JPS6146076Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は伸び行程時の減衰力可変機構を備えた
フロントフオークに関し、詳細には伸び行程時に
減衰力を発生するフオークパイプの油孔に対向し
て径の異なる複数個のオリフイスを有する円筒体
を外部からの操作で回転自在に嵌装したフロント
フオークに関する。

逆止弁を有する主ピストンを先端に設けたフオ
ークパイプをボトムケースに摺動自在に嵌合し、
ボトムケースの底部に植設したシートパイプの先
端の補助ピストンを主ピストンを通してフオーク
パイプ内に摺動するようにし、更に補助ピストン
下方の油室とフオークパイプとボトムケース間の
油路の間の油孔を設け、これにより伸び行程時の
減衰力を得るようにしたフロントフオークが知ら
れている。しかしながら、従来のこの程のフロン
トフオークは、伸び行程時の減衰力を可変とする
ためのアジヤストプレートがフロントフオークの
下端にあり塔乗者が二輪車等からおりて操作しな
ければならず、又、車輪により跳ね上がる石等か
ら前記アジヤストプレートを保護するカバー等も
必要であつた。これを改良するため減衰力可変装
置のアジヤストプレートをフロントフオーク上方
へ設けたものが提案されたが油孔の開口面積を変
えるために設けた径の異なるオリフイスを有する
円筒体がフオークパイプに密接しておりアジヤス
トプレートの操作が円滑に行い得ないという問題
があつた。

本考案はかかる欠点を解決したものでフロント
フオークの沈み込みにおける伸び行程時の減衰力
を調整できるようにしたフロントフオークを提供
するものである。

以下、本考案の一実施例を図で説明する。

第１図に示すように、フロントフオーク１は油
を充填したボトムケース２内に、先端に主ピスト
ン３を有するフオークパイプ４を摺動自在に嵌合
するとともに、ボトムケース底部に植設したシー
トパイプ５をフオークパイプ４内に突出させ、先
端に補助ピストン６を取り付けてある。そして、
補助ピストン６とフオークパイプ４の上部との間
はばね７を張架し、フオークパイプ４の上部を車
体の前部に、またボトムケース２の下部を前輪軸
にそれぞれ懸架するものである。

フオークパイプ４の先端に取り付けた主ピスト
ン３の上部にはフロントフオーク１の押し行程時
に開き、伸び行程時に閉じる逆止弁８を設けられ
ているとともに、フオークパイプ４とボトムケー
ス２の間には逆止弁８の上方から下方にわたつて
延びる油路９が形成され、該油路９は逆止弁８よ
り上方のフオークパイプ４に設けた油孔１０を介
して補助ピストン６の下方の油室１１に連通し、
逆止弁８より下方のフオークパイプ４に設けた油
孔１２を介してボトムケース２の下方油室１３に
連通している。また、図では省略されているがシ
ートパイプの下方には油孔が穿孔してあり該油孔
とシートパイプ内部を介してボトムケースとフオ
ークパイプ内部が連通している。

かくして、この種のフロントフオークは押し行
程時にボトムケース２下方の油は一部が逆止弁８
を通つて油室１１に流れ、一部はシートパイプ５
の下方油孔からシートパイプ内に流れる。

他方、フロントフオーク１の伸び行程時には、
逆止弁８が閉じるため補助ピストン６と逆止弁８
間に区画される油室１１内の油は油孔１０から油
路９に押し出され油孔１２を通つてボトムケース
２の下方油室１３内に戻り、油が前記油室１１と
油路９間の狭搾流路を通る過程で伸び行程時の減
衰力を発生するようになつている。

本考案はかかるフロントフオークにおいて、第
１図及び第２図に示すように、フオークパイプ４
の内周側に位置して外部から回転操作できるよう
にした円筒体１４を好ましくはカラー１５を介し
て回転自在に嵌装しフオークパイプ４の油孔１０
に対向する円筒体１４同一円周壁に径の異なる複
数のオリフイス１６ａ，１６ｂ，１６ｃ…を形成
したもので、第２図のように円筒体１４を一定角
度回転させることによりフオークパイプ４の油孔
１０と対向する１６ａ，１６ｂ，１６ｃ…の連通
を任意に選択し、これにより押し行程時の減衰力
を変化させるようにしたものである。

円筒体１４の基部はフオークパイプ４上部付近
まで延長し、フオークパイプ４の一端を閉鎖する
フオークボルト１７の軸芯部を貫通して外部から
回転自在に挿入されたロツド１８にアジヤストシ
ート１９を介して係合連結されている。

