JPS6145746B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 一般にコンクリート液槽においては貯蔵の漏洩
防止や洗浄作業の容易さを目的として、槽内周面
にライニング材が張設される。このライニング材
としては通常オーステナイト系ステンレス鋼が使
用され、その裏面がコンクリート躯体に碇着され
ている。

従来この種のコンクリート製液槽のライニング
施工にあつては、モルタル代打控面ａの背面に鉄
筋１を組立てて一次埋込金物２，３を取付け、次
いで型枠取付用セパレータ４を介してコンクリー
ト型枠５を取付け、端太材６で固定したのち躯体
コンクリート７を打設して一次据付を終る。（第
２図参照）次いでライニング槽基準面ｂにライニ
ングを取付けるためのライニング下地金物を構成
する二次埋込金物８，９を調整ボルト１０，１１
によつて一次埋込金物２，３に対して所定位置に
取付ける。この場合図示の如く前記調整ボルト１
０に調整形鋼１２を併用して二次埋込金物８の取
付位置を調整する場合もある。かくして二次埋込
金物８，９が所定位置に設定されたのち、一次据
付の場合と同様にセパレータ４によつてモルタル
充填型枠１３を取付けて端太材１４で固定し、し
かるのちモルタル１５を充填して二次据付を終え
る。（第３図参照） 次いで充填モルタル養生後脱型し、ライニング
板１６，１７をモルタル面に重層して前記二次埋
込金物８，９に溶接１８，１９によつて固定し
て、液槽側壁のライニング工事を完了する。（第
４図及び第１図参照） しかしながら前記従来の方法では、一次埋込→
コンクリート打設→二次埋込→モルタル充填→ラ
イニング板溶接取付と工程が繁雑であつて、大容
量の液槽のライニング工事では何段階にも分割し
て施工せざるを得ないため、プラント施設全体の
建設工期が延引する一因ともなつている。

本発明はこのような欠点を除外するものであつ
て、予め所定数のライニング板を相互に結合して
ピツトライニングを分割した形状に組立ててなる
ライニングブロツクを形成し、同ライニングブロ
ツクの一面に鉄筋サポートを介して補強鉄筋を結
合し、かくして構成された補強鉄筋付きライニン
グブロツクを液槽の側壁構成部分の内側に並設し
て、相隣る前記ライニングブロツクの外周縁を溶
接して一体化するとともに、相隣る前記補強鉄筋
を継接し、次いで前記一体化されたライニングブ
ロツクを内型枠とし、前記側壁構成部分の外側に
位置して設置したコンクリート型枠を外型枠とし
てコンクリートを打設してコンクリート側壁を構
成することを特徴とするコンクリート液槽の構築
方法に係り、その目的とする処は、施工が簡素化
され、且つ信頼性の高い改良されたコンクリート
液槽の構築方法を供する点にある。

本発明においては前記したように、予め所定数
のライニング板を相互に結合してピツトライニン
グを分割した形状に組立ててなるライニングブロ
ツクを形成し、同ライニングブロツクの一面に鉄
筋サポートを介して補強鉄筋を結合し、かくして
構成された補強鉄筋付きライニングブロツクを液
槽の側壁構成部分の内側に並設し、相隣るライニ
ングブロツクの外周縁及び補強鉄筋間を結合し
て、裏面に側壁補強鉄筋の配設されたピツトライ
ニングを組立て、このように一体に組立てられた
ライニングブロツクを側壁コンクリート打設用の
内側型枠として利用し、前記側壁構成部分の外側
に位置して設置したコンクリート型枠を外型枠と
してコンクリートを打設し、本発明は液槽建設の
現地作業時間の短縮を図るもので、ライニングの
内型枠としての兼用、ライニングブロツクへの一
部補強鉄筋の先付けを採用して所期の目的を達成
するものである。

このように本発明によれば、予め工場、現場仮
組工場等において、ライニング板を結合してピツ
トライニングを区分した形状の大型のライニング
ブロツクを組立てるとともに同ライニングブロツ
クの一面に鉄筋サポートを介して補強鉄筋を結合
し、かくして組立てられた大型の補強鉄筋付きラ
イニングブロツクをしてコンクリート側壁内型枠
を兼用せしめることによつて、従来の一次埋込、
二次埋込の分割工程に比して大幅に現場工程を削
減し、工程を簡素化して作業能率を向上するもの
である。

