JPS6149466B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は降棟構造の改良に関する。

従来の降棟構造は、受桟を含む野地板上にアス
フアルトルーフイングを張設し、受桟と該受桟の
屋根傾斜に沿う下方に葺かれた平板瓦との上面に
接して化粧板が張られ、更に、該化粧板の上面に
笠木が配列され、該笠木は棟包み役物によつて覆
われていた。そして、夫々の隙間にはコーキング
が施され水密が維持されていた。併し、この構造
によると、作業が複雑で、施工に手間がかかり、
コーキングの老化により棟内部への雨水の浸入が
発生し易いという欠点があつた。

本発明は上記欠点を除き、施工性と防水性に勝
れた降棟の構造を提供することを目的とする。

以下本発明の一実施例を図面にもとづいて説明
する。

本発明が主に適用される平板屋根材Ａ（以下屋
根材という）は、第１，２図に示すように略五角
形の平板状をなし、その前縁に凹凸部が設けら
れ、その凹部A₁と凸部A₂，A₃との境界部分に凹
部前縁から屋根材後部方向中途までスリツト
A₄，A₅が設けられる。これらスリツトA₄，A₅は
表面視において左側スリツトA₄が右側スリツト
A₅より長い。そして、前記凹部A₁は、屋根材Ａ
の幅方向中央に、また、凸部A₂，A₃は前記凹部
を挾む両側に夫々不等長（左側凸部A₂が右側凸
部より長い）同一幅を有して配置される。該屋根
材Ａは、施工に際し、下層列屋根材が一文字葺き
され、隣接屋根材との間に前記スリツトと同一幅
の間隙を有して配置され、上層列屋根材は前記下
層列屋根材に対し、その1/2幅づつ左右にずれ、
かつ、各凸部前縁が前記下層列屋根材の各スリツ
トの後端よりも後方に位置するよう葺きあげられ
る。

しかして、降棟における納まりは、第２図乃至
第４図に示す如く、野地板１の上面に防水用のア
スフアルトルーフイング２を介し、降棟の稜線に
沿つてその両側に受桟３がとりつけられ、その、
屋根傾斜に沿う下方には、該受桟３の側面に接し
て、その高さまで前記屋根材Ａが葺かれる。受桟
３は取付けに際し、第４図示の如く、その先端を
軒先水切４より僅かに突出させ、該突出部の露出
部分を被覆するコーナキヤツプ５を装着する。

屋根材Ａは、前記受桟３に接する部分が隅切り
されて葺かれる。これら受桟３と屋根材Ａとの接
合部分上面には接合部分全長にわたり両者に橋架
する姿勢で両面接着テープ６が貼られる。そし
て、これら受桟３、両面接着テープ６および受桟
側屋根材露出端部を覆うよう、かつ、それらの全
長にわたつて防水用接着シート７を上面に張設す
る。これら両面接着テープ６および防水用接着シ
ート７によつて、隅棟部分は完全にシールされ
る。

更に、隅棟の上面には棟稜線に沿う両側に棟コ
ーナ板８が張設され、その表面から、前記受桟に
達する釘９が打たれて固定される。棟コーナ板８
はその前縁が夫々、平側または妻側軒先に平行な
面を有し、稜線に対し左右対称に配列され、下層
から上層へと順次重ね葺きされる。

そして、各棟コーナ板８にはカラー鉄板または
銅板などからなる棟コーナ役物が装着固定され
る。棟コーナ役物１０は第５図に示される如く、
棟の左右面に沿う役物本体部１０ａと、前端部に
直交する２平面１０ｂ，１０ｂを有し、その２平
面の下部が後方へ鈎状に折曲された挾持部１０ｃ
とからなる。そして、下層の棟コーナ役物８を釘
着した後、その前端部を役物１０の前端部におい
て挾持部１０ｃにより挾持し、かつ、役物本体部
１０ａにより棟幅の約1/2相当の棟コーナ板８の
上面を覆い、その後本体部後端部において上層棟
コーナ板８の下方に重合されるごとく役物１０が
釘着とりつけられる。本発明は以上の通りであ
り、受桟と屋根材との接合部分には両者に橋架す
る姿勢で両面接着テープが貼られているので、降
棟の稜線付近に位置し、降棟に沿う形状に切断さ
れた屋根材片が受桟に固定され、その離脱が防止
される。さらに、防水用接着シートと両面接着テ
ープとにより、防水用接着シートと屋根材との間
隙が確実にシールされ、この間隙からの雨水の屋
根材裏面への浸入が阻止される。そして、棟コー
ナ板は、受桟に、防水用接着シートを介し、屋根
材を貫通することなく釘打ち固定されるので、防
水用接着シートによる粘着作用により、防水用接
着シートにおける釘孔と釘との間には間隙が生じ
ない。そのため、防水用接着シートと棟コーナ板
との間隙を通して雨水の浸入があつても、この部
分での水の浸入は確実に防止される。したがつ
て、本発明により、施工性が容易で構造上も勝
れ、かつ雨水の浸入を完全に防ぐことができる降
棟の構造を得ることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す平板屋根材の
平面図、第２図は降棟の施工中途態様斜視図、第
３図は第２図の−断面図、第４図は施工中途
態様斜視図、第５図は棟コーナ役物の斜視図であ
る。 Ａ……平板屋根材、１……野地板、３……受
桟、６……両面接着テープ、７……防水用接着シ
ート、８……棟コーナ板、１０……棟コーナ役
物。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 野地板の上面に、防水用のアスフアルトルー
   フイングを介し、降棟稜線に沿つてその両側に受
   桟がとりつけられ、該受桟の側面に接してその高
   さまで屋根材が葺かれ、前記受桟と屋根材との接
   合部分全長にわたり、両者の橋架する姿勢で両面
   接着テープが貼られ、これら受桟、両面接着テー
   プおよび受桟側屋根材の露出端部を覆うよう、か
   つ、それらの全長にわたつて防水用接着シートが
   張設され、さらに、棟稜線に沿う両側上面に棟コ
   ーナ板が前記受桟に防水用接着シートを介して釘
   打固定され、最上部に棟コーナ役物が、前端部に
   おいて挟持部により前記棟コーナ板の前端部を挟
   持し、後端部において上層棟コーナ板の下方に重
   合されるごとくとりつけられることを特徴とする
   降棟構造。