JPS6148959B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、被加工物を受容するための凸表面を
備えていて、少なくとも２つの回転可能な、間隔
を相互に調節できる張り部材により、筒状の被加
工物の縫製されるべき開口沿部に沿つて固定し、
かつエツジに適合して案内を行なう装置に関する
ものである。

この種の装置は種々の実施形式のものが知られ
ている。これらの装置には、種々の表面構成の、
自由に回転可能なローラ、または被駆動ローラが
用いられている。

円筒形のローラは、たとえばドイツ実用新案第
7403022号の場合は、筒状の被加工物の縫製され
る開口縁部の延びには何ら影響をおよぼしていな
いが、たとえばドイツ公告公報第2514794号およ
び第1072871号の場合には、特殊に成形された表
面を有するローラが、ある種の調整特性を有して
いる。

しかしながら、この種の張りローラの在来の公
知の表面形状は、すべて、筒状被加工物の開口縁
部を、縫製方向と申し分なく平行に揃えるには適
していない。操作者が手で後揃えをしたり、縫製
前に縁部を裁ち落とす必要があつた。

本発明の課題は、特許請求の範囲記載の前提概
念の装置を、開口縁部が申し分なく一直線上に維
持され、付加的な後揃えもしくは裁ち落としを行
なうことなしに、申し分のない縫製を行ない得る
ように構成することによる。

この課題は、限り部材の回転軸が、その位置と
方向を相互に調節可能に配置されるようにするこ
とで解決された。

張り部材の回転軸は、調節後、特定の位置に固
定しておかずに、少なくとも一方の張り部材の回
転軸が、軸受け部材を介して駆動部と結合される
ようにしておき、がつまた少なくとも１つのセン
サーを、駆動制御のために、被加工物がステツチ
形成域に送入される区域に配置しておくのが有利
である。

開口縁部の瞬間の延びに応じて回転軸をこのよ
うに連続的に調整することにより、この開口縁部
を、ミシンの針に対して一様の間隔で申し分なく
一直線上に維持することが可能になる。開口縁部
の延び状態の監視を補助するために、第２のセン
サーをステツチ形成域の後方に配置して、張り部
材の回転軸調整用の少なくとも１つの駆動装置を
制御するようにすることができる。

本発明の課題の特に有利な解決策は、張り部材
を球として構成し、球の回転軸を球の中心を中心
として旋回可能に配置することである。張り部材
をこのように構成し、球の回転軸を旋回可能に配
置することによつて、回転軸の調節により、縫製
されるべき筒状被加工物と接触する面積の形状と
大きさをつねに等しく保つことができる。したが
つて、張り拡げられる筒状被加工物の形状には変
化が生ぜしめられることがない。

球の回転軸の調節によつて、球の赤道の位置も
変化する。赤道の位置変化が可能になることによ
つて、筒状被加工物には、その運動方向が縫製方
向を外れる傾向が与えられ、縫製される開口縁部
が針に対して適正な位置を維持することが可能と
なる。

次に図面について本発明の実施例を説明する。
図示のミシン１は被加工物を支持する布支持板２
を有している。筒状の被加工物３は布支持板２の
周囲を通常の仕方で回り、針４により示されてい
る個所で縫製が行なわれる。被加工物３の開口縁
部の形状に応じて、あるいはまた、縫い付けるか
縫い込むかするテープを給送するために、ミシン
には、それ自体では公知の案内部材（図示せず）
が配属されている。

被加工物３を張り拡げるために、球５の形状の
張り部材が備えられており、これらの球５は軸６
を中心として自由に回転可能に支承されている。
軸６は、弓形部材７に固定され、この弓形部材７
の他端はモータ８に接続されている。モータ８
は、そのモータ軸軸線が球５の中心に対して直角
となるように配置されている。モータ８を介して
球５の軸６を調節することによつて、球の赤道を
通る平面が垂直軸線を中心として旋回するため、
球の赤道の走り方向が変化せしめられる。

モータ８は保持部９に固定されている。この保
持部９は、他端がモータ１２の軸１１と接続され
ている。モータ軸１１は軸受けアーム１３内に軸
受けされているが、そのさいモータ軸軸線は球５
の中心に向けられてある。モータ１２を介して球
５の軸６を調節すると、球の赤道を通る平面は、
水平軸線を中心として旋回せしめられる。

軸受けアーム１３は、保持体１４内に押しずら
し可能に案内されており、締めつけ部材１５によ
り固定することができる。モータ８，１２に制御
のためには、光源１６と光電管１７とからなるセ
ンサーが備えられている。光電管１７の信号は、
モータ８，１２を制御するために、スイツチボツ
クス１８内で処理される。球５は赤道１９の区域
に、残りの表面部分よりも摩擦係数の大きい区域
を有している。この摩擦係数の、より大きい区域
は、特別の構成、たとえば歯切りにより、所定の
方向に摩擦を高めることができる。