また本発明によればライニング板を更にブロツ
ク化した大型のライニングブロツクを使用するこ
とによつて、現場における溶接作業量を軽減しう
るものである。

更に本発明においては予め前記ライニングブロ
ツクの裏面に液槽側壁部補強鉄筋が結合されてい
て、相隣る前記ライニングブロツクを一体化する
際、相隣る同補強鉄筋をも継接して、前記ライニ
ングブロツクによるピツトライニングの組立と同
時に、液槽側壁部補強鉄筋が組立てられるので、
従来狭隘な場所での施工のためライニング板と鉄
筋との取合、取付において生じていた不具合が解
消されるとともに、作業能率が大幅に向上される
ものである。

また本発明においてはコンクリート打設前に、
ライニング板の溶接が完了されていることによつ
て、コンクリート中の含水分等の溶接部への巻込
みがなくなり、信頼性の高いライニングが施工さ
れるものである。

このように本発明によれば、施工々程が大幅に
簡素化され、工期が短縮され、工費が節減され、
信頼性のいコンクリート製液槽が施工されるもの
である。

以下本発明を図示の実施例について説明する。

予め工場または現地仮組工場において、複数の
大型ライニング板２１を溶接によつて組立て、第
７図に示すピツトライニング２２を所要数に分割
してなる形状のライニングブロツク２２ａ，２２
ｂ，２２ｃ，２２ｄを組立てる。（第８図参照）
前記ライニング板２１は第９図及び第１０図に示
すように、コンクリート打設時の側圧に耐えるよ
うに補強材２３が格子状にライニング板２１の裏
面に取付けられ、同補強材２３に溶着された鉄筋
サポート２４を介して液槽側壁部補強鉄筋２５が
一体に取付けられる。前記鉄筋２５付きライニン
グブロツク２２ａ，２２ｂ，２２ｃ，２２ｄは揚
重設備の許容限界重量までの大型ブロツクに組立
てられるものである。なお前記ライニング板２１
には機器、配管等を取付けるためのサポート取付
用埋込金物２６が溶接２７によつて固着される。
またライニング板２１相互間の溶接部２８の背面
には下地金物２９が配設されている。

なお図示の実施例においては、ピツトライニン
グは４個のライニングブロツク２２ａ，２２ｂ，
２２ｃ，２２ｄに分割されているが、揚重設備の
許容できる範囲の貯槽であれば、ピツトライニン
グを分割することなく全体を一つのブロツクとし
て組立てたのち、建設現場にセツトしてもよい。

而して施工に当つては前記鉄筋付きライニング
ブロツク２２ａ，２２ｂ，２２ｃ，２２ｄを所定
位置に吊込み設定し、相隣るライニング板外周縁
相互間を溶接するとともに、相隣る液槽側壁部補
強鉄筋２５を継接したのち、槽反対側補強鉄筋３
０を配筋し、セパレータ３１をライニング板補強
材２３に取付け、コンクリート型枠２３を配設し
て端太材３３で固定し、前記ライニングブロツク
のライニング板２１と前記型枠３２との間にコン
クリート３４を打設してコンクリート側壁部を構
築するものである。

以上本発明を実施例について説明したが本発明
は勿論このような実施例にだけ局限されるもので
はなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内で種々
の設計の改変を施しうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のコンクリート製液槽の縦断面
図、第２図乃至第４図はその施工工程を示す縦断
面図、第５図は本発明に係るコンクリート製液槽
の製造方法の一実施例の実施状況を示す縦断面
図、第６図はライニングブロツクの組立部分の斜
面図、第７図はピツトライニングの斜面図、第８
図はライニングブロツクの斜面図、第９図及び第
１０図は夫々ライニング板の正面図並に側面図、
第１１図はライニング板内張部分の正面図であ
る。 ２１……ライニング板、２２ａ，２２ｂ，２２
ｃ，２２ｄ……ライニングブロツク、２５……液
槽側壁部補強鉄筋、３４……コンクリート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 予め所定数のライニング板を相互に結合して
   ピツトライニングを分割した形状に組立ててなる
   ライニングブロツクを形成し、同ライニングブロ
   ツクの一面に鉄筋サポートを介して補強鉄筋を結
   合し、かくして構成された補強鉄筋付きライニン
   グブロツクを液槽の側壁構成部分の内側に並設し
   て、相隣る前記ライニングブロツクの外周縁を溶
   接して一体化するとともに、相隣る前記補強鉄筋
   を継接し、次いで前記一体化されたライニングブ
   ロツクを内型枠とし、前記側壁構成部分の外側に
   位置して設置したコンクリート型枠を外型枠とし
   てコンクリートを打設してコンクリート側壁を構
   成することを特徴とするコンクリート液槽の構築
   方法。