下型の両凹部間
で中間素材が圧縮された状態を示す断面図、第１
図ニは同切刃体によつて中間素材のはみ出し部を
切断した状態を示す断面図、第２図は同抜け勾配
を有する型の斜視図、第３図は同中間素材の平面
図、第４図は下型の平面図、第５図は同上下型と
その間に位置された中間素材の側面図、第６図イ
は同氷菓の正面図、第６図ロは同氷菓の平面図、
第７図イは他の実施例に係る氷菓の平面図、第７
図ロは同底面図、第８図イは同下型の平面図、第
８図ロは同上型と切刃体の平面図、第９図は同上
下型の両凹部間で中間素材が圧縮された状態を示
す断面図である。 １…抜け勾配を有する有底筒状の型、２…原料
溶液、４…中間素材、５…上型｛５ａ…凹部、５
ｂ…外側面｝、６…下型｛６ａ…凹部、６ｂ…外
側面｝、９…切刃体、１０…氷菓。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 抜け勾配を有する有底筒状の型に、凝固する
   と圧縮成形性を呈する原料溶液を充填し、この原
   料溶液を冷却凝固させることによつて中間素材と
   し、この中間素材を型から抜き取つた後に、相対
   向すると共に面一な外側面を有する上下型の各所
   要形状凹部の間に位置し、次いで中間素材を、そ
   の上下型を近接させることによつて両凹部間で圧
   縮して凹部形状に対応した所要形状に成形し、こ
   の成形に際して上下型外側面からはみ出した中間
   素材を、上下型外側面に沿つて摺動する切刃体に
   よつて切断し、これによつて中間素材を所要形状
   の氷菓とすることを特徴とする氷菓製造方法。