JPS6143597Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、加圧浮上等による浮上分離槽にお
ける走行式の浮上汚泥除去装置に関するものであ
る。

この種浮上分離槽における汚泥の掻取り除去に
は、従来一般に、無端チエーンに多数の掻寄板を
取付けたフライトコンベヤ形式の装置が使用され
ている。しかし、このような装置によると、掻寄
板の移動により浮上汚泥が掻き乱されて小さく分
散されると共に、浮上汚泥の一部は移動時に気泡
を失つて沈降するため、汚泥の除去が十分に行わ
れないという欠点があつた。

この考案は、前記従来の欠点を解決することを
目的としてなされたもので、浮上槽をまたいで往
復動する走行架台に、スクリユーコンベヤを架設
すると共に、このスクリユーコンベヤの外周に沿
つて揺動切換え自在とした汚泥取入樋を設けるこ
とにより、走行架台の往復移動にあたつて、汚泥
取入樋の進行側にあたる端縁を水面下に浸入させ
得るようにし、走行架台の移動により浮上汚泥を
すくい入れてスクリユーコンベヤによつて浮上槽
に設けたトラフ内に搬送して排出させ、浮上汚泥
の除去を能率よく行うことのできる装置を提供せ
んとするものである。

以下、この考案の実施例を図面を参照して説明
する。

図において、１は平面矩形状とした浮上槽で、
槽内両側にはその長手方向に沿つて汚泥排出用の
トラフ２ａ，２ｂが設けてあり、長手方向の槽壁
上にはレール３，３が敷設されている。４は浮上
槽１上をまたいで設けられた走行架台で、その両
側に設けられた車輪５，５を介してレール３，３
上に載架されて、浮上槽１上を走行用駆動装置６
により往復動されるようになつている。

走行架台４の両側部には支持杆７，７が垂設さ
れ、この支持杆７，７には両端部を遂次小径とし
たスクリユーコンベヤ８が軸装、架設され、その
回転軸９の一端には伝動輪１０が取付けられてい
て、走行架台４に載設したスクリユー駆動装置１
１によつて回動されるようになつている。また、
スクリユーコンベヤ８の下側には、その外周に沿
うように、断面円弧状に形成された汚泥取入樋１
２が配置され、その両端に設けられた取付板１
３，１３を介して回転軸９に揺動自在に設けられ
ており、一方の取付板１３には受動輪１４が固着
され、走行架台４に載設した揺動切換駆動装置１
５によりチエーン１６を介して、スクリユーコン
ベヤ８の外周に沿つて第２図矢印ａのように揺動
されるようになつている。

そして、汚泥取入樋１２の揺動動作は、第２図
のような一端縁１２ａが水面下に浸入して固定さ
れる位置から、第３図のような他端縁１２ｂが水
面下に浸入して固定される位置まで、駆動装置１
５の正、逆転の切換え動作により行われるように
なつている。

次に、前述のように構成さた浮上汚泥の除去装
置の作動について説明する。

走行架台４は走行用駆動装置６の駆動により浮
上槽１上をレール３，３に沿つて往復動される
が、往動に際しては揺動切換駆動装置１５によ
り、第２図に示したように、汚泥取入樋１２の進
行先側となる一端縁１２ａが水面下に浸入した他
端縁１２ｂが水面上に離昇した位置に揺動停止さ
せる。そして、スクリユー駆動装置１１によつて
スクリユーコンベヤ８を、一側のトラフ２ａへ向
けて搬送できるように正回転させる。それによ
り、浮上汚泥は汚泥取入樋１２によつてすくい取
られ、そしてスクリユーコンベヤ８により汚泥取
入樋１２中を搬送され、その上り勾配部分１２ｃ
を押上げられて開口部１２ｅから一側のトラフ２
ａ内に落下することになる。トラフ２ａ内に入つ
た汚泥はそこから槽外へ流出排除される。

走行架台４が往動を終え復動する際は、揺動切
換駆動装置１５を逆転して、汚泥取入樋１２を第
３図に示したように、その他端縁１２ｂが水面下
に浸入し一端縁１２ａが水面上に離昇した位置に
揺動停止させる。そして、この復動時にはスクリ
ユーコンベヤ８は逆回転とし、汚泥取入樋１２に
すくわれた汚泥を他側のトラフ２ｂに向けて搬送
させるようにする。それにより汚泥は汚泥取入樋
１２の上り勾配部分１２ｄ及び開口部１２ｆを経
て他側のトラフ２ｂに入り槽外へ流出排除され
る。

このようにして、走行架台４は往復動を繰返
し、その往復動のいずれにおいても汚泥取入樋１
２を揺動して汚泥の取込み、排出を行い、浮上槽
１内の浮上汚泥を遂次能率よく除去するのであ
る。

なお、前記実施例においては、走行架台４の駆
動とスクリユーコンベヤ８の回動とを各別の駆動
装置により行つているが、これは同一を駆動装置
により行うようにしてもよい。また、汚泥取入樋
１２の揺動切換えも、これ専用の駆動装置によら
ず、例えば車輪５や回転軸９等の動作から機械的
な伝達を利用して行うようにしてもよい。

以上説明したように、この考案は、浮上槽をま
たいで往復動する走行架台にスクリユーコンベヤ
を架設すると共に、その外周に沿つて揺動切換え
自在として汚泥取入樋を設け、走行架台の往復移
動にあたつて、汚泥取入樋の進行側にあたる端縁
を水面下に浸入させ得るようにしたので、走行架
台の往復動にいずれの移動時においても浮上汚泥
をすくい取り、スクリユーコンベヤによりトラフ
内に搬送して能率よく除去することができると共
に、汚泥取入樋により汚泥をすくい取るので、浮
上汚泥を掻き乱し分散させることなく、汚泥の沈
降を防止して除去効率が良好である等、多くの利
点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案装置の一実施例を示す正断面
図、第２図は同要部の概略側断面図、第３図は走
行架台往動時の汚泥取入樋の状態を示す側断面図
である。 １……浮上槽、２ａ，２ｂ……トラフ、４……
走行架台、７……支持杆、８……スクリユーコン
ベヤ、９……回転軸、１２……汚泥取入樋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対向する内側に汚泥トラフを設けた浮上槽に、
   該槽をまたいで往復動する走行架台を設け、該走
   行架台には、対向する両トラフ間にわたつてスク
   リユーコンベヤを架設すると共に、該スクリユー
   コンベヤの外周に沿つた揺動自在とした汚泥取入
   樋を設け、該汚泥取入樋には、走行架台の往復動
   にあたつて、その前縁または後縁を交互に水面下
   に浸入させる揺動位置交換手段を設けたことを特
   徴とする、浮上汚泥の除去装置。