ロツド１８とアジヤストシート１９の結合は例
えば第３図のようにアジヤストシート１９の軸芯
に形成した欠円内にこれと同形断面に形成したロ
ツド１８の先端部を嵌合し一体回転するように構
成する。また、アジヤストシート１９と円筒体１
４の結合は好ましくは円筒体端面に形成した突起
部１４′をアジヤストシートの凹部１９′に係合さ
せる。更に外部に突出したロツド１８の先端には
アジヤストプレート２０を固着し、アジヤストプ
レート２０の回転によりロツド１８及びアジヤス
トシート１９を介してフオークパイプ４内の円筒
体１４を一体的に回転する。尚、アジヤストプレ
ート２０とフオークボルト１７外表面にはフオー
クパイプ４の油孔１０と円筒体１４のオリフイス
１６ａ，１６ｂ…の対向位置関係がわかるような
表示を付しておく。

アジヤストシート１９に対接するスプリングシ
ート２０及びフオークボルト１７の各々の対接面
間にはスチールボール２１を嵌め込んだターンプ
レート２２を介在させることにより回転を容易に
することができる。もちろんターンプレートに代
えてボールベアリングのみを介在させてもよい。

円筒体１４の回転摩擦抵抗を少なくするため、
第１図及び第２図のように、フオークパイプ４の
内周壁の一部に段差凹部を形成し、これにカラー
１５を嵌めることにより円筒体１４の外周壁がカ
ラー１５とのみ摺接するようにする。同様の効果
はフオークパイプ４の油孔付近内周壁またはこれ
と対向する円筒体１４のオリフイス付近の外周壁
を段状に膨出させ、円筒体１４とフオークパイプ
４が該膨出壁部のみで摺接するようにしても得ら
れる。

また、円筒体１４の先端は第１図のように先端
を絞つてフオークパイプ内に嵌合し易くしてお
く。

尚、図中２３はピストンリング、２４はＯリン
グ、２５は補助ピストンのリバウンドスプリング
である。

本考案のフロントフオークは以上構成になるか
ら、フロントフオークの外側からアジヤストプレ
ートを所望位置に回転するだけでフロントフオー
クの伸び行程時の減衰力を必要に応じて種々変化
させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のフロントフオークの要部断面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は
ロツド、アジヤストシート及び円筒体の各部材間
の結合説明図、第４図は第１図のＢ−Ｂ線断面図
である。 ２……ボトムケース、４……フオークパイプ、
５……シートパイプ、８……逆止弁、９……油
路、１０，１１……油孔、１４……円筒体、１５
……カラー、１６ａ〜１６ｄ……オリフイス、１
７……フオークボルト、２０……アジヤストプレ
ート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油を充填したボトムケースに、先端に主ピスト
   ンを有するフオークパイプを摺動自在に嵌合する
   とともに、ボトムケースの底部に植設したシート
   パイプ先端の補助ピストンを、フオークパイプ内
   に摺動自在に挿入し、伸び行程時に補助ピストン
   と主ピストンの逆止弁間の油を、フオークパイプ
   の油孔から流出させて減衰力を得るようにしたフ
   ロントフオークにおいて、フオークパイプ４の外
   周壁とボトムケース２の内周壁間に主ピストンの
   逆止弁８の上方から下方にわたつて延びる油路９
   を形成し、前記フオークパイプ４に、前記油路９
   と前記補助ピストン６下方の油室１１とを連通す
   る油孔１０及び前記油路９と前記ボトムケース２
   内の油室１３とを連通する下部油孔とを設け、前
   記油孔１０に対向して同一円周壁に径の異なる複
   数のオリフイス１６ａ，１６ｂ，１６ｃ…を有す
   る円筒体１４を、前記フオークパイプ４の内周側
   に位置して回転自在に嵌装し、更に前記フオーク
   パイプ４上端部のフオークボルト１７の軸芯部を
   貫通して、上部から該フオークパイプ内に延びる
   ロツド１８を前記円筒体１４と一体回転するよう
   に係合連結させて構成し、前記フオークパイプ４
   の油孔１０付近に、該油孔と対向する開口を有す
   るカラー１５を介在させて円筒体１４を嵌装し、
   該円筒体がカラー１５のみに摺擦するようにした
   ことを特徴とするフロントフオーク。