言うまでもなく、次のようにすることは本発明
の枠内にある。すなわち、双方の球軸の代り、一
方の球軸、つまり、ステツチ形成域への材料送入
側の球軸のみを調節可能に構成し、他方の球軸は
軸受けアームと固定結合するのである。同様に、
一方または双方の球の軸の旋回を、球の赤道を通
る平面の周りのみ旋回するように限定することも
できる。その場合には、球のカルダン式懸架に必
要な第２の、球軸調節用駆動装置は無しで済ませ
ることができる。本発明は、一対の球を用いた図
示の実施例に限定されるものではない。これらの
張り部材を３個、または、それ以上、公知の形式
で配置することも可能である。

２個以上の球を使用することによつて、縫製さ
れる被加工物の巻き付き角度は小さくなる。これ
により、被加工物に作用する摩擦面も、180゜以
下の角度に限られてくる。このことは被加工物縁
部の制御に有利に作用する。この制御に有効な角
度は、もちろん、他の装置、たとれば、部分的に
球を取り囲むように、球の軸に取り付けた固定的
な滑り面によつても小さくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、ヘツドの方向へ見た張り装置を有す
るミシンの図、第２図は、張り装置の平面図とミ
シンの一部、第３図は、第１図のＡ―Ｂ線に沿つ
て一部を断面し、矢印の方向へ見た張り装置の
図。 １……ミシン、２……布支持板、３……被加工
物、６……軸、７……弓形部材、８，１２……モ
ータ、１３……アーム、１６……光源、１７……
光電管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 筒状被加工物の開口縁部に所定の方法で張力
   を与え、そして案内して、該筒状被加工物の縫製
   を行えるようにする装置において、各々回転軸６
   を有する少なくとも２個の球形の張り部材５、該
   球形張り部材５各々を支持し該回転軸６を一端に
   固定し、そして他端でモータ８に連結する弓形部
   材７、該モータの軸線は該球形の張り部材５の中
   心に対して負角をなして配置されて、該モータ８
   より該球形張り部材５の回転軸６を調節して、 該球形張り部材の赤道面を、その垂直軸線を中
   心として旋回可能とし、また該モータ８は保持部
   ９の一端に固定され、そして該保持部９の他端に
   はもう一つのモータ１２の軸、１１が接続され、
   該水平のモータ軸１１は該軸線を該球形張り部材
   ５の中心に向けて軸受アーム１３に軸受けされ、
   該モータ１２を介して該球形張り部材の赤道面
   を、該水平軸線を中心として旋回可能とし、該軸
   受アーム１３は上記少なくとも２個の球形の張り
   部材５の離記距離を調節可能に変位できるように
   構成され、かくして該球形の張り部材を、その
   各々の３つの各直交する軸の周りに独立的に回転
   させて、 該球形の張り部材各々の回転軸６を、その位置
   と方向が相互に関して調節可能になるようにして
   いる上記装置。 ２ 張り部材５の少なくとも一方が有する回転軸
   ６が、軸受け部材を介して駆動部（８または１
   ２）と結合されており、かつまた、少なくとも１
   つのセンサー１６，１７が、ステツチ形成域への
   被加工物縁部送入域に、駆動モーター（８または
   １２）の制御用に備えられていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の装置。 ３ 張り部材５の回転軸６を調節するために、少
   なくとも一方の駆動モーター（８または１２を制
   御する第２のセンサー１６，１７が、ステツチ形
   成域４の後方に配置されていることを特徴とする
   特許請求の範囲第５項記載の装置。 ４ 張り部材５が球形を有していて、回転軸６の
   位置および方向の変化が球の中心を中心として行
   なわれることを特徴とする請求の範囲第１項記載
   の装置。 ５ 球５の回転軸６の軸受け部材７，９が、球の
   赤道１９に対して直角に配置されたそれぞれ１つ
   の軸受け１３内に回転可能に支承されていること
   を特徴とする特許請求の範囲第４項記載の装置。 ６ 球５が、球の赤道に対して直角方向の、それ
   ぞれ２つの、90゜の角度をなしている軸受けを介
   してカルダン式に懸架されていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第４項記載の装置。 ７ 表面に、摩擦係数の異なる区域１９を有して
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の張り部材。 ８ 球の赤道区域１９の摩擦係数が、残りの球表
   面の摩擦係数より大であることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の張り部